隠れ名選手グラナドス。フォルトゥナをリング外にすっ飛ばして無効試合。グラナドスはちょっと河野公平っぽいよね【結果・感想】
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2018年6月16日(日本時間17日)、米・テキサス州で行われたS・ライト級10回戦。元WBA世界S・フェザー級王者ハビエル・フォルトゥナとWBC世界ウェルター級12位アドリアン・グラナドスの一戦は、フォルトゥナの負傷により4R無効試合。お互いに再起戦を飾ることはできなかった。
試合は体格で勝るグラナドスがプレッシャーをかけ、フォルトゥナがカウンターとクリンチで応戦する展開。
序盤から両者がロープ際で激しくもみ合う流れが続く。
無遠慮に前に出るグラナドスに対し、押し込まれながらもカウンターを返すフォルトゥナ。
命中率の高さでややフォルトゥナが優勢かと思われた4R、ホールディングと後頭部への打撃で減点を言い渡されてしまう。
その後もフォルトゥナは腕を振ってグラナドスの突進に対抗するが、ラウンド終盤ロープの間からリング外へ落下。後頭部を強打して立ち上がれず、続行は不可能に。フォルトゥナはそのままストレッチャーで運ばれ、レフェリーが無効試合を言い渡す。
一方、リング上に残されたグラナドスはインタビューで再戦を示唆。不完全燃焼の試合の決着戦を求めた。
「前田絃希vs吉野修一郎、帝里木下vs勅使河原弘晶のダイヤモンドグローブを観戦してきた感想を言うぞ」
おもしろい興行でした。中でもフォルトゥナvsグラナドスとかいう謎のマッチメークには心が躍ったww
ハビエル・フォルトゥナvsアドリアン・グラナドス戦に加え、エロール・スペンスJr.vsカルロス・オカンポ戦、ダニエル・ローマンvsモイセス・フローレス戦のダブル世界戦が組まれたこの日の興行。
注目度の割にお得感が高い興行だと申し上げたのだが、マジでその通り。3試合とも毛色の違う選手が目白押しで、結果も内容もすべてバラバラ。DAZNで観戦していた僕は大満足であるww
「エロール・スペンス1RKO勝利。おいおい強杉かww でもオカンポのスペンス対策も間違いじゃなかったよね」
そして、中でも地味ぃ~に楽しみにしていたのがこのハビエル・フォルトゥナvsアドリアン・グラナドス戦。
体重超過をおかした前回のロバート・イースター戦から階級を上げたフォルトゥナと、ブローナー、ポーターに連敗した後、階級を下げて再起を目指すグラナドス。
ミスマッチ気味というか、なぜこの両者が? と聞きたくなるようなマッチメーク。
意味不明な組み合わせを前に、僕の心は無性に躍ったことを報告しておくww
「イースターってこんなヤツなんだ。フォルトゥナに2-1で辛勝。顔が嫌いで観てなかったけど、インファイトしちゃうんだね」
フォルトゥナはやっぱりこの階級では小さいよね。ロープがブラブラだなと思ってたら、案の定リングから落ちた
まずハビエル・フォルトゥナについてだが、この選手はやはりS・ライト級では小さい。
もともとがフェザー、S・フェザー級を主戦場にしていた選手で、前回までのライト級でも体格的にはギリギリだった。
「マイキーvsイースター感想。イースターがんばった。マイキーは淡々と左を出し続けて勝利。やっぱりイースターじゃ厳しいよな」
それがS・ライト級で、いきなり相手がウェルター級から下げたアドリアン・グラナドスでは……。
カウンターの命中率はよかったし、それなりに動けていたとも思うが、根本的なフィジカルがまったく足りていない。散々押し込まれた末に、後頭部を叩いて減点を食らってしまう始末。
「ジャーメル・チャーロがトラウトに完勝。野性味満載の1発狙いで2度のダウンを奪うも倒しきれず。ハード戦はよ」
また、序盤から何となく「ロープがブランブランしてるな~」と思って観ていたら、案の定スルッと間を抜けてリング外に落下するという。
フォルトゥナの低い構えと、パワーで押し込まれる展開が最悪のタイミングで合致した感じか。
「ロドリゲスの評価が下がった? いや、モロニーの評価が上がったんだよ。河野公平化したモロニーが大善戦」
大の大人があれだけデカい声で泣きわめくほどだから、落ち方としてはかなりヤバいアレだったのだと思う。
仕切り直しの再戦があるのか、別の場所で再起するのかは不明だが、とりあえずは無事であることを祈る。
