ディミトリー・ビボルvsマリク・ジナド。ベテルビエフの代役ジナドが間柴了とそっくりだった件。ビボルの踏み込みスピードと精度に敵わず【結果・感想】

ディミトリー・ビボルvsマリク・ジナド。ベテルビエフの代役ジナドが間柴了とそっくりだった件。ビボルの踏み込みスピードと精度に敵わず【結果・感想】

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2024年6月1日(日本時間2日)にサウジアラビアで行われたWBA世界L・ヘビー級タイトルマッチ。同級王者ディミトリー・ビボルがランキング7位マリク・ジナドと対戦し、6R2分6秒TKOでビボルが勝利。
ビボルは2018年3月のスリバン・バレラ戦以来約6年3か月ぶりのTKO勝利となった。
 
 
デオンティ・ワイルダーvsチャン・ツィーレイ戦をメインにマッチルームとクイーンズベリーによる5対5の対抗戦が開催されたわけだが。


今回はL・ヘビー級のタイトルマッチ、ディミトリー・ビボルvsマリク・ジナド戦についてである。
 
 
と言いつつ、この組み合わせを見た際は「あれ?」となった。
 
もともとこの日はビボルvsアルツール・ベテルビエフ戦(L・ヘビー級4団体統一戦)が予定されており、僕も今年一番と言ってもいいくらい楽しみにしていた。
 
先日も「6月はジャーボンティ・デービスvsフランク・マーティン戦とビボルvsベテルビエフ戦が楽しみ」と絶叫したばかり。
 
ジャーボンティ・デービスvsフランク・マーティン。vsサウスポーの経験が少ないマーティンとエクトル・ガルシアをKOしたデービス。近場の打ち合いでどうなるか? かな
 
調べてみると、ベテルビエフの負傷で延期になったとのこと。マリク・ジナドはその代替選手であると。
 
あ、そうなんだ。
全然知らんかった。
 
注目試合が延期になったのは残念だが負傷なら仕方ない。
とりあえずはビボルのパフォーマンス、コンディションを眺めようと思った次第である。
 

サウジアラビア興行が毎回とんでもない。財力=大正義すぎるだろ笑

今さらながらサウジアラビア興行はとんでもない。
 
10年近く停滞していたヘビー級をあっという間に4団体統一戦まで持っていったと思ったら、そこから半月も経たずに「マッチルームとクイーンズベリーの5対5の対抗戦」とかいう“英国版THE MATCH”みたいなイベントを開催している。
 
すげえよオレクサンドル・ウシク。キャリアベストのフューリーに勝利はすげえ。今までウシクに興味なかったけど感動したよ笑
 
しかも12月にウシクvsフューリーVol.2が正式決定?
 
何度か申し上げているが、あまりにも財力=大正義である笑
 
 
極論、中東の富豪にとっては
・オレクサンドル・ウシクvsタイソン・フューリー
・サウル・“カネロ”・アルバレスvsテレンス・クロフォード
・ジャーボンティ・デービスvs井上尚弥
のトリプルヘッダーが理想なのではないか。
 
井上、カネロは5月に試合をしたばかり。
また井上は9月、12月の試合を希望している。
 
さらにデービスは今月中旬にリングに上がる予定。
クロフォードも8月に約1年ぶりの試合が組まれている上に以前からカネロ戦を望んでいると聞く。
 
スケジュールだけで言えば全員招聘できてしまう
 
 
こういう俗物的なマッチメークを富豪さんがどう思っているのかは知らないが、とにかく札束パワー恐るべしである。
 

間柴了っぽさのあるマリク・ジナド。様々な国でキャリアを積み、今回のチャンスを得た

前置きが長くなったが、試合の感想を。
今回、約6年ぶりにビボルがTKO勝利を挙げたわけだが……。
 
とりあえず対戦相手のマリク・ジナドはなかなかよかった。
 
手足が長く上体の柔軟性もある。
左腕を鞭のように使うジャブ、打ち下ろし気味の右が持ち味のアウトボクサー。
 
背格好やファイトスタイルが漫画「はじめの一歩」の間柴了っぽい
ちょうど間柴が世界戦の真っ最中ということもあって自然と気に入ってしまった笑
 
「はじめの一歩」の盛り上がらなさが異常。マーカス・ロザリオはルイス・ネリがモデルだと思うけど、個人の憎悪を盛り込みすぎでワロエナイ。せめて笑いを交えてだな…
 
また、ここまでの戦績は22戦全勝16KO。
キャリアを振り返るとベルギーやルクセンブルク、マルタ島、スロベニアなどなど。様々な国を渡り歩いている。
今回のサウジアラビア興行は本人にとっても大チャンスだったと想像する。
 

