ジョシュア・グリアvsマイク・プラニア感想。グリア負けたんか! 井上の対抗馬とか言われてたのに。プラニアはちょっと辰吉っぽい?【結果・感想】

ジョシュア・グリアvsマイク・プラニア感想。グリア負けたんか! 井上の対抗馬とか言われてたのに。プラニアはちょっと辰吉っぽい?【結果・感想】

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2020年6月16日(日本時間17日)、米・ネバダ州ラスベガスで行われた120ポンド契約10回戦。WBO世界バンタム級1位ジョシュア・グリアがマイク・プラニアと対戦し、プラニアが2-0(96-92、97-91、94-94)で判定勝利。19連勝中の指名挑戦者グリアがまさかの敗戦を喫した一戦である。
 
 
開始直後からガードを上げて距離をとるグリアに対し、ひと回り身体の大きなプラニアはじっくりと前進して間合いを詰める。
やや変則気味の左中心に組み立てるプラニアのプレッシャーを得意のフットワークでいなすグリアだが、1R1分過ぎに距離が詰まったところで豪快に左を被弾してダウン。
 
その後、警戒心を強めたグリアはアウトボクシングに終始。プラニアの馬力に圧倒され、正面からの打ち合いを避ける状況が続く。
 
中盤6Rにこの日2度目のダウンを喫したグリアは7R開始とともに接近戦に切り替える。プラニアも真正面から受けて立つが、前半のハイペースが響いたか徐々に失速。グリアに試合の流れを奪われてしまう。
 
だが要所で得意の左をヒットするなど、決定機を作らせずに10R終了のゴングを聞く。
 
結果は2-0の判定でプラニアの勝利。
終盤の追い上げも及ばず、グリアはトップ戦線から一歩後退した。


 

漠然とグリアが勝つんじゃないの? と思ってたら負けちゃった。マイク・プラニアっていい選手だね。まったく知らなかったけど

ジョシュア・グリアが負けてしまった。
 
新型コロナウイルス感染拡大の影響で井上尚弥vsジョンリエル・カシメロの統一戦が延期となり、急きょ名前が浮上したグリア。
 
カシメロが井上戦の前にグリアとの指名戦を挟む?
仮にグリアが勝てば将来的には井上尚弥vsグリア戦が実現?
などと言われ、日本での注目度も上がっていたところ。
 
一方、相手のマイク・プラニアについてはいっさい知らず。漠然と「普通にグリアが勝つんじゃないの?」と思っていた次第である。
 
 
そして試合後にあれこれ漁ったところ、どうやらこの結果はそこまでの驚きではないとのこと。
 
ここ数戦のジョシュア・グリアは勝利こそ重ねているものの、パフォーマンスはいまいち。王者クラスを脅かすには若干物足りない。
 
逆にプラニアは2018年3月にファン・カルロス・パヤノに敗れはしたが、それ以降は約1年半で7連勝。もともとS・バンタム級が主戦場ということもあり、番狂わせは十分想定できたという。
 
ほほう、なるほど。
トップランクによる興行再開以降のうっすいマッチメークの一つと侮っていたが、どうやらそうでもないらしい。そういうことならちょっと落ち着いて観てみますか。
 
