田中恒成フライ級初戦。ロニー・バルドナドは結構おっかない? 無敗対決の世界前哨戦を制してタイトルマッチに進めるか【予想・展望】

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2018年3月31日に名古屋国際会議場で、元WBO世界L・フライ級王者の田中恒成がフライ級10回戦に挑む。
今回の相手は、WBO同級13位のロニー・バルドナド。11戦10勝7KO1分の戦績を持つ選手である。
 
 
2017年末にWBA世界L・フライ級王者田口良一との統一戦を目指した田中だが、9月のパランポン・CPフレッシュマートとの防衛戦で眼窩底骨折を負ったために頓挫。
 
減量苦を理由にそのまま王座を返上し、フライ級へ階級をアップ。約半年ぶりの試合を迎える。
と同時に「世界前哨戦」と銘打ち、WBO王者木村翔を想定して強打者のロニー・バルドナドを選択したとのこと。
 
「田中恒成ええじゃないですか! バルドナドを9RTKOで下し、フライ級初戦を飾る。木村翔戦は…全然わからん」
 
無敗の強敵を迎える田中だが、今回もKOを狙うと宣言するなど3階級制覇に向けての意気込みは大きい。
 
「田口すごかった。メリンドに完勝するとはね。負けるとか言って申し訳ないww L・フライ級で規格外のフィジカルと戦術の幅」
 

骨太路線の田中恒成がフライ級初戦を迎える。今回も強敵のロニー・バルドナド。vs木村翔を想定した強打者ですね

眼窩底骨折によって統一戦を断念した田中恒成のフライ級初戦が発表された。
相手は11戦無敗のロニー・バルドナド。フィリピン出身のオーソドックススタイルの選手である。
 
 
この選手の過去の試合をちょろっと観たが、ボチボチいいのではないだろうか。
両腕を躊躇なく振り回すタイプで、確かに木村翔を想定したのだろうなというのがわかる。
 
というより、今回も普通に強敵に思える。
L・フライ級初戦のレネ・パティラノもいい選手だったが、今回のバルドナドもそれに匹敵する強さ。むしろ、1発の破壊力がある分危険度ではバルドナドの方が上かもしれない。
 
さすが骨太路線の田中というか、相変わらず尋常じゃない生き急ぎっぷりである。
 
「田中恒成が激闘の末にアコスタを退ける!! すっげえ試合! アコスタも間違いなく最強の挑戦者だったし大満足だね」
 

荒々しく思いきりのいいバルドナド。あれだけ躊躇のないカウンターを打てる選手はやっぱりすごい

今回のロニー・バルドナドだが、申し上げたように躊躇なく腕を振れることが大きな特徴だと思う。
個人的な印象としては、めっちゃ強烈なカウンターの人
 
あまり防御がいいとも言えず、追い足があるわけでもない。
身体全体のスピードもそこまでではなく、足の運びも若干バタバタとして頼りない。
フィジカル面の強さもあまり感じない。
 
「アローヨvsクアドラスはKOか判定で逃げ切るかの2択だよな。アローヨに勝ってほしいけど。そして岡田隆志とかいう隠れ名選手」
 
だが、とにかくこの選手は思いきりがいい。
腕力が強く、どんな攻撃に対しても渾身のフルスイングでカウンターが打てる。
 
僕が観た試合では相手があまり強いようには思えなかったのだが、自分の腕が届く範囲内はどんなパンチにもカウンターを合わせていた。
 
「田中イキり過ぎたな。パランポンを9RTKOに下すも、試合後に病院に直行。田口良一との統一戦は白紙?」
 
相手のジャブに渾身の右を被せ、そのまま身体を預けるように連打を浴びせる。あの躊躇のないマン振りのカウンターはマジですごい。
 
フルスイングする分、攻防のつなぎはぎこちないが、1発1発に腰を入れて打つので効果も大きい。木村翔同様、身体が硬直するほどの恐怖を与えるパンチというヤツ。
 

ユリオルキス・ガンボアvsロビンソン・カステジャノス戦が参考になりそうかな。バルドナドが根気よく追い回せば、まさかの1発がある? かも?

