松坂大輔引退登板。まだ整理がついていないが、あの全5球で松坂の現状を理解した。引退会見でも発揮した名言マシーンっぷりはやっぱりスーパースター

松坂大輔引退登板。まだ整理がついていないが、あの全5球で松坂の現状を理解した。引退会見でも発揮した名言マシーンっぷりはやっぱりスーパースター

2021年シーズン限りで現役引退を表明している西武ライオンズの松坂大輔が10月19日の日本ハム戦(メットライフドーム)に先発登板し、先頭打者の近藤健介と対戦。5球を投げてフォアボールを出し、ラスト登板を終えた。
 
 
2019年12月に古巣西武ライオンズ復帰が発表された松坂大輔。
ところが新型コロナウイルスの影響で開幕が遅れた2020年シーズンは最終的に一軍入りを逃し、直後に首の痛みと右手のしびれを訴え同年7月に脊椎内視鏡頸椎手術を受ける。
 
その後も懸命にリハビリを続けたものの症状は改善せず。2021年7月7日に今シーズン限りでの引退を決断している。
 
 
なお、引退登板となった2021年10月19日の日ハム戦では全5球を投じ、最速は118km。
本人は試合前の会見で「本当は投げたくなかった」「どうしようもない姿かもしれないけど、最後の最後、全部をさらけ出して見てもらおうと思った」とコメントするなど、すでに身体が限界だったことを告白している。
 

松坂大輔のラスト登板を受け入れられずにいる。今後ここまで心を動かされるスポーツ選手が出てくるんだろうか

松坂大輔の引退登板。
 
とうとうこの日がきてしまったというか、わかってはいたけど受け入れられずにいたというか。
 
数日前に先発登板が発表された松坂が一軍に合流したと報道されたのが10月18日。
 
「西武松坂大輔1軍合流、捕手座らせ投球練習20球 あす19日引退試合」
 
そこから引退会見→本番→試合後の胴上げと、あっという間に過ぎていったわけだが。
 
 
僕自身、何度も申し上げているように松坂大輔の大ファンであり、中日ドラゴンズ入りした2018年のプチ活躍には身体の水分がなくなるほど号泣させられている(ちょっと大げさか?)。どんな状況になっても最後まで復活を待ち続けていた人間である。
 
それこそ松坂以上に心を動かされるスポーツ選手はこの先出てこないんじゃないか? というくらい、松坂大輔という投手には強い思い入れを持っていた。
 
松坂大輔の熱い123球に感動ww やっぱりすげえわコイツ。あの空気感を出せるのは選ばれた選手だけ
 
頚椎と右手のしびれが解消せず、手術に踏み切ったのが2020年7月。
ところが待てど暮らせどその後の音沙汰がなく、今シーズンの春キャンプでもまともに投げていないとのこと。これを聞いて「さすがにダメそうだな」と思っていたのが正直なところである。
 
だが、いざ引退が正式発表され、ラスト登板を迎えてみると……。
ある程度覚悟はしていたつもりだったが、どうにもこうにも自分の中で整理がつかない状態が続いている。
 

全5球に松坂の現状を理解する。現役にこだわり続けた男が「本当は投げたくなかった」と告白した最後の姿

前回、松坂引退の報道を知った直後に僕は松坂大輔の「圧倒的な躍動感、背中から漂う悲壮感と哀愁がたまらなくカッコよかった」と申し上げている。
 
松坂大輔引退表明…。多くのものを背負って腕を振り続けた旧世代の生き残り。圧倒的な躍動感、背中から漂う悲壮感と哀愁がたまらなくカッコよかった
 
常に双肩に何かを背負い、後先を考えずに“今”を生きた。
多くの人の期待に応えるため、重圧をはねのけるために今この瞬間にすべてを燃やし尽くす。
「長いシーズンをトータルで考える」といった合理的な考えよりも、迷いなく自分の思いを優先する旧世代の生き残り。
 
いいか悪いかの理屈ではない。
ためらうことなく未来を捨てて腕を振り続けるのが松坂大輔。
その姿、背中から漂う悲壮感と哀愁に誰もが目を奪われてしまう。
 
 
そして、ラスト登板となった10月19日の投球映像が下記。

全5球で最速は118km。
 
プロデビュー戦でいきなり155kmを投げ込み野球ファンの度肝を抜いた面影はなく、一瞬「変化球か?」と見紛うような山なりの球に松坂大輔の現状を理解する。
 
 
どれだけ成績が残せなくとも、“松坂は終わった”と言われようとも

「よく晩節を汚すって言いますけど、だから何なの?って思いますね」

「中日ドラゴンズ・松坂大輔投手」
 
と言い続けて現役にこだわり、引退発表後も

発表したものの、僕自身なかなか受け入れられなかった。気持ちが揺れ動いていた。
発表してから3カ月間、やれそうだなって思った日は一度もなかったですね。

「松坂大輔、涙の引退会見 「受け止めてはね返す力がなかった」」
 
最後の最後までマウンドにしがみこうとした。
 
 
その松坂がついに

最後は心が折れたというか、エネルギーに変えられたものが、受け止めてはね返す力がなかった

ことを認め、

本当は投げたくなかった。これ以上ダメな姿を見せたくなかった

「「ダメな姿を見せたくなかった」松坂が涙の会見、引退試合で「全部さらけ出す」」
 
と口にする。
 
その姿がこれである。
 
 
圧倒的な躍動感はどこにもない。
全盛期の剛速球など見る影もない。
 
だが、背中から漂う悲壮感と哀愁、旧世代の匂いはやはり松坂大輔だった。
 
 
「晩節を汚す? 何それ?」と、自身の衰えを隠そうともしなかった松坂が「これ以上見せたくない」とまで思った姿。
 
相変わらず心の整理はつかないものの「復活してほしい」「まだ辞めるな」という言葉を飲み込むには十分な説得力。あの5球を目の当たりにしたことにより、引退の決意や今日に至るまでの揺れ動き、苦悩を少しは理解できた気がしている。
 

