ロマチェンコ圧勝。リゴンドーにもノーマス。体重差じゃないぞ? 相性が悪過ぎた結果だぞ? もともとリゴに勝機はほとんどなかったからな?【結果・感想】

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チェスボードイメージ
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2017年12月9日(日本時間10日)、米・ニューヨーク州で行われたWBO世界S・フェザー級タイトルマッチ。同級王者ワシル・ロマチェンコが、ランキング1位でWBA世界S・バンタム級王者ギジェルモ・リゴンドーと対戦。6R終了TKOで勝利し、4度目の防衛に成功した。
 
「ロマチェンコにno masされない選手は誰? 階級を上げても無双は続くの? どこかに勝てる人はいないの?」
 
2大会連続五輪金メダリスト同士の対決となった今回。
 
序盤から積極的に前に出るロマチェンコが早々にペースを握り、リゴンドーを追い詰めていく。
リゴンドーも時おり強烈な左のオーバーハンドで破壊力を見せるが、ロマチェンコは楽々ガード。なかなか有効打を奪えない。
 
近距離で右の連打を浴びせるロマチェンコ。
リゴンドーは再三クリンチで凌ぐが、なかなかそこからの攻撃の機会を得られない。
サイドに回ってのダッキングでロマチェンコの猛攻をかわすものの、5Rには下からアッパーを突き上げられてしまう。
 
そして試合はロマチェンコペースで中盤を迎え、6R終了時にリゴンドーが棄権を申し出て終了。
最高峰のテクニシャン対決と言われた一戦をロマチェンコが完勝でクリアした試合である。
 
「それでも僕はレイ・バルガスを諦めないww ネグレテに大苦戦の末に判定勝利。やっぱりボロボロでしたね」
 

リゴンドーどうしようもなかったな。でも、ロマチェンコは勝ってよかった。メリットの少ない勝負だったからね

う〜〜ん、
まあ観ての通りというか、どうしようもなかったというか。
「やっぱり、そうだよね」というか。
 
リゴンドーに勝ち目はほとんどなかったなぁというのが、僕の率直な感想である。
 
「挑発大好きサンダース君がレミューをヒラヒラかわして大差判定勝利。さすがサンダースww 予想以上にいい選手」
 
この試合が決定して以降、両者の過去の試合を観て脳みそを捻ってみたのだが、出た結論は「ロマチェンコの勝利」
何度シミュレーションしても、リゴンドーに勝てる見込みはほとんどない。予想記事でも申し上げた通り、割とガチでロマチェンコのワンサイドゲームになるのではないか? と思っていた。
 
「ロマチェンコvsリゴンドー予想。利害の一致だろ? 先行きが見えない同士の消去法マッチ。ってゴメン、ちょっと楽しみにしてるw」
 
だが、世間の声は必ずしもそうではなく。
「リゴンドーにも十分勝機はある」という意見から、むしろ「リゴンドーが判定勝利するのでは?」という予想まで。
もちろん希望込みの意見だったとは思うが、ロマチェンコの圧勝としか思えなかった僕にはかなり意外だった。
 
「大竹がドグボエに負ける要素が見当たらない件。世界王座初戴冠おめでとう大竹秀典。どうせ勝つから今から祝福しとこうぜ」
 
基本的にビビりな僕は、おかげで自分の予想への自信があっさりと揺らぐ始末。「わからない」「まったく自信はない」などとほざくに至った次第であるww
 
まあ結果的にロマチェンコが完勝してくれたのは本当によかった。
予想云々はもちろん、今回の「リゴンドー=ベビーフェイス、ロマチェンコ=ヒール」という図式の中で、ロマチェンコがきっちり勝ちきったことは普通にハッピーだったと思う。
 
「拳四朗は和製ロマチェンコを目指せ。ゲバラに消耗戦で勝利!! だけど、これじゃない感半端ない」
 
いや、だって。
……ねえ。
この試合って、明らかにロマチェンコにメリットが少ないですからね。
 
「フォルトゥナがイースターに挑戦だ? これまた厳しいお話で…。あんな全部のパーツが長いヤツの顔にパンチが当たるんかいな」
 
何度ももらったチャンスをみすみす逃した(活かす気もなかった)リゴンドーと、プロ仕様にマイナーチェンジして、観客を意識したファイトを見せてきたロマチェンコ。
お互い相手が見つからない同士と言っても、「不遇」の意味合いが違いますからね。
 
