ロマチェンコvsペドラザ。オラつけペドラザ。そうすりゃ意外とおもしろくなる(勝てるとは言ってない)から【予想・展望】
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2018年12月8日(日本時間9日)、米・ニューヨーク州で行われるWBA・WBO世界ライト級王座統一戦。
WBA同級王者ワシル・ロマチェンコがWBO王者ホセ・ペドラザと対戦する。
「ロマチェンコ階級の壁? ペドラザに粘られ、久しぶりの判定で王座統一。てか、サイズ差に苦労してるよな」
今年5月にホルヘ・リナレスを10RTKOで下し、戴冠を果たしたロマチェンコ。
だがその試合で肩を負傷し、今回は手術を経ての復帰戦となる。
対するホセ・ペドラザは戦績25勝1敗のテクニシャン。巧みにスイッチを使い分け、連打で相手を翻弄するスタイルを得意とする。
今年8月には、元王者レイムンド・ベルトランに勝利し2階級制覇を達成している。
本人は「賢く戦う自分を見せる」とコメントするなど、この一戦に自信を見せているが、現PFP No.1のロマチェンコにどこまで通用するか。12月のビッグファイトに注目である。
「ワイルダーvsフューリードローww ワイルダーのパンチって何で当たんの? フューリーは2度のダウンから立ち上がる」
復帰初戦に統一戦とは。なかなかリスキーな路線を歩みますね。意外とおもしろい試合になりそうな…
ホルヘ・リナレスとの大激闘を制し、ライト級王座を獲得したロマチェンコ。
今回は2階級制覇王者ホセ・ペドラザとの統一戦とのことで、ここにきてなかなかのハード路線である。
しかも肩の負傷で長期離脱を強いられてからの復帰戦。いきなりこのマッチメークはかなりリスキーな気もするが、PFP No.1のロマチェンコには関係ないということか。
なお、当日はWOWOWエキサイトマッチでも生中継されるので、日本のファンにとっては非常にありがたい。
「スティーブンソンvsグヴォジク!! ま〜たおもしろそうな試合を組みやがってw キャリア終盤に勝負に出たか」
試合展開についてだが、個人的には意外とおもしろくなりそうな気がしている。
最初にこの組み合わせを聞いた際は、
「は? ペドラザvsロマチェンコ? そりゃキツいんじゃないの?」
「煽られまくってハチの巣にされて終わりだろ」
「まあ、ノーマスされないようにがんばって」
などと、完全に冷めていたのだが。
ためしに両者の試合を観直してみて、いやちょっと待てよと。
案外、ワンサイドってほどでもないんちゃうか?
というか、もしかしたらペドラザそこそこやるかもしれんぞ?
などと考え直した次第である(勝てるとは言ってない)。
もちろんロマチェンコ有利には違いないが、やりようによっては「ハイテクに綻びが!!」という展開もなくはない?
「エロール・スペンスvsマイキー・ガルシア本当に決まっちゃった。勇敢なのか無謀なのか。どちらにとってもメリットあるよな」
というわけで、今回はせっかくなのでペドラザがロマチェンコを慌てさせるにはどうすればいいかを考えてみたいと思う。
リーチの長いペドラザ。相手によって遠い位置と至近距離を使い分ける器用な選手
まずWBO王者ホセ・ペドラザについて。
この選手は身長173cmに対し、リーチが180cm。
身長170cm、リーチ166cmのロマチェンコと比べて一回り大きい。
特にリーチの長さはかなりのもので、遠い位置からの長いパンチで相手の出足を止める試合運びを得意とする。
前回のベルトラン戦でも、長く鋭いパンチでパワフルなベルトランの顔を何度も跳ね上げ、終始ペースを渡さずに判定勝利。
階級をアップして以降も、相変わらずこのリーチは大きな武器となっている。
「俺たちの井岡一翔(SANKYO)が大みそかに戻ってくる。日本人初の4階級制覇を刮目せよw ニエテスとマカオで決定戦」
また、流れの中でのインファイトも可能で、至近距離での回転力は凄まじい。
敗れはしたものの、2017年のジャーボンティ・デービス戦では豊富な手数で中盤までは優位に試合を進めてみせた。
自分から前に出てくる相手にはリーチを活かした中間距離での差し合い。
カウンター狙いで待ち構える相手にはガードを上げて近づき、至近距離で連打を浴びせる。
頻繁にスイッチを繰り返しつつ、相手の出方を見ながらスタイルを変える。
全体的に器用で引き出しの多い選手という印象が強い。
ロマチェンコを後退させ、至近距離で連打を浴びせる展開に持ち込みたい。フィジカルで上回るのが必須かな
そして、今回の試合でペドラザが有利な展開に持ち込むには、何よりフィジカルで上回る必要があると思う。
ベルトランのように身体が大きくパワフルな相手にはリーチ差で勝負。
ジャーボンティ・デービスやテビン・ファーマーのように、カウンター狙いの「待ち」の相手には至近距離での連打。
状況によって押し引きを使い分けるペドラザだが、恐らくロマチェンコ相手にこのスタイルでは厳しい。
角度を変えながら前に出てくるロマチェンコにペドラザのリードはなかなか当たらず、そのつど置いてきぼりを食う。
サイドに回り込まれて懐に侵入され、ガードの外側からつるべ打ち。
過去、ニコラス・ウォータースやジェイソン・ソーサのたどった道をそのまま通る可能性が高い(気がする)。
「伊藤雅雪vsシュプラコフ予想。勝てるでしょ。初防衛できるでしょ。伊藤がパワーでねじ伏せるんじゃない?」
なので、それを防ぐにはやはり前に出ることかなと。
ガードを上げて距離を詰め、至近距離でのハンドスピードで勝負をかける。
