みんなのルイス・ネリが戻ってくる。再起戦でカルロス・カストロは厳しい? サーマンvsバリオス、ロマゴンvsマルティネス。難しい試合を適当に予想してみる

みんなのルイス・ネリが戻ってくる。再起戦でカルロス・カストロは厳しい? サーマンvsバリオス、ロマゴンvsマルティネス。難しい試合を適当に予想してみる

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2022年2月5日(日本時間6日)に北米でさまざまな試合が行われる。
 
ネバダ州では元WBA世界ウェルター級王者キース・サーマンの約2年半ぶりの復帰戦、ブランドン・フィゲロアに敗れたルイス・ネリの約8ヶ月ぶりの復帰戦が予定されている。
 
また3月にはカリフォルニア州で4階級制覇王者ローマン・ゴンサレスが約1年ぶりの復帰戦に臨む。もともとファン・フランシスコ・エストラーダとの第3戦目が予定されていたものの、直前でエストラーダの新型コロナウイルス感染が判明、代役としてフライ級王者フリオ・セサール・マルティネスが抜擢されている。
 
 
僕自身、ロマゴンvsエストラーダの3戦目にはまったく食指が動かず情報も追っていなかった。
完全にスルー状態だったのだが、いつの間にかエストラーダがコロナで離脱→ロマゴンvsマルティネス戦が決定していたことを最近知った。
 
コロナに感染したエストラーダは気の毒だが、代替カード自体は悪くない。
 
というわけで、今回は僕の興味を引いたこれらの試合を適当に予想してみることにする。
 
井岡一翔と井上尚弥のドリームマッチ? 困ったことに那須川天心と武尊のような奥行きを感じないのが…。ビッグマッチに飢える両者のキャリアは交差する?
 

ルイス・ネリvsカルロス・カストロ

まずはルイス・ネリとカルロス・カストロによるS・バンタム級10回戦。
 
この試合は僕にとっては結構意外というか、ルイス・ネリはよくこんなしんどい相手を再起戦で選んだなぁと。
 
前回、長身のブランドン・フィゲロアにKO負けを喫してこの階級でのパワーレスっぷりを露呈したルイス・ネリだが、またしても長身のカルロス・カストロをぶつけられるという。
 
本人の意向なのか、それともプロモーターやWBCからの寵愛(そんなものがあったとすれば)が消えた結果なのか。どちらにしろまあまあびっくりしたマッチメークである。
 
ルイス・ネリ陥落。フィゲロアとの打ち合いに根負け&ボディを被弾で撃沈。いい試合だったけど何であんなに自信たっぷりだったんだろうな
 
ただ、今回のカルロス・カストロは同じ長身選手でもブランドン・フィゲロアとはややタイプが違う。
接近戦での打ち合いを得意とするフィゲロアに対し、カルロス・カストロは基本的には中間距離の選手。
鋭い左リードで距離を測り、打ち下ろし気味の右を顔面に叩き込むオーソドックスなスタイルである。
 
また、絶えずサイドに動いてアングルを変えるなどフットワークも駆使する。ベッタリくっついて打ち合いでねじ伏せるフィゲロアよりもスマートと言えるのではないか。
 
逆にそれがこの選手の脆さを感じさせるわけで。
 
前回のオスカル・エスカンドン戦では、序盤はエスカンドンの圧力に押されてロープを背負うシーンが目立った。リーチとフットワークを駆使してポイントこそリードしていたものの、強引に近づかれるとタジタジになる姿に「おや?」と思った方も多いのではないか。
 
 
要するにこの試合でルイス・ネリが勝つにはエスカンドン以上のパワー、根気を発揮することが重要になる。
前回は4Rあたりでガクッと失速したが、この8ヶ月でどこまでパワー/スタミナ面が改善されているか。結局のところ、S・バンタム級のルイス・ネリに王者クラスの力量があるか? という部分に着地する。
 
