ゴロフキンがシェルメタを7RKO。全盛期なら2Rで終わってたな。もう村田かチャーロとやるしかないっしょ【結果・感想】

ゴロフキンがシェルメタを7RKO。全盛期なら2Rで終わってたな。もう村田かチャーロとやるしかないっしょ【結果・感想】

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2020年12月18日(日本時間19日)、米・フロリダ州で行われたIBF世界ミドル級タイトルマッチ。同級王者ゲンナジー・ゴロフキンが同級3位のカミル・シェルメタと対戦し、7R終了TKOで勝利。初防衛に成功するとともに戦績を41勝1敗1分36KOとした一戦である。
 
 
2019年10月以来、約1年2ヶ月ぶりの防衛戦を迎えたゲンナジー・ゴロフキン。
相手のカミル・シェルメタはアマチュア戦績190戦168勝22敗の元トップアマで、プロ入り後も21戦全勝と実力の高さを発揮している選手である。
 
試合は序盤から両者が得意な中間距離で足を止めて打ち合う展開。
だが、一回り身体の大きなゴロフキンが圧力とパンチの正確さでシェルメタを圧倒する。
 
1、2Rとダウンを奪ったゴロフキンは早くも試合をコントロール。シェルメタの打ち終わりを狙って得意の右フックをテンプルにヒットするなど、まったく付け入る隙を与えず。
 
シェルメタも何とか突破口を見出そうとジャブと連打で応戦するが、逆に4、7Rにそれぞれダウンを奪われてしまう。
 
そして、7R終了後にシェルメタ陣営がギブアップを申し出たところで試合終了。計4度のダウンを奪ったゴロフキンが圧巻の初防衛を飾った。
 
村田諒太以外にゴロフキンをここまで追い詰められるヤツがどれだけおるの? でも引き出しの多さ、経験値の違いが顕著だった。改めてブランクが…
 

素晴らしい試合でしたね。久しぶりに爽快感のあるゴロフキンの勝利だった

ゲンナジー・ゴロフキンvsカミル・シェルメタ。
 
ゴロフキンにとっては約1年2ヶ月ぶりのリングということで、前回のデレビヤンチェンコ戦に比べてどこまでコンディションを作り上げてくるかに注目していたわけだが。
 
結果は4度のダウンを奪った末に7R終了TKO勝利。
久しぶりに爽快感のある勝利というか、ゴロフキンらしい試合だったと言えるのではないか。
 
実際、計量の際もそこそこ体調がよさそうだったしね。


この試合をもって「ゴロフキン、完全復活!!」というのはさすがに早計だとは思うが、とにかく素晴らしい試合だった。この階級では依然としてトップクラスの力を維持していることが証明された一戦と言えるのではないか。
 

カミル・シェルメタはいい選手だったよね。よくまとまった好選手だけど、若干スケールが小さいかな…

まず挑戦者のカミル・シェルメタについてだが、普通にいい選手だったと思う。
 
頭を動かしながらプレッシャーをかけるブロック&リターンのスタイルで、ガードが高く左も多彩。細かい出入りとボディにも鋭さがあり、元トップアマらしく至近距離での駆け引きもうまい。
 
ポーランド国内のみではあるが、21戦全勝の戦績もなるほどと思わせる選手だなと。
 
ゴロフキンvsシェルメタ戦まであと少し。シェルメタいい選手だけど、さすがにゴロフキンは勝たなきゃダメな試合だろうな
 
ただ、全体的にスケール不足で若干迫力に欠ける。しかも得意な距離はゴロフキンとほぼ同じ。
 
これだと恐らくゴロフキンの圧力を抑えきれない。何となくだが、中盤から後半にかけてシェルメタの防御が決壊してゴロフキンがKO勝利しそうな気がする。
 
さらに言うと、この選手は流れの中で顔が下がるのが気になる。
左を出した瞬間に相手から目線を切ったり、打ち終わりに顔面がお留守になったり。
ブロック&リターンタイプの割に顔がガラ空きになるシーンが多く、これがゴロフキンのフックとドンピリャリで合ってしまう? かも?
 
