2020年阪神雑感。藤浪晋太郎、髙橋遥人、スアレス、サンズ、大山、ボーア、福留、陽川、藤川その他。実はかなりバランスのいい編成だったんだよな【2020.9.9】
2020年9月9日時点での阪神タイガースの成績は下記。
戦績:67戦32勝31敗4分
勝率:.508
順位:3位
本塁打:66(セリーグ4位)
打率:.242(セリーグ5位)
防御率:3.48(セリーグ2位)
開幕当初のどん底状態から持ち直して何とか3位につけてはいるが、首位巨人とのゲーム差は9.0。しかも直接対決で3勝10敗と巨人戦を大の苦手としており、他チームに勝ち越した分を一気に吐き出している状態が続く。
先発陣はエースの西勇輝を中心に防御率3.38(セリーグ2位)と奮闘しているが、持ち味だったはずの救援陣は防御率が3.85(セリーグ3位)と低迷気味。昨年までの圧倒的な物量とはほど遠い。
また新加入のジャスティン・ボーア、ジェリー・サンズの奮闘によってチーム本塁打数は3位に1本差の66本(セリーグ4位)につけているものの、チーム打率は.242(セリーグ5位)。思ったほど得点が伸びてきていない(得点:282 セリーグ4位)。
新型コロナウイルスの影響で120試合の短縮シーズンとなった今季。
現在3位につける我が阪神タイガース(ファンではない)のここまでの戦いっぷりを、シーズン前の予想も含めて適当に振り返ってみたいと思う。
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今年のセリーグ? 巨人の優勝に決まってるじゃん。開幕してすぐにわかったでしょ
まず最初に申し上げておくと、今シーズンのセリーグは巨人が優勝する。間違いなく巨人が優勝する。
エース菅野は開幕から10連勝と圧倒的なピッチングを継続中。高卒2年目の戸郷翔征とともにリーグNo.1の先発陣を形成する。
また主砲の岡本和真は現在本塁打19本で、やや衰えが見られる坂本勇人や調子の上がらない丸佳浩を差し置いてチームをけん引している。
さらに6月には楽天からゼラス・ウィーラー、7月には高梨雄平をトレードで獲得するなど、補強面でも抜かりはない。
現状、セリーグは完全に巨人の1強状態。特に2位DeNAと3位阪神が揃って巨人戦を苦手としているため(DeNA:3勝9敗、阪神:3勝10敗)、直接対決をすればするほど差が広がっていく状況。
巨人以外の5チームが情けなさ過ぎるのもあるが、それも含めて「今年の優勝は巨人です」としか言いようがない。
生粋の阪神ファンとしては非常に悔しいのだが、ここまで明確な実力差を見せられてはぐうの音も出ない。変則シーズンによってCSでの下剋上()も存在しない今季は素直に諦めるしかないのかなと。
ちなみに僕は阪神ファンではない。
2020年の阪神は戦力的にはそこそこバランスのとれたいいチームだった。ベテラン陣が去年と同じように働けば…
これは開幕前から言っていたのだが、今シーズンの阪神は戦力的にはそこそこ整っていたように思う。
福留、糸井を軸に糸原、近本、木浪の左の巧打者タイプが脇を固める打線。
主砲に成長しつつある大山、癌からの復帰を果たした原口に加え、捕手は鉄壁のブロック&強打の梅野と高いキャッチング技術を持つ坂本を併用できる。
さらに金本監督時代から成長を望まれてきた中谷、北条、陽川、江越もいる。
投手陣はエースの西勇輝はもちろん、秋山、青柳、岩貞の3人はそこそこの計算が立つ(はず)。
ポテンシャルお化けの髙橋遥人と不振からの復活を期す藤浪晋太郎。後ろは能見、藤川球児のベテラン陣を中心に望月、岩崎、馬場の中から誰か1人でも台頭すれば……。
またボーア、サンズ、エドワーズ、ガンケルら新外国人は全員それなりに期待値が高く、そこに残留組のジェフリー・マルテ、オネルキ・ガルシア、ソフトバンクから獲得したロベルト・スアレスが加わる。
そしてキャンプでの動きを観る限り、今年の陽川、岩貞はまあまあよさそうに思える。
我が阪神タイガース(ファンではない)2020年オープン戦を観て
・岩貞祐太
→右打者の外へのチェンジアップの精度が上がればローテの中心・ドラ2井上
→4年後に鈴木誠也になれ。間違っても江越大賀にはなるな・小野
→二度と見たくない・陽川
→今年はそこそこいけるんちゃうか?なお開幕
— 俺に出版とかマジ無理じゃね? (@Info_Frentopia) March 9, 2020
申し上げたように編成上のバランスはここ数年の中ではかなりいい。
福留、糸井、能見、藤川のベテラン陣が去年と同程度の成績を残すことが大前提だが、ボーア、サンズ、エドワーズ、ガンケルのうち2人と藤浪晋太郎がうまく機能すれば。
他のチーム次第だが、冗談抜きでひょっとしたらひょっとするんじゃねえか?
