実は僕はリゴンドーのことが大嫌いなんですよ。僕のジェイソン・モロニー再起成功。ウォーレン、ロドリゲスvsラッセル、コンラン、前田稔輝振り返り

実は僕はリゴンドーのことが大嫌いなんですよ。僕のジェイソン・モロニー再起成功。ウォーレン、ロドリゲスvsラッセル、コンラン、前田稔輝振り返り

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2021年8月14日(日本時間15日)に米・カリフォルニア州で行われたWBO世界バンタム級タイトルマッチ、ジョン・リエル・カシメロvsギジェルモ・リゴンドー戦が殺意を覚えるレベルのクソ試合だったことは先日申し上げた通り。
 
カシメロvsリゴンドーとかいう放送事故。ハリー「こんな競技好きな人がいるんだね」←これは完全に正しいw 別にどっちの勝ちでもいいよ
 
ブーイングをものともせずにあの試合運びを貫徹するメンタルがリゴンドーの持ち味なのはわかるが、だからどうした。
アレをやるなら100人中100人がリゴンドーの勝ちと断言するくらいに圧倒しなければダメだし、それができなかった時点でお話にならない。
 
ボクシングが競技としてどうとか、プロとはどうあるべきか? みたいな訓示()もどうでもいい。
どちらが勝っていたかにも興味がないし、ただひたすらにしょーもないとしか言いようがない。
 
これを言うと角が立つので黙っていたのだが、実を言うと僕はリゴンドーのことが大嫌いである。
 
そんな“リゴンドー大嫌い人間”の僕にとっても、今回のvsカシメロ戦はこれまでの中でもトップクラスに嫌い。


それほどこの試合は僕の人生にとって不毛なものだった。
 
 
というわけ(どういうわけ!?)で、例によって今回も“個別で取り上げるほどではないけど、スルーするにはもったいない試合たち”の感想を言っていこうと思う。
 
特にカシメロvsリゴンドー戦のアンダーカードはなかなか趣があったので。
 
不快の極みリゴンドーが約1年5か月ぶりの試合でダニス・アグエロ・アリアスを1RKO。でも現役続行はよかった。今後も「大嫌い」と言い続けられるw 最後にドネアと再戦とか…ないよな
 

○前田稔輝vs東祐也×(判定3-0 ※59-55、60-54、60-54)

まずはこの試合。
 
2019年全日本フェザー級新人王前田稔輝が60kg契約6回戦で東祐也と対戦し、3-0の判定で勝利した一戦。
 
前田稔輝は亀田京之介との全日本フェザー級新人王戦で初めて知ったのだが、それ以降注目していた選手。日本拳法をベースとしたノーモーションの左ストレートが凄まじい威力を発揮するファイターである。
 
前田稔輝が思った以上にすごい。飯見嵐を2RKOでキャリア5連勝。亀田京之介戦のパフォーマンスはガチだったんだな
 
ただ、今回は東祐也の突進力と躊躇のないフックのぶん回しに下がらされるシーンが目立ち、あまり自分の距離を維持できなかった印象。
試合後の「壁にぶち当たっている」というコメントでもわかるように、本人的にも消化不良の試合だったようである。
 
と言いつつ、全体的にそこまで悪い試合だったとは思わない。
ガードの間を通す左もよく当たっていたし、サイドへのフットワークも機能していた。
 
そもそも論として、主戦場とするフェザー級より3kg近く重い60kg契約な上に、相手の東祐也は普段ライト級でリングに上がっているとのこと。
いつもなら倒れているはずのパンチでも相手がケロッとしていたことを考えると、増量の影響は間違いなくあったと言えそう。
 
先日鮮烈なKO勝利を飾った亀田京之介に比べるとややインパクトには欠けるが、それはそれ。言うほど悲観することもないのでは? という気もする。
 
そして、いずれ日本王座戦で亀田京之介と再戦!! となれば最高である。
 

○マイケル・コンランvsTJ・ドヘニー×(判定3-0 ※116-111、116-111、119-108)

