スティーブン・フルトンがカルロス・カストロにダウンを奪われて辛勝。戦略をミスったか? 相手が井上尚弥だったら倒されてた気が【結果・感想】

スティーブン・フルトンがカルロス・カストロにダウンを奪われて辛勝。戦略をミスったか? 相手が井上尚弥だったら倒されてた気が【結果・感想】

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2024年9月14日(日本時間15日)に米・ネバダ州ラスベガスで開催されたPBC興行。元S・バンタム級2団体統一王者スティーブン・フルトンがフェザー級契約でカルロス・カストロと対戦、5Rにダウンを喫する苦しい展開ながらも2-1(96-93、95-94、95-94)の判定で勝利している。
 
 
2023年7月の井上尚弥戦以来約1年2か月ぶりの復帰戦を迎えたスティーブン・フルトン。
僕もあの試合を現地観戦したこともあって今回を楽しみにしていた。
 
井上尚弥vsフルトン現地観戦。人外の超人がようやく人里に降りてきた? よくも悪くもノリと勝負勘の選手なんだろうな。“井上は強化版辰吉”説を久々に思い出した
 
ところがこの日のフルトンは序盤から被弾が多く、5Rにはカストロの右でダウンを喫するなど苦戦を強いられる。
2-1の判定で勝利したものの、カストロの勝利を推す声も多く聞こえてくる。
 
正直、僕はどちらが勝ったかをはっきりとは言えないのだが、とりあえずはそのくらい際どい試合だったということで。
 

フルトン戦略ミスってないか? 本来は打ち合い“も”できるアウトボクサーのはずが…

まず全体の感想としては、「フルトン陣営、戦略ミスってないか?」と。
 
もともとこの選手は「打ち合い“も”できるアウトボクサー」というのが持ち味だったはず。
 
離れて勝負する中でタイミングを見て近場の打ち合いに移行する。
対戦相手としては、追いかけようとしたら打ち合いにこられて戸惑う→再び足を使われて置いてきぼりの流れを強いられる。
 
そんな感じで基本はアウトボクシング、そこに接近戦を織り交ぜるのがフルトンのファイトだったと思うのだが。
 

カストロの得意な位置で勝負したのはどうなんだ? スタイル変更の途上だっとしても悪手な気がする

ところがこの日はどちらかというと自ら打ち合いを挑んでいた印象。
 
フルトンは今回からチームが変わり、スタイル変更の途上でもあるとのこと。
ただ、それを踏まえた上であの打ち合いは悪手だったのではないか。
 
カルロス・カストロは長身+ジャブが生命線の選手。
接近戦に持ち込むにはカストロの危険地帯を通過する必要がある。
 
そして、今回のフルトンはカストロの得意な距離に長く留まってしまった。
 
フルトンも鋭いジャブを使う選手だが、腕が伸びる位置ではカストロの方が一枚上。
恐らくもう半歩中に入ればカストロはタジタジになる。
実際、フルトンが圧力を強めた4R以降は押し込まれるシーンも目についた。
 
で、そのままペースを引き寄せようとさらに前に出た瞬間……。
カストロの右をもらって尻餅をつくという。
 
これまで足で外していたパンチも距離が近くなればガードと上体の見切りで対処しなくてはならない。
しかも相手は中間距離での差し合いが得意&長身のカルロス・カストロ。
 
打ち合いを試すにしても相手が悪かったなぁと。
 
カネロvsエドガー・ベルランガ。カネロは至近距離での差し合い、左の多彩さは健在だけど、全力で動ける時間が短くなったか? ベルランガはガチガチだったね
 
なお僕は序盤はジャブが機能したカストロにポイントが入っていると思ったが、スコアカードを見るとジャッジ2人がフルトンを支持している(序盤)。
 
確かにフルトンの右も当たっていたが、なるほど。
要はカストロのジャブをどう評価するかが分かれ目だったのかもしれませんね。
 

フェザー級に適応しきれていなかったのもありそう。パンチの効きの悪さにより力む悪循環

またフルトンがフェザー級に適応しきれていなかったのもあると思う。
 
ジャブの差し合いで後れを取ったのはもちろん、右の効きもいまいち。
後半などはいいタイミングで顎、側頭部を捉えるシーンもあったが、当のカストロはケロッとして打ち返してくる。
 