などと思っていた時期が僕にもありました。
我が阪神タイガース(ファンではない)の2020年助っ人総括。ボーア、サンズ、ガンケル、エドワーズ。異国での変則シーズン、お疲れさまでした
計算していた戦力が揃って大コケ。ここまで当てが外れるのは予想外でしたね
それがまさか。
当てにしていた戦力がここまで総崩れになるというのはちょっと予想外だった。
大黒柱の福留は開幕から極度の不振、糸井は安定の故障離脱で早々に中軸2人がコケる。
中谷、原口はお話にならず、一瞬覚醒したかに見えた江越はシーズンインとともにいつものガチャ枠へまっしぐら。
投手陣も髙橋遥人、望月が故障離脱、藤川、能見、岩崎はちっとも調子が上がらず。
頼みの藤浪晋太郎は……。
満を持して先発した試合で、北条のエラー連発で盛大に足を引っ張られての負け投手に。
加えてコロナの影響でオープン戦は中止、開幕も大幅延期に。
その結果、ある程度時間を要すると思っていたボーア、サンズは案の定まったく機能せず。ようやく2人に当たりが出てきたと思ったら、今度は唯一安定していたマルテが故障離脱。
先発ローテの一角を担うはずだったガンケルは初戦で炎上→2軍送り。もう1人の助っ人先発オネルキ・ガルシアも開幕4戦で1勝3敗と負け越してはいるが、それでもまだマシな方という。
僕がもっとも期待していたエドワーズに至っては、開幕戦に登板しただけで肩を痛めて行方不明である。
我が阪神タイガース(ファンではない)2020年助っ人外国人適当評価。パッと見で成績を予想してみるけど、みんな結構いいんじゃないかな
マジな話、これだけ極端な大コケはさすがにショックがデカ過ぎた。
開幕当初の阪神は「球史に残る弱さ」などと言われていたが、冗談でも何でもなくその通り。
打てねえ、守れねえ、試合はつまらねえ。好きな選手は全員消えた。
見るべきものがマルテの打席のみなど、我々阪神ファン(ファンではない)にとっては地獄以外の何物でもない。
ようやく少しはまともになってきたかな。藤浪晋太郎も久しぶりに勝利したし
開幕直後から負け続けて7月上旬には早くも借金が8まで膨れ上がったものの、ボーア、サンズの2人が調子を上げ、大山とのクリーンアップを形成してようやく“打線”として機能し始める。
じわじわと勝利を重ね、同14日には中日を追い抜き最下位から脱出、21日にはついに貯金1まで盛り返す流れに。
フハハハ‼️
我が阪神(ファンではない)ついに貯金1。負けを知りたい。だからサンズはそこそこやるし、スアレスは思った以上にいいと言っただろw
なお、何で5点差で出てきたかは知らん。金本超変革()の成果が一年半遅れで出てるのが笑うんだよなw
あとは160km投げる2mのアイツが帰ってくれば。
— 俺に出版とかマジ無理じゃね? (@Info_Frentopia) July 21, 2020
また、投手陣は不調の藤川に代わって守護神を任されたスアレスが無双を続け、髙橋遥人の復帰に伴い岩貞を中継ぎに再配置。同じく中継ぎに回ったガンケルと2人で便利屋枠として投げまくる。
そして、8月21日のヤクルト戦で藤浪晋太郎が692日ぶりの勝利を挙げて我々阪神ファン(ファンではない)を歓喜させた。
正直、先発ガンケルはちょっとキツいと思っていたが、軸となる球をツーシームからスライダーに切り替えて以降、中継ぎとしてぼちぼち機能していることには割と驚かされた。短いイニングを出力全開でいけば十分通用するというのはうれしい誤算である。
福留、糸井は相変わらず不調だし、藤川球児の今シーズン限りでの引退表明は自分の中でまだ整理がついていない。
最強のリリーバーとして球界に君臨した00年代。
憧れのMLBの舞台で思うような結果が出ずに苦しんだ2010年代前半。
で、独立リーグを経て阪神に復帰し第二次全盛期を迎えた2010年代後半。僕の阪神ファンとしての生活は藤川球児とともにあったと言っても過言ではない。
