仕事のやる気をなくさせる上司の行動、言動を考える

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オフィスビルイメージ
部下の仕事の対するやる気をなくさせる上司の行動、言動について考えてみる。

ご大層な書き出しでスタートしましたが、今回は読んで字のごとく「やる気をなくさせる上司の行動、言動」について考えてみたいと思います。

「人工知能の進化は翻訳業界の未来を奪うのか? 翻訳者の将来性は? ターミネーターの時代は本当に来るの?」

といっても、よく有名なコンサルの方がブログで述べているようなお役立ち一般論ではなく、僕自身の経験です。ですので、誰にでも当てはまる特ダネ情報とはなりにくいかもしれません。ただ、実際に僕が経験したことですので生々しさはあるかと思います。

「会社勤めの社会人が知っておいた方がいい○○のこと。労働基準法? 自分を守るための法律あれこれ。がんばれサラリーマン」

まあ、ひと言で言うと愚痴です。
平社員の僕がかつて、会社の社長(上司)に絶望したエピソード。そんな感じに受け取っていただければ幸いです。もちろん僕は経営側に回ったことがないのでそっち側の大変さはわかりません。彼らには彼らなりの苦労や言い分はあるだろうという前提でのお話です。
多少感情的になってしまうかもしれませんが、なるべく冷静に「こういうことが原因でやる気をなくしました」という事実を列挙していきたいと思います。
ご興味がありましたらおつき合いください。

と同時に、僕が素人なりに本を読んだりネットを徘徊してかき集めたマーケティング手法の一部をご紹介できればと考えています。

「会社で老害に遭遇したことある? 僕はあるよ?」

前置きが長くなりましたが、スタートいたします。
まず、舞台となるのはこんな会社です。

・紙媒体中心のドキュメント制作会社
・10人未満の零細企業
・僕は制作担当
・不景気のあおりで売り上げが落ち込み気味
・会社の方針は薄利多売ではなく、一つの取引先とじっくり付き合うスタイル

そして例の上司は社長兼営業担当で、具体的な人物像はこんな感じです。

・会社の景気が悪いと常々嘆いている
・何かを変えないとこのままではまずい
・売り上げを上げるためにはなりふり構っていられない
・だが、忙しすぎてやりたいことをやる時間がない
・何か思いついたらすぐに提案して

ことあるごとに、これらを言い回しを変えて口にする上司でした。まあ、土日祝日なく出勤しているような人なので、よく聞く口だけ忙しいアピールのダメ上司というわけではありませんでした。 
「高齢化社会を乗り切るために優先席を撤廃しようぜ。んで、30~40代優先席を作ろうぜ」
 

HPからの集客を求めて作り方をイチから覚えた結果

「HPからの集客は重視しません」
上司が僕に言い放った言葉です。

「ネットからの集客を増やすためにHPを作りなおそう」
既存顧客の売り上げが減少し、その打開策としてある日上司がこう言いました。その際、HP担当に指名された僕の試練がその日からスタートしたわけです。

こう言っては何ですが、そこそこモチベーションの高い社員だった僕はこの命を意気に感じ、無条件に「よし、やってやろうじゃんか」と拳を握りました。

「上司と部下の言い分つれづれ。部下になめられまくった俺の慟哭」

そしてそこから数カ月。通常業務の合間に独学でイチからHP作成を学び、少しは見られるHPを完成することができました。当然ですが、その間の業務量が減ることは一切ありません。 
「費用対効果、コストパフォーマンスのこと。いくら払えば文句OK? 逆に「その金額でその言い分はねえわww」の基準は?」
 
HPを作ったとはいえ、それだけで集客できるわけではありません。そのHPを検索上位に表示させて多くの人に見てもらう必要があります。いわゆるSEOです。
そこで僕がやったのが、
・ひたすら更新、コンテンツの追加
・Googleアナリティクスを導入してアクセス解析
・Googleアドワーズを導入してアナリティクスとの連動
・競合他社のHPをチェック

