ドヘニーに翻弄されて岩佐陥落。戦略負けですかね。持ち味をうまく消されたかな。てか、ボクシング人気すげえ【結果・感想】

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東京街イメージ
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2018年8月16日、東京・後楽園ホールで行われたIBF世界S・バンタム級タイトルマッチ。同級王者岩佐亮佑がランキング1位のTJ・ドヘニーと対戦。3-0(116-112、117-112、115-113)の判定で敗れ、2度目の防衛に失敗した試合である。
 
 
開始直後から鋭い右をヒットしていく岩佐。
早くもドヘニーが目の下を切るなど、上々の立ち上がりを見せる。
 
だが2R以降、遠い位置から踏み込むドヘニーに対し、岩佐の対応が遅れるシーンが目立つ。そして、試合は徐々にドヘニーに流れが傾いていく。
 
岩佐も時おりカウンターの左を当てるものの、距離をとって足を使うドヘニーに追いつけず。中盤から後半まで、各局面で上をいかれるラウンドが続く。
 
10Rに失速したドヘニーに対して岩佐が猛攻をかけるが、そのつどクリンチでしのがれ決定打を奪えず。
最後はリング中央で激しく打ち合い、試合終了のゴングが鳴る。
 
はっきりとしたダメージこそないが、判定結果は3-0。キャリア3敗目を喫した岩佐が王座から陥落した。
 
「気になった試合ざっと振り返り。ディアスvsロハス、ホセ・ペドラサvs アントニオ・モラン、高橋悠斗vs平井亮輝」
 

調子はよかった岩佐。でも、ドヘニー陣営の作戦で持ち味をごっそり消されてしまった

まず今回の試合、岩佐の調子はよかったと思う。
やろうとしていることも見えたし、身体もよく動いていた。実際、1Rの立ち上がりはすばらしかったのではないか。
 
「エストラーダ辛勝。オルクタのパワーに苦労して判定勝利。危なかったなオイ。vs井岡もおもしろそう?」
 
恐らく、岩佐陣営の作戦は距離をとってのカウンター勝負。
 
ゴンゴン前に出て腕を振るドヘニーの顔面を狙って鋭い右を出し、出足が鈍ったところに左のカウンターを当てる。
多くの方がおっしゃっていたように、いかにドヘニーの突進を止められるか、自分の腕を振るスペースを確保できるかの勝負になると考えていた気がする。
 
そして、フィジカルトレーニングを積んでいるという試合前の情報もあり、個人的にはその作戦が機能することを期待していた。
 
「岩佐亮佑、ドヘニーとのV2戦。なかなか厳しそうだけどがんがれ。前回のサウロン戦はノーカンでいいから」
 
だが、思った以上にドヘニーが前に出てこない。
 
岩佐の射程の1歩外をキープし、左右に動きながらいきなりの踏み込み。
腕を思い切り振りながら身体ごとぶつかり、懐でもう1発フルスイング。
そのまま岩佐の腕に自分の腕を絡め、頭を押さえて反撃を封じる。
 
離れた位置から大きく踏み込み、近場では腕を強く振る。
 
岩佐は中間距離での差し合いでは強さを発揮するが、間合いの外からすっ飛んでくる相手にはカウンターが間に合わない。なおかつインファイトにもやや脆さが見られる。
その特徴をうまく突いたドヘニー陣営の作戦だった。
 
「「日本人はフィジカルが弱い」←これホントなの? そんなことないんじゃない? むしろスピード&パワーで勝負するべきな気が」
 
試合後の岩佐も「距離をとるとは思わなかった」とコメントしていた通り、両陣営の戦略でドヘニー側が一枚上手だった感じ。
岩佐の腕が伸びる位置で極力対峙しないことで、持ち味をごっそり消し去ってしまった。
 
