天海ツナミvsエストラーダ、ジョセフ・ディアスvsフォルトゥナ、ラミレスvsスリバン・バレラ振り返り。どの試合も見応えがあったね【結果・感想】

天海ツナミvsエストラーダ、ジョセフ・ディアスvsフォルトゥナ、ラミレスvsスリバン・バレラ振り返り。どの試合も見応えがあったね【結果・感想】

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2021年6月9日(日本時間10日)に米・カリフォルニア州で開催されたGBP興行。
 
この日は元WBO世界S・ミドル級王者ヒルベルト・ラミレスがWBC世界L・ヘビー級6位スリバン・バレラとL・ヘビー級契約12回戦で対戦したわけだが、アンダーカードでは日本女子ボクシングのトップ選手2人、天海ツナミと藤岡奈穂子のタイトルマッチが行なわれている。
 
その他、元IBF世界S・フェザー級王者ジョセフ・ディアスJr.vs元2階級制覇王者ハビエル・フォルトゥナのWBC世界ライト級暫定王座戦など、盛りだくさんのイベントとなった。
 
 
というわけで、今回はこのGBP興行の中から印象に残った試合の感想を言っていきたいと思う。
 
中谷潤人vsアンヘル・アコスタ? これは大丈夫だろ。唐突にオスカル・バルデスのアンダーに放り込んでくるカイチョー本田クソ有能
 

○セニエサ・エストラーダvs天海ツナミ×(判定3-0 ※99-91、98‐92、98‐92)

まずはこの試合。
 
WBO女子世界L・フライ級王者天海ツナミがWBA女子世界ミニマム級王者セニエサ・エストラーダと対戦し、3-0の判定負けを喫した一戦。
初の米国進出を果たした天海ツナミだったが、無敗のエストラーダに敗れて王座から陥落した試合である。
 
 
この試合はもう、「相手のセニエサ・エストラーダが強かったです」としか言いようがない。
 
僕の中での天海ツナミは“日本一の女子選手”という位置付けなのだが、今回の米国進出によって日本の女子ボクシングの強さを見せるチャンスかも? とも思っていた次第である。
 
 
で、相手のエストラーダの試合をちょろっと漁ってみたところ……。
 
あれ? 強いぞコレ。
 
しかも、プロモーターのGBPにもだいぶ期待されてる選手っぽい。
 
ある程度のアウェイは想定していたが、はっきり言ってそれどころではない。完全に“エストラーダを勝たせるための試合”なのだろうと。
 
 
ただ、ミニマム級の王者ということでエストラーダはそこまで大きな選手ではない。
さらに構えも低くハンドスピードもなさそう。天海ツナミの連打とフィジカルが発揮されれば十分勝機があるようにも思える。


少なくとも2015年8月に敗れたカロリナ・ ロドリゲスよりはやりやすいのではないか。
 
などなど。
相手の強さに驚くとともに、天海ツナミの勝利にもそれなりに期待しつつ。
 
 
いや、強かったですねエストラーダ。
 
確かに身体は天海ツナミの方が一回り大きいのだが、1発1発の威力はエストラーダの方が上。
しかも、大したことはないと思っていたハンドスピードも全然速かった上に、ラウンド後半からペースを上げるなどの試合巧者っぷりも兼ね備える。
 
序盤は天海ツナミが馬力と連打でエストラーダを下がらせるシーンも見られたものの、パンチの的確さやカウンターの精度ではちょっと歯が立たない。顔面に被弾すると下を向いて動きを止めてしまう悪癖もちょいちょい顔を出し、全局面でエストラーダに上回られた印象である。
 
カシメロ陣営のやらかしでドネアが撤退。取り巻きが出しゃばるとロクなことにならんよな。伊藤雅雪vs細川バレンタイン、コルバートvsニャンバヤル
 
残念ながら完全に力負けというか、あーだこーだと文句をつける部分が見当たらないくらいの敗戦だったなと。
 
 
だが両者ともにアグレッシブで、個人的な満足度は非常に高い。
 
うん。
このレベルの選手同士であれば、女子ボクシングもいいですよね。
正直、女子の打撃格闘技は迫力がなさすぎて観るのがしんどいことも多いのだが、これだけハイレベルなら全然いける。むしろ、1R2分という短さがとっつきやすいくらい。
 

○ジョセフ・ディアスvsハビエル・フォルトゥナ×(判定3-0 ※116-111、117-110、115-112)

お次はコレ。
 
元S・フェザー級王者ジョセフ・ディアスと元フェザー、S・フェザー級王者ハビエル・フォルトゥナによるライト級暫定王座戦というよくわからない一戦である。
 
ただ、僕自身はディアスのスタイルが結構気に入っていて、この試合も割と楽しみにしていた。
 
 
試合の感想としては、
「やっぱりディアスはいいよね」
「でも、ライト級は厳しそう」
 
ガードを上げてプレッシャーをかけるディアスに対し、フォルトゥナは足を使ったアウトボクシングで対抗。だが、ラウンドを重ねるごとにディアスに距離を詰められるシーンが増え、中盤から後半にかけてロープに追い込まれてグラつかされることも……。
 
