この1年でインパクトのあった試合5選。あまりの凄さに「嘘だろw」となった試合を挙げていくぞ。ESPNのPFPランキング更新を受けて思いついた
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先日行われたライト級4団体統一戦、デビン・ヘイニーvsワシル・ロマチェンコ戦の直後にESPN版のPFPランキングが更新され、勝利したヘイニーが9位に入っている。
Devin Haney moves up a spot on the latest @ESPN P4P list after last weekend's win over Lomachenko 📈 pic.twitter.com/H4cPXagIav
— ESPN Ringside (@ESPNRingside) May 25, 2023
基本PFPランキングには興味がないのだが、普段から「デビン・ヘイニーは不動のPFP No.1」と言い続けている身としてはまったく納得がいかない笑
ヘイニーのすごさは散々喚き散らしてきたのであえて繰り返さないが、とにかくこのランキングを考えた人間のセンスのなさを嘆くばかりであるw
4団体統一王者デビン・ヘイニーがロマチェンコの追い上げを振り切り僅差判定勝利。またしても不動のPFP No.1っぷりを証明したな
まあ、冗談はともかく表題の件。
今回はここ1年でもっとも(僕の)印象に残った試合を5位~1位まで発表していくことにする。
題して「この1年でインパクトのあった試合5選」。
5月という中途半端な時期だが、上記ランキングを眺めていて思いついた次第である。
なお異論等があっても知ったっちゃない。
あくまで“僕の”ランキングなので。
この1年でインパクトのあった試合5選:第5位
「中谷潤人vsアンドリュー・モロニー」
中谷潤人vsモロニー弟をようやく視聴。両選手に興味がないせいで食指が動かなかった。中谷潤人ホントにつええな。最後の左カウンターは井上尚弥を参考にした?
まず第5位はデビン・ヘイニーvsワシル・ロマチェンコ戦のアンダーで行われた中谷潤人vsアンドリュー・モロニー戦である。
この試合は中谷が実力の高さを示すとともに十分なインパクトを残した。
特に中谷が全局面でモロニーを上回ったのは文句のつけようがない。
モロニーも2Rのダウンからあの手この手で活路を見出そうとしたが、中谷はそのすべてに対応。ラフに頭をぶつけられても肘を使われてもまったく動じる様子がない。
恐らくモロニーの実力も王者とそん色ないレベルで、その相手をあそこまで圧倒したのはちょっととんでもない。
それこそS・フライ級でこの選手に誰が勝てるの? というくらい。
蛇足だが、PFPランキングに入ってもおかしくないほどのインパクトだったのではないか。
じゃあなぜ5位なの? という話だが、理由は単純で僕が中谷潤人に興味がないから。
とんでもなく強い上に海外のリングでも物おじしない骨太感もある。
将来的に「井上尚弥と対戦したい」と公言するクソ度胸もいい。
魅力的なプロフィールには違いないが、どうにも興味がわかない。
相変わらず僕は「井岡一翔は王座を返上してよかったね」「中谷と関わる必要ない」と思っているが、恐らく今後も(日本人対決の場合は)中谷潤人を主語で語ることはないと思われる。
井岡一翔がWBO王座を返上、ジョシュア・フランコと再戦へ。なるほどその手があったか。ハイリスクローリターンの中谷潤人ではなく最短でエストラーダ戦に向かう方法
この1年でインパクトのあった試合5選:第4位
「那須川天心vs与那覇勇気」
那須川天心vs与那覇勇気戦を再視聴したら天心のすごさにオドレエタ。これは相当すごいな。試しに誰が天心を攻略できそうかを考えてみた
この試合は会場で観たのだが、その際は「ああ、さすが那須川天心」「十分ボクシングにも適応できそうだな」と思った程度。
後日Amazon Primeで再視聴して「おお!! こりゃすげえわ」となった次第である。
与那覇勇気が懸命に追いかけるもなかなか間合いを作れず。ようやく自分の距離に入ってもちっともパンチが当たらない。
