ジョナサン・ゴンサレス初戴冠。ソト陥落は普通にあり得た結果か。矢吹正道がマッチルームと契約。拳四朗側から興行権も買い取る太っ腹【結果・感想】

ジョナサン・ゴンサレス初戴冠。ソト陥落は普通にあり得た結果か。矢吹正道がマッチルームと契約。拳四朗側から興行権も買い取る太っ腹【結果・感想】

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2021年10月16日(日本時間17日)、米・カリフォルニア州で行われたWBO世界L・フライ級タイトルマッチ。同級王者エルウィン・ソトにランキング1位ジョナサン・ゴンサレスが挑戦し、2-1(116-112、116-112、112-116)の判定でゴンサレスが勝利。2度目の世界戦で見事初戴冠を果たした一戦である。
 
 
開始直後からガードを高く上げて前に出るソトに対し、下がりながら距離をとってカウンターを狙う挑戦者ゴンサレス。
ファイタータイプのソトが近場で両フックを振り回すものの、ゴンサレスは高い身体能力と見切りでコーナーからスルッと抜け出し左ストレートでソトの顔面を揺らす。
 
中盤から圧力を強めたソトがゴンサレスをたびたび捕まえかけるが、ゴンサレスも気合いの入った表情で応戦。パワー差を埋めるスピードとフットワーク、連打でピンチを脱する。
 
10Rにはボディを効かされて足が止まりそうになるが、インターバルでセコンドにハッパをかけられ11Rに再びペースアップを見せるなど、最後まで集中力を切らさず。
 
終始ソトの前進をかわし続け、的確なヒット数で上回ったゴンサレスが初戴冠に成功した。
 

ソト陥落。「もっと寝かせれば」のスケベ心がうまくいったケースをあまり知らない

エルウィン・ソトvsジョナサン・ゴンサレス。
 
当初はWBA王座を保持する日本の京口紘人との統一戦が既定路線と言われていたソトだったが、一向に話が進まないうちにWBOから指名戦の指令が出され、そのまま陥落してしまうという。
 
エルウィン・ソトと京口両陣営、マッチルームの間でどんな交渉がなされていたかは知らないが、無駄に引っ張るとろくなことにならんという典型的なパターンと言えそうである。
 
 
改めて考えてみると、今のまま統一戦を組んでも盛り上がりに欠けるという計算があったのかもしれない。
 
前回、エルウィン・ソトは高山勝成を仕留めきれないどころか後半にボディを効かされ、試合後のパフォーマンスでも話題を持っていかれている。
一方の京口紘人も安パイだと思われいていたアクセル・アラゴン・ベガを持て余し、中盤までポイントでリードを許した。
 
高山勝成vsエルウィン・ソト感想。突然のストップに驚いたけど、ソトはまだ精神が若いんだろうな。矢吹正道なら勝てたんじゃないの?
 
注目度の低い軽量級でパッとしない王者同士をぶつけても元が取れない、もう少し引っ張ってからでもいいんじゃないか。
何となくだが、諸々の大人の皮算用があったような気もする。
 
そして、それが結果として大失敗に終わったという。
 
正直、ボクシングにおける「もっと寝かせればさらに儲かるんじゃねえか?」的なスケベ心がうまく働いたケースはあまりないように思えるのだが、どうだろうか。
 

普通にあり得た結果だよね。距離を外されると置いてきぼりを食うソトはゴンサレスに翻弄されるかも?

試合内容についてだが、今回はある程度想像の範囲内というか、普通にあり得た結果だと思っている。
 
防衛戦の相手がジョナサン・ゴンサレスだと聞いたときから「ソト危ないかもしれん」と申し上げてきたし、それこそ急ごしらえの高山勝成にすら負けてもおかしくないまであった(と思う)。
 
 
2019年6月の初戴冠では最終ラウンドまでアンヘル・アコスタにリードを許した。
初防衛戦で対戦したサウスポーのエドワード・ヘノには3-0の判定勝利ながらも内容はクッソ微妙。
カルロス・ブイドラゴには力の差を見せつけたものの、前回の高山勝成戦では再びモタモタっぷりを見せる。
 
