デビン・ヘイニー案外危なそう? ジョージ・カンボソスのカウンターに回避が間に合うか、ジャブでどれだけアドバンテージを取れるかだけど【予想・展望】
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2022年6月5日に豪で行われるWBO/IBF/WBAスーパー世界ライト級王者ジョージ・カンボソスとWBC同級王者デビン・ヘイニーによる王座統一戦。開催場所はメルボルンにあるマーベル・スタジアム(5万人超収容)で、アンダーカードには日本の井上尚弥と対戦したジェイソン・モロニーと井岡一翔と対戦したアストン・パリクテの一戦も組まれている。
ヘイニーがPFP1位で異論ないよな? “あの”カンボソスを塩漬けにしたんだぞ。井上尚弥、カネロがはるか彼方にふっ飛ぶ偉業。ジャブ、ダッキング、クリンチが最強。以上!!
なおこの試合は当初カンボソスvsワシル・ロマチェンコ戦が予定されていたものの、ロマチェンコの母国ウクライナがロシア軍の侵攻を受けたために頓挫。代役としてWBC王者デビン・ヘイニーが抜擢されている。
また両者の契約には再戦条項が盛り込まれているとのことで、カンボソスが敗れた場合はオーストラリアでの再戦が義務付けられる。
2020年10月のテオフィモ・ロペス以来のライト級4団体統一王者誕生となる一戦に注目である。
カンボソスvsヘイニーって案外おもしろそうなんですよね。ヘイニーがロペスが負けた瞬間に名乗りを挙げたらしいけど、舐めてると痛い目に合うぞ?
ジョージ・カンボソスvsデビン・ヘイニー。
ジョージ・カンボソスが絶対不利と言われたテオフィモ・ロペスに勝利し王座をごっそり獲得したのが2021年11月。
初防衛戦に元PFP No.1ワシル・ロマチェンコを選んだことでさらに注目が高まったわけだが……。
テオフィモ・ロペス陥落。カンボソスの研究と覚悟に無策のロペス。あれだけ顔面丸出しで攻めればw スペックの高さは文句なしだから復活を期待するよ
残念ながら緊張状態が続いていたウクライナとロシアの開戦により試合が頓挫→代役としてWBC王者デビン・ヘイニーが抜擢されている。
だが、僕としてはこの試合も案外おもしろいんじゃねえか? と思っている。
ロマチェンコの離脱は理由も含めていたたまれないものがあるが、それはそれ。
前回のテオフィモ・ロペス戦を観る限り、ヘイニーにとってカンボソスはそこまで簡単な相手ではない。というより、むしろヘイニー危ないのでは? とすら思っている。
ヘイニーはロペス陥落後に間髪入れずにカンボソス挑戦に名乗りを上げたらしいが、いや、大丈夫か? お前。舐めてるとマジで痛い目に合う気がするけど……。
カンボソスはカウンター使いなんだろうな。左フックと右オーバーハンド。でもサイズとフィジカル面は若干心もとない
まずカンボソスの過去の試合(ロペス戦を含めて)を漁ってみたが、この選手は基本的にはカウンター使いなのだと思う。
若干左腕を下げた構えから鞭のようにしならせて打ち出すジャブ。
バックステップと見切りのよさ、テオフィモ・ロペスにも負けないスピードを持つ選手で、試合を通してその動きを維持するスタミナもある。
中でも目につくのは左フックと右オーバーハンドのカウンター。
左フックは相手の動き出しを狙ってジャブと同じタイミングで打ち出すもの。
右オーバーハンドは相手の打ち終わりに顔面が空いた瞬間外側からぶん回す。
前戦の1Rでロペスからダウンを奪ったのもこの右オーバーハンドである。
鞭のような左リードで距離とタイミングを測り、後の先を狙ってカウンターを打ち込む。
ディフェンスは距離と見切りが中心で、顎を守る右ガードは常に高くキープ。
だがサイズ的に恵まれているとは言い難く、身長176cmに対してリーチが173cmとやや短い。
有効打をヒットするには相手の危険地帯まで近づく必要があるため必然的に被弾も増える。
さらにテオフィモ・ロペスの圧力に試合終盤はタジタジになるなど、馬力のある相手を抑えきれなくなる傾向も……。
見切りとスピードに長けたカウンター使いでスタミナも十分、最後まで折れないメンタルも持ち合わせるが、ライト級としては少々フィジカル面が頼りない。
これがジョージ・カンボソスに対する僕の印象である。
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ヘイニーのジャブとカンボソスのカウンター。どちらがより自分の長所を相手に押し付けられるかが見どころかな
今回の見どころは割とわかりやすいと思っていて、
デビン・ヘイニーのジャブがどこまで機能するか。
カンボソスのカウンターをヘイニーがどれだけ回避できるか。