ビボルには及ばず。ジナドも高い実力を発揮したけど…

だが、残念ながらビボルには及ばなかった。
 
しなりを利かせたジャブで距離を取りたいマリク・ジナドに対し、ビボルは中に入って連打を浴びせたい。
 
開始直後はジナドのジャブで足止めを食ったビボルだが、2Rに入ると打ち終わりのカウンターが機能し始める。
 
ジナドの鞭のような左を高いガードで防ぐ→腕を戻す動作に合わせて踏み込む→ジナドの懐に侵入して右をヒット。
この踏み込みが異常に速くジナドは回避が間に合わない。
 
ビボルの持ち味はジャブとコンビネーション、それを機能させるための出入りだが、今回はこの出入りがめちゃくちゃよかった。
 
ジナドも十分速い上にジャブも多彩。時おりビボルが踏み込みを躊躇するなど全勝の戦績もなるほどと思わせた。
たとえば同じ興行に出場していたクレイグ・リチャーズともいい勝負になるのではないか。
 
SNS動画(無断転載)でお馴染みのベン・ウィテカーを初めてちゃんと観た。エズラ・アレニェカに大差判定勝ち。ハメドに比べると怖さがないかな
 

踏み込みスピードと左の精度でビボルに上回られる。4Rには顔が紅潮し…

ところがそのジナドも毎回ビボルに上を行かれてしまう。
 
ジャブの戻り際に距離を詰められ被弾→反撃の左を返すが、ビボルはすでに安全圏へ。
出入りのスピード、ジャブの精度で差をつけられそのつど差し負ける。
ジナドの左も当たってはいるが、ビボルを怯ませるほどではなく。
 
逆にジナドは4Rの時点でだいぶ顔面が紅潮している。
肩口からの右がバシバシ当たっていたせいだと思うが、左頬の腫れがなかなか痛々しかった。
 
 
相手の連打に回避が間に合わない。
スピーディな踏み込みに反応しきれない。
ジャブをかいくぐられると脆さを露呈する。
 
申し上げたようにマリク・ジナドは短所も間柴了とそっくりだった笑
 
ジャーボンティ・デービスがマーティンを8RKO。マーティン2R途中までがんばったけど右の器用さが足りなかったかな。デービスを攻略できそうなのはアイツ?
 

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5Rに圧力を強めるビボルから「もういいかな」的なノリを感じたよ笑

5Rに入るとビボルが一段圧力を強める。
 
ガードを上げて前進、ジナドの左を弾きながら距離を詰めて得意の左を当てる。
左のボディストレートでジナドの身体を折り、すぐさま顔面に右。
 
これまではタイミングを測ったり打ち終わりを狙ったりと慎重さが見られたが、5Rからはむしろ馬力でねじ伏せにいく。
 
あの光景からは「だいたい実力派わかったからもういいかな」的なノリを感じた笑
4R終了後に頭をぶつけて両者をレフェリーが止める一幕があったが、あれでピキったのもあるかもしれない。
 
 
ジナドも5Rはどうにか抵抗を続けたものの、6Rは見るからに力感がなくなる。
ビボルのジャブ1発で腰をガクッと落とし、バックステップで距離を取る余裕もない。
 
左の同時打ちで後ろに弾かれワンツーで動きが止まる。
で、リング中央で連打を浴びて後退→コーナーで顔を跳ね上げられたところでレフェリーが試合をストップ。
 
「マリク・ジナドは戦績通りのいい選手だが、ビボルには及ばない」と申し上げた通りの結末だった。
 
亀田和毅vsドラミニ再戦ある? 井上尚弥の指名挑戦者グッドマンが9月開催を拒否? まさかの武居由樹vs比嘉大吾? 興味をひいたネタにあれこれ言うの巻
 

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L・ヘビー級はやっぱりおもしろい。ビボルvsベテルビエフが楽しみ。ベテルビエフの膝が気になるけど

しかし今回は(今回も)おもしろい試合だった。
僕は全階級でL・ヘビー級が一番好きなのだが、この試合もその要素が山ほど詰まっていた。


手足が長いアウトボクサーにスピードと出入り、ジャブの精度で対抗。
ひと通り攻略したところでペースアップして一気にねじ伏せる。
 
以前、
「L・ヘビー級は“素の強さ”と技術のバランスが絶妙」
「ヘビー級はやや大味すぎ、軽量級は少々迫力不足」
「そこの(個人的な)最適バランスが80kg前後」
と申し上げたが、マジでそんな感じ。
 
MMAでもウェルター級(77.1kg)とミドル級(83.9kg)あたりの迫力とスピードのバランスがちょうどいい(僕は)。
 
 
その意味でもビボルvsベテルビエフ戦は絶対に実現しなくてはならない(僕のために笑)。
 
アルツール・ベテルビエフvsディミトリー・ビボル。金の力は偉大やでw コバレフ、グヴォジク、ベテルビエフ、ビボルのL・ヘビー級4強時代のラストファイト
 
ベテルビエフは膝の半月板断裂による手術とのことだが、どうにか回復していただいて……。
 
 
てか、膝ですか。
割と致命的な負傷な気がするけど、どうなんでしょうか。
間違いなく元の状態には戻らないだろうし。
 
むしろ年齢を考えるとちょっとマズい? かも?
 
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