日本一恵まれた男、河野公平がレックス・ツォーに敗れる。中国の英雄に打撃戦の末に負傷敗戦。惜しい! 勝てる試合だったな【結果・感想】

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香港イメージ
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2017年10月7日、中国・香港コンベンション&エキシビジョンセンターで行われたWBOインターナショナルS・フライ級タイトルマッチ。
WBO世界S・フライ級2位レックス・ツォーに、元WBA同級王者河野公平が挑戦した一戦である。
 
 
12回戦で行われたこの試合、初回から持ち前の突進力で前に出る河野に対し、ツォーは長身からの打ち下ろしとハンドスピードで対抗する。
 
手数では河野、1発の精度ではツォーという展開でスタートした序盤だったが、2Rに偶然のバッティングでツォーの額に拳大のコブができてしまう。
 
無尽蔵のスタミナで前進を続ける河野の圧力を受け止めきれなくなったツォーは、中盤から徐々に懐に入られる場面が増える。
 
要所でカウンターをヒットするものの、再三ボディを打たれて少しずつ身体が丸まる。
 
「フォルトゥナがイースターに挑戦だ? これまた厳しいお話で…。あんな全部のパーツが長いヤツの顔にパンチが当たるんかいな」
 
だが、流れが完全に河野に傾いた6R。
序盤のバッティングの影響でツォーの左目が完全にふさがり、ラウンド終了とともに試合がストップされる。
そのまま試合は判定となり、3-0(68-66、68-66、68-66)でツォーの勝利が告げられた。
 
「京口世界王座!! アグルメドとの激戦を制す。いいですね京口! こういう試合が観たかった。最短世界一は無意味? まあ商売だから」
 

あ〜、河野負けた〜。勝てそうだったのに、これは悔しいな……

河野惜敗!!
流れを掴んだところで負傷ストップ!!

 
“タフボーイ”河野公平が負けた。
 
2016年末、井上尚弥にキャリア初のKO負けを喫して以来、今年7月の再起戦でTKO勝利。
再び世界戦線に乗り込むべく、満を持して中国のリングへ参戦したというのに。
しかも、内容的には完全に圧倒していたのに。
 
「ヤファイが無難に石田匠に勝利。うん、石田全然間違ってない。アレで正解だしアレしかない。やっぱりヤファイに勝てるのはアイツだろ」
 
まあツォーの目の塞がり方からも、あのストップは仕方ない。だが「まさにここから」というタイミングで止められたのは何とも……。
コンディションもよさそうだっただけに、残念で仕方ない。
 
「木村翔はワシが育てたww ゾウ・シミンにアウェーでジャイアント・キリング!! 大観衆の前で中国の英雄にTKO勝利」
 

河野に衰えはまったくない。相変わらずトップレベルの力を保持している。でも、あのストップも判定結果も納得かな

とりあえず試合を観て思ったのが、河野公平に衰えは見られないということ。
 
相手の周りを旋回しながら、徐々に半径を狭めるように近づくプレスも健在。
至近距離での回転力と命中率の悪さもこれまでとまったく変わらず。
ハンドスピードのあるツォーの左にもカウンターを合わせていたし、必殺の右にも錆つきは感じられなかった。
 
特に、この選手の間合いを詰める手際は本当にすごい。
 
大きく足を開いてサイドに左足を踏み出し、進行方向を限定。
左ジャブで誘い出し、右側に先回り。
相手がサイドステップで距離をとろうとすれば、すぐに大股で正面に回り込む。
 
「アンカハスvsコンランが楽しみ。こんなロックな兄貴を観たことがないww そして、有村藍里が好きな俺もロックだろ?」
 
瞬時に歩幅を変えて相手の逃げ場を塞ぎ、あっさり自分の間合いに入り込む。この方向転換の瞬発力は、井上尚弥の左もかいくぐるほどの精度を誇る。必殺のカウンターと並ぶ、河野の最大の持ち味である。
 
「井上vsリカルド・ロドリゲス感想。だーめだ、ムリムリ無理無理。無謀な挑戦お疲れロドリゲス。井上はさっさと階級上げなさい」
 
そして、何と言っても至近距離での回転力と命中率の悪さ。
距離を詰めて打ち合うタイプなのに、至近距離での当て勘がすこぶる悪い
右腕にあんな超絶カウンターを搭載しているのに、なぜか詰めを手間取るという謎。
 
