朝倉未来がダニエル・サラスをKO。もうベラトールに行くしかないと思うけど。朴光哲の挑戦を受けたら批判されちゃう理不尽【2020.2.22 RIZIN21感想】
2020年2月22日、静岡県浜松市浜松アリーナで開催されたRIZIN21。第10試合の68kg契約ワンマッチに登場した朝倉未来がRIZIN初参戦のダニエル・サラスと対戦。2R2分34秒KOで勝利しRIZIN7連勝を飾った。
2019年大みそかからの連続参戦となった朝倉。
開始直後からリング中央でドッシリと構え、得意のカウンターを駆使して試合を優位に進める。
対するダニエル・サラスもスイッチやローキックを駆使してガードを崩しにかかるが、高い対応力を見せる朝倉を前に突破口を見出せず。
2Rに入っても朝倉はペースを崩さず、的確なカウンターでペースを渡さない。
そしてラウンド中盤。
途中で軌道を変えた朝倉の左ハイキックがサラスの側頭部を捉え、尻餅をつくようにダウン。これを見た朝倉がすぐさまグランドに移行し、渾身のパウンドを何発も落とす。
朝倉の左をモロに受けたサラスが意識を失ったところでレフェリーが試合をストップ。
その瞬間、朝倉未来の勝利が決定した。
なお、試合後には元ONE Championshipライト級王者朴光哲がリングインし、朝倉に対戦を迫る一幕も。
これにより、次回4月の横浜アリーナでの両者の対戦が決定した。
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朝倉未来圧勝!! でもダニエル・サラスはいい選手だった。若干スピードが足りなかったけど
先週末に浜松で行われたRIZIN21。
この日はテレビ放送がなかったためにリアルタイムでの観戦はできず。翌日に公開されたアーカイブをようやく観たので、その感想を。
まず率直な感想としては、朝倉未来の圧勝だったなと。
ダニエル・サラスもスイッチを繰り返していきなり右を打ち込んだり、カーフキックを駆使したりとあれこれ工夫してはいたが、最後まで朝倉のガードを崩せず。終始空間を支配され、突破口を見出せないまま2RKOに沈んだ。
ただ朝倉本人も試合後のインタビューで言っていたように、ダニエル・サラスは普通にいい選手だったと思う。
異様に長い手足と変則的な動き。
カウンターを待ち構えているところに踏み込んでいく勇気。
1発目の入りの多彩さなど。
試合が発表された際は散々かませ呼ばわりされていたが、個人的にはそこそこおもしろい試合だった。
とはいえ、朝倉未来に対抗するには絶対的にスピードが足りなかったのと、打撃が単発なのが厳しかった。
あれこれ工夫しているのはわかったが、朝倉のバックステップとコンパクトなカウンターにまったく追いつけず。ことごとく後の先を取られて攻撃を寸断され、攻め手を失ったところで盛大にハイキックをもらってジ・エンド。
決して弱い選手とは思わないが、打撃の精度を含めてちょっとどうしようもない感じではあった。
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そして、朝倉未来の試合はやはり独特なものがある。
絶対的な間合いをキープしつつ、ガードの奥から相手の出方をうかがう。その視線には感情の揺れがほとんど感じられず、常に数手先を読んでいるイメージ。
弟の朝倉海に比べて爆発力、インパクトは劣るが、リング中央で相手と対峙しているだけでも感じる緊張感にはいつの間にかくぎ付けにされてしまう。
RIZIN22で朝倉未来vs朴光哲か。さすがに朝倉が勝つんでないか? ダニエル・サラスと比べてどうなんだろうな
今回の勝利を受けて、2020年4月のRIZIN22での朝倉未来vs朴光哲戦が決定したわけだが。
いや~、どうなんだろうかこれは。
朴光哲の過去の試合をちょろっと試合を観たが、
さすがに朝倉未来が勝つのではないだろうか。
2017年12月から2019年8月までで計3試合。なおかつそのすべてが1RKO負け。
決して朴光哲が弱いとは言わないし、どの程度コンディションを維持しているかも不明。リングとケージではまったく別物であることが大前提だが、果たしてダニエル・サラスとどれだけ違うの? みたいな。
恐らくスタンドでの打ち合いになると思うが、どこかで朝倉がKOするか完封しそうな気配がプンプンする(僕には)。
