久保隼vs佐川遼。佐川の凶悪な右が久保をKO。相変わらずとんでもない右。パーフェクトな勝利でしたね。でも久保隼の試合を初めて現地観戦できてよかった【2022.4.12感想】
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2022年4月12日に東京・後楽園ホールで行われた「ダイヤモンドグローブ」を現地観戦してきました。
お目当てはメインのフェザー級8回戦、久保隼vs佐川遼戦でございます。
結果は3R1分3秒KOで佐川遼が勝利。2021年2月の丸田陽七太戦での日本王座陥落以来、復帰2連勝を飾った試合です。
なお当初は小原佳太と永野祐樹による日本ウェルター級タイトルマッチが予定されていましたが、小原選手の負傷により中止に。セミの久保vs佐川戦がメインに繰り上がっております。
久保選手は以前から応援していた選手で、いつか現地で試合を観たいと思っていたところ。今回初めて後楽園ホールのリングに上がるということで「これは行かなアカンな」と。予定を開けて足を運んだ次第です。
対戦相手の佐川選手も数年前に現地観戦したことがあり、こちらもがんばってもらいたい。
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ただ、今回は久保選手を応援させてもらいます。うっす。
そんな感じで、試合の感想を適当に言っていくことにします。
- 1. 久保が勝つなら判定、佐川が勝つならKOかな。両方好きな選手だけど、今回は久保隼を応援するよ
- 2. 初の生久保隼キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!! 緑色が映える佐川選手。両方がんばれ
- 3. 佐川遼強えぇ…。緊張感満載の立ち上がりから徐々に右が当たり始める
- 4. 佐川選手の右が久保選手のボディに。どこかであの右が顔面に当たりそうな予感…
- 5. 必殺の右で久保隼撃沈。当たった瞬間に「あ、こりゃ立てんわ」とオモタ
- 6. 佐川選手の凶悪な右。ボディを意識させて顔面にズドン。ベストバウトと言っていい勝ち方でしたね
- 7. 久保選手は残念でした。今回は一番関わってはいけないタイプだったかな。でも初めて現地観戦できてよかったっす
久保が勝つなら判定、佐川が勝つならKOかな。両方好きな選手だけど、今回は久保隼を応援するよ
まず僕の何となくの展望としては、久保選手が勝つなら判定、佐川選手が勝つならKO。
久保選手の右リードがどこまで通用するか、サイズ差が小さい相手にも(久保176cm、佐川174cm)長身サウスポーの長所を出せるかが見どころになりそう。
ただ、佐川選手の右はサウスポー相手にめちゃくちゃ機能する。しかも角度的に久保選手の顔面にドンピシャで合いそうなのが……。
要するにどちらが先に自分のタイミングと距離を掌握するかの勝負になるのではないか。
勝敗予想はやめておくけど、どっちもがんばれ(今回は久保隼応援)。
そんな感じでございます。
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初の生久保隼キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!! 緑色が映える佐川選手。両方がんばれ
最初に青コーナーから久保選手の入場。
おおおお……。
実物久保隼来たよ……。
念願かなったというか、この時点で僕のテンションは爆上がりです笑
続いて赤コーナーから佐川選手。
気合いの入った表情です。イメージカラー? の緑が映えます。
いや、たまらないっすね笑
お気に入りの選手同士の対戦ということで、僕のボルテージも上がり続けております。
と同時に、久保選手の勝利を願うばかりです。
佐川遼強えぇ…。緊張感満載の立ち上がりから徐々に右が当たり始める
実際の試合ですが、佐川遼選手がめちゃくちゃ強かったなぁと。
角度的に久保選手の顔面にあの右が当たりやすいのではないかと懸念しておりましたが、マジでその通りになってしまいました。
オープニングヒットは久保選手のアッパー気味のカウンター(違ったらゴメン)。1Rはお互いがお互いの1発を警戒する立ち上がりで、両者の制空権? 争いが凄まじい緊張感を醸します。
久保選手のリーチが長い。
この懐の深さ、変なタイミングの左はホントに武器ですよね。
佐川選手も腕は長い方だと思うのですが、リング上で対峙した両者を比べると久保選手の方がさらに長く感じました。
このまま久保選手が流れを引き寄せれば。
佐川選手を射程外に釘付けにできれば。
と思っていたところ……。