シャクール・スティーブンソンvsフェリックス・カラバロおもんなさ過ぎワロタw 久しぶりのボクシング、うすうすな試合だったな
 
だいたいそんな感じである。
 

プラニアがデカい。グリアはカウンターが得意だけど、パワフルな相手に圧力をかけられるとタジタジになる

まず、開始直後にリング中央で対峙した両者を観て思ったのが、「マイク・プラニアがデカい」
 
本来はS・バンタム級の選手とのことで、確かに全体的にグリアよりも大きく分厚い。
 
計量のときはそこまで感じなかったのだが、120ポンドのキャッチウェイトでは断然プラニアが有利だったということか。


そして、1R1分過ぎにさっそくプラニアがグリアから左1発でダウンを奪うわけだが、この左がまた……。
 
若干前傾姿勢でガードは低め。
さらに斜に構えた状態から肩を入れて打つので、1発1発がめちゃくちゃ伸びる。
 
ダウンを奪ったパンチは背中側からグルンと旋回するように側頭部にヒット。
その前にまっすぐの軌道を何発も見せてからの1発なので、グリアもまったく反応できず。
 
 
このダウン以降、警戒心を強めたグリアは自ら仕掛けることができなくなる。大きく距離をとってひたすら左右に旋回し、プラニアの正面を外すことに集中するのみ。
 
 
恐らくジョシュア・グリアという選手はカウンターが得意なタイプで、角度と距離の調整が基本のスタイルなのだと思う。
 
僕がもしかしたらカシメロに勝てる可能性があるのではないか? と思ったのも、一つ一つのアクションが大きいカシメロならグリアのカウンターが機能しそうな気がしたから。
 
だが、フィジカル面ではあまり秀でた部分はなく、恐らくパワフルな相手にプレッシャーをかけられるとタジタジになる。
「井上尚弥の対抗馬かも?」とも言われていたが、さすがにこの選手が井上の圧力を受けながら何かを起こせる感じはしない。
 
火力の強さに圧されてまともに近づけず、ひたすら足を使って動き回るだけになるのではないか。
 
 
で、今回のグリアvsプラニア戦がまさにそんな感じだったという。


 

プラニアがどことなく辰吉っぽい。井上尚弥とかドネアとも同系統のタイプかな…

また、マイク・プラニアという選手はどことなく辰吉丈一郎っぽさがある(ように感じた)。
 
辰吉丈一郎vs薬師寺保栄を観た結果、辰吉の人気の理由が何となくわかった。50歳の誕生日を迎えても目標は「世界王座」
 
以前から何度か申し上げているが、辰吉丈一郎と井上尚弥は同系統の選手だと思っていて、今回のマイク・プラニアもそれと同じ系譜な気がする。


やたらと伸びる左にパワフルな前進。
7Rから腹をくくって前に出たグリアに押されていたところを見ると、恐らく接近戦はあまり得意ではない。
 
さすがにプラニアが井上に勝つイメージはまったく湧かないが、タイプ的にはちょっと近いのではないかと。
 
違うかもしれないけど。
 
その他、ノニト・ドネアやテレンス・クロフォードに健闘したエギディウス・カバロウスカスも同じ系統かな……。
 
クロフォードさすが。カバロウスカスを9RTKO。もっと無双してほしかったけど。マジでミドル級に上げるの?
 
 
「黒子のバスケ」風に言うなら、
 
●野生の能力
青峰大輝(井上尚弥)→黒豹
火神大我(辰吉丈一郎、ノニト・ドネア)→虎
葉山小太郎(カバロウスカス)→チーター
小金井慎二(プラニア)→山猫
 
みたいな感じ。
 
いや、申し訳ないww
マニアック過ぎて伝わりにくいことは承知しているのだが、どうしても言ってみたかったんです……。

 

ダウンシーンめちゃくちゃカッコいいw グリアも調整試合でこんなヤツを選んじゃったのは運がなかったな

改めてダウンシーンを観るとめちゃくちゃカッコいい。

 
ハイライトではダウンを奪ったパンチしか映っていないが、実際にはその前にまっすぐの軌道を何度も見せている。
 
身体は真正面から迫ってくるのにパンチは横から飛んでくる。
スローで観ると、グリアがまったく反応できていないのがよくわかる。
 
特に6Rはグリアが前に出ようとした矢先だった分、本人的にもショックが大きかったのではないか。
 
確か長谷川穂積もこういう外旋回の軌道で打つ前手のフックが得意だったような……。
 
長谷川穂積のことは好きじゃないけど“世界”を見せてくれた選手だった
 
どこかの記事で読んだ気がするが、グリアも調整試合でこんな面倒なヤツを選んでしまったのは運がなかったとしか言いようがない。
せっかく指名挑戦権を持っていたのに、この一敗ですべてを失ってしまったというか。
 
駆け引きばかりで旬を逃すパターンには本当にうんざりさせられるが、今回のように引かなくてもいいババを引いてしまうのもそれはそれで「おおう……」となる。
 
 
観客の期待に応えつつ、ビジネス面も両立させるというのもなかなか難しいっすよね。
 
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