もともと左リードの少ない攻防分離型、フックをぶん回すファイタータイプなので距離の合わない相手は苦手。ジョナサン・ゴンサレスのようにスピードと見切りを持ち味とする相手に置いてきぼりを食うパターンは十分考えられる。
 
しかもエドワード・ヘノ戦を観る限り、この選手はvsサウスポーも得意ではなさそう。
 
 
それらを踏まえて以前うっすら考えたネタを見返してみたところ……。
 
エルウィン・ソトvsジョナサン・ゴンサレスは結構いいよな。京口とソトの統一戦よりそそられる。WBOが両陣営に指名戦を指令だって
 
・階級を下げたゴンサレスのパワーがどこまで通用するか
・右リードでエルウィン・ソトの出足を鈍らせられるか
・得意の左で脅威を感じさせられるか
・近場での打ち合いで耐えられるか
・ソトのボディ打ちに対する耐久性
 
ほほう、なるほど。
何となくそれっぽいことを言っておるww
 
階級を下げたことによる耐久力のアップ、近場でのボディ打ちに耐えきってみせたゴンサレスの根性は文句なしに素晴らしかった。
 
 
てか「6:4くらいでソト有利」などとほざいてたんですね自分笑
 
すまんなジョナサン・ゴンサレス。
最後の最後で予防線を張ってしまう情けない僕を許しやがれ。
 
ちなみにだが、なぜしっかりと勝敗予想をしなかったかと言うと、直前まで試合の存在を忘れていたから
 

階級を下げてもジョナサン・ゴンサレスには怖さがまったくない。ソトと再戦しても危ないんじゃ…

ソトのフックに合わせて右側に踏み込み、アングルをつけた位置から打ち込む左。
先に手数を出して前進を寸断する積極性。
低いダッキングから身体をひねってコーナーを脱出する身体能力、柔軟性。
などなど。
 
今回のジョナサン・ゴンサレスは間違いなくソトの苦手なタイプだったし、相手をよく研究してきていたとも思う。
 
・vsサウスポーでほとんどリードジャブが出ない
・静から動へのタメが大きく、カウンターを狙いやすい
・距離が詰まってから“せーの”で打ってくるのでコーナーからの脱出も容易
 
攻防分離気味のスタイル、攻撃パターンの少なさ、その他。
近場でのクリンチを多用しつつ、自分の持ち味を最大限発揮すれば十分勝機があると考えて試合に臨んだのだと想像する。
 
また終盤のゴンサレスの粘り腰、インターバルでハッパをかけるセコンドもよかった。
11R終了直後にゴンサレスとトレーナー? がハイタッチする姿はまさに“チーム一丸”と呼ぶにふさわしい光景だった。
 
 
だが怖くない。
ちっとも怖くない。
 
上記の記事でも「階級を下げたことで相手に脅威を与えるパンチ力があるか」と申し上げたが、残念ながらジョナサン・ゴンサレスのパンチはこの階級でもあまりパワフルには見えない。
 
ソトも序盤こそゴンサレスの右リード、左カウンターを警戒していたが、中盤以降はそんなそぶりを見せることもなく。ある程度の被弾は気にせずにずんずん距離を詰め、さっさとコーナーに追い込んでいく。
 
近場での攻撃パターンがフックのぶん回しのみ、ゴンサレスの左カウンターが機能していたせいで大ピンチを迎えることはなかったが、もう少しバリエーションのある相手だったら……。
 
2019年8月の田中恒成などは、コーナーに追い詰めたところで先に手を出させてそこにカウンターを合わせたりもしていた。
 
ジャーボンティ・デービスvsローランド・ロメロはおもしろそう。デービスは中量級のカネロになれるよ。ロメロとは噛み合うんじゃないの?
 