お次はこの試合。
 
岩佐亮佑やダニエル・ローマンと対戦したTJ・ドヘニーが地元アイルランドで人気者のマイケル・コンランとWBA世界フェザー級暫定王座を争った一戦である。
 
結果は3-0(116-111、116-111、119-108)の判定でコンランが勝利したわけだが。
 
はっきり言ってめちゃくちゃおもしろかった
 
 
特に身長173cm、リーチ175cmという大きな身体を目いっぱい使い、各局面でドヘニーを上回ったコンランは文句なしに素晴らしかった。
 
開始早々サウスポーにスイッチし、長いリードジャブでドヘニーに自分の距離を作らせない。
接近戦でも腕をうまく畳んでコンビネーションを放つなど、一度もペースを渡すことなく12Rを走り抜けてみせた。
 
ドヘニーも何とか突破口を開こうとしていたが、コンランの技巧を最後まで崩すことができず。
アウトボックスしようにも遠い間合いから伸びるコンランの右を捌き切れず、近場ではハンドスピード、1発の精度でそのつど置いてきぼりを食ってしまう。
 
飛び込み際の1発以外に勝ちパターンを見つけられないまま時間が経過していくジリ貧状態に。
 
 
というか、マイケル・コンランは器用な選手ですよね。
手足の長さ+ハンドスピードという自分の特徴をよく理解している印象で、間合いが遠かろうが近かろうが関係なしに一定以上の水準をキープできる。
 
ぶっ飛んだ強さは感じないものの、間違いなくやっかいな選手。
 
岩佐亮佑や亀田和毅、清水聡などの日本人選手が狙うとすれば今回のマイケル・コンランか正規王者のリー・ウッド、IBFのキッド・ガラハド(もちろん敵地で)あたりかなぁとは思うが、とりあえず岩佐亮佑がマイケル・コンランに勝てる画が僕にはまったく想像できない。
 
前田稔輝vs木村蓮太朗現地観戦感想。初めて生で観たけどやっぱり前田稔輝カッコいいな。木村蓮太朗の粘りもすごくていい試合だった
 

△ゲイリー・アントニオ・ラッセルvsエマヌエル・ロドリゲス△(1R16秒負傷無効試合)

そして、上述のジョン・リエル・カシメロvsギジェルモ・リゴンドー戦のセミファイナルで行われた一戦。ゲイリー・アントニオ・ラッセルとエマヌエル・ロドリゲスによるWBA世界バンタム級暫定王座戦である。
 
ところが結果は偶然のバッティングによる負傷無効試合。わずか1R16秒で終了するというまさかの自体に。
 
僕自身、この試合は最初に結果を聞く→SNSでハイライトを視聴するという流れだったのだが、同時に思ったのが「バッティングが起きるまではどちらが優勢だったのか」ということ。
 
ラッセル次男vsエマヌエル・ロドリゲスの組み合わせは結構楽しみにしていて、できれば最後まで観たかったところ。


だが負傷による無効試合ということなら仕方ない。
せめてバッティングが起きる前のラウンドまでどちらが有利だったかだけでも知りたい。
 
って、アレがフルなのww
 
SNSの小さな画面で観ていたせいでラウンド数まで目がいかず、てっきり数ラウンド経過していたものだとばかり……。
 
 
いや、しかし。
ここまでくるとエマヌエル・ロドリゲスの恵まれなさは逆にすごい。
 
以前「トレーナーが井上尚弥の父親を恫喝したツケが回ってきた」などと申し上げたが、それにしても不幸が降りかかり過ぎだろと。
これならいっそのこと体重超過のルイス・ネリとの試合を受けておけばよかったんじゃないの? とすら思ったり。
 
ガバリョの勝ちもなくはない? かな? ロドリゲスはトレーナーが井上パパを恫喝してから運が一気に離れていったよな
 
ちなみに16秒の間にラッセル次男が出したパンチは計8発(だと思う)。
わずかな時間ではあったが、カシメロvsリゴンドー戦よりも数段濃密だったことは間違いない()
 

○ラウシー・ウォーレンvsダミアン・バスケス×(2R2分18秒KO)