やっぱりロマチェンコに勝ってもらいたかったですよ僕は。
ええ。
 
「尾川カター!! ファーマーに2-1の判定勝利。やったぜ尾川ww あの右は期待できると思ってたぞ! 僅差で世界タイトル初戴冠!!」
 

両者の相性が悪過ぎたかなと。体重差は思ったよりも影響していなかった気がするよ

試合内容についてだが、基本的には表題の通り。
両者のスタイル的に、リゴンドーに勝てる見込みはほとんどなかった(気がする)。ロマチェンコの圧勝は、決して体重差のせいではない(と思う)。
 
イメージとしては体重差3割、相性7割。
結果的に6Rにリゴンドーが棄権を申し出たわけだが、あのまま続けていても恐らく状況は変わらない。一方的にロマチェンコが圧倒して終わるか、どこかでKOしていたか。
 
リゴンドーは「左拳を痛めたせいで続行が不可能になった」と言っているようだが、たとえそれがなくても似たような結果になっていたのではないか。
 

達人同士のせめぎ合いは2Rで勝負あり。距離を支配されたリゴンドーが手詰まり感を漂わせる

とりあえず、この試合の見どころは至近距離での打ち合いに持ち込みたいロマチェンコと、離れてカウンターを叩き込みたいリゴンドー。
どちらが自分の得意な間合いをキープできるか。ほぼそれだけと言っても過言ではない。
 
「マティセ圧勝すげえ! テワ・キラムに何もさせずに8RKO勝利。レベルが違い過ぎたかな。ここまで圧倒するとは」
 
そして、リゴンドーはその勝負にあっさりと敗れてしまった。
 
「エキサイトマッチ総集編2017の感想。解説陣4人とゲストの村田諒太でビッシリ。おっさんたちの人口密度ゴルァww」
 
1R開始直後。
積極的にワンツーを放っていくリゴンドーだが、ロマチェンコはバックステップとガードであっさり防ぐ。そして身体を振りながら間合いを詰め、右の小さなフェイントでリゴンドーの踏み込みを封じていく。
 
リゴンドーも時おり右のボディストレートを放つが、ロマチェンコの出入りを躊躇させるほどではない。
 
続く2R。
わずかに近づく両者の距離。
1Rの時点では両者のつま先に拳1つ分ほどのスペースがあったが、このラウンドからはシューズの先が触れるか触れないかの位置。ロマチェンコが踏み込むたびに、前の足同士がガッチリ交差する。
 
思うに、この試合の勝敗は十中八九ここで決まったのではないか。
 
初回から積極的に左を振り、タイミングを測っての右ボディストレート。
立ち上がりのリゴンドーは、明らかにロマチェンコに警戒心を植え付けようとしていた。
 
だが、ガードとバックステップ、左右への動きであっさりと防がれ、思ったよりも効果が見られない。
 
逆に、初回の攻防でリゴンドーの距離感をある程度掴んだロマチェンコは、ガードを上げたまま半歩間合いを詰める。自身の右リードが届く位置で、なおかつリゴンドーが左を振り切れない位置まで近づく。
 
予想記事でも申し上げたが、僕はこの距離の奪い合いがもう少し白熱すると思っていた。
 
ガードを上げて近づくロマチェンコと、超絶的な左で迎撃するリゴンドー。
恐らくロマチェンコは自分からは手を出さず、ガードを上げた攻防分離のスタイルでリゴンドーのカウンターの機会を奪うはず。その状況に追い込まれた際、リゴンドーがどう対応するか。そこが勝負の分かれ目であり、この試合の一番の見どころだと考えていた。
 
だが、実際はリゴンドーがあっという間に距離を支配され、危険地帯への立ち入りを許してジ・エンド。
詰まった距離は拳1つ分程度だが、達人同士の試合ではそれが大きな差になったのだと思う。
 
「コバレフがシャブランスキーを倒しまくり再起戦に勝利。かっこええわ~コバレフ。やっぱり破壊神が王座にいないとね」
 
インサイドでは勝負にならないリゴンドーに、至近距離でできることはクリンチのみ。後退してロープを背負えばハリネズミ連打に晒され、遠い位置でのカウンターチャンスはゼロに等しい。
 
繰り返しになるが、この試合は2Rでほぼ決したと言っても過言ではない。
むしろリング中央で踏ん張っただけでも、ナイス判断と言うべきなのかも。
 

リゴンドーの強打への警戒心は相当強かった。ロマチェンコは左をほとんど使わず、理詰めでリゴンドーを攻略

圧勝で金メダリスト対決を制したロマチェンコ。
ただ、一応申し上げておくと、リゴンドーの強打への警戒心はかなり強かったように思える。
 
インサイドを支配しても、これまでのように激しく左右に動くことはせず。極力ガードと上体の動きを重視する意識が感じられた。
何より全局面においてほとんど左を使っていないことが、その証拠だと思う。
 
