前田稔輝が思った以上にすごい。飯見嵐を2RKOでキャリア5連勝。亀田京之介戦のパフォーマンスはガチだったんだな【結果・感想】

前田稔輝が思った以上にすごい。飯見嵐を2RKOでキャリア5連勝。亀田京之介戦のパフォーマンスはガチだったんだな【結果・感想】

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2020年8月9日に大阪・枚方市総合体育館で行われた「CRASH BOXING vol.20 in枚方」。グリーンツダボクシングジム主催、大阪での久しぶりの客入れということで注目を集めたイベントである。
 
また、当日はYouTubeのスパチャでの投げ銭も行われるなど、新型コロナウイルスの影響による新たな試みもなされた興行となった。

 
そして結果は下記。
グリーンツダボクシングジム所属の選手が全員勝利という、困難な状況の中での快挙となっている。


 

前田稔輝すげえ!! あまり興味のない興行だったのだが、思いっきり目が覚めたw

なお、僕自身は同時間帯に開催されていたRIZIN22を観ていたため、このイベントをリアルタイムでは観ることができず。
 
RIZIN22感想。イベント自体はおもしろかった。いろいろふざけたクラウドファンディングだったけど、KO決着量産ってのはいいよね
 
後追いでようやく視聴を終えたのだが、特に印象に残ったのが第5試合の前田稔輝vs飯見嵐戦。2019年全日本フェザー級新人王前田稔輝が2017年度東日本S・バンタム級新人王と58.5kg契約6回戦で対戦し、2R1分47秒TKOで前田稔輝が勝利した試合である。

前田稔輝は2019年12月の全日本新人王戦、亀田京之介との一戦で初めて観たのだが、その際もかなりいいと思った選手。
パワフルな前進とスピーディな連打、最短距離をスパッと切り裂く縦拳の左が特徴で、どちらかといえば亀田に注目していた僕もいつの間にかこの選手の方に目がいってしまった記憶がある。
 
拳四朗vsペタルコリン、チャベスJr.vsジェイコブス、亀田京之介vs前田稔輝振り返り。MVPは拳四朗で異論ないよな。村田のKOよりも強烈だった
 
そして前田にとってはあの試合以来、約8ヶ月ぶりのリングとなったわけだが……。
 
まあ、正直に申し上げると僕はこの興行にあまり興味がなく。
YouTubeで配信されていたのは知っていたが、申し上げたように同時間にRIZINの中継があったこともあり、あえて観たいと思うものではなかった。
 
一応、アーカイブがあったのでボーッと流して観ていたところ、
「うおおお!!! 前田稔輝すげえじゃねえか!!」と。
 
こりゃあガチのヤツかも知れんぞと思った次第である。
 

飯見嵐もいい選手だった。でも、前田稔輝の左が速過ぎて…

まず相手の飯見嵐についてだが、こちらもかなりいい選手だったと思う。
 
この試合前の戦績が7勝2敗7KO。勝利した試合はすべてKOという強打者で、ファイトスタイルもグイグイ前に出て腕を振るインファイタータイプ。
この日のセミファイナルで5RTKO勝利を飾った下町俊貴とも全日本新人王決勝で対戦しているとのことで、前田稔輝にとっても油断できない相手だったはず。
 
 
実際、この試合でもスピーディなフェイントから鋭いステップインを何度も見せていたし、いきなりの右も強烈。開始直後の差し合いでは、僕にはどちらが勝つかはまったくわからなかった。
 
ところが45秒過ぎ。
中間距離で身体を振って前に出る飯見に対し、前田は微妙に右回りしながら角度を変える。
そして、鋭く踏み込んで放った飯見の左に内側から左のストレートを合わせる。
 
顔面をわずかに跳ね上げられ、空中で一瞬動きを止める飯見。
そのままワンテンポ遅れてバランスを崩し、尻餅をついてダウン!!
 
おお?
今何が起きた?
 
あまりの左のコンパクトさに、その瞬間はなぜ倒れたのかがわからない。
突然ダウンを喫した飯見の姿に場内からもどよめきが起きる。
 
タイミング、角度的に左が当たったことはわかったのだが、あまりの速さにどんな軌道でどう倒したのかがよくわからない。
 
ラウンド間のスローでようやくはっきり確認できたのだが、いや、ちょっとこれはすごくないか?
 