フォルトゥナのヒットも多く競った試合ではあったが、ディアスの勝利は間違いないだろうと。
 
 
そうそう。
前進しながらナチュラルにカウンターを合わせていくディアスのセンスね。
 
前回のシャフカッツ・ラヒモフ戦でもそうだが、右リードが多彩な上に相手の連打の合間を縫って合わせるカウンターは見栄えもよく効果的。
連打を浴びると防戦一方になってしまう部分がこの選手の欠点ではあるが、それ以外は本当に素晴らしい。フェザー級時代はゲイリー・ラッセルJr.に次ぐ僕の推しだっただけのことはある。
 
尾川堅一ピンチか? ラヒモフは強敵だし尾川はボクシングが上達しちゃったんだろな。あと、金髪は似合わんよw
 
身体の強さを活かした馬力やvsサウスポーが得意(これまでの相手はラッセルJr.、ラヒモフ、フォルトゥナその他、サウスポーが中心)な部分も含め、僕好みの要素が満載の選手である。
 
 
と言いつつ、さすがにライト級でトップ戦線に絡むのは厳しいのでは? と思っていることも事実。
 
もともとこの選手はS・バンタム級出身だし、相手のフォルトゥナもフェザー級から上げてきた選手。S・フェザー級時代には日本の内山高志との対戦が噂されるなど、ライト級は若干適正階級を超えている。
 
そのフォルトゥナにタジタジにされていたところを見ると、今のディアスが王者レベルの相手に勝てるとは思えないのが正直なところである。
 
次回はWBC正規王者のデビン・ヘイニーとの統一戦が噂されているようだが、いや、ヘイニーはちょっと厳しいんじゃないの?
 
オーソドックス+リーチが長くジャブが鋭い。その上足もある。
ジョセフ・ディアスが上回っている部分がほとんど見当たらないのだが。
 
 
・馬力十分のカウンター使い
・多彩な右リード
・vsサウスポーに滅法強い
・体重超過で王座剥奪
・悪びれる様子もなく反感を買う
・適正を超えた階級で“そこそこ”の相手に勝利
・王者級の相手に挑んで撃沈(予定)
 
どうも既視感のあるプロフィールだと思っていたら、コイツあれだ。
 
ルイス・ネリとそっくりじゃねえかww


 
ライト級のルイス・ネリことジョジョ・ディアスとデビン・ヘイニー? 注目度は低そうだけど僕は楽しみ。ライアン・ガルシアよりもこっちが決まれ
 

○ヒルベルト・ラミレスvsスリバン・バレラ×(4R1分38秒KO)

そしてラストはこの試合。
 
元WBO世界S・ミドル級王者ヒルベルト・ラミレスが迎えたL・ヘビー級3戦目。
相手のスリバン・バレラはアンドレ・ウォードやディミトリー・ビボルとも対戦経験を持つ強豪で、ビッグマッチ実現のためにもラミレスにはインパクトのある勝利が求められる一戦。
 
 
まずこの試合、開始直後に思ったのが、
「ヒルベルト・ラミレスがデカい」
 
身長はバレラの188cmに対してラミレスは189cm。数字上はそこまでの差はないが、リング中央で向かい合った両者を観ると明らかにラミレスの方が大きい。
 
リーチの長さもあるとは思うが、それ以上に背中の広さや身体全体から漂う力強さにかなりの違いがある。
 
まあ、長年L・ヘビー級のトップ戦線で戦ってきたスリバン・バレラもすでに39歳。しかも約2年ぶりの試合ということで、もしかしたら今までよりも動きが落ちていた部分もあったのかもしれないが。
 
 
実際の試合については、「ラミレスの盤石ぶりがさらに増した」というのが一番である。
 
高いガードでプレスをかけてバレラを後退させ、得意の多彩な右リードで動きをコントロール。
たまらずバレラが出てきたところにアッパー気味の左ボディをど真ん中に突き刺す。
 
S・ミドル級時代のラミレスはハンドスピードを活かしたコンビネーションを持ち味とし、見ようによっては「俺の技巧を見せてやんよ」的なイキりも感じられた。
 
だが、階級をアップして以降は落ち着きが増し、どっしり構えて対峙する堅実さを意識している印象である。
 
もともとガードの硬さ、力みのない連打には定評があったラミレスだが、キャリアを重ねたことでスピードや派手さよりも1発1発の精度を重視するようになったというか。
 
さらに階級アップによってパワーも増しているイメージで、L・ヘビー級での3戦はすべてKO勝利。
以前はこの選手のことを“重量級の亀田興毅”と呼んでいたが、階級を上げるごとにディフェンシブに傾倒していった亀田と違い、ラミレスは一段圧力を上げたと言えそう。
 
試合後のインタビューでWBA王者ディミトリー・ビボルとの対戦をぶち上げていたが、冗談抜きでラミレスにも勝機はあるのではないか。
 
ディミトリー・ビボル危なッ! クレイグ・リチャーズ強かったよね? そろそろベテルビエフとの統一戦をだな…。カネロを狙うよりも
 
いや、実際どうなんでしょうね。
ここまで42戦全勝28KOと抜群の戦績を誇るラミレスだが、目立った相手はデレク・エドワーズ、アルツール・アブラハム、ジェシー・ハートに今回のスリバン・バレラくらい。
 
ハイレベルなL・ヘビー級で全勝をキープするディミトリー・ビボルとどこまでやれるか。
 
 
仮にビボルに勝つようであれば、“地味強の象徴”として無敗のまま引退したジョー・カルザゲコースもあり得る?
 
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