マグダレノvsビセンテ、減点4+反則負け!? 何ともリアクションの取りにくい…。シャクールの試合と分けた理由も不明だった【結果・感想】
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2020年6月11日(日本時間12日)、米・ネバダ州ラスベガスで行われたS・フェザー級10回戦。
元WBO世界S・バンタム級王者ジェシー・マグダレノと同級11位イェニフェル・ビセンテの一戦は、マグダレノの10R1分38秒反則勝ち。今後のタイトルマッチ挑戦に向けて一歩前進した試合である。
トップランク興行再開第2段のメインを務めた元王者ジェシー・マグダレノ。
初回に得意の右フックで早々にダウンを奪うと、その後も距離感と1発の正確さでビセンテをリードする。
対するビセンテは強引な前進+右のフルスイングで果敢に攻める。
何度もマグダレノをコーナーに詰め、渾身の右を振り抜く。だが、4Rにローブローを連発してしまい、まさかの1Rに減点3を与えられる。
5Rに再びダウンを奪ったマグダレノだが、ビセンテの躊躇のないスイングになかなか手数が増えない。
どうにか突破口を見出したいビセンテは最終10Rも積極的に攻めるが、ラウンド序盤にこの日3度目の減点を喫し、再開直後のローブローでついに失格負けを告げられてしまう。
これで戦績を28勝1敗18KOとしたマグダレノは、次戦以降でWBC王者ゲイリー・ラッセルJr.への挑戦を希望しているとのこと。
1位マグダレノ失格勝ち ラスベガス再開第2弾 ビセンテは低打で3度減点 https://t.co/Ek27dlPqIA
— ボクシングビート (@beat_macc) June 12, 2020
リアクションの取りにくい試合だった。どちらかと言えば退屈でした
先日のシャクール・スティーブンソンvsフェリックス・カバラロ戦に続き、トップランク興行再開第2段となった今回。
元WBO世界S・バンタム級王者ジェシー・マグダレノがイェニフェル・ビセンテに勝利し、2018年4月の王座陥落以降、3連勝を飾ったわけだが……。
何と言うか、非常にリアクションの取りにくい試合だった。
先日のシャクールvsカバラロ戦のような一方的な内容ではなかったものの、とにかく観るのがしんどい。
ビセンテの再三にわたるローブローと、警戒心が強過ぎて手数が出ないマグダレノ。荒れた試合と呼ぶべきなのかは不明だが、どちらかと言えば退屈だったというのが本音である。
ビセンテはなかなかいい選手だった。躊躇のないフルスイングの右が強力。マグダレノはS・フェザー級では小さい気が…
まず失格負けを喫したイェニフェル・ビセンテはそこそこいい選手だったと思う。
ガードを上げてじりじりと前に出て距離を詰め、ちょんちょんと左を軽く出しながら間合いを調整する。
そして、タイミングを合わせて顔面orボディのどちらかに右のフルスイングを浴びせるわけだが、この右にまったく躊躇がない。
ガードはガラ空きで打ち終わりのケアもヌルい。そこから連打が続くわけでもない。
だが、いっさい躊躇することなく振り抜く右は迫力満点で、マグダレノも最後まで警戒を解くことができなかった。
攻撃のバリエーションが少なくスピードもないためにうまくカウンターを合わせられてしまったが、工夫次第ではそれなりにハネそうな選手にも思える。
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対する元王者のジェシー・マグダレノについてだが、正直S・フェザー級では小さ過ぎる気がする。
もともとこの選手は右フックが得意で、アイザック・ドグボエからも抜群のカウンターでダウンを奪っている。今回の試合も1Rと5Rにそれぞれダウンを奪うなど、タイミングとキレは相変わらず素晴らしい。
だが、復元力が低く打ち終わりにカウンターをもらうケースが目立つのも特徴。上記のドグボエ戦では左を振り抜いたあとに再三連打を浴びた結果、終盤にダメージが噴き出し敗北を喫している。
その上、階級アップによって馬力も目減りしていて、今後は相手の攻撃力を警戒する必要性も増す。