で、離れ際や振り向きざま等、攻防のつなぎを狙われ次々被弾を繰り返す。
また、キック出身なだけあってもみ合いにも強く柔道経験者(らしい)の与那覇が簡単に転がされる。
僕は与那覇勇気が勝機を見出すには接近戦だと思っていたが、その接近戦でも天心は与那覇のはるかに上をいっていた。ハンドスピード、パンチの正確さ、見切りのよさ等、まともに触らせずに自分の攻撃だけを当てるカウンタースタイル。
本番1週間前の公開スパーリング(それもどうなの? と思ったけど)ですでにかなりのレベルなのはわかったが、改めてこれはいいぞと。
与那覇が真正面から行きすぎたことや終盤に疲れが見えたこと、階級をどうするか? 等、未知数な部分も多いが、能力の高さについては間違いなさそう。次戦がさっそく楽しみになった次第である。
まあ、那須川天心をほめるとなぜか真のボクシングハァン()が光の速さで説教しにくるのでアレですが。
「那須川天心」と「井上尚弥」を同時に語ろうものならガチの地獄ですよw
天心が嫌いなのは構わないけど、できれば放っといてくれるとありがたいww
24時間365日Twitterに張り付いてねえでがんばってリアルを生きろよって話で笑
この1年でインパクトのあった試合5選:第3位
「アルツール・ベテルビエフvsアンソニー・ヤード」
ベテルビエフvsアンソニー・ヤードは僕がL・ヘビー級が好きな理由が全部詰まった試合。素で人間辞めてるヤツらが技術まで実につけちゃったw
以前から僕は「L・ヘビー級はすごい」「めちゃくちゃおもしろい」と絶叫しているのだが、この試合はその醍醐味が山ほど詰まっていた。
パーフェクトレコード継続中の剛腕アルツール・ベテルビエフだが、決して打たれ強くはなく過去にダウン経験もある。
対するアンソニー・ヤードは23勝22KOとこちらも倒し屋。セルゲイ・コバレフにKOされたものの、直近3試合では1R、4R、3Rと早いラウンドでKO勝利を挙げている。
この化け物同士の対戦は期待通りの大激戦に。
中でも4Rに意を決して打ち合いに出たアンソニー・ヤードはすごかった。
徐々に得意の距離をキープできなくなっていたところであえて前に出る。悪い流れを変えるためとはいえ、ベテルビエフ相手に打ち合いを選択したのは驚かされた。
だが、そこでペースを奪うまでにはいかず再びベテルビエフの圧力を持て余す。コーナーでそのつど身体を入れ替えるベテルビエフを追いきれず、逆に離れ際の被弾で徐々にダメージを蓄積させていく。
アンソニー・ヤードは確かに化け物的な強さの持ち主だが、実は不用意な被弾が多い。
ガードを低く構えるせいか顔面の防御にやや無頓着な気が……。
そしてコバレフ戦同様、ポコポコと被弾しているうちに効かされフィニッシュまで持っていかれるという。
今回も最後のド派手なカウンターにばかり注目が集まるが、そこに至るまでの積み重ねも大きかった。
と言いつつ、化け物同士の頂上決戦はやはり凄まじい。
軽量級のテクニカルさ、“素”の強さが全面に出る重量級どちらもいいが、L・ヘビー級はそのバランスが絶妙である。
特にトップ戦線は“人外のみが生き残れる場所”という感じで本当におもしろい。
ディミトリー・ビボルに挑んだカネロなどはL・ヘビー級の別次元っぷり、コイツらには絶対に関わってはダメだってことを思い知らされましたからね。
カネロが8年7ヶ月ぶりの敗戦。ビボルのジャブとガードを崩せず。“ロッキー・フィールディングの呪い”を解いたビボルに神の祝福を
この1年でインパクトのあった試合5選:第2位
「寺地拳四朗vs京口紘人」
寺地拳四朗vs京口紘人ほか振り返り。拳四朗のあまりの強さに目が覚めた。皮肉でも批判でもなく拳四朗は事件を起こしてから一気に人生が開けたよな
この試合も現地観戦したのだが、こちらは那須川天心vs与那覇勇気戦と違って会場で直にすごさが伝わってきた。
序盤からフルスロットルで動き回り次々ヒットを重ねる拳四朗。
京口も打ち終わりのカウンターを狙うが、拳四朗のスピーディな出入りになかなかついていけない。