恐らくこの2点だろうと。
デビン・ヘイニーはメイウェザー2世とも言われる選手で、L字の構えと高い身体能力を活かしたスピーディな出入りが持ち味。
これまでユリオルキス・ガンボアやホルヘ・リナレス、ジョセフ・ディアスといった強豪に持ち前のスピードと鋭いジャブを駆使して勝利を重ねている。
ジョー小泉を避けることをズミヨケと呼ぶことにする。フィゲロアvsフルトン、ヘイニーvsディアス、アリーム、モンタナ・ラブ振り返り
中でも遠間からのジャブは精度、威力ともに目を見張るものがあり、リナレスもジョジョ・ディアスもこのジャブに最後まで苦しめられた。
申し上げたようにジョージ・カンボソスはガードが低くディフェンスは見切り中心。リーチが短く有効打を当てるにはある程度の距離まで近づく必要がある。
今回のヘイニー戦でもジャブの打ち終わり、もしくは自ら距離を詰めて右を打ち込んでくるのは明白で、そこにヘイニーがどう対応するかという話。
L字の構えとスピーディな出入りが持ち味のヘイニーだが、現状あらゆる面でメイウェザーには及ばない。
ジャブを起点に一歩前進してフックをヒット、大きなダッキングで反撃をかわす→サッと飛びのくのが基本的なパターンだが、一つ一つのアクションが大きく相手の危険地帯にとどまる時間が長い。
さらにメイウェザーのような柔軟なスウェイは利かず、近場ではガードが間に合わずに真正面から被弾を許すシーンも。
また試合を通してムラっ気が多いというか、後半の失速癖もこの選手の特徴。
2021年5月のホルヘ・リナレス戦では、10R終了間際にリナレスのワンツーを被弾してフラフラになる一幕もあった。
鞭のようなジャブとカウンター、近距離で勝負したいカンボソスと、遠間からの左リード、スピード差を活かした出入りで翻弄したいヘイニー。
比較的お互いにやるべきことがはっきりしており、どちらがより自分の長所を相手に押し付けられるかの対戦になるのかなと。
カンボソスvsミッキー・ベイ戦と似た感じになりそう? カウンターをチラつかせながら近づくカンボソスとジャブで応戦するヘイニー
試合の流れとしては、ジョージ・カンボソスvsミッキー・ベイ戦と似た感じになるのではないか。
2019年12月に米・ニューヨーク州マジソン・スクウェア・ガーデンで行われ、カンボソスが2-1(94-95、97-92、96-93)の判定で勝利した試合。
L字の構えと遠間からのジャブ、スピーディな出入りが持ち味のミッキー・ベイに対し、カンボソスはカウンターをちらつかせながら前進。ある程度の位置まで近づき、ベイに先に手を出させる→打ち終わりにカウンターを合わせる流れで攻める。
逆にベイが遠間からジャブを打ち込んでくれば、自らも一歩前に出て連打の合間にカウンターを狙う。
中間距離での緊張感、一瞬の交錯が見応え十分な好試合、大接戦の末にカンボソスが僅差判定勝利を挙げたわけだが、大雑把に言えば今回もこれに近いものになりそうな……。
デビン・ヘイニーはミッキー・ベイよりもサイズがあるが、上述の通り一つ一つのアクションが大きい。
リーチが短く近場で勝負しなくてはならないカンボソスだが、ヘイニーの復元力の低さを考えると十分チャンスはありそう。
逆にミッキー・ベイのジャブに苦戦を強いられたカンボソスではヘイニーのジャブを回避できる気がしない……。
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繰り返しになるが、ヘイニーにとってカンボソスは簡単な相手ではない。
それこそ油断していると開始直後から力みかえって顔面丸出しで特攻→返り討ちにあったテオフィモ・ロペスの二の舞になるのでは? とすら思っている。
勝敗予想は…わからん笑 大穴狙いでカンボソスの判定勝利にしておく
肝心の勝敗予想なのだが、いや、マジでわからない(毎回言ってるけど)。
過去の試合を漁れば漁るほど迷宮入りするというか、カンボソスが勝ちそうな気がしてくる。
ただ、世の中的にはヘイニーが勝つのが既定路線なのかな? という印象がががが。
前半はヘイニーがジャブを中心にリードを奪うも、タイミングを覚えたカンボソスが中盤から後半にかけて盛り返す。で、ヘイニーの失速とともに最後は鼻差で……。
というわけで、思い切ってジョージ・カンボソスの判定勝ちを予想しておく。
両者のこれまでの試合を観る限り恐らくKO決着はない。さらにカンボソスのフィジカル面もヘイニー相手ならそこまで問題にはならないだろうということで。
心情的にはヘイニーに勝ってもらいたいんですけどね。
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