「ダニエル・ローマン危なげなく勝ったなオイ。フローレスが残したものは体重超過とデカい掛け声だけ…」
実はアドリアン・グラナドスのことを気に入っている。ロマチェンコ的なプレスと連打は日本の河野公平を想起させる
対するアドリアン・グラナドスだが、実を言うと僕はこの選手のことがかなりお気に入りである。
アミール・イマム戦やブローナー戦を観て「お、結構いいなコイツ」と思い、それ以来陰ながら応援している(別に隠れる必要もない)。
「ブローナー(笑)vsグラナドス感想。エイドリアン同士の対決はブローナーの辛勝。激しい打撃戦の末にギリギリ勝利」
マジな話、僕はアドリアン・グラナドスをかなりいいと思っている。
十中八九、誰にも共感されないとは思うが。
「岩佐亮佑、ドヘニーとのV2戦。なかなか厳しそうだけどがんがれ。前回のサウロン戦はノーカンでいいから」
そして、今回の試合もさすがのグラナドス。
リラックスした構えでジグザグに距離を詰め、外旋回の左右フックで進行方向を塞ぐ。
ロープを背負わせた状況から両足を大きく開き、相手の逃げ道を封じる。
そこから再び左右のフックを浴びせ、体重を預けるように身体を密着させて強引に押し込む。
わずかなスペースを見つけてパンチをねじ込み、フォルトゥナに反撃の機会を与えない。
「ベストバウトきました。テイラーvsポストル興奮したわ〜ww ポストルに感動したかな。どっちもよかったけど」
身体能力系サウスポーでカウンター使いのフォルトゥナにほとんど足を使わせない試合運びはマジでお見事。
実際、この選手のプレスの手際のよさは特筆ものだと思っている(僕は)。
ちょっとロマチェンコ的というか、至近距離での命中率の悪さを含め、日本の河野公平と被る。
「日本一恵まれた男、河野公平がレックス・ツォーに敗れる。中国の英雄に打撃戦の末に負傷敗戦」
特に、今回のフォルトゥナやブローナーのような待ちの相手には、このスタイルはとんでもなく機能する。
今回の試合もフィジカルのゴリ押しで追い込んだように思われるかもしれないが、決してそんなことはない。フォルトゥナの退路を塞ぐようなプレスは効率的であり機能的でもある(と思う)。
「カバロウスカスがアブレウに大苦戦の末に判定勝利。今回は苦手なタイプだったな。ジャブの強さでスレスレ生き残った」
河野公平のような鋭いカウンターもなく、パンチの命中率もよくない。ディフェンスも決していいとは言えない。この試合でも、フォルトゥナのカウンターをもらって後退させられるシーンも見られた。
トップ戦線で生き残るのはなかなか厳しいとは思うが、それでも観ていて楽しい選手だなと。
「タイソン・フューリーが神である理由。セファー・セフェリを4Rノーマス。2年半のブランク明けでロマチェンコ超え」
グラナドスの王座への道? ウェルター級ではパワー不足だけど、S・ライト級は激戦区過ぎて……。いい勝負をできそうな選手も多いけどね
なおアドリアン・グラナドスの今後だが、とりあえずはフォルトゥナとの再戦だろうか。
その後はS・ライト級でやっていくつもりなのか、それともウェルター級でワンチャンを狙うのか。
前回のショーン・ポーター戦を観る限り、ウェルター級ではややパワー不足な感じがするが。
「アーノルド・ケガイって選手がいいなと思いました。WBSSバンタム級に出る選手の戦績をながめてたら出てきました」
といっても、激戦区のS・ライト級にこの選手の入る余地があるかは甚だ疑問なのだが……。
「プログレイスがインドンゴをボッコボコで初戴冠。まんま山中vsルイス・ネリだったな。相性の悪さがモロだった」
でも、アレなんだよな。
レジス・プログレイスやセルゲイ・リピネッツあたりとは普通にいい勝負になりそうに思えるんですよね(勝てるとは言ってない)。
その他、エドゥアルド・トロヤノフスキーやビクトル・ポストルが相手でもそこそこやれるんじゃない? と思ったり、思わなかったり(勝てるとは言ってない)。
「トロヤノフスキーが挑戦者決定戦に勝利。ポルティージョを1RKO。しかしホントに内山高志に似てる」
まあ、何だかんだで今後もS・ライト級とウェルター級を行き来しつつ、門番的な立ち位置に落ち着くのかなぁと想像するが。
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