あとはアレか。
キャリアで有力なサウスポーとの対戦がないカルロス・カストロの対応力にも注目。
あの左リードがサウスポー相手に機能するのか、それともあまり機能せずにフリーパスでネリの侵入を許してしまうのか。
 
 
勝敗予想は一応カルロス・カストロの11RKOとしておくが、マジでわからない。
相変わらずネリが減量苦っぽいのと、カストロのポイントを拾ううまさを考えるとカストロ有利かな? とか、その程度の予想でしかない。
 
ルイス・ネリの成長と割り切り。無敗のカルロス・カストロからダウンを奪って背水の復帰戦で判定勝利。今回はなかなかよかったんじゃないですかね
 
ルイス・ネリはここで負けると完全にトップ戦線から脱落しそうだけどね。
 

キース・サーマンvsマリオ・バリオス

上記ルイス・ネリvsカルロス・カストロ戦と同じイベントで行われる一戦。
この試合もネリvsカストロ戦以上に不確定要素が多く、僕にはまったく予想ができない。
 
まず元王者キース・サーマンの懸念材料は
・約2年半のブランク
・右肘、左手と多数の怪我を抱えている
・パッキャオ戦での動きの悪さ
 
もともとリングを縦横無尽に動き回る機動力が持ち味の選手だったが、 直近? のホセシト・ロペス戦、マニー・パッキャオ戦ではその部分に陰りが見られた。
度重なる肘や拳の怪我により、パンチがどんどん手打ちになっているのも気になる。
 
この選手がもっとも輝いていたのは2015年のロバート・ゲレーロ戦、ルイス・コラーゾ戦あたりだと思うが、その頃に比べれば動きは落ちていると言わざるを得ない。
 
黄昏時のサーマンが若き王者パッキャオ(40)に2-1で敗れる。肘も痛いし足も動かない。だから僕はサーマンに感動したんです
 
一方のマリオ・バリオスだが、こちらは過去の試合を観ると普通に強い
2018から2019年にかけての6戦は文句なしにすごいパフォーマンスだったし、改めてジャーボンティ・デービスはこの選手をよくKOしたと思う。
 
ただ、純粋な? ウェルター級契約は今回が初めてなのに加えて「あの追い足のなさはどうなの?」という思いもある。
 
恐らくこの選手が得意なのは右のカウンター。左リードで相手の前進を止めつつガードの間からタイミングよく右をねじ込むのが勝ちパターンだと想像する。
 
それに比べてディフェンス面はややヌルさが目立つ。基本的にガードが低く、顔面にモロに被弾するシーンがかなり多い。前回のデービス戦も中盤までは健闘したが、何だかんだで顔面への被弾が敗戦につながってしまった。
 
・機動力が落ちたサーマンvs追い足のないバリオス
・純粋なウェルター級のサーマンvs初のウェルター級12回戦のバリオス
・出入りと顔面への左フックが得意なサーマンvs顔面のディフェンスがヌルいバリオス
 
要するに2年半のブランクがサーマンのパフォーマンスにどこまで影響するか? という話。
試合がなかった時期にしっかり回復できていればサーマン有利。逆にパッキャオ戦のように足を止めて打ち合うようならバリオスにもチャンスが生まれる。
 
何と言っても、サーマンのボディの弱さは折り紙つきなのでね()
 
 
まあでも、勝敗を予想するならキース・サーマンの判定勝ちかな?
かなりの僅差になるとは思うが、最低限サーマンがパッキャオ戦くらいのコンディションでリングに上がればギリギリ何とかなるのではないかと。
 