今回の試合で参考になりそうなのは、2017年5月のユリオルキス・ガンボアvsロビンソン・カステジャノス戦か。
 
「コラレスゥゥウウ〜〜……。カスティジャノスに大苦戦の末ベルトを守る。負傷判定で3度目の防衛成功。負けに近い勝利ってヤツ?」
 
何となくだが、ロニー・バルドナドという選手はロビンソン・カステジャノスと雰囲気が似ている気がする。
躊躇のないカウンターや、身体を目いっぱい伸ばして打ち込むストレートなど。抜群のタイミングでガンボアをダウンさせたカステジャノスのカウンターを再現できれば、バルドナドにも十分勝機が生まれるように思える。
 
しかも田中恒成はこれが3階級目。
そろそろパワー面でどうか? という部分や、オーバーアクションでイキり倒す動きなど、将来的にガンボアと同じ道をたどる可能性もあるのでは? という懸念もある。
まあ、あと3、4年くらいは大丈夫だと思うが。
 
「木村翔が五十嵐を根元から粉砕。大振りで恐怖を植え付けて真ん中を右でドーン。圧巻の五十嵐対策でしたね木村翔」
 
ただ、カステジャノスが根気よくガンボアをとらえたように、バルドナドにとっての田中は決して相性の悪い相手ではない。スピードではかなわなくても、何度も腕を振っているうちに会心の1発がヒットすることも十分考えられる。
どれだけ諦めずに追いかけられるかにもよるが。
 
「オールタイム・ベストの幕引き。元PFPロイ・ジョーンズ引退。スコット・シグモンに3-0の判定で有終の美を飾る」
 

たぶんだけど、井岡一翔ならバルドナドを完封するよね。2016年末のスタンプ・キャット・ニワット戦は本当にすごかった

逆に、この手のタイプを得意としていたのは間違いなく井岡一翔
恐らく井岡なら、2016年末のスタンプ・キャット・ニワット戦のような流れでバルドナドも完封してしまうはず。
 
「どん詰まりのリナレスvsヘスタ。お互いに相手の持ち味を打ち消し合った結果、大差判定でリナレス勝利。ヘスタやっぱりいい選手だった」
 
個人的にスタンプ戦は2015年末のファン・カルロス・レベコVol.2と並ぶ井岡のフライ級ベストバウトだと思っているのだが、改めて観直してもやっぱりすごい。
 
「バルデスvsクイッグ感想。体重超過でパツパツのクイッグがバルデスに判定負け。体重超過に対するペナルティが緩い理由?」
 
スタンプのリーチのギリギリ外、なおかつ自分のパンチが届く位置で対峙し、最短距離でジャブをヒット。極力スタンプにカウンターのタイミングを与えない。
微妙にアングルを変えながら間合いを詰め、角度を変えたボディとジャブを当てていく。
徐々に圧力を強めてダメージを蓄積させ、最後は我慢の限界に追い込んでのKO勝利。
 
最小限の動きで最大の効果を得るというか、燃費のよさが尋常じゃない。
何度も言うように、僕は田中恒成が目指すべきはロマチェンコではなくこっち側だと思っている。状況によって使い分けができるようになれば、より安定感が増して盤石な王者になれる気がする。
 
とはいえ、井岡にとっての天敵が田中のロマチェンコもどきのステップだろうなというのもまたおもしろいのだが。
 
「拳四朗は和製ロマチェンコを目指せ。ゲバラに消耗戦で勝利!! だけど、これじゃない感半端ない」
 
ちなみにだが、今回のロニー・バルドナドも少しだけスタンプ・キャット・ニワットっぽい。
躊躇のないカウンターからの連打など、共通する部分は多いように感じる。
 
スタンプ・キャット・ニワットを少し荒々しくしてディフェンス面をヌルくすると、ロニー・バルドナドのできあがり。みたいな。
 
「アンカハス健在!! ゴンサレスを10RKOで下す。パッキャオvsマルケスみたいな試合。ドウェイン・ビーモンとやらんかな」
 

勝敗予想は田中の10RKO勝利。カウンターにさえ気をつけていれば、そのほかの部分で田中に負ける要素は見当たらない

今回の勝敗予想だが、田中の10RKO勝利でいきたいと思う。
 
減量が楽になってパワーが増すのか、階級の壁が立ちはだかるのか。
フライ級初戦ということで未知数な部分が多いのだが、普通に何とかなるだろうと思っている。
 
確かにロニー・バルドナドのカウンターは凄まじい。
もしかしたら、あの1発でダウンさせられる可能性もある。
 
それでもスピードや正確性では間違いなく田中が上だし、バルドナドのフィジカルもそこまで強いようには見えない。
 
「リトアニアの井上尚弥、カバロウスカスがアバネシャンを6RKO。いや、でも日本の小原佳太なら勝てるんじゃないの?」
 
たとえ打ち合いに巻き込まれたとしても、持ち前のど根性と回転力を総動員すれば打ち勝てるはず。
パランポン戦のようにボディでダメージを蓄積させ、最後はKOできるのではないか。KOできなくても、少なくとも負けることはない。
 
「ま~た誰得マッチww サンダースvsマーティン・マレー。痛いの大っ嫌い。絶望的に退屈で平和な試合になる予感がするぞ」
 
何だかんだで「やっぱり田中はいいね」となるのではないかと、割と気楽に考えている。
 
まあ、田中が苦戦する流れというのもちょっと観たい気もするのだが。
 
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