僕の勝手な想像だが、これは2015年のリー・ハスキンス戦を参考にしたのではないかと思う。
 

バッチリ対策された岩佐亮佑。ここから先は結構厳しい気がするけど、どうしますかね

しかし、岩佐はこれからどうするのか。
 
基本的には待ちのカウンター使いなので、相手が射程の外にとどまると追いつけない。右のリードも機能せず、相手を自分の正面に誘い出すのも難しい。
 
「「大竹が負けるわけない」←これ言ったヤツ出てこい。僕だけどw マジか…。ドグボエの猛ラッシュに巻き込まれ1RTKO負け」
 
2011年の山中慎介戦のように自信たっぷりでカウンターを合わせにいけば問題ないと思うのだが、どうやらアレを取り戻すのは厳しいっぽい。
 
今回の試合は右リードの鋭さもあり、相手を懐に入れさせないフィジカルも感じられた。
だが、結局間合いの外からすっ飛んでくる相手への対処はうまくいかず。バックステップが間に合わず、下を向いて下がるので、そのつど斜め下から顔面を跳ね上げられるパティーン。
 
逆にドヘニーが失速した10R以降はしっかりカウンターが機能していたので、マジでそういうことなんだろうなと。
 
「サンキューコバレフ、お前はサイコーだった。アルバレスに7RKO負けで王座陥落。クラッシャーの終焉か?」
 
恐らくだが、ドヘニーの失速はダメージよりも疲労の方が大きかったのだと思う。
10Rにガクッと落ちたと言われているが、よく観ると7Rの後半あたりから足取りがおかしくなっている。
対岩佐用に慣れない試合運びをしたせいで、いつもよりも疲労が早くきた感が強い。
 
そう考えると、これだけ対策がバレバレなのはやはり厳しいなと。
フィジカル面の向上が見られただけに、それ以外の部分で。
 
でも、まだ引退はしてほしくないですけどね。
 

ボクシング人気も捨てたもんじゃない。あんなマニア向けの強気な売り方でも、これだけ盛況なのはすごいよね


なお今回の試合、聞くところによると当日券が6000円で売り出されたとか。
 
実は僕も現地観戦しようかなと思っていたのだが、最低金額10000円と聞いて「そりゃねえわww」と止めた経緯がある。
 
最低金額10000円ってことは、立ち見の自由席が10000円なの?
 
いやいやいやいやww
さすがにそれはねえわww
強気にもほどがあんだろ。
 
「フューリーがピアネタを寄せ付けず。陽気なクズが蝶のように舞い、蜂のように刺した10R。睡魔との戦いこそが神の御心」
 
もともと僕は4、5000円も払ってロクにトイレも行けない立ち見を強いられるのもどうなの? と思っている人間なのだが、それが10000円はちょっと……。
 
で、普通に座ろうと思ったら20000円でしょ?
そりゃあテレビで観ますわ~。
 
だいたいこんな感じ。
 
ところが当日になって突然6000円の立ち見席を売りますって、なんじゃそりゃ?
しかも10000円、20000円の席も売れ残ってるって?
 
「TFC vol.3 in後楽園ホール現地観戦の感想。亀田京之介vs溝越斗夢戦でのパフォーマンスとか盛り上げ方とか」
 
もうこれはアレですね。
「我々は内々にやるから一見さんは来なくていいよ」ってことですね。
 
はい、了解です。
素直にテレビで観ます。
 
でも、そんな意味不明な売り方で本当にお客さんは入るの?
大事な世界タイトルマッチでしょ?
などと思っていたのだが、テレビで観る限りかなり盛況だったようで。
 
いや、これは普通にすごいんじゃないの?
 
あれだけ清々しいくらいに一見さんお断りの姿勢を貫いたのに。
「それでも現地観戦したい」と思ってくれる人がこれだけいる事実。
 
皮肉でも批判でもなく、ボクシング人気も捨てたもんじゃない。
 
「高橋竜平完敗だったな…。ドヘニーが11RTKO勝利で初防衛成功。これはしゃーないか。ダニエル・ローマンと統一戦実現?」
 
マニアの方だけを向いたやり方が正解かどうかは知りませんが。
 
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