ジャックvsスティーブンソン? これは予想しにくいよね。ハード路線のジャックか、引退間近のスティーブンソンか【予想・展望】
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2018年5月19日(日本時間20日)、カナダ・モントリオールで行われるWBC世界L・ヘビー級タイトルマッチ。同級王者アドニス・スティーブンソンに前WBA王者バドゥ・ジャックが挑む一戦である。
前戦でネイサン・クレバリーを下し、L・ヘビー級進出初戦で戴冠したバドゥ・ジャックが早くも試練を迎える。
WBC王者アドニス・スティーブンソンは29勝1敗の戦績を持ち、2013年の王座戴冠以来安定政権継続中のベテランサウスポー。前戦では2014年に大接戦を繰り広げたアンドルー・フォンファラを2RKOに下し、いまだ衰えを見せていない。
「ベストバウトその1:バドゥ・ジャックvsスティーブンソン。いい試合過ぎて笑いが止まらんww どっちも出し切った消耗戦」
ハード路線を歩んできたジャックが、老獪な試合運びと必殺の左ストレートを持つスティーブンソンを攻略できるか。
激戦区のL・ヘビー級戦線の中でも注目の一戦となる。
「おおお…ハードがララに勝ちやがった! いい試合だったな。両方がんばった。ちょっとロマvsリゴ戦ぽくもあったかな」
すげえ試合になりそうww ケチがつきまくりのマッチメークだけど、スティーブンソンvsジャックはアツいよね
(僕基準で)大注目の試合が決定した。
アドニス・スティーブンソンvsバドゥ・ジャックのWBC世界L・ヘビー級タイトルマッチ。
ディミトリー・ビボルとの対戦を避けてWBA王座を返上したバドゥ・ジャックと、指名挑戦者のエレイデル・アルバレスを長年放置しているスティーブンソン。
経緯だけを見ればケチがつく要素満載だが、個人的にはめちゃくちゃ楽しみにしている。
「カネロの禁止薬物陽性の裏でいろいろあったよ。コバレフvsミカルキン、ビボルvsバレラ、ジョシュ・テイラーvsカンポス」
両者ともに中間距離での差し合いを得意とし、前戦での圧倒的な勝利で波に乗る。
階級アップによってスピード&パワーを増したバドゥ・ジャックの本領にも期待だし、そのジャックをスティーブンソンがどうねじ伏せるか、得意の左をどう当てるかも興味深い。
いろいろな雑音を抜きにすれば、こんなにおもしろい組み合わせもないんじゃないの? というくらいのマッチメークだと思う。
「チャーロ兄圧勝やね! センテノを2RKOに沈めて暫定王座獲得。村田諒太との違いが明確でおもしろかった。フィジカル上位の優位性」
そして、実はスティーブンソンはこの試合を最後に引退する可能性もあるのではないか。
2015年9月、トミー・カーペンシー戦3RTKO。
2016年7月、トーマス・ウィリアムズ戦4RKO。
2017年6月、アンドルー・フォンファラ戦2RTKO。
2018年5月、バドゥ・ジャック戦。
2015年9月からほぼ11か月に1度のペース。
しかも、その間にこなしたラウンド数はわずかに9。
「比嘉大吾無期限ライセンス停止。無茶な減量が美徳とされる風潮は「あしたのジョー」の影響らしいけど、それってマジなの?」
すでにスティーブンソンにはロシアの化け物たちとの統一戦に臨むバイタリティはない。何となくだが、今回のバドゥ・ジャック戦で最後の一儲けをしておしまいと考えているような気がする。
「期待のライアン・ガルシアを観たのでその印象を。キラキラ七三プロスペクトはデラホーヤさんの大のお気に入り?」
いや、もちろん僕の勝手な印象なのだが。
勝敗予想はバドゥ・ジャックの判定勝利。どちらにしろ紙一重の展開になりそう
とりあえず勝敗予想だが、今回はバドゥ・ジャックの判定勝利でいきたいと思う。
と言っても、相変わらず自信はない。
恐らく両者は実力伯仲で、どんな結果になっても紙一重の展開が待っているはず。
スティーブンソンのKO勝利もあり得るし、KOはなくてもジャックが盛大にダウンすることも考えらえる。