1R後半から徐々に佐川選手のパンチがヒットし始めます。
佐川選手の右が久保選手のボディに。どこかであの右が顔面に当たりそうな予感…
最初に当たり出したのは佐川選手のボディ。
開始直後は久保選手のカウンターを警戒していた佐川選手ですが、1Rの終盤あたりでタイミングを見つけたのかスルスルっと中に入って右ボディを突き刺します。
このボディで久保選手はたびたび後退させられ、得意のカウンターを打つ間合いに留まれません。
2Rに入っても流れは変わらず。
佐川選手の右ボディストレートで久保選手は身体をくの字に折られ、そのつど飛びのくように距離を取ります。
一瞬で終わりそうな緊張感は相変わらずですが、流れは確実に佐川選手に傾いていきます。
「アカン、強いわ佐川遼」
「久保隼は何とかペースを変えたいけど、それができるネタがあるのか?」
などなど。
あの時点で佐川選手の右がクリティカルヒットしそうな匂いはプンプンしておりました。
佐川遼vs丸田陽七太がめちゃくちゃおもしろかった。左の精度と右のカウンター。ちなみに「LEGEND」はいっさい観ておりません
必殺の右で久保隼撃沈。当たった瞬間に「あ、こりゃ立てんわ」とオモタ
そして案の定、3Rに佐川選手の右が久保選手の顔面を捉えます。
ラウンド序盤はこれまで同様、遠間で対峙する両者。
そこから佐川選手がスッと前に出たかと思うと、久保選手が反応する前にスパッと右を打ち抜きます。それまではこのタイミングでボディを狙っていましたが、今度は同じタイミングで顔面に。
右をモロに被弾し大きくバランスを崩す久保選手。
サイドに回り込んで態勢を立て直しますが、佐川選手はこのチャンスを逃しません。すかさず距離を詰めて再び顔面に右。
この1発で久保選手は前のめりにダウンを喫します。
何とか歯を食いしばって上体を起こしますが、見るからにダメージは深く立ち上がることができず。
カウント10が数えられると同時にレフェリーが倒れ込む久保選手を抱えて試合終了。この瞬間、佐川選手のKO勝利が決定しました。
いや~、すごいパンチでしたね。
当たった瞬間に「あ、こりゃ立てんわ」と。
“ドシュッ”っていう炸裂音が場内に響き渡りましたからね。
直前のパンチと合わせて凄まじいダメージでした。
うん、さすがに厳しいよな久保隼。
あのタイミングでもらったら仕方ない。
佐川選手の凶悪な右。ボディを意識させて顔面にズドン。ベストバウトと言っていい勝ち方でしたね
しかし、改めて佐川選手の右は凶悪ですね。
正直、そこまでスピードは感じないし特別踏み込みが鋭いわけでもない(気がする)。
S・フェザー級王者の尾川堅一のようなわかりやすい右とはちょっと違う。何というか、ニュルニュルっと腕が伸びて気づいたら相手に届いている印象です。
尾川堅一vsアジンガ・フジレ。2021年ベストバウト(僕の中で)出たか? 全盛期の動き、3度のダウンを奪っての判定勝利にクッソ感動しました
例えるならピッコロ大魔王の腕のような。
イメージカラーが緑だけにね!!
ってやかましいわ笑
特に今回は理想的な流れでのKO勝利だったとのこと。
下記の記事によると、あの右はずーっと練習してきたものでそれが見事にハマったと。
「佐川が元世界王者・久保をワンパンチで3回KO「こういう勝ち方は収穫」」
最初のボディ狙いで十分に下を警戒させたところで顔面にズドン。
タイミングを掴んで以降のアプローチ、伏線を張ってからKOまでの流れもすべてがパーフェクト。まさにベストバウトと言ってよさそうです。
2019年9月の阿部麗也戦、2019年12月の日野僚戦でもこの右がよく機能していたし、サウスポーにとってはマジで鬼門だなと。
男前である。
うむ、男前である。
佐川選手、素晴らしいKOでした。
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久保選手は残念でした。今回は一番関わってはいけないタイプだったかな。でも初めて現地観戦できてよかったっす
一方敗れた久保選手ですが、今回はちょっと残念でした。
サイズ差が小さく長身サウスポーの特性を発揮できない&とんでもない右の使い手。
技巧派サウスポーの久保選手にとって、佐川選手は一番関わってはいけないタイプだったかもしれません。
とは言え、最初に申し上げたように初めて久保選手の試合を現地観戦できたのはよかったです。
1Rの制空権争いは凄まじい緊張感だったし、短い試合ながらも堪能できたことをお伝えしておきます。
久保選手ナイスファイト。
また東京で試合をする機会があればぜひとも現地観戦したいと思います。
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