身体つきだけを見ればそこまで差は感じなかったが、実際に対峙するとまた違ったのだろうと。
 
ジャブの差し合いで上回られる。
正面衝突で押し切れない。
右を当てても効きが悪い。
 
諸々の要因からフルトンはどんどん力んでいった印象。
以前からややオープン気味な打ち方ではあったが、この日はそれがさらに顕著。
 
右を大振りするせいで軌道も外旋回、ナックル部分がうまく当たらず相手を怯ませることができない。
それでますます力んで大振りになる悪循環である。
 
 
あと何戦かすれば慣れるのか、すでに適性をオーバーしているのかは不明だが、どちらにしても今回は迫力不足だった。
打ち合うスタイルへの移行を試みているならなおさらである。
 
ルイス・アルベルト・ロペス陥落。アンジェロ・レオの左カウンターでアディオス。亀田和毅の言うロペス対策をまんま実行してたな
 

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相手が井上尚弥だったらもっと早く倒されてた? 危険地帯にあれだけ長く留まるのはよろしくない

表題の通りだが、今回の相手がカストロではなく井上尚弥だったらもっと早く倒されていた気がする。
 
井上との対戦で注目度が上がっていたのはもちろん、下記の記事を読んだのもあり僕も自然と「井上だったらどうなるか」の視点で眺めていた。


フルトンが「井上に破壊された」とは思わないが、チームが変わった影響、階級アップの影響は確実に出ていたと思う。
 
 
そして仮に井上が相手だった場合、あれだけ危険地帯に留まるのはよろしくない。マジでよろしくない。
 
以前から何度か言っているが、僕は井上の持ち味は射程の長さ、ストップ&ゴーのタイムラグのなさ、それを実現するバランス感覚だと思っている。


なので、今回のフルトンの立ち回りでは井上には確実にカモにされる。
 
カストロには井上ほどの踏み込みスピードも切り返しの速さもないので大ごとにはならなかったが(それを踏まえて打ち合ったのだと思うけど)。
 
 
フェザー級に上げた井上がどうなるか? についてはひとまず置いておく。
 
井上尚弥vsルイス・ネリ現地観戦感想。序盤の鬼強タイムの井上をダウンさせた意義は大きい。S・バンタム級の井上を過度に神格化する必要はない
 

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井上相手には足を止めたらダメ、でも守りに徹しすぎるのもよくない。やっぱりドヘニーはがんばったと思うんだよね

井上に踏み込みスピード、方向転換を発揮させないためにはやはりある程度動き続ける必要があるのだと思う。
 
2023年7月のフルトンのように中間距離で対峙→反応速度と瞬間的な駆け引きで勝負するとああいう結末が待っている。
 
ただ、ポール・バトラーほどディフェンスに振り切ってしまうと攻撃まで手が回らなくなる。
マーロン・タパレスはサウスポーの優位性を活かしながらうまく立ち回ったが、やや危険地帯に留まりすぎた。
 
そう考えると、前回のTJ・ドヘニーはもっとも攻守のバランスが取れていた(と思う)。
 
TJ・ドヘニーがすごかった。警戒心MAXの井上尚弥から6R中2R奪取はとんでもない。差し合い、駆け引き勝負で食い下がる姿に感動したぞ
 
後ろ重心+常に足を動かして的を絞らせない。
その上でカウンターを狙う、先に手を出す等、あらゆる方法で勝機をこじ開けようとしていた。
 
お互いにペースを上げた5、6Rに引き離されたものの、スペック差が大きい中であそこまで食い下がったのはマジですごかった。
 
実際、フルトン陣営ももっと足を使う作戦だったらしいしね。
 
フルトンのトレーナーのインタビューが興味深い件。フルトンの動きは悪かったのか。井上尚弥攻略にはポール・バトラーの作戦の進化版ってのはその通りだったんじゃないの?
 
なお本当は純粋にスティーブン・フルトンvsカルロス・カストロ戦を観たかったのだが、どうしても井上尚弥の名前がチラついてこうなってしまった笑
 
まあ、井上との対戦がなければこの試合にここまで注目することもなかったわけですが。
 
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