波乱のマグダレノ勝利!! ドネアを判定で下して王座初奪還!! 感覚派のドネアがサウスポーへの弱点を露呈する【感想・結果】

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フィリピン夕暮れイメージ
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2016年11月5日(日本時間6日)に米・ネバダ州ラスベガスで行われたWBO世界S・バンタム級タイトルマッチ。同級王座ノニト・ドネアが挑戦者ジェシー・マグダレノと対戦し、3-0(118-110、116-112、116-112)の判定で敗れる波乱が起きた。

マニー・パッキャオの7ヶ月ぶりの復帰戦でのアンダーカードでの出場となったドネアだが、無敗のサウスポー・マグダレノのテンポのいいボクシングに大苦戦。終始ペースを握ることができず、王座陥落となってしまった。

「パッキャオが復帰戦に快勝!! バルガスに格の違いを見せつけての判定勝利。次戦? やっぱりアイツしか考えられない」

新王者となったマグダレノは戦績を24戦全勝17KOとし、「勝てて最高だ」とリング上で喜びを爆発させる。敗れたドネアはこれで4敗目。判定結果に不満を漏らすなど、最後まで不完全燃焼のままの敗戦となった。

「トロヤノフスキー、ワンパンKO負け!! 40秒でインドンゴの左で衝撃ダウンで王座陥落!! 内山vsコラレスの既視感」

マグダレノ、お前こんなテクニシャンだったのか!? サウスポーの特徴を目一杯生かした作戦でドネアを翻弄する

ドネア陥落!!
マグダレノが全勝を守り、王座を獲得!!

試合序盤から距離をとり、前手の右を絶えず動かすことでドネアに攻撃の起点を作らせない。

ドネアの動き出しの瞬間を狙い、小さく踏み込んでの右。
ドネアが焦れて強引に出てきたところにカウンターの右をヒット。

常に安全圏の位置をキープし続け、単発のパンチでドネアの顔を跳ね上げる。
カウンター狙いのドネアに対し、懐には絶対に飛び込まない。
そしてドネアがフッと気を抜いた瞬間に踏み込み、得意の右。

後半からは左右への動きも織り交ぜ、ドネアに的を絞らせないことを意識する。
1発もらっても、必ずそれ以上のパンチを返して絶対に流れを渡さない。

なるほど。
すばらしいマグダレノ。
サウスポーが苦手なドネアの特徴をよく理解した作戦。
完璧なドネア封じである。

というか、お前そんな器用なことができるヤツだったのか。
そんな話、聞いてないぞ(何様?)。

「大沢、オスカル・バルデスに7RTKO負け。実力差を承知で海外のリングに上がるのは本当に「すばらしい」のか?」

僕はてっきり、マグダレノという選手は真正面からの強行突破だけの選手だと思っていた。
圧倒的なフィジカルとスピーディな突進でロープに追い込み、得意の左右フックを叩き込む。丸太のような両腕を思いきり振り回して相手をなぎ倒す。
ある意味、正面突破のみを武器とする選手であると。

そして、それならカウンター使いのドネアにとっては絶好の相手ではないか。
どこかでタイミングを掴んだドネアがカウンターを炸裂させるのではないか。
そう思っていた次第である。

「ドネアvsマグダレノ予想!! 世代交代を拒否しろフィリピンの元スター。無敗の剛腕サウスポーと激突」

だが、結果は見ての通り。
展開は僕の予想とはまったく逆で、マグダレノがドネアの弱点を最大限利用した作戦で王座を奪取してしまった。

いや、すまんマグダレノ。
君のポテンシャルを完全に舐めてましたww

突貫小僧マグダレノの踏み込みスピードと、ドネアの超絶カウンター。
どちらが先に当たるかの勝負になる。
そして、恐らく先にあたるのはドネアのカウンター。
閃光のようなカウンターをもらったマグダレノは糸の切れた人形のようにリングに沈むのではないか。
↑こんなしょーもない予想をして、本当に申し訳ないww

9Rにカウンターの右を当ててドネアをグラつかせたし、タイミングを掴んでいたのは完全にマグダレノの方だった。

でもアレだ。
俺はお前を信じてたぞ!?