「ロマチェンコ攻略の糸口見っけ? マリアガボッコボコ。今日も対戦相手をオモチャにして遊ぶ」
 
基本的に至近距離で出すのは右のリードのみ。
それも、カウンターを合わせられないスピードを維持しつつ、リゴンドーをたじろがせる威力をキープしつつ。スピードとパワーを絶妙なバランスで両立し、その中でも微妙な強弱をつける。
ジェイソン・ソーサ戦やミゲル・マリアガ戦のように、無遠慮に連打で煽るような大胆さは今回に関しては見られなかった。
 
インサイドでアングルを変えまくる達人ボクシングには違いないが、それでも慎重さがはっきり感じられたのはおもしろかった。
 
そして、相手の動きをインプットした3R以降はほぼほぼ無問題。
 
強気に正面から近づき、力を込めて右を放つ。
頭を下げてサイドへ回るリゴンドーに対し、すばやく方向転換して左右の連打。
深くダッキングしたリゴンドーのさらに下からアッパーを突き上げ、上体を起こして再び右につなぐ。
 
・誰も追いつけないほどのバックステップの達人
・凄まじいスピードでサイドへ回り込み、サッと身体を入れ替える
“ジャッカル”の異名を持つリゴンドーのすごさとして語られる動きだが、正直、僕はこれがロマチェンコに通用するとは思えなかった。
 
リゴンドーの過去の試合を観ると、実は全局面において自分の距離をキープし続けているわけでない。
どの試合でもラウンド中に1回あるかないか、1試合平均で10回程度の割合でインサイドに入られるシーンが見られ、相手のパンチが顔面をかすめることも多い。
 
特に相手のサイドに回り込んだまま立ち止まり、中途半端な位置でダッキングを繰り返す動き。あれは本当に危ないと思っていた。
ドネアや天笠にダウンさせられたのもあの瞬間を狙われたもので、決して「油断」や「ポカ」「無理矢理」などで片付けられる話ではない。
 
しかも、今回の相手はサウスポーのロマチェンコ。
自ら相手の前に回り込んで停滞するなど、自殺行為に等しい。
ダッキングでの見切りに自信があるのは結構だが、結局あれのおかげでアッパーを突き上げられ、ピンチを広げてしまった。
 
「リゴンドー復帰戦勝利!! ジョバンニ・デルガドを圧倒して1RKO。コイツいつも復帰してんな」
 

何だかんだで「相性の問題」と言わせたリゴンドーがすごかったのかな。でも、今回は「誰が勝てるんだ?」を考える気にはならんな

上述の通り、今回の試合で勝敗を分けたのは両者の相性。
スペースを潰してインファイトに持ち込みたいロマチェンコと、距離をキープしてカウンターを叩き込みたいリゴンドー。
 
だが、リゴンドーがロマチェンコの追い足から逃げ切るのは難しく、遠い位置ではカウンターの機会すら与えられない。
 
サウスポー同士なので、前手の右を小刻みに動かしてジャブを封じる技も使えず、切り札の左を思いきり振るスペースもない。
たまらず頭を下げてサイドに回れば下から突き上げられる。
近場で右の連打に晒され、反撃姿勢に入った瞬間にはすでに目の前にいない。
 
「安全運転で完勝のトラメイン・ウィリアムズ。デリック・マレーに判定勝利。てか、ホントにリゴンドーに似てる」
 
必殺のカウンターも打てない。
頼みの距離も支配された。
 
要は、攻防兼備に見えるほどの攻防分離のロマチェンコに追いかけられた時点で、リゴンドーに勝てる見込みはほとんどなかった。
 
恐らくだが、両者に体重差がなくても結果は似たようなものだったのではないか。ロマチェンコが至近距離の攻防に持ち込むのにもう少し時間がかかったかな? くらいで。
 
なので、今回に関しては「リゴンドーでもダメなら誰がロマチェンコに勝てるんだ?」とは思わない。あまりに両者の相性が悪過ぎて、残念ながら「出るべくして出た結果」という印象が強い。
まあ、ロマチェンコ相手に「相性の問題」まで持ち込んだことがすごいのかもしれないが。
 
 
というか、覚醒したロマチェンコ相手に一番がんばったのが、依然としてめちゃくちゃ批判されたニコラス・ウォータースという事実ね。
 
「ロマチェンコ完勝! ウォータースあへあへギブアップで余裕の防衛成功!! 覚醒したロマチェンコにアックスマン歯が立たず」
 
わかってんのか? ジョー小泉? お?
何か、ウォータースはプロじゃねえとか何とか言ってやがったな?
 
これ、ずーっと言い続けてやるからなww
 
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