起点となるジャブに右クロスを被せられ、サイドに回られガードの外から連打を浴びる。
3Rあたりでどうにかタイミングを掴みかけたものの、拳四朗がそこからもう一段スピードをアップするという。
5Rにへばって反撃を許した拳四朗だが、6Rをまるまる休憩に使い再びギアチェンジ。
すでに京口にはついていく力は残っておらず、最後は立ったままロープにもたれかかったところでレフェリーにストップを告げられる。
いや、この試合はガチですごかった。
拳四朗に関しては泥酔でのやらかしや矢口正道戦での強引なリマッチによって(僕の中では)完全にネタキャラ化していたのだが、そういった諸々をはるかに超えるインパクト。
WBA王者(当時)の京口を圧倒しまくる姿に驚かされっぱなしだったことをお伝えする。
試合中も「マジかよ」「嘘だろ」「強すぎるだろ」ばっかり連呼してましたからね笑
先日のアンソニー・オラスクアガ戦もすごかったが、残念ながら京口戦の衝撃には及ばない。モロニーに勝利した中谷潤人同様、PFPランキングに入らないのが不思議なくらいである(興味ないけど)。
ちなみにあの試合はオラスクアガの評価の高さから「拳四朗が負ける」という声も多かったが、僕にはそうは思えず。「オラスクアガは強そうだけど、さすがに拳四朗に勝つほどではないんじゃない?」と。
京口戦のパフォーマンスでバイアスがかかっていたのかもしれないが、拳四朗が負ける姿はまったく想像できなかった。
それでもフライ級でやればオラスクアガ>京口かもしれないですけどね。
寺地拳四朗vsアンソニー・オラスクアガ。MVPはオラスクアガで決まり!! 驚異の粘りで拳四朗の心を折りかける。フライ級なら京口よりも強いかもしれんな
この1年でインパクトのあった試合5選:第1位
「シャクール ・スティーブンソンvs吉野修一郎」
シャクール・スティーブンソンがジーマーでバイヤーすぎる件。吉野修一郎に6Rストップ勝ち。すでにエドウィン・バレロなら? パッキャオなら? の領域に見える
第1位はこの試合。
日本の吉野修一郎が無敗のサウスポー、シャクール・スティーブンソンと敵地で対戦した一戦である。
これはインパクトというより“絶望感”と表現する方が正しい。
中谷正義に勝利しアジア圏で敵なしを証明した吉野修一郎が満を持して臨んだ挑戦者決定戦。
ただ、相手が将来のPFP候補でもあるシャクール・スティーブンソンではさすがに分が悪いとは思っていたが……。
突進力、打たれ強さ、しつこいくらいにまとわりつく接近戦での粘り、などなど。
不利には違いないものの、勝負できる部分もある……などと思っていた時期が僕にもありました。
上述の中谷潤人がアンドリュー・モロニーを全局面で上回ったと申し上げたが、シャクールvs吉野戦はそれ以上。
有利なはずの接近戦で吉野が手も足も出ない光景は絶望以外の何ものでない。
ストップが早い、吉野はまだできたという声も多かったが、正直あのまま続けても残虐ゲームにしかならない。無駄なダメージを負う前に止めてくれてよかったとすら思っている。
てか、中谷vsモロニー戦は盛大にゴッツンしたけどシャクールvs吉野戦はその気配すらなかったですからね。
吉野の試合は頭が当たるケースが多いのは周知の事実。
極論、バッティングが起きてもいいから前に出て腕を振りまくれよと思っていたが、現実は間合いを支配されたまま一方的に被弾を重ねるのみ。
見切りのよさ、相手の虚をつく? 能力は那須川天心と同種のものを感じたが、恐らくレベルははるかに上。
冗談でも何でもなく「この選手に勝てるのはパッキャオ? エドウィン・バレロ?」みたいな妄想をせざるを得ない強さだったと思う。
現ライト級で辛うじて可能性があるとすればジャーボンティ・デービスかな? と思うが、それでも相当難しいんじゃないっすかね……。
ジャーボンティ・デービスvsライアン・ガルシア。序盤物量勝負を仕掛けたガルシアはよかった。でもデービスの嗅覚、精度が高すぎる
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