パッキャオが復帰戦に快勝!! バルガスに格の違いを見せつけて余裕の判定勝利。次戦? やっぱりアイツしか考えられないだろ【感想・結果】

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ロンドンの街イメージ
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2016年11月5日(日本時間6日)に米・ラスベガスにあるトーマス&マックセンターで、元6階級王者マニー・パッキャオの復帰戦が開催された。

WBO世界ウェルター級タイトルマッチとして、同級王者ジェシー・バルガスにパッキャオが挑戦する形で行われた今回の試合。

2Rにダウンを奪うなど、試合は序盤からパッキャオペースで進む。軽快なフットワークに加えて、時おり往年の姿を彷彿とさせる踏み込みを見せるパッキャオ。
最後まで流れを渡さず、終わってみれば3-0(114-113、118-109、118-109)の判定で盤石の勝利を挙げる。

「英雄の帰還。生贄の名はジェシー・バルガス。パッキャオは復帰戦を盛大に飾れるか?」

これで1年6カ月ぶりに王座に返り咲いたパッキャオだが、早くも次戦の対戦候補に注目が集まっているとのこと。
議員活動と二足のわらじを履くフィリピンの国民的英雄から今後も目が離せない。

「波乱のマグダレノ勝利!! ドネアを判定で下して王座初奪還!!」

さすがのパッキャオ完全勝利。これならまだ1、2年はいけるでしょ

パッキャオ勝利!!
強豪ジェシー・バルガスを寄せつけず!!

今回の試合の感想をひと言で言うと、「さすがパッキャオ」といったところだろうか。
7カ月のブランク(短っ!!)も議員との二足のわらじも関係ない。
脱税疑惑や差別発言など、リング以外の部分でのゴタゴタもあったがそれも関係ない。

ただただパッキャオがすごかった。
このコンディションを維持できるのであればまだまだいける。
恐らくあと1、2年はこの調子で盤石の試合運びを見せられる。
そんな感じの復帰戦だったのではないだろうか。

「バーンズvsレリクとかいう隠れ名試合。疑惑の判定に興味がわかないのはおかしいのかな?」

カウンター狙いのバルガスに対し、慎重な立ち上がりを見せるパッキャオ。なかなかの緊張感が漂う第1R

試合開始直後。
バルガスはスタンスを広めにとり、細かく左を出しながらパッキャオの出方をうかがう。
対するパッキャオは遠い位置から徐々に距離を詰め、上半身を振りながら踏み込みのタイミングを計る。

パッキャオが右を小さく3発。さらにすり足でバルガスとの距離を詰めていく。
その動きに合わせてバルガスが左を返す。

「ウケルw これリボリオ・ソリス負けなの? マクドネルが不思議判定発動? で防衛成功」

なるほど。
バルガスはカウンター狙いか。
パッキャオの踏み込みがどこまで伸びるのかを見ている感じかな。

1Rの50秒過ぎ。
パッキャオが大きく踏み込みながら左を打ち込む。
バルガスは小さいバックステップでこれを避け、左に身体を入れ替えながら左を返す。
パッキャオはすぐさまガードを上げてこのカウンターを防ぐ。

どちらも調子はよさそうである。

バルガスが長い足を活かした踏み込みからのワンツーを打ち込む。
バックステップしながらガードを上げて威力を殺すパッキャオ。

再びリング中央で対峙する両者。
緊張感が高まる1R。

「ロマチェンコ完勝! ウォータースあへあへギブアップで余裕の防衛成功!! 階級アップで覚醒」

パッキャオがバルガスを攻略するには、この左をかいくぐる必要がある。
バルガスの左の戻り際に得意の左を打ち込むことができるか。
それともバルガスが狙い通りにカウンターで迎撃するか。

なかなかおもしろい立ち上がりである。

「大沢、オスカル・バルデスに7RTKO負け。実力差を承知で海外のリングに上がるのは本当に「すばらしい」のか?」

2R以降はパッキャオの独壇場。バルガスの攻撃の手を封じ、あらゆる角度から一方的に打ち込む

と思ったのもつかの間。

2Rに入ると、パッキャオが積極的にバルガスとの間合いを詰め始める。
上半身を激しく左右に動かしながらジリジリと近づくパッキャオ。
きたきた。
完全にいつものスタイルである。

自分の右足をバルガスの左足の前に置くことで侵入経路をふさぎ、バルガスの前進を封じる。
身体を左右に振りながら距離を詰め、踏み込みの瞬間に足を内側にねじ込んで懐に入り込む。インサイドが警戒されていると感じれば、今度は外側に踏み込んでの左。

1発ヒットした後はすぐに腕を絡ませ、バルガスに反撃を許さない。
ブレイク後は再び右足で侵入経路をふさぎ、バルガスの踏み込みをシャットアウト。

相手の攻撃の手だてを奪い、自分だけに攻撃のターンを呼び込む名人芸。
前回のブラッドリー戦以降、パッキャオのニュースタイルである。

「パッキャオがブラッドリーに完全勝利!! ラバーマッチを制し有終の美を飾る」

これをやられてしまうと、リーチの長いバルガスもなかなか手を出すことができない。
絶えずアングルを変えて踏み込んでくるためにカウンターの狙いも定まらない。
自分から踏み込もうにも、右半身で経路をふさがれているので体重の乗ったパンチを打つこともできない。

