アニメ「はじめの一歩」第1期が完璧としか言いようがない。「強いって、何ですか?」「知りたいか。ならば戦ってこい。あの男に勝ってこい」

アニメ「はじめの一歩」第1期が完璧としか言いようがない。「強いって、何ですか?」「知りたいか。ならば戦ってこい。あの男に勝ってこい」
 
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先日から動画配信サービスHuluが期間限定(2020年4月17~5月10日)でアニメ作品などを無料公開している。

その中に人気ボクシングマンガ「はじめの一歩」のアニメ第1期も含まれている。
 
本作は2000年10月〜2002年3月まで全75話が放送され、深夜アニメながら最高視聴率6.1%を記録する人気作となったとのこと。
 
僕も今回、Huluのご厚意をありがたく頂戴し、この「はじめの一歩」第1期をざーっと観てみた次第である。

アニメ「はじめの一歩」第1期は完璧な作品。主人公がボクシングを始めて頂点に立つまでの流れ

最初に断言しておくと、アニメ「はじめの一歩」第1期は完璧な作品である

 
いじめられっ子が偶然ボクシングと出会い、弱い自分と決別するためにプロを目指すことを決意。ジムの仲間やライバルと切磋琢磨しながら成長を遂げ、苦労しつつも日本タイトルマッチにこぎつける。
絶対王者を相手にまったく引かない戦いを見せるものの、最後は力及ばずTKO負け。プロボクサーになって以降、初めての“挫折”を知る。
 
その後、復活を果たした一歩はさらに力をつけ、再び日本タイトルマッチの舞台へ。
相手は新人王戦で勝利した宿命のライバル千堂武士。お互いの意地とプライドをかけた激闘の末、デンプシーロールの完成形を披露しての勝利。試合の中でみるみる力をつけ、最後は鴨川会長の想像を超えるファイトで見事日本王座を獲得する。
 
完璧すぎる。
 
決意→成長→挫折→復活→頂点へ。
いわゆるスポーツ漫画の王道中の王道の流れで、全75話となかなかの長丁場ながらも無駄な回は皆無と言える。
 
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千堂武士戦の盛り上がりがすごい。7Rの鴨川会長との会話はアニメ史に残る名シーン

特にラストの千堂武士戦の盛り上がりは本当に凄まじい。

 
合宿での薪割りで上半身を強化した一歩と、パワーアンクルを装着しての走り込みで下半身を強化した千堂。お互いが自分の足りない部分を鍛え、1年9ヶ月前とはまったくの別人となってリング上で対峙する。
 
両者が互角の勝負を繰り広げる中、フェザー級としては小柄な一歩は徐々に千堂に押し込まれていく。
 
千堂の殺人的なパンチに足がすくむ一歩。
何とか自分を奮い立たせて前に出るが、染み付いた恐怖は簡単に払拭できるものじゃない。千堂の鬼気迫る表情に気圧されロープ際で縮こまってしまう。
 
「僕じゃ、千堂さんに、勝てないよ」
 
「やることは、すべてやったはずだ」
「それを出したか?」
 
「いや、出してない!!」
 
一歩をコーナーに追い詰め、野獣のごとく襲いかかる千堂。
だがその瞬間、一歩の目を見た千堂が動きを止める。
 
「最大のチャンスだったのに」
「あそこで躊躇するなんて千堂らしくない」
 
観客やセコンドが訝しげに思う中、鴨川会長と観客席の鷹村だけはその正体に気づいていた。
 
あの瞬間、一歩が出したのは“勇気”という名のフェイント
満身創痍の一歩に残された最後の武器であり、ここまで一歩を支えた切り札と呼べるもの。

完璧すぎる。

 
開始直後にダウンを奪う会心のスタート→互角のどつき合い→千堂の強さに恐怖→勇気を振り絞って反撃→絶体絶命のピンチ→奇跡の逆転勝利
 
目まぐるしく攻守が入れ替わるスピーディな流れに両者の回想シーンが挿入され、お互いが背負ったものの重みを知る。
千堂の野獣性に一度はあきらめかける一歩だが、寸前で踏ん張り倒し倒されの末にギリギリの大逆転。
 
正直、初見の方にとっては心臓に悪いことこの上ない。試合の中でクライマックスを確信するシーンが何度あったかわからないし、結末を知っている僕でさえ手に汗握ってしまう。
もはや軽々しく「名作」などと呼ぶレベルをはるかに超えている。
 
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そして、7Rに一歩が鴨川会長と交わした会話。
「強いって、何ですか?」
「知りたいか。ならば戦ってこい。あの男に勝ってこい」
 
冗談でも何でもなく、このシーンはアニメ史(マンガ史)に残る名シーンと断言させていただく。
 
ラストは主題歌「Inner Light」をバックにボディブロー→ガゼルパンチ→デンプシーロールで激闘に決着がつく。

Inner Light (TV edition)
Shocking Lemon
アニメ
¥204

もう一度申し上げるが、完璧すぎる。

 
仮にあそこで最終回だったとしても全然OK。そのくらい千堂武士戦の盛り上がり、作者の充実度は群を抜いていたと思う。

チャンピオン
アリス
ロック
¥255

 
まあ宮田一郎との約束や間柴久美との関係など、未回収のネタも山ほどあるんですけどね。
てか、2020年現在も未回収のままなんですけどね。
 

作者の野心と成熟度のバランスが最高だった時期と、原作への愛に溢れた制作チームによって生み出された神アニメ

マジな話、千堂武士戦(コミックス30巻まで)前後の「はじめの一歩」は本当に名作である。

 
作風から作者のギラつきっぷりがめちゃくちゃ伝わってくるし、恐らく作者にとっても描きたいことが次から次へと噴き出してくる時期だったのだと思う。
2020年現在の森川ジョージは野心もクソもない、単なる絵の上手いおっさんに成り下がっているが、やはり少年マンガへの貢献度は計り知れないものがある。
 
「はじめの一歩」が酷すぎる。マンガ史に残る汚点。まさか井上尚弥の試合を丸パクリするとは…。森川ジョージは完全に終わったんだな
 
また、アニメも最終回に“鷹村と鴨川会長の出会い”回を入れたり、無理やり試合を引き伸ばして帳尻を合わせるようなこともない。青木・木村の過去編や久美とのウザいラブコメもしっかり入れるなど、原作へのリスペクトと愛情が山ほど感じられる。
 
ここ最近のCG全開の映像と比べればアナログ感は隠しきれないものの、試合のスピード感や画力は本当にうまく再現されている。

 
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漫画家としての野心と成熟度がもっとも噛み合っていた時期の森川ジョージと、原作への愛に溢れた制作チーム。これらが重なり合い、神の所業()とも呼べるアニメが完成した。
 
このアニメがO.A.されていた2000〜2002年は日本にもギリギリ元気があった時期だと思うが、諸々の要因が相互補完して生み出された奇跡のアニメなのかなと。
 
試合単体で言えば鷹村守vsブライアン・ホーク戦、幕之内一歩vs沢村竜平戦がお気に入りだが、主人公の浮き沈みやストーリーの流れは第1期が文句なしのNo.1である。
 
 
ちなみにアニメ第1期の中で僕が好きな試合は下記。
 
・幕之内一歩vs速水龍一
・宮田一郎vsジミー・シスファー
・幕之内一歩vs伊達英二
・千堂武士vsヴォルグ・ザンギエフ
・鷹村守vsクマ
・千堂武士vs茂田晃
・幕之内一歩vs千堂武士Vol.2
 
名試合多杉ワロタww
 
 
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