「比嘉がマソンを圧倒。打倒井上尚弥一番手キタんじゃない? 井岡よりも普通に強いんジャマイカ? あ? 武井壮? ブロックしちゃいなよ」
 
こういうちぐはぐさも含め、目が離せないというか、本当に不思議な魅力を持った選手である。
 
とにかくコンディション的には井上戦前後とまったく変わらず。まだまだトップレベルの力を残していることがはっきりしたのではないか。
 
 
ただ先ほども申し上げたように、あのタイミングでのストップは十分納得できる。2Rのツォーのスリップも、ダウンに見えなくもないが許容範囲ではある。
判定も3人のジャッジがまったく同じポイントをつけており、結果に文句をつける部分は見当たらない。
 
「リナレスはキャンベルに二度と関わるなww 2-1の判定でスレスレ勝利。危ない試合だった。再戦したら負けるんでない?」
 
主導権を支配し、内容では圧倒していたが負けは負け。
恐らく河野自身、この試合に賭けていたはずで、それだけにショックは大きかったと思う。
 
それでも、これがラストになってしまうのはあまりにもったいない。何とか再起してほしいが、果たしてどうなるか。
 
「クローラvsバーンズ感想。もの足りない人同士の壮絶サバイバル。両者が足りない部分を攻め合う駆け引き」
 

レックス・ツォーもいい選手。長身のサウスポーだけど、フィジカルが足りないかな。河野公平との相性は最悪ですね

対するレックス・ツォーについて。
 
今回を含め、この選手の試合をいくつか観たところ、恐らくレックス・ツォーの理想型はヒルベルト・ラミレス
 
「消耗戦ゴルァw ヒルベルト・ラミレスvsジェシー・ハート。フラッフラで打ち合う疲労感満載の壮絶なシーソーゲーム」
 
長身を活かして相手との間合いを一定に保ち、持ち前のハンドスピードでコンビネーションを叩き込む。
サイドに回るなど、サウスポーの優位性を利用するのではなく、どちらかというと相手と正対して体格とスピードで圧倒するスタイル。
何となくだが、これまではポテンシャルの高さで勝ちきってきた感が強い。
 
「井上尚弥がヨアン・ボワイヨと年末ファイト。余裕? の勝利でいけるのか? 2月の米国参戦も視野」
 
だがその分、フィジカル面が脆弱で、インサイド勝負を挑まれると脆い。
パンチのスピードもあるし、足も速い。
ただ、ポジショニングに対する意識が低く、カウンターを被弾しても気にせず真正面からプレスをかけるタイプには苦戦を強いられてしまう。
 
つまり、河野公平との相性は最悪に近い。
 
 
恐らくツォー陣営は河野のことを組し易しのロートルだと思っていたはずで、オッズも開いていたと聞く。
 
だが、河野公平のファイトスタイルを見れば、一番ぶつけてはいけないタイプというのは一目瞭然である。
そもそも亀田興毅に勝利し、リボリオ・ソリスや佐藤洋太にも肉薄した河野公平に簡単に勝てるわけがない。
 
「こんなん予想できるかww ジャーメル・チャーロが怪童ルビンをワンパンKO!! まさかの1R決着で注目の対決を制す」
 
逆に相性が悪いことを承知で河野を選んだとすればすごいし、実際この試合で得た経験値はかなりのものだと思う。
 
身体全体のパワーが増せばアンカハスと双璧になれる可能性もあると思うし、あの足の速さでポジションに気を使えばオレクサンデル・ウシクの下位互換くらいにはたどりつけるかも。
 
「絶望の帝里木下。アンカハスに手も足も出ずにKO負け。全局面で完敗でしたね。ぐうの音も出ないほどの一方的な試合」
 
一応、スペック的には井上尚弥に対抗できそうなものを持っているだけに、今後の覚醒に期待したい選手ではある。
 
てか、レックス・ツォー(30)なのか。
パッと見童顔だし、てっきりレックス・ツォー(26)くらいだと思ってた。
 
「木村翔が五十嵐を根元から粉砕。大振りで恐怖を植え付けて真ん中を右でドーン。圧巻の五十嵐対策でしたね木村翔」
 
おいおい、あんまり時間ねえじゃねえか。
モタモタ地元の英雄やってたら、あっという間にゾウ・シミンになっちゃうぞww
 
「石田匠がヤファイに勝利する方法を考える。って、7万人?! ゴメン、意味わからんww ボクシングやる規模じゃねえわww」
 

歴代日本人選手の中でも類を見ないほど重厚なキャリアと恵まれたマッチメーク

毎度思うのだが、河野公平という選手は本当に恵まれている。
 
世界王座への挑戦回数が都合5度で、そのうち3度戴冠。
しかも、今回も当たり前のように6度目の挑戦に向けて走り出している。
 
対戦相手も佐藤洋太、トマス・ロハス、ペッチバンボーン、テーパリット、リボリオ・ソリス、デンカオセーン、亀田興毅、ルイス・コンセプション、井上尚弥、レックス・ツォー。
もはや、ここまで骨太のキャリアを積んだ日本人選手が過去にいたのかというくらい。
しかも亀田戦では米・シカゴ、今回は香港と、海外のリングでの経験も豊富。
 