基本中の基本ですが、これを通常業務の合間に欠かさずこなしていました。当然すべての文面も僕が考えました。
もちろんGoogleアナリティクスなど使ったことがなく、導入から運用方法までを独学で覚えて、おっかなびっくり運用していました。またアドワーズ広告に関しては、月に1万円までという制限があったため、少ない資金をちびちび投入しながらキーワード選定をせざるを得ない状況でした。

「フリーランスが仕事を獲得する方法。初対面でも仕事を依頼されるのは案外簡単?」

ただ、こうした努力の甲斐あってか、数ヵ月後には狙ったキーワードでの順位がそこそこ上位にくるようになりました。そしてありがたいことに、HP経由の問い合わせが一日一件程度のペースでくるようになりました。もともとニッチなキーワードに狙いを定めていたせいもあるかと思いますが、効果が表れたことは素直に嬉しく思っていました。

「団塊老害にキレてしまった話【老害の特徴? 職場環境配慮義務?】」

そして問い合わせ件数が激増した結果、上司は僕にこう言ったのです。
「9割方どうでもいい問い合わせだ」
「こんな顧客、来年になれば消えている」
「時間ばかりとられて妙味がない。HPからの問い合わせは、もう重視しません」

「重視しない」と言われましたので、当然僕はすべての更新、解析作業をストップしました。すると一ヶ月後、ほぼ毎日きていた引き合いがパッタリとこなくなりました。その状況を受けて、再び上司は僕にこう言いました。
「最近問い合わせがまったくないんだけど、どうしたんだ?」

「金もない」「時間もない」。その中で頭をひねった結果

時間がない。出せる金もない。その中でどうにかして売り上げを上げなければ。

相変わらず上司はこう嘆きながら深夜残業と休日出勤を繰り返しています。売り上げは相変わらず低空を飛行中です。
僕自身も停滞気味の会社に少なからず危機感を覚えていたので、どうにか現状を打破できる方法はないかと日々考えていました。

「マジキチ圧迫面接キター!! 就職・転職戦線異常あり?」

時間のない中でもできる効果的な営業の方法。顧客サービスを低下させずに間口を広げる方法。とにかくお金をかけずにお手軽に。そんな都合のいい方法はないものかと、本を読みネットを徘徊し、悪い頭をひねってアイディアを絞り出しました。

メールの署名欄にPR文入れるべきじゃね?

メールの署名欄に本人の直電話番号や、ひと言のPR文でも入れたらいかがでしょうかと提案してみました。もしくはメルマガを発行していたので「メルマガ配信中!!」などの文言と登録アドレスを入れるなど。
メールとHPアドレスのみの署名欄よりも注意を引く可能性があるし、興味を持ってクリックしてくれる確率も上がるのではないかと思った次第です。

上司の反応は以下でした。
無視!!

お礼メールの文面コピペ止めるべきじゃね?

初めて訪問した取引先担当者へのお礼メールが、名前を変えただけのコピペだったので、それを止めるようにお願いしてみました。
直接相手と話したこと、その場にいた本人たちにしかわからないことを1、2行でも文面に入れたらどうかと提案してみました。そうすれば相手は「自分の話を聞いてくれている」「特別視されている」と感じてくれるのではないかと思ったからです。
お客は自分が特別扱いされていると感じることで、心を開いてくれる可能性が高まるのではないか。そう思ったからです。

上司の反応は以下でした。
無視!!

「仕事ができない人は「相手への敬意が足りない」ってそりゃ知ってる」

お礼状出したらいいんじゃね?

初めての訪問後、初めての仕事の後などに、簡単なお礼はがきを出したらどうでしょうかと提案してみました。テンプレートを作って、そこに本人とのやり取りに関連するひと言を添えれば、相手に与えるインパクトはお礼メールのみの場合と比べてはるかに大きいのではないかと考えました。

簡単なイラストを描き、お礼文のテンプレートを作成して上司に手渡しました。その結果、反応は以下でした。
無視!!

アンケートをお願いして、お客さまの声ページに掲載したらいいんじゃね?