躊躇のないフルスイングでローブローを突き刺すイェニフェル・ビセンテ。
1発の精度、フットワークでは上回るが、警戒心が強くなかなか手が出ないジェシー・マグダレノ。
凄まじいタイミングと角度でマグダレノの下腹部に突き刺さるビセンテのローブロー以外、あまり山場と呼べるシーンがなかったというのが個人的な感想である。
イェニフェル・ビセンテってアレか。トレメイン・ウィリアムと判定までいった選手か!! 確かに結構強かったもんな
なお、イェニフェル・ビセンテという名前をどこかで聞いたことがあるなと思っていたのだが、ようやく思い出した。
2019年7月にトレメイン・ウィリアムスと対戦し、3-0で判定負けを喫した選手。
トレメイン・ウィリアムは元アマチュアエリートのカウンター使いで、2017年に立て続けに5試合をこなして一気に期待が高まったところ。
だが、2018年はわずかに1試合とあっという間に試合枯れ。
2019年は3試合をこなしたものの、ようやくイェニフェル・ビセンテ戦でWBOのNABOタイトルを獲得するという歩みの遅さである。
ジェイ・Z主催のロック・ネイション所属とのことだが、同じトップアマ出身のシャクール・スティーブンソンに比べてあまりに扱いが違う。こういうのを見ると、やはりプロモーター選びは大事だなと感じさせられる。
そして、この試合でもイェニフェル・ビセンテはまあまあ健闘していた記憶がある。
身体能力の高いカウンター使いという、ギジェルモ・リゴンドー的なトレメイン・ウィリアムスを相手に無遠慮に前に出続け、最後まで躊躇のないスイングを浴びせ続けた。
攻撃パターンが少なく隙も多い選手だが、やはり実力はそれなりに高い(ように思える)。今回のマグダレノ同様、“待ち”の相手とはこういう試合になりやすい感じか。
というか、ゲイリー・ラッセルJr.に挑戦するならマグダレノよりもトレメイン・ウィリアムの方が可能性がありそうな気はするが……。
スポーツにおける地域格差、経済格差の不平等ありきで観るのも楽しい。身体能力抜群の地味強黒人ファイター3人出場のPBC興行おもしろかった
わざわざシャクールとマグダレノの試合を分けた意図がわからない…。1つのイベントにして週末開催じゃアカンかったのか?
ちなみにこれは単純な疑問なのだが、前回のシャクール・スティーブンソンvsフェリックス・カバラロ戦と今回のジェシー・マグダレノvsイェニフェル・ビセンテ戦を別々のイベントに分けたのには何か理由があったのだろうか。
わざわざ2回に分けて平日にやるより、週末開催で1つのイベントに集約させた方がよっぽど注目も集まったと思うのだが。
日本のRIZINが夏のメガイベント開催を目指しているという噂があるが、要はそういうこと。再開1発目のイベントはなるべくデカい花火を打ち上げるのが基本だと思っていたので、トップランクの意図がいまいち理解できていない。
他のプロモーションに先んじて数打つ必要があったのか。
平日開催なら経費が安く抑えられるのか。
無観客+配信なので週末開催である必要性が低いのか。
理由づけはいくらでもできるが、どれも決め手に欠ける。
それこそ6月6日と6月11日のわずか2日のタイムラグにどこまで影響があったの? という話。
恐らく素人の僕にはわからない事情があるのだと思うが、先日も申し上げたようにUFCの力の入れ具合を散々見せられている分、謎は深まるばかりである。
ベルチェルトvsバレンズエラ感想。ベルチェルト遅過ぎる。ボクシングはそれでいいのかビバ・メヒコ。調整不足を見せるための調整試合
こっちは脂のたっぷり乗った身体にわっる〜い高カロリーのヤツを欲しているのに、極限まで薄めたアメリカンを出されて「さあ、お待ちかねのメインディッシュですよ」「おいしく召し上がれ」と言われてもねww
コーヒーどころか、単なる色つきの水じゃねえか。
どんだけヘルシー志向なんだよ。
みたいな。
何となくだが、「散々引っ張った挙句、旬を逃す」というボクシングの悪い部分が今回も出てしまった気がしないでもない。
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