デービス戦やファーマー戦で見せたオラつきを、ロマチェンコ相手に再現できるか。
ガードを上げて逃げ道を塞ぎつつ、どれだけ被弾を我慢しながらにじり寄ることができるか。
要はフィジカルで相手を上回り、ロマチェンコを後退させる状況を作れるかという話。
実はすげえいい試合だったロマチェンコvsローマン・マルティネス戦。観直してみてびっくりした
参考になりそうな試合としては、2016年6月のロマチェンコvsローマン・マルティネス戦だろうか。
ロマチェンコのS・フェザー級進出第一戦であると同時に、この選手の凄まじさに多くの方が度肝を抜かれた試合でもある。
僕自身も階級アップ後のロマチェンコのパワフルさにはめちゃくちゃ驚いたし、ワクワクもさせられた。敗れたマルティネスにとってはホントにタフな試合だったと思う。
「リナレスがロマチェンコにKO陥落。あ〜惜しい。もう少しだったけどな。これがスピード&パワーの偉大さですよ」
ただ、改めてこの試合を観て、ちょっとだけ考えが変わった。
「何だこれ。マルティネスがめっちゃがんばっとるやんけ」
左右に動くロマチェンコの正面を外さず、小さい方向転換を繰り返しながら常に前に出る。
ガードを上げて距離を詰め、ロマチェンコの1発目に右を被せる。
強引にもう一歩近づき、懐で連打を浴びせてロマチェンコのスペースを潰す。
ロマチェンコ相手に後退すると、一気にペースを持っていかれる。
それをさせないためには、身体を振ってひたすら前進し続けるしかない。
「亀田家大復活の日、亀田和毅vsアビゲイル・メディナ in後楽園ホールを現地観戦してきた。いい試合だったので感想を」
なるほど、こりゃすげえわ。
てっきり5Rにわたってボコられ続けた試合だと思っていたが、まったくそんなことはない。
自分から手を出す。
前に出る。
正面を外さない。
自由に動くスペースを与えない。
一段ギアを上げたロマチェンコに対応できずにKO負けを喫したが、この試合のマルティネスは自分にできる対策を片っ端から実行していた。
ロマチェンコの圧勝には違いないが、マルティネスのがんばりがすごかったこともまた事実かなと。
ペドラザはローマン・マルティネスの作戦を踏襲したい。うまくハマればロマチェンコを慌てさせることも可能?
そう考えると、今回のホセ・ペドラザならローマン・マルティネスの作戦をさらに高次元で踏襲できるのではないか。
ガードが高くプレスが得意。
なおかつインファイトでの回転力もある。
ロマチェンコの連打に耐えながらうまく距離を詰められれば、デービス戦で見せたオラつきを発動できる。
カウンターを持ち味とするデービスには返り討ちにあったが、ロマチェンコはどちらかと言えば攻防分離。自分が手を出し続ける限り、危険なパンチは飛んでこない(はず)。
「村田諒太現役続行!! そうだよ村田、アレで終わっていいわけがないw JUST DO IT.ガタガタ言ってる場合じゃねえw」
割とガチで、すべてがうまくハマればロマチェンコを慌てさせることも可能だと思う(勝てるとは言ってない)。
正面を外さないプレス、パワーの両面で上回ることが必須条件だが、一応ロマチェンコに対抗できるスペックは持ち合わせている気がする(勝てるとは言ってない)。
超適当だが、村田諒太vsゲンナジー・ゴロフキン戦が実現したらこういう試合になるのかな? というイメージ。
「ハード路線の申し子バドゥ・ジャックが今度はマーカス・ブラウンとノンタイトル戦。どれだけキツい思いすりゃ気が済むんだよ」
勝敗予想はロマチェンコの11RKO勝利。善戦するかも? だけど、勝てるとは言ってない
それを踏まえた上での勝敗予想だが、今回はロマチェンコの11RKOでいきたいと思う。
長々と「ペドラザのロマチェンコ対策」を考えてきたわけだが、ぶっちゃけ可能性はあると思う(勝てるとは言ってない)。
両者のスペック、スタイルを比較すると、ペドラザがロマチェンコを慌てさせる展開も十分考えられる(勝てるとは言ってない)。
ただ、勝てるとは言ってない。
健闘はするかもしれないし、実際に「お?」という流れもあるかもしれないが、勝利までたどり着くのは相当難しいだろうと。
「拳四朗vsサウル・フアレス予想。普通に勝つんじゃねえか? 今の拳四朗って絶好調だからな。でも、意外と手こずるかも」
ロマチェンコを止めるにはボディが有効というのは前回のリナレスが教えてくれたが、残念ながらペドラザはあまりボディ打ちが得意ではない(と思う)。
ボディのダメージを心配しなくていいロマチェンコは、恐らく後半になっても動きは落ちない。
逆にペドラザは前半のオラつきによってガス欠を起こし、中盤以降急激に失速するのではないか。
前に出る力が弱まり、徐々にロマチェンコの動きを抑えきれなくなる。
やむなく後退せざるを得ない状況に陥り、スペースができたところで連打を浴びる。
最後はマルティネス同様、ガードの間からフックをもらって豪快にダウンという結末。
「ペドラザはがんばったけど、やっぱりロマチェンコは強かったね」みたいな。
「チャーロ兄vsウィリー・モンローJr.キタコレ!! モンローさんが3度目の王座挑戦。自称階級最強のチャーロ兄を翻弄できるか」
ロマチェンコに対抗するには全力でオラつくしかないのだが、それをやると最後まで体力がもたない。
何とも言えないが、結果的には「ロマチェンコすごい」で終わるような気がしている。
理不尽な話だが。
いや、ペドラザにはマジでがんばってもらいたいんですけどね。
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