なお、僕は阪神ファンではない。 https://t.co/6xQkqh9QMD— 俺に出版とかマジ無理じゃね? (@Info_Frentopia) August 31, 2020
決してベストな状態とは言い難いが、開幕当初のクソっぷりがあのまま続くとはさすがに思えなかったのも確か。どちらにしろ、ようやく少しだけまともになってきたと言ってもいい気がする。
余談だが、2019年9月24日の甲子園での最後の阿部慎之助vs藤川球児は“令和の名勝負”と名付けてもいいと思っている。
現役引退を表明した背番号10
虎が誇る鉄腕は直球勝負で応える!?阪神×巨人
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藤川球児についてはそのうち取り上げてみたいと思っているが、いつになるかは不明である()
3番陽川は違う。分不相応な起用でプレッシャーに押し潰されて調子を落とすケースは普通にあるから
ただまあ、アレだ。
陽川3番起用は違うと思うぞ。
僕は開幕前から「今年の陽川はそこそこやりそう」と連呼し続けてきた経緯がある。
スイング見る限りでは陽川は状態キープできてるっぽいな。
今年はそこそこ期待できるんちゃうか。 https://t.co/5ixvbpXMR0
— 俺に出版とかマジ無理じゃね? (@Info_Frentopia) June 3, 2020
そして、実際に“そこそこ”やれている。
だが、さすがにこの選手を3番に据えるのは違う。
陽川が初めて3番に起用されたのは8月25日の中日戦なのだが、そこから4日連続で3番に座っている。
とはいえ、それまでの陽川は主に7番を打ったり代打で出場したり。あくまで半レギュラー的な立場である。
そんな選手をいきなり3番に起用するのははっきり言って分不相応だし、チーム最強打者のプレッシャーに押し潰される可能性もある。
現に月別の打率を見ると、
6月:.400
7月:.257
8月:.241
9月:.125
と順調に調子を落としていることがわかる。
その上、4日連続で3番に据えた翌29日には代打ですら使われない。
かと思えば、9月1日には再び3番で起用され、その後3日間はスタメンを外される。
相手先発の左右によって糸井と陽川を併用しているのはわかるが、これははっきり言ってよろしくない。
陽川のような半レギュラーの選手にいきなり中軸を任せるのも極端過ぎるし、こういう定まらない使い方をしていれば調子を崩す危険もある。
その結果、2軍送りなどとなったら目も当てられない。ようやく何かを掴みかけたものがすべてがパーになってしまう。
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そもそも論として、陽川って左投手より右投手の方が得意ですからね。
スイング軌道もそんな感じだし、実際の打率も対右:.258、対左:.239である。
首脳陣は選手の適性や格、調子等、いろいろな要素を加味して適材適所を探るべきであり、実力以上のものを押し付けてもいい結果にはならない。
金本超変革()の意思を継いだ矢野監督は決して悪くはないと思うが、細かい部分でのセンスはいまいちな気もする。
糸井が大コケしたせいで3番を打てる選手が見当たらないのもわかるけどね。
ついでに言うと、阪神は何があってもドリスを手放したらアカンかったんですよ。
Rafael Dolis, Filthy K (with 2 Swords). ⚔️⚔️ pic.twitter.com/AGMaWYwlib
— Rob Friedman (@PitchingNinja) September 9, 2020
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