仕事が完了した際、相見積もりで受注までに至らなかった際などに担当者にアンケートをお願いして「お客さまの声ページ」に掲載させてもらえるよう、社長名義でお願いしたらどうかという提案をしました。
さらに「『お客さまページ』に掲載させていただいた場合は、次回の見積もりから1割引きする」などの対応をしてみてはどうかという提案もしました。

アンケートのメリットとしては、
●今回の対応がよかったのかダメだったのか、なぜ受注できたのかできなかったのか。受注できた理由は値段なのか、それとも別の理由があるのか。そういった相手の声を直に聞くことができる

●その担当者が値段重視なのか、それ以上に対応のよさを優先するタイプなのかを知ることができること

●アンケート結果を「お客さまの声ページ」に掲載させてもらうことで、更新作業の手間をかけずにコンテンツを充実させることができる

●次回見積もり時に1割引きのキャンペーンをすることで、今後もおつき合いしたい相手と接触するチャンスがもう一度生まれる可能性がある

と考えました。

アンケートフォームを作成し、文面とアドレスをメールするだけの状態まで準備した上で、上司におうかがいをたてた結果は以下でした。
無視!!

会社案内と一緒に小冊子を配ったらいいんじゃね?

初めての訪問先、初めて会う人に会社案内と名刺を渡すだけでなく、小冊子を作って渡してみたらいかがでしょうかと提案してみました。

小冊子の内容は、例えば営業先での失敗エピソードなど。「この失敗を糧に得た教訓」というコンセプトの小冊子。
こういったちょっとした失敗談を紹介することで、ただ会社案内を渡すだけのケースとは相手に与えるインパクトが違ってくるのではないかと考えました。
もっと言うと、もしかしたらデスクの上にある冊子を別の人が見つけてくれて、そこからわが社に興味を持ってくれて人脈が広がる可能性だってゼロではない。そう考えた次第です。

そこで僕は、自分の経験したエピソードを適度に脚色して、A5サイズ30ページ程度の冊子を作成しました。そして上司に実際の営業現場でのエピソードがあったら教えてくださいとお願いしたわけです。
反応は以下でした。
無視!!

値段重視の人には「期間限定安売りキャンペーン」でアプローチしたらいいんじゃね?

一年の中には必ず繁忙期と閑散期があり、多少安売りしてでも売り上げが欲しい時期が絶対にあります。そういった時期に、値段のみで発注先を決定する人に対して期間限定安売りキャンペーンを告知してみたらどうかという提案をしました。

値段が多少高くても「ウチの会社がいい」と言ってくれる人とは今までどおり、今まで以上のサービスを心掛けておつき合いすればいい。
ただ、発注基準が値段のみという人に対してはうまくアプローチができていませんでした。そこで、閑散期に期間限定のキャンペーンをやってみたらどうかという提案をしつつ、宛名を変えればそのまま使える文面も考えて上司の前に出向いたわけです。
反応は以下でした。
無視!!

お問い合わせフォームから直接「見積もり原稿」をアップロードできればいいんじゃね?

「忙しい」「時間がない」と嘆き、問い合わせへの対応すら負担だと常々口にしている上司。だったらお問い合わせフォームから直接「見積もり原稿」をアップロードできるようにすれば、少しは手間が減るのではないかと考えました。

今までの問い合わせへの対応は以下の流れでした。
問い合わせフォームから連絡→見積もりファイルを送ってもらうように返信→相手から見積もりファイルを受け取る→見積もり提出
要するに、見積もりを提出するまでに先方とのやり取りが4回生じるわけです。

これを問い合わせフォームから直接見積もりファイルをアップロードできるようにすれば、
問い合わせフォームから連絡とともに見積もり用ファイルを送信してもらう→見積もり提出
の最低2回のやり取りで済みます。

これを実現するために問い合わせフォームを改良し、使い方、アップロード先、見積もり用ファイルの処理方法をすべて文書化したマニュアルまで作成して上司に渡しました。
その結果は以下でした。
無視!!

しかもそれだけでなく、実際に見積もりファイルをアップロードしてくれた方に対して「添付ファイルがついていません」と抜かしやがったのです。

バカバカしいったらありゃしない。ないのは時間じゃなくてやる気だろ?






これだけコケにされた結果