中盤以降、あれだけ簡単にコーナーに詰まるようだと、トップ中のトップ相手にはややキツいのではないか。
WBA王者の京口には圧殺されそうだし、極端な話ソトと再戦しても危ないんじゃねえか? とすら思うわけで。
 

WBC王者矢吹正道がマッチルームと契約。矢吹の評価は以前から高かったのかもね。軽量級に力を入れてるみたいだし

なお、エルウィン・ソト陥落直後に報じられたニュースが下記。


先日、寺地拳四朗を10RTKOで下してWBC王座を戴冠した矢吹正道がマッチルームとプロモート契約を結ぶとのこと。
 
ファイトマネーは矢吹本人が想定していた2倍で、なおかつ拳四朗のプロモーターを務めた真正ジムから2試合分の興行権を買い取る条件。
 
「ボクシングの軽量級は稼げない」との理由で引退を示唆していた矢吹正道だったが、好条件を提示されたことにより現役続行を決意したらしい。
 
 
 
はっきり言ってこれはめちゃくちゃいいと思う。
 
マッチルームは以前にも高山勝成の前に矢吹にエルウィン・ソトとのタイトルマッチを打診したという話だし、もともとの評価も高かったのだろうと。
 
 
また、ここ最近軽量級の選手を買い漁っている一環でもありそう。
 
今回のDAZN興行もそうだが、中量級中心のイベントの中に軽量級の試合があるとかなりいいアクセントになる。
特にこの日はセミセミがL・フライ級、セミがライト級、メインがウェルター級と、徐々に迫力を増していく構成。観客の興味を煽るうまい流れだったと思う。
 
しかも矢吹に提示した条件は今までの倍のファイトマネー+興行権の買い取り。プロモーター側はこれだけ太っ腹でも元が取れると踏んでいるわけで、もしかしたら中量級の中堅どころを呼ぶよりもお安く済むのかもしれない。
 
今のところ日本が軽量級の中心地であることに間違いはない。「海外のリングに立つこと」が異様に評価されるお国柄である。
中量級の微妙な試合を組むより安い値段で王者クラスの選手が手に入るなら、こんなお得な話はない。
 
2021年、僕のベストバウトTOP10。コロナの影響で注目試合が中止になったり観戦熱が減退もしたけれど、私は元気です()第10〜6位まで発表
 

マッチルームとの契約は素晴らしい。拳四朗戦後のゴタゴタを見ると、めんどくさ過ぎて再戦は微妙だと思っていたので

僕自身、以前から矢吹正道に対する印象は結構よく、エルウィン・ソトになら十分勝てたと思っている。


距離を外されると脆さがあるエルウィン・ソトだが、正面からの打ち合いが飛び抜けて強いわけでもない。ファイタータイプのアンヘル・アコスタには普通に打ち負けていたし、矢吹の思い切りのよさと階級屈指のサイズがあれば全然可能性はある。
 
今となっては準備期間の短さや拳四朗戦への意気込み等、いろいろ理由があったのだと納得できるが、当時は本当にもったいないと思っていた次第である。
 
拳四朗陥落。矢吹正道に10RTKO負け。舐め腐ったことをすると因果が巡るってことだろな。矢吹はガチのタマの取り合いができるヤツ
 
そして拳四朗戦後のゴタゴタっぷりを見ると……。
 
SNSやネットニュースのコメント欄での罵声だけでなく、ジムに直接電話をかけてくるバカもいるとか。
さらにそれを見た現役選手や関係者が「素人は黙ってろ」などと喚き出す始末。
 
矢吹のバッティングが故意か偶然かはともかく、ここまでこじれた状態で再戦する必要があるの? めんどくさ過ぎるでしょと思っていたところ。
 
好条件で矢吹をお買い上げいただき、新たな道を示したマッチルームはファインプレーとしか言いようがない。
 
 
そもそも論として、あの試合は完全に一期一会ですからね。
 
軽量級離れした矢吹の射程の長さ、思い切りのよさを拳四朗が未体験の状態で、なおかつ短い準備期間で試合を敢行したからこそあの結果が出たわけで。
 
拳四朗陣営がJBCに質問状を出したことが牽制にもなるだろうし、そこまで情報をインプットした上での再戦というのはちょっと違うような気がする。


なお、ジョナサン・ゴンサレスvs矢吹正道なら断然矢吹が有利だと思っております。
 
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