わざわざ「試合後のリング」という相手が断りにくい状況に持ち込むほどの試合には思えなかったり……。
朝倉未来が批判を浴びるのは違うよね。マッチメークに責任はないし、RIZINへの貢献度もすごい
ただ、この件について朝倉未来が批判を浴びるのはさすがにかわいそうだとは思う。
今回のダニエル・サラス、次回の朴光哲と2019年末のジョン・マカパ戦に比べて物足りないのは確か。だがマッチメークの流れや選手層の厚さを考えれば致し方ないとも言えるし、そもそも選手側に責任を押し付けるのはどう考えても違う。
しかも、朝倉未来のRIZINへの貢献度は文句なしに素晴らしい。
2019年からスタートしたYouTubeで新規ファンを開拓しつつ、本業の試合では3連勝。相手も全勝のルイス・グスタボ、因縁のある矢地祐介、ベラトールから招聘したジョン・マカパと文句のつけようがない。
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その上、今大会は唯一2019年末のRIZIN20からの連続参戦という。
「最近はあまり積極的に試合をしたいとは思わなくなった」旨の発言がファンの間で物議を醸していたが、実際にはRIZIN参戦にめちゃくちゃ積極的である。
「今年は勝負の年」
「4試合くらいやりたい」
「強いやつともやって証明していきたい」
この辺りのコメントが過去の発言と違うという指摘もあるのかもしれないが、今までの貢献度を考えれば多少の整合性のなさくらいは大目に見てやれよとも思う。
ベラトールに行くしかない。日本でできることがないし、フェザー級ならマジで何とかなりそうな気も…
まあ、朝倉未来がファンを納得させるには結局ベラトールに行くしかないんだろうなと。
今回の朴光哲がかませかどうかはともかく、現状、RIZINの弾切れ感は凄まじい。
RIZINが用意できそうな選手と言えば、あとは同大会でカイル・アグォンに勝利したヴガール・ケラモフくらい?
マネル・ケイプの階級アップを待つのもいいが、いわゆる“エース”と呼ばれる選手の対戦相手としては若干弱い。
朝倉海のバンタム級はまさに今が激戦区だが、朝倉未来はすでに日本でやることが残っていないような気も……。
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となると、やはりベラトール参戦がベストな選択に思える。
2019年6月の堀口恭司同様、RIZINに軸を置きつつ夏から秋ごろにスポット参戦するのがいいのではないか。4月の横浜アリーナはすでに決定しているので、夏をめどに海外で1試合こなせば年末の出場も可能になる。
朝倉未来は現在27歳、7月に28歳になる。
選手としてはこの2、3年が一番いい時期なので、贅沢なファンを喜ばせる意味でもやるなら今年だろと思うのだが。
何と言うか、まったく歯が立たない感じでもないんだよな……。
正直、パトリシオ・ピットブルもマイケル・チャンドラーもどうしようもないほどの化け物感はない。朝倉本人が言うように、フェザー級であればトップレベル相手でもやりようはある(気がする)。
逆に2019年末のライト級GPを観れば、この選手がフェザー級にこだわる理由もめちゃくちゃ理解できる。70kgを超えると一気に人外感が増すし、青木真也がどれだけ批判されても頑なにUFC行きを拒否し続けたのもなるほどと思う。
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いや、いいんじゃないですかね。
路上の喧嘩野郎がTHE OUTSIDERで格闘家デビューを果たし、ROAD FCを経てRIZINで覚醒。日本に収まらないところまで上り詰めて、満を持して海を渡るという。
成り上がりのサクセスストーリーとしては最高なのではないか。
朝倉未来がどこまで通用するかにも興味があるしね。
パトリシオ・ピットブルの踏み込みは ジョン・マカパの1.5倍ほど鋭いけど、そこにカウンターが間に合うのか? とか。
ワンマッチでいきなりタイトルマッチというのは虫がよすぎるとは思うが、少なくともRIZIN単独でベラトールのトップどころを引っ張ってくるよりは現実味がありそうな……。
どちらにしろ、本人のやる気次第ではあるのだが。
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