相変わらずの名言マシーン・松坂大輔。心に残る言葉を嫌味なく発するところはやっぱりスーパースター

そして、松坂大輔の名言4つを紹介した記事が下記。
 
「松坂大輔41歳、“栄光のち苦悩”での引退 「ヒジに謝りました。ここまでよく投げてきてくれたねって」と話した日」
 
MLB移籍後に肘を痛めて以降、怪我に苦しんだ松坂大輔の姿を端的に知ることができる内容となっている。
 
イケイケだった10代~20代から一気に成績が落ち込んだキャリア後半。
肩を痛めてフォームをおかしくしたのが2008年とのことだが、絶頂期からの落差、苦悩によって松坂大輔の魅力はより一層増したと言えるのではないか。
 
少なくとも僕は日本のために腕を振りまくった全盛期の松坂も好きだし、MLBラストイヤーとなったNYメッツ時代に不満気な表情でリリーフ登板していた松坂も好き。大幅なモデルチェンジによってプチ復活を果たした2018年の松坂も大好きである。
 
 
引退会見の席で発した言葉がまた素晴らしい。

大きな舞台、目立てる舞台に立てる自分がかっこいいと思うようにしていた

「松坂大輔が語った引退会見のすべて 「だから会見したくなかった」「最後に報われる」」
 
大舞台(WBCやオリンピック、日本シリーズ等)で力を発揮するためには? との質問に対する答えだが、相変わらず名言マシーン・松坂大輔は健在である笑
 
 
前日に仕込んできたわけでも、何かを狙ったわけでもない。
こういう印象的なひと言が嫌味なく出てくるというのは、やはり松坂大輔はスターなのだと思う。
 
40歳を超えても変わらず純粋で屈託のない笑顔を見せる野球小僧っぷり、言葉を選びながら丁寧に答える誠実さを含め、まさしく平成を代表するスーパースターである。

 

奥さんへの誹謗中傷は意味不明だった。柴田倫世さんを叩く理由がガチで見つからない

なお、引退会見の席で松坂はこれまで触れてこなかった家族への思いを口にしていたが、中でも印象に残ったのは家族への批判についての部分。

妻は関係ないところでたたかれたりすることもあって、本当に大変だったと思います。そんなに気持ちの強い人ではなかったので迷惑をかけたと思います

「引退・松坂大輔 誹謗中傷で心もボロボロだった…逆境続いても「沈黙」貫いた理由」
 
松坂に対する誹謗中傷は確かに「やり過ぎだろ」と思うことも多々あったが、それでも僕のように応援し続けるファンも山ほどいたし、一挙手一投足に注目を集めるスター性は唯一無二のものでもあった。
正直、給料や期待値に成績が見合わず非難を浴びる選手の中ではマシな部類だった気もしている(過剰な批判がOKなどと言うつもりはない)。
 
 
だが、完全に意味不明だったのが奥さんへの中傷。
 
松坂の奥さんの柴田倫世さんについては、日テレのアナウンサーだったことはうっすら覚えているが、それ以上でもそれ以下でもない。
特別尖っていた記憶もないし、誰かに媚びていた印象もない。過不足なく番組をこなし、いつの間にか松坂と結婚して退職したなぁくらいの存在である。
 
なので、この人が叩かれる理由が僕にはガチで理解できていない。
 
 
奥さんが銭ゲバ過ぎて松坂が引退できないとか、給料を吸い上げるだけで松坂をほったらかしにしているとか。秒で作り話だとわかる噂が一部で定説のように語られていたり。
 
松坂が太るのは奥さんが甘やかしている説もあったし、松坂が“奥さんのATM化”というふざけた言葉を見かけたこともある。
 
別に柴田倫世さんのことは好きでも嫌いでもないが、少なくともここまで中傷されなくてはいけないほど悪目立ちしていたとは思えない。
 
 
どうやら松坂が家族をボストンに残して単身でいろいろな球団を渡り歩いていることが原因らしいが、いや、それってそんなにおかしい話か?
 
松坂と同じMLBから日本に復帰した黒田博樹も上原浩治も単身ホテル暮らしだったと思うが、理不尽な批判を浴びていた覚えはない。
 
そもそも論として、松坂の奥さんが銭ゲバだったとして何がいかんの? 誰かに迷惑かかってんの? としか 思わないのだが。
仮にこの夫婦が数年後に離婚したとして、それがお前らに関係あるの?
みたいな。
 
 
引退後の松坂は西武からの首脳陣入りをオファーを断り、しばらくは家族との時間を大事にするとのこと。
こういう話を聞くと、お疲れさまでしたと思う反面、これまで散々柴田倫世さんをおもちゃにしてきた人間に対する軽蔑心が湧き上がってくる。
 

Advertisement

 

 

 

 

【個人出版支援のFrentopia オンライン書店】送料無料で絶賛営業中!!