山本由伸、今永昇太ともに初勝利。山本は本調子ではない、今永は思った以上にやりそう。野手は右投げ左打ちに限界がきているような…【2024.4.11感想】
2024年3月20、21日の韓国シリーズを経て現地時間3月28日に本格開幕したMLB。
今シーズンも日本人選手を中心に動向を追う予定である。
で、今回は僕がもっとも注目している2人、LAドジャースの山本由伸とシカゴ・カブスの今永昇太について。
山本由伸に対しては先日の韓国シリーズの際にあれこれ言ったが、そこからの続き。
一方の今永昇太はすでに2度登板を終え、いずれも無失点と順調なスタートを切っている。
この両者の投球を振り返りつつ感想を述べていく。
ようやく実力の片鱗を見せた山本由伸、無双中の今永昇太にはチームも気を使う。過去の日本人投手が軒並み肘をイワしたからねw
投手のレベルアップが尋常じゃない。右投げ左打ちに限界がきている?
まず最初に。
MLBはもちろんNPBを観ていても思うのだが、近年投手のレベルアップが尋常じゃない。
特にまっすぐの高速化、平均球速の底上げに歯止めがかからない。2010年代半ばとは比べものにならないほど。
先日ソフトバンクvs日ハム戦、阪神vs広島戦をボーっと眺めていたが、どのチームのリリーバーも当たり前のように150km超のまっすぐを投げ込む。
もはや右のオーバースローがリリーフで生き残ろうと思えば150km半ばのまっすぐは最低ラインと言ってもいいくらい。
今年の飛ばないボールも相まってますます投高打低が進みそうである。
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と同時に日本人野手がMLBで活躍するには右投げ左打ちでは厳しいのでは? という気がしている。
筒香嘉智や秋山翔吾の惨状を見ると、バットコントロールとスイングの柔軟性で勝負する(右投げ左打ち)タイプは根本的に力負けする印象。
利き手のフォアハンドで強く叩けない時点で土俵にすら上がれないというか。
レッドソックスの吉田正尚くらい強く振れれば別だが、あの選手はまあまあの例外なわけで。
大谷翔平や吉田正尚といった外れ値を除き、利き手を前に置いたバックハンド(右投げ左打ち)の打ち方には限界がきているような……。
同系統の打者ではヤクルトの村上宗隆が最後の砦だと思っているが、あの選手がダメだった場合はいよいよ考えなくてはいけない(気がする)。
山本由伸
3月21日のパドレス戦(韓国シリーズ)で先発、1回5失点でマウンドを降りた山本由伸。
ただ、その後は2試合続けて5回無失点、前回のカブス戦では8奪三振でメジャー初白星を挙げている。
この日はカーブを有効に使うピッチングで実力の高さを示したわけだが……。
正直、出来自体はそこまでよかったとは思えず。
確かにカーブを軸に三振を取りまくったが、本来のピッチングとは少し違う。
⚾#MLB⚾
「ストライクゾーンに“虹を架ける”」山本由伸の“ヨーヨーカーブ”をMLB公式記者が高評価「多次元的で、打者は手を出せない」「球界最高の変化球のひとつ」 https://t.co/cT50NQexpp— THE DIGEST (@THEDIGESTweb) April 10, 2024
この人が本当に得意なのはむしろスプリット(フォーク)の方。カーブはどちらかと言えば見せ球である。
だが先日の韓国シリーズ同様、このスプリットがしっくりきていない。
落ち始めが早く見極められやすい、ボールからボールの軌道で楽々見送られる。
今回の登板でも「お、いいな」と思ったスプリットは2球あったかどうか。
また、もう一つの持ち球であるカッターはこの日はほとんど投げず。
浮き上がる系のまっすぐと縦に落ちるカーブ、正反対の球種で8つの三振を奪ったものの、お前はこんなもんじゃねえだろと。
日本にいた時はもっとすげえ球を投げてたぞと。
以前から「山本由伸はMLBでそこまで無双しないかも…」とほざいているが、その判断を下すのはあくまでフルパワーを発揮してから。
山本由伸MLBデビュー戦で1回5失点、負け投手に。メジャーの洗礼以前に調子が悪すぎた。カッターしか頼る球がない→それを狙われてドカン
とりあえず早く完全体になった山本由伸を観たい。
今永昇太
そしてシカゴ・カブスの今永昇太について。
ここまで2試合に先発しいずれも無失点、初登板のロッキーズ戦では6回を投げて9奪三振を奪う好投を見せている。
こちらは開幕から期待通りのピッチングを見せている。
当初僕は「今永は山本由伸や千賀滉大のようなエース級の立ち位置ではない」「ローテーション4、5番手くらいで回れれば」と思っていたが、OP戦の投球を観て「いや、ちょっと待てよ?」と。
もともとホップ系のストレートによる空振り率の高さが持ち味。被弾も多いがあのまっすぐはMLBでも希少性が高いと言われている。
そこに右打者へのチェンジアップ、左打者へのスライダーを織り交ぜて勝負するわけだが、OP戦を観るとこのスライダーが思った以上にいい(日本時代よりも)。
最初はいまいちだったチェンジアップも登板を重ねるごとに精度が上がり、これはひょっとしたらひょっとするぞと。
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で、総合力タイプの山本由伸が打たれたのを受けて“パラメーターが尖ったタイプ”の今永が俄然楽しみになった次第である。
実際の試合も確かにそんな感じ。
浮き上がるまっすぐはMLBでも十分通用する。
キャッチャーがあえて高めを要求し、今永もそこをめがけて全力で投げ込む。
打者はこのまっすぐに差し込まれて気味の窮屈そうなスイングを繰り返す。
また上述の通り左打者へのスライダーは日本時代に比べて鋭さが増している。
右バッターの外に落とすチェンジアップはまだまだだが、あの球がしっくりくればマジでいいのではないか。
もちろん本人が言うように今後は疲労も出てくる上に登板間隔や気候の違い等、未知数な部分が多い。
今永昇太 日本人先発投手初のデビュー3試合連続無失点なるか…ダルビッシュとの会話など一問一答 https://t.co/0jwyWoPdAs #野球 #baseball #yakyu
— スポーツ報知 プロ野球取材班 (@hochi_baseball) April 11, 2024
だが、渡米前の想像よりもはるかにやれるのでは? と期待が膨らんでいる笑
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