「リナレスがロマチェンコにKO陥落。あ〜惜しい。もう少しだったけどな。これがスピード&パワーの偉大さ」
逆にバドゥ・ジャックがスティーブンソンの右を封じ込めての完封というパターンも全然ある。
マジでどちらが勝つかわからない。
まあ、だから(僕基準で)楽しみにしているわけですが。
「スティーブンソンがフォンファラを2RKO!! 顔面かち上げたろか? と言わんばかりの自慢の左が炸裂」
スティーブンソンは僕の中では強化版岩佐亮佑。ベストバウトは2013年のタボリス・クラウド戦かな
以前にも申し上げたように、僕の中でのアドニス・スティーブンソンのイメージは強化版岩佐亮佑。
左ストレートを得意とするおかげで山中慎介と比べられることが多いが、ちょっと違う。この選手は左の1発屋というより、むしろ左を当てるまでの過程がすばらしい。
「亀田興毅がポンサクレックと1日限りの現役復帰戦をやるけど、2010年の亀田vsポンサクレックが意外と名試合だって知ってた?」
中間距離でのリードの差し合いで上回り、相手を自分の正面に誘い出す。
右リードを駆使して間合いを支配し、意表をついた左をドカン。
左の1発ですべてをひっくり返す山中慎介とは完全に別物である。
「気づくのおっせえw 岩佐vsサウロン。大差判定で岩佐が初防衛成功。ジリ貧の両者が後半に「あっ」ってなる」
そして、僕の中でのスティーブンソンのベストバウトは2013年のタボリス・クラウド戦。
クラウドの負傷とダメージにより7R終了ギブアップで終了した試合だが、この試合のスティーブンソンは本当にすばらしかった。
極力身体の正面を見せないように、斜に構えて相手と対峙。
左に回りながら、右でクラウドとの距離を測る。
一瞬のタイミングで右足を相手の外側に踏み込み、ガードの外側から右フック。
すぐに距離をとり、再びリング中央で左回り。
そして、同じタイミングで外側に右足を踏み出し、今度はガードの間から左ストレートを通す。
間髪入れず、続けざまにガードの上から左右フックを叩き込んでサイドへの逃げ場を奪う。
逃走経路を失ったクラウドは、ガードを上げてまっすぐ下がることしかできない。スティーブンソンの圧力を真正面から受け、防戦一方に追い込まれてしまう。
「コバレフがシャブランスキーを倒しまくり再起戦に勝利。かっこええわ~コバレフ。やっぱり破壊神が王座にいないとね」
フィジカルと剛腕を活かした理詰めボクシングというか、スティーブンソンの狡猾さが山ほど詰まった試合だったと思う。
てか、この試合はホントにおもしろい。
何度観てもスティーブンソンのスーパーマンぶりに涎が止まらないほどにww
「福原辰弥vs高橋悠斗戦感想。ミニマム級の長身福原が再起戦で勝利。この長距離サウスポーは珍しくないっすか?」
なお、タボリス・クラウドはキャリアで3敗を喫しているが、相手はバーナード・ホプキンス、アドニス・スティーブンソン、アルツール・ベテルビエフという化け物ばかり。その3人に連敗を喫するまでは全勝を守っていた強豪である。
「ベテルビエフvsコーリン感想。攻略法が見えたような見えないような…。ベテルビエフの剛腕フィジカルにコーリンが撃沈」
タイプとしては、アングルと左の精度で相手を削る技巧派。
過去の試合を観ると、実はバドゥ・ジャックとちょっと似ていることに気づく。
「ライアン・ガルシアとかいう右構えの清水聡がジェイソン・べレスに苦労しつつも3-0で勝利。打倒デービス? マジで?」
滑るようなフットワークで相手のサイドに回り込み、ガードの外側からヒット。
相手の反撃体勢が整う前に距離をとり、安全圏に退避。
極力危険地帯に留まる時間を少なくして、着実にポイントを奪っていくスタイル。
そのクラウドを中間距離で完封したのだから、やっぱりスティーブンソンはすごい。
そして、バドゥ・ジャックはこの右リードをかいくぐれるか。ここが今回の最大の見どころかなと思っている。
「ラッセルとかいう年1の風物詩。今回はジョセフ・ディアスとのお戯れですかww フェザー級最強の試合枯れマン」
やることを全部やって階級アップしたバドゥ・ジャック。でも、L・ヘビー級でのパフォーマンスはまだわからない