ぜんっぜんわかんないけど。
 
キース・サーマンが戻ってきた。マリオ・バリオスをスピードで翻弄して判定勝利。ボディを効かされてからのマラソンもさすがだった笑
 

ローマン・ゴンサレスvsフリオ・セサール・マルティネス

そしてラストは3月6日(日本時間7日)に行われるS・フライ級12回戦。4階級制覇王者ロマゴンとフライ級王者フリオ・セサール・マルティネスによる一戦である。
 
この試合も上記2試合と同様、僕にはまったくわからない。
S・フライ級初戦のマルティネスがロマゴンを上回るのか、それとも階級の壁を感じさせるのか。
 
もともとマルティネスはフライ級では減量がキツかったらしく、どのみち階級アップは時間の問題だったとのこと。
 
ただ、それでも初戦でいきなりロマゴンというのは……。
 
過去の試合を観る限り、この選手はとにかく打ち合いが得意なタイプ。
全弾フルスイングの真っ向勝負が信条というか、ひたすら前に出て連打を浴びせて相手を根負けさせるのが基本の勝ちパターンっぽい。
 
いわゆる身体能力に依存したスピード&パワー重視の選手なわけだが、同じことをS・フライ級でもできるかどうか。
 
対するロマゴンはマルティネスと同じ連打型だが、スタイル的には少し違う。1発1発を強振するというよりスムーズさを重視する印象で、流れるようなコンビネーションで反撃の余裕を与えないのが一番の強みとなっている。
 
またS・フライ級進出当初はパワーレス気味だったが、2020年2月のカリド・ヤファイ戦あたりからはそれなりに適応が見られる。
ミニマム、L・フライ級時代ほどのスムーズさは失われたものの、足腰を踏ん張って1発に力を込めることで階級差をある程度補うことに成功している。
 
 
マルティネス同様、身体能力への依存が大きい田中恒成はS・フライ級初戦で井岡一翔の技巧に跳ね返された。
じゃあ、今回のマルティネスはロマゴンの連打に耐えながら強打をヒットできるのか? と。
 
2019年12月のクリストファー・ロサレス戦などを観るとマルティネスが有利か? という気もしてくる。比嘉大吾に打ち勝ったロサレスを打ちのめしたのはすごかったしね。
 
さらに2017年9月のシーサケット・ソー・ルンビサイ戦での壮絶KO負けなど、ロマゴンはパワーで上回られるとあの連打が機能しなくなることも明白である。
 
 
だが、前回のロマゴンvsエストラーダ戦でのロマゴンの出来を考えると、今のロマゴンが連打型の相手に打ち負ける姿はあまり想像がつかない。
 
ロマゴンすっげえわ。マルティネスを連打で圧倒。ディフェンシブに傾倒した割り切りで再び上昇気流に。井岡一翔戦が観たいけど、ないんだろうな笑
 
どちらにしろ打ち合いになることは間違いない。
その際に階級アップ初戦のマルティネスがどこまで食い下がるか、連打に根負けせずに強打を打ち続けられるか。
 
 
というわけで、僕の勝敗予想はロマゴンの判定勝利
マルティネスのディフェンスを加味すると、もしかしたら後半KOもあるかな? ないかな?
 
とは言え、申し上げたように階級アップによってマルティネスのスケールが一段上がっていればロマゴンを撃破することも十分考えられる。
 
それでも今回はマルティネスの準備期間(階級への適応期間)があまりに短い。さすがに完全に適応しきるのは難しいのではないか? ということで、井岡一翔戦での田中恒成と似たパターンになると予想しておく。
 
井岡一翔vs田中恒成。井岡の重ねてきたものの重さが桁違い。ホントに勝ってよかった。黙して語らぬ視聴率大正義時代の最後の生き残り
 

全然勝敗が読めなくておもしろい3試合ですね

しかし、上記3試合は不確定要素が多くまったく予想ができない。
 
いずれも世界タイトルマッチではない試合だが、ここまで予想が難しい(僕にとって)組み合わせは滅多にないのでは? というくらい。
 
まあ、コロナの影響でブランクを作る選手や予定通りに消化されない試合が増えた分、不確定要素が多くなるのも仕方ないのかもしれませんが。
 
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