4試合目はコレ。
 
元WBA世界バンタム級スーパー王者ラウシー・ウォーレンがダミアン・バスケスに2RKO勝利を挙げた試合。
 
この試合で僕が何より驚いたのが、ラウシー・ウォーレンがKO勝利したことである。
 
WOWOWエキサイトマッチの実況が言うにはウォーレンは約6年ぶりのKO勝利だったとのこと。
 
ウォーレンという選手は身体能力の高さに依存したディフェンシブなスタイルが特徴で、試合内容もエキサイティングにはほど遠い。最近では打たれるのを恐れすぎてズルズルと判定負けを喫するパターンも目立っていた。
さらに一時期S・フライ級に下げるなど、やや方向性を見失っていた感も強い。
 
そういう意味でも、今回の豪快なKO勝利は本人としてもめちゃくちゃ大きかったのではないか。
 
 
相手のダミアン・バスケスが比較的やりやすい相手だったこと、角度的に右フックがドンピシャだったことなど、ウォーレンにとってはかなりのイージーゲームだったのは間違いなさそう。
 
だが、これだけいい勝ち方ができれば次につながる可能性もある。
今後は十中八九若手の踏み台に駆り出されるのだとは思うが、もしかしたら約5年半ぶりにファン・カルロス・パヤノとのVol.3が組まれたりする? かも?
 
井上尚弥の次戦の相手を勝手に予想する。カシメロもドネアも忙しいし年内統一戦もなくなった。ボクシング界の駆け引きにもうんざりしてる
 

○ジェイソン・モロニーvsジョシュア・グリアJr.×(判定3-0 ※98-92、96-94、98-92)

そしてラストはこの試合。
 
2020年3月の井上尚弥戦以来の再起戦を迎えたジェイソン・モロニーがジョシュア・グリアJr.と10回戦で対戦し、3-0(98-92、96-94、98-92)の判定で勝利した一戦である。
 
僕は以前からジェイソン・モロニーという選手をかなり買っていて、井上に負けたあとも再起を待ち続けていた経緯がある。
また、相手のジョシュア・グリアもそこそこいい選手という印象が強く、この試合は普通に楽しみにしていた。
 
尚弥きゅん。井上尚弥がモロニー(マロニー)を7RKO。モロニーはいい選手だったし井上の試合で過去一番好きかもしれない
 
実際の試合もなかなかおもしろかったと思う。
 
いつも通り左右に動いてアングルを変えながら連打を打ち込むモロニーに対し、グリアはガードを上げて距離を詰めていく。
まっすぐ打ち出すモロニーの左に右フックを被せ、そのまま身体を預けるように前進。近場でのガチャガチャでモロニーを糞詰まりにする作戦である。
 
だが、接近戦はグリアにとって本来の姿ではないのか、距離を詰めたあとの展開がいまいち感じられない。モロニーの動きを封じるまではいいのだが、自身の動きまでも制限されて単なるクリンチにしかならないという。
 
で、ラウンドを重ねるごとに出足が鈍り、モロニーのカウンターで前進を止められてしまう流れ。
さらに途中でモロニーが左を打ち出す角度を変えたことで手詰まりに。
 
 
両者の思惑、駆け引きが感じられる好試合ではあったが、全体を通して観ればやはりモロニーに一日の長があったかなと。
 
 
というか、こうして見るとバンタム級っていい選手が揃ってるんですよね。
 
2度目の全盛期を謳歌するノニト・ドネア、小者感満載のジョン・リエル・カシメロを筆頭に無敗のラッセル次男、The不運マンなエマヌエル・ロドリゲス、突然覚醒したラウシー・ウォーレン、僕の一押しジェイソン・モロニー、惜しくも敗れたジョシュア・グリアJr.。
 
その他、前回井上に挑戦したマイケル・ダスマリナスも普通によかったし、元王者ノルディ・ウーバーリは2019年1月にラウシー・ウォーレンを判定で下している。
WBC暫定王座を戴冠したまま消息不明のレイマート・ガバリョもいる(いる?)。
 
ドネアvsウーバーリ感想。ドネアのクソかっこいい主人公属性と往生際の悪さ。もうお前、サウスポー得意じゃねえかw 最高だったぞ
 
井上尚弥に対抗できるか? という視点で考えると物足りなさを感じてしまうが、実はめちゃくちゃ激戦区だったりする。
 
中でも井上相手に(ドネアの次に)健闘したジェイソン・モロニーにはぜひともがんばってもらいたい。
この選手の実力ならカシメロ相手でも十分勝機があると思っているので。
 
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