ないない尽くしのバルガス。
つんのめるようにたたらを踏み、空中で腕を振る姿ばかりが印象に残る試合である。

とんでもない安定感。勝利を優先したパッキャオは職人ボクサーへ転身した

いや、すごいねパッキャオ。
完全に第二章の開幕ですわ。

確かに全盛期ほどの迫力があるわけじゃない。
階級差をものともせずに快進撃を続けていたときの姿とはちょっと違う。
あの頃のギャラクシーな動きや、いつKOしてくれるのかというワクワク感は残念ながら薄れていると言わざるを得ない。
時おり見せる踏み込みの鋭さやパンチの回転力に面影は感じさせる。だが、ボクシングファンを釘づけにした縦横無尽なスタイルは鳴りをひそめている。

ただ、その分圧倒的に増したのが安定感
ド派手に倒す期待感は薄いが、絶対に負けない。観ている側の精神的な安定や安心が尋常じゃない。

恐らく現状の自分を客観視した上で、勝利を優先するべきという結論に至ったのだろう。
抜群の身体能力で強敵をなぎ倒してきた第一章から、効率重視の省エネスタイルの第二章。エンターテイナーから職人への華麗なる転身である。

とはいえ、現役復帰を果たしたパッキャオは必ずしも盤石というわけではない。
踏み込んでの左をかわされ、大きくバランスを崩すシーンが何度か見られたことも確かで、あの瞬間を狙われていればマルケス戦の再現も十分に考えられたのではないだろうか。

あれがブランクによる調整不足なのか、加齢によって足腰が弱ったのかは今のところ定かではない。だが、職人ボクサーパッキャオにまったく隙がないかと言われれば、決してそうではないのも事実である。

「メイウェザー、やっぱり判定勝ち!! 現役ラストの試合でも挑戦者ベルトに何もさせず」

今後の相手選びが難航しそう。というか、格の違いがすご過ぎて釣り合うヤツがおらんぞ

強敵バルガスを寄せつけずに格の違いを見せつけたパッキャオ。
噂によると、早くも次戦への期待感が高まっているとのこと。

といっても、正直今後の相手が思いつくだろうか。
少なくとも僕には、パッキャオに見合う選手の名前がすぐには出てこないのだが。

「もうワクワクする対戦がない」とか「今さら感が強い」といった声も聞くが、そういうことじゃない。

何と言うか、役者が違い過ぎる
リングに上がったときの華やかさやたたずまい。一挙手一投足や空気感が他の選手とはまったく違う。

ジェシー・バルガスはいい選手であることに疑いはない。だが、パッキャオと対峙するには完全に役不足だったことは断言させていただきたい。
ああ、そういえばウェルター級のタイトルマッチだったっけ?

「ジェシー・バルガスがサダム・アリをTKOで下して勝利!! 激戦を制したバルガスが2階級制覇達成!!」

つまり、選手としての格やネームバリューやカリスマ性を考慮すると、それに見合う選手がまったく見当たらないのである。
この間まではエロール・スペンス戦が観たいと思っていたが、今回の試合を観る限りあの選手でもやっぱり話にならない。
上とか下とか、そういうことではなく、めっちゃダサい表現をすればオーラが違うww

「スペンスがブンドゥをKO!! アカン、さっさとパッキャオ戦やらせてやれ」

というか、もうパッキャオの相手をできるのはアイツしかいないでしょ。

パッキャオの相手が務まるのはアイツしかいないだろ?

アイツその1:メイウェザーを引っ張り出してのVol.2
アイツその2:S・ウェルター級に上げてのカネロ戦
アイツその3:お互い歩み寄ってのゴロフキン戦
アイツその4:準備期間をたっぷりとってのロマチェンコ戦

パッキャオに見合う相手を考えてみたが、パッと思いつくところだとこんな感じだろうか。
なお多少無茶を承知で名前を挙げているのでツッコミはなしでお願いします。

「ウォータースvsロマチェンコ決定ワロタww これで内山vsコラレス再戦確定的か?」

ちなみに僕が一番観たいのはやはりメイウェザーVol.2
個人的に今のパッキャオであれば、メイウェザーの牙城を崩せるのではないかと思っている。

今さら観たくない?
だいたい予想がつく?

んなバカな。
今のパッキャオならメイウェザー打倒の一番手と言っても過言ではない。

まあ、現役のウェルター級の名前が1人も出てこないあたり、パッキャオメイウェザー以降、いかにこの階級が焼け野原状態であるかの証明とも言えるわけだが。

「今さらメイウェザーとパッキャオを語る。アルバレスvsカーン戦を観て、この2人が唯一無二の存在だった」

とにかくパッキャオナイスファイト。
ボクシング界のグレーティストが盛大に帰ってきたぞww

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