とか言ってみる。

サウスポーが苦手という弱点を思いっきり露呈してしまったドネア。ナルバエス戦以降、もっともうまく試合を運ばれた

敗れたドネアだが、今回は本当にいいようにやられてしまった感が強い。

どうやら判定結果が物議を醸しているようで、一部では引き分けだったのではないかとも言われているらしい。
まあ、個人的には何とも言えないところだが、それでも試合展開だけを見ればドネアの完敗である。

「バーンズvsレリクとかいう隠れ名試合。疑惑の判定に興味がわかないのはおかしいのかな?」

予想記事でも申し上げたように、ドネアは対サウスポーが苦手だ。
基本的な戦術が相手と正対しての左カウンター狙いのみなので、サウスポーと対峙すると前手の右が邪魔になって手が出せなくなるのである。
さらに足を使う相手への追い足も皆無のため、左右に動きながらカウンターを狙う相手にはできることがなくなる。

要するに大便が詰まった感じというか、凄まじい便秘感によってフラストレーションの溜まる試合展開を強いられるのである。

「ロマチェンコ完勝! ウォータースあへあへギブアップで余裕の防衛成功!! 階級アップで覚醒」

ガードを高く上げて絶えず左右に位置を変え、ドネアの動き出しと打ち終わりを狙って単発でパンチをヒットさせる。ドネアが焦れて前に出てきたところで右にステップしてカウンター。

申し上げたように、ドネアの便秘感を最も顕著に出させたのがオマール・ナルバエスだったのだが、かなり荒削りながらも今回のマグダレノにも同じように封じ込められてしまった。
この試合がどういう評価を受けたのかは知らないが、パッキャオの復帰戦という大舞台で自身の弱点である便秘感を全世界に晒してしまったことは間違いない。

「ウケルw これリボリオ・ソリス負けなの? マクドネルが不思議判定発動? で防衛成功」

衰え? いや、むしろトレーナーを代えてスタイルチェンジしたことが要因じゃないか?

ただ、それでも何発かは左のカウンターがヒットするシーンがあったことも確かで、「あれがもう少し深ければ」という紙一重の試合だったというのも事実である。

ドネアの超絶カウンターに若干の遅れが見られ、それを衰えだと指摘する声もあると聞く。
だが、あれは衰えというより、スタイルの変化による弊害が大きいのではないだろうか。

トレーナーをイスマエル・サラスに代えたことで、ここ最近ジャブやガードへの意識の高さが見られるようになったというのはよく聞く話である。だが、それが却ってマイナスに作用したような気がするのである。

ジャブやガード、ポジショニングを意識することで肩に力が入り、肝心のカウンターにスムーズさが失われてしまった。
それによって、これまではドンピシャリで当たっていたタイミングにほんのわずかな遅れが生じた。
結果的にそれがマグダレノを捉えきれない原因となり、微妙な判定の敗戦を呼び込んでしまった。そういうことなのではないだろうか。

「いいじゃん亀田和毅。そうそう、これをやって欲しかったんだよね。エドガー・マルティネスを1RKO」

恐らくリゴンドーやウォータース戦後に周囲から散々言われたのだろう。
「左のカウンターに依存し過ぎるな」
「ガードに対する意識を」
「ジャブをもっと出せ」

「ロマチェンコにウォータースは勝てるか? 無理だろうなぁ。勝って欲しいけどなぁ」

それに影響されたのかは定かではないが、ここ数試合では確かにガードを上げてどっしり構えるスタイルへの変貌が見られていた。

とはいえ、予想記事でも申し上げたようにやっていることは結局カウンターの1発狙いのみ。根本の部分では何一つ変わってはいないのである。

「マン振り魔人ダニー・ガルシアがサミュエル・バルガスを圧倒! あれだけ躊躇なく振り回せる選手は驚異的」

今さら技術向上を目指すよりも左カウンターにとことん依存した方がいいんじゃないだろうか?

「パッキャオ2世」を期待されてボクシング界を席巻したドネアもじきに34歳。
今さらできもしないことを始めるより、むしろこれまで以上にカウンターに依存しまくった方がいいのではないか。

「村田1Rで圧勝!! 廃棄処分するようにタドニッパをKOする。100点満点じゃないか?」

バックステップで相手の攻撃をいなし、センス抜群の超絶カウンターを叩き込む。
とことんまで左フックに依存し、初回の1発目からKOを狙う。
12Rのどこかで左が当たればいいし、当たらなかったらごめんなさい。

感覚派?
センスだけでやってる?

上等だよ。
勝ちゃいいんだろ? 勝ちゃ。

中途半端にボクシングの完成度を高めようとするより、持ち前のスピードとフィジカルのゴリ押しスタイルをさらに伸ばす。その方向を突き詰めた方が、ドネアにとっては好結果が出るのではないだろうか。
今回の試合を観て、個人的にそんなことを思ってしまった。

「長谷川穂積のベストバウトはあの試合だろ? 壮絶な打撃戦の最中に長谷川を覚醒させ、その後の道すじを決定した7R」

まあ、試合内容にもこだわる方には否定されてしまいそうだが。

ちなみにこの人は今後どうするのだろうか。
またフィリピンのリングで出直しか?

それとも、思いきって日本で小遣い稼ぎをしてもいいと思うのだが。
亀田兄弟が名前を出していたし、ネームバリューを考えても集客力は相当あると思うし、いかがだろうか。

「亀田和毅日本復帰!! また亀田の試合が観られるぞ。協栄ジム所属でライセンス申請」

まあ、別に僕はドネアのファンでもないのでどうでもいいが。

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