「ポール・バトラーがスチュアート・ホールを当て逃げで下す。そうそう、井上尚弥相手にこれをできるヤツを探してんのよ」
 
選手としてのクオリティは内山高志の方が上だとは思うが、経験値とくぐった修羅場の数では雲泥の差がある。まさに覚醒した凡人というヤツ。
 
長身オーソドックスの佐藤洋太や、インファイトのスペシャリストであるリボリオ・ソリス。サウスポーのカウンター使いの亀田興毅。スピード&パワーと超絶カウンターの井上尚弥。
そして今回のツォー戦で、長身のサウスポーという経験値も手に入れてしまった。
 
 
基本的に僕は隙間を見つけて世界王者を狙うべきだと思っているし、世界戦のチャンスがあればさっさと飛びついた方がお得だと思っている。無理に国内のサバイバル()とやらを勝ち抜くより、世界への近道を探す方がはるかに効率がいい。
 
「WBOAP王座がしょーもないなんてことは絶対ないから。小原佳太がWBOアジア・パシフィック・ウェルター級王座決定戦に勝利して新王者に」
 
だがその僕でも、河野公平のキャリアにはお見事の言葉しかない。
 
恐らく相手からすれば組し易しに見えるため、次々に声がかかるのだろう。そして、その中でしっかりチャンスをものにしてきたのだからすばらしい。
 
ファイトスタイルや言動から、地べたを這いずるように努力を重ねた雑草選手のイメージが強いかもしれないが、それ以上に「持っている」選手でもある。
何度もチャンスを引き寄せる運と、それをつかみ取るための努力と確かな実力。
まさしく“タフボーイ”そのものである。
 
というか、河野って意外とデカいからな。
身長167cm、リーチ172cm。
インファイターだし、パッキャオみたいな髭を生やしてるし、一見小柄な突貫型に思えるけど、全然違うからね。めっちゃカウンター使いだからね。
 
170cmのレックス・ツォーごときが、身長差で何とかしようなんて甘いんですよww
 
「ジャーボンティ・デービス体重超過ww フォンセカにKO勝利もさっそくネタキャラ化。尾川が防衛戦キャンセル? ええやん別に」
 

2018年のSuperFly Vol.2に河野公平を呼びませんか? 集大成として、河野vsヤファイ戦が観たいぞ

ちなみに2018年春に計画されているというSuperFly Vol.2。どうやら井上尚弥は出場を回避する予定だとか。
 
それなら、思いきって河野公平に声がかからないだろうか。
 
「隠れ名選手グラナドス。フォルトゥナをリング外にすっ飛ばして無効試合。グラナドスはちょっと河野公平っぽいよね」
 
実現性を無視して言うなら、カリド・ヤファイvs河野公平戦が観たい。
河野のプレスならヤファイの動きでも捉えられるだろうし、あの諦めないファイトスタイルなら喜んでもらえると思う。
 
「村中優惜しい!! ヤファイを追い詰めるが、最後の最後で失速。敵地で絶好のパフォーマンスは次につながるんでねえか?」
 
もちろんヤファイが石田匠に勝利し、なおかつSuperFly Vol.2に出場することが大前提なのだが。
 
得意のプレスで河野がヤファイを追い詰め、いい感じの連打で押し込む。
そして、いい感じで判定負けできると思うのだが(負けんのかい!!)。
 
というか、これだけのキャリアを歩んだ選手なら、集大成としてクソほどデカい舞台を用意して欲しいですよね。ここまで負けていれば、プロテクトの必要もないだろうし、ジムの主役は内山から京口に移ったし。
 
「比嘉大吾vsトマ・マソン予想。トリプル世界戦の中で唯一楽しみな試合。余裕ぶっこいてると危ないんじゃないの?」
 
あと申し訳ないんですが、河野公平のBoxrecを見ようと思って「kono」って検索すると、予測変換で「このハゲ」って出てくるの止めてもらえないっすかww
 
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