などなど。
「好選手には違いないが、小さくまとまり過ぎていてゴロフキンを上回るのは難しいのではないか」というのが率直な印象だったわけだが。
 

ゴロフキンの左リードと右フックがめちゃくちゃ機能した。シェルメタにとっては噛み合い過ぎる相手だったな

結果的にはマジでその通りだったなと。
 
両者が中間距離からやや近い位置で対峙し、左の差し合いを繰り広げる。
だが、わずかな動きでジャブの芯をずらすゴロフキンに対し、シェルメタはガードの間から次々に左を通され疲弊させられる。
 
何とか頭を振って懐に入ろうとするも、ゴロフキンはいっさい動じず。
ガードの奥からじっくりとシェルメタの動きを観察し、淡々と左を打ち込みオーバーハンド気味の右につなぐ。
 
シェルメタは「打ち終わりに顔面がお留守になる」「左を出す際に相手から目を切るのが気になる」と申し上げたが、確かにこの試合のゴロフキンは左リードとともに右フックがかなり機能していた。
 
あの外旋回のフックをテンプルに受けてシェルメタの首が何度もカクッとひん曲がっていたし、2Rのダウンなどはそれがモロに出た感じ。


ゴロフキンの体調がよかったのはもちろんだが、シェルメタにとってはとにかく噛み合い過ぎる相手だったなと。
 
中盤以降、“避ける必要のない”パンチをあえてもらい、攻撃の流れを止めないことを優先するゴロフキンというのは本当に久しぶりだった。
 
ああ、やっぱりすげえなゴロフキン。
ボディから顔面への流れもスムーズで、自分の得意な距離で打ち合えれば普通にこれだけの力を発揮する。純粋な強さはまだまだ階級トップクラスと断言できそうである。
 
前回のデレビヤンチェンコ戦での出来があまりに悪かったせいで心配したが、このコンディションを維持できるならあと数戦は強いゴロフキンを観られるのではないか。
 
ゴロフキンの左リードのすごさを考える。“意識の外から飛んでくるパンチ”が無造作過ぎて準備がちっとも間に合わない
 

全盛期のゴロフキンなら2Rで終わってただろうな。あとは村田諒太かジャーマル・チャーロしか残ってないでしょ

とはいえ、ゴロフキンに衰えがないなどと言うつもりはなく。
 
この試合でも全盛期のゴロフキンであれば恐らく2Rに終わっていただろうし、それ以降も「以前のゴロフキンなら倒しきっていただろうな」と思わせるシーンが2度ほどあった。
 
得意な距離で対峙した際の駆け引き、1発1発の威力はそこまで落ちてはいないが、瞬間的な爆発力やフルスロットルで動ける時間はやはり目減りしている。
 
最高出力値が低下しているというか、年齢的なものが一番影響する“荒々しさ”や“決定力”といった部分については、はっきりとした陰りが見られる。
 
 
表題の通りなのだが、ゴロフキンが戦うべき相手はもはや村田諒太かジャーマル・チャーロしか残っていないと思う。
 
申し上げたように足を止めての打ち合い、中間距離からやや近い間合いでの駆け引きをさせれば依然として階級トップクラスの実力者であることは今回の試合で証明された。
 
そして過去2戦を観る限り、マットの上を滑るようなフットワーク、足腰の強靭さは確実に失われつつある。
 
今のゴロフキンが目いっぱい力を発揮できて、なおかつ試合としておもしろくなりそうな相手。そう考えると、村田かチャーロ兄しかおらんやろという話。
 
村田諒太vsゴロフキン正式発表。予想云々はともかく勝つしかねえよ。厳しい試合になると思うけど、最初から攻めるしかないんじゃない?
 
ゴロフキンを日本に呼べるか、このご時世に大観衆を入れての東京ドーム開催が可能かどうかはともかく。村田諒太のフィジカルならゴロフキンの圧力にも屈しず打ち合えるはず。
 

村田vsゴロフキン? 現時点ではゴロフキン有利かな? でも村田にも可能性はありそう

仮に現時点のゴロフキンと村田諒太の対戦が実現したら?
 
村田がスティーブン・バトラー戦のコンディションを維持できていたとして、村田が勝つとすれば恐らく前半勝負。
ロブ・ブラント戦やバトラー戦同様、前に出て腕を振りまくり、相手に反撃の余裕を与えないままねじ伏せる流れだろうと。
 
逆にそれを逃した場合はガードの間からゴロフキンの左を浴びまくっての大差判定負け、もしくはダメージが蓄積した上での後半ストップとか、そんな感じだろうか。
 
どちらにしても見応えのある試合になることは間違いなさそう。今はまだゴロフキンの方が有利だとは思うが、村田が勝つ可能性もマジであると思っている。
 
村田諒太vsゴロフキン年末合意? 中谷潤人vsアコスタ入札、清水聡vs森武蔵戦感想。今の日本って海外の選手にとっては旨味がないからな
 
なのでアレだ。
とにかくゴロフキンには村田戦かチャーロ戦を実現してフィナーレを飾ってもらいたい。
 
カネロとの第3戦はあまり興味がわかないし、デメトリアス・アンドラーデやビリー・ジョー・サンダースのようなタイプにヒラヒラといなされて陥落→引退などという結末だけは絶対に観たくない。
 
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