そして挑戦者バドゥ・ジャックについてだが、この選手もまたすごい。
特にこれまでのキャリアは目を見張るものがある。
・アンソニー・ディレル
・ジョージ・グローブス
・ルシアン・ビュテ
・ジェームス・デゲール
2015年にアンソニー・ディレルに勝利してS・ミドル級王座を獲得以来、マジで1試合も楽な相手がいない。
ここまでやり尽くして階級アップした選手が他にいますか? と問いたくなるほどに。
「バルテレミーvsレリク、グローブスvsユーバンクJr.を観たので感想を。バルテレミーさんの体調の悪さとグローブスの泥仕合ww」
ディミトリー・ビボルを避けたという批判もわかるが、少しは大目に見てもいいんじゃないの? と個人的には思う。それすらも許されないのだから、ボクシングのマッチメークは本当に厳しい。
まあ、今はこの話はどうでもいいのでアレですが。
「ドグボエすげえな。マグダレノに圧勝やんけ。強フィジカルのカウンターでKO勝利。井上尚弥のラスボス交代か?」
ただ、L・ヘビー級でのパフォーマンスについては、正直まだわからない。
前戦のネイサン・クレバリー戦はお見事だったが、相性のよさで圧倒した部分も多い。
ネイサン・クレバリーは身長187cmと上背もあり、リーチも長い。スピーディな連打も出るし、ガードへの意識も高い。
そして、実は攻防分離でもある。
「ウシクvsガシエフ予想。WBSSクルーザー級決勝がサウジアラビアで開催。井上尚弥も次回バンタム級で出場するとか」
絶え間ない連打でごまかしてはいるが、よく見ると自分のターン→相手のターンと攻撃権が交互に移動する。
つまり、手っ取り早いクレバリーの攻略法としては、攻撃のターンを与えないこと。
あの試合を観直すと、ジャックが絶え間ない連打とアングルチェンジで意識的にクレバリーを防御側に回らせていることがわかる。
「バドゥ・ジャックはすげえだろ? クレバリーを問題にせず圧勝。どうだ? 驚いたかオイ? 俺は驚いたぞww」
攻撃の機会を与えず、精度の高い連打でガードの間からヒットしまくる。
いわゆるロマチェンコ方式というか、攻撃権をキープし続けることで相手の戦意を喪失させるスタイル。
ジャックの得意分野とクレバリーの苦手分野がちょうど合致した感が強い。
そして、恐らく今回のスティーブンソンに同じ作戦は機能しない。そう考えると、やはり中間距離の差し合いでどちらが上回るかの勝負になる可能性が高い気がする。
「小原佳太2RKO負けでWBO-AP王座陥落。ラガンベイとダブルノックダウンで立ち上がれず。でも「まさか」ではないかな」
負けんなよバドゥ・ジャック。終わる準備をしてるヤツなぞ、若者(34)のパワーでなぎ倒せ
なお両者のスタイルを比較した場合、相性的に有利なのはスティーブンソンではないかと思っている。
必殺の左をカウンターにも使えるスティーブンソンと、サイドに回りながら連打を浴びせるバドゥ・ジャック。
ジャックの1敗はカウンターの1発で撃沈したもので、どこかでスティーブンソンの左がバドゥ・ジャックを捉える可能性は普通にある。それも割と高確率で。
じゃあ、なぜバドゥ・ジャックの勝利予想? という話だが、もはや僕の希望でしかない。
明らかに終わる準備に入っている40歳に、熱き野心を持った若者(34)が負けるはずがない。多少は苦戦しても、最後は若い力(34)で乗り切ってくれるはず。
「チャーロvsセンテノ予想。センテノに圧勝すればミドル級のチャーロ兄の疑いが晴れるかな?」
また、これは余談だが、スティーブンソンが苦手とするのは恐らく岩佐亮佑と同じ。間合いの外からすっ飛んでくるタイプだと思う。
長いリーチを目いっぱい伸ばし、遠い位置から一足飛びで踏み込む相手。
得意の中間距離を問答無用で踏み越えられた場合、一気にバタバタし始めるのではないか。
そして、L・ヘビー級でその条件に一番合致するのがマーカス・ブラウンかなぁとひそかに妄想している。
実現性はほぼ皆無だが。
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