やや右腕を下げたリラックスした構えから、まったく溜めのない左がノーモーションでスパッと伸びる。
打ち始めと打ち終わりの立ち姿がまったく変わらず、恐ろしくコンパクトな左が最短距離を走る。パンチをもらった飯見が突然ストンと尻餅をつく感じ。
 
“ノーモーションの左”という言葉はよく耳にするが、ここまで抜群のタイミングとコンパクトさを両立した左を観たのは初めてかもしれない。
 
堀川謙一すげええぇぇ…。無敗の冨田大樹を圧倒TKOで東洋太平洋L・フライ級王座戴冠。ちょっとラベルが違いましたねラベルが
 

石田順裕「世界を狙える才能」←確かにそうかも? ここまで鮮やかなKOを観たのは久しぶりでした

そして、このダウンでペースをつかんだ前田は2Rからさらに飯見を圧倒する。
 
開始20秒過ぎに再び飯見の左に左ストレートを合わせてこの日2度目のダウンを奪うと、そこから一気にペースアップ。ガードの上から鋭い連打を浴びせて飯見を後退させ、得意の左をボディに突き刺す。
 
飯見が頭を振って中に入ろうとすれば細かい右リードで出足を止め、サイドへのステップで的を絞らせない。
 
最後はもう一度飯見の左に左をカウンターで合わせてレフェリーストップを呼び込む壮絶なダウンを奪う。
 
右リードと同じタイミング、同じフォームでいきなりの左を打ち込み、飯見をピヨらせての完全勝利。
去年の亀田京之介戦をはるかに超えるパフォーマンスというか、ここまで鮮やかなTKO勝利というのは本当に久しぶりだった気がする。
 
すっげえなオイ。
前田稔輝マジですげえわ。
 
解説の石田順裕が「世界を狙える才能」と言っていたが、これは本当にその可能性があるかもしれない。
 
階級がフェザー級なのでマッチメークに苦労しそうなことや、今回の相手がもともとS・バンタム級だったこと。その他、長いラウンドを経験していないこと、頭の位置があまり動かないことなど。未知数な部分を挙げればキリがないが、それはそれとして。
 
とにかくこの勝利は僕の中ではとんでもないインパクト。全7試合中、文句なしのベストバウトだったと思う。前回「この前田稔輝という選手の名前は覚えておこうかな」と申し上げたが、結構期待していい? のかな?
 
日本拳法時代もあの左がしっかり機能しておりますね。

 
ちなみにセミファイナルの日本ユース・Sバンタム級タイトルマッチ8回戦、下町俊貴vs英洸貴戦もなかなかよかったっス。
 

得意の左を活かす支配力がつけばとんでもないことになる? 前後左右に動く相手への対応力がつけば…

今回の試合と前回の亀田戦を観る限り、この選手はカウンターが得意な“待ち”のタイプなのだと思う。
 
ゴンゴン前にくる飯見嵐には抜群のタイミングで左カウンターがヒットしたが、同じカウンター使いの亀田戦では前後左右に動き回る亀田を追いかけるのに手いっぱいでなかなか得意の左が機能せず。何発かはいいタイミングでヒットしていたものの、亀田のカウンターを警戒するあまり今回のような決定打を当てるまでにはいかなかった。
 
本人もどこかのインタビューで言っていたが、日本拳法とボクシングの間合いの違いにまだ適応しきれていないのだろうと。
飯見嵐のようなリーチ、上背のないインファイターなら、自分の間合いに入ってくるまでどっしり構えて待っていればいい。だが、亀田京之介のように目まぐるしく動かれた場合、間合いを潰してねじ伏せる支配力的なものはまだない。
 
実際、亀田戦の2Rではコーナーに追い詰めた局面から亀田の右でグラつかされてもいる。
頭の位置があまり動かないというのもあると思うが、今後は足を使う相手に圧力をかけながら得意の左を活かすことができるようになればさらに一段上に行けるのかな? と思ったり。
 
意味不明なタイミング+異様に硬い縦拳の左という、いい意味でボクサーらしくない部分を残しつつ、自分の土俵に引き込む支配力が備わればすごいことになりそうな……。
 
僕のビクトル・ポストル初のKO負けしちゃうかなぁ…。王者ホセ・カルロス・ラミレスに挑戦! だけど、厳しい試合になりそうな
 
いや、僕が勝手に期待しているだけなのでわかりませんが。
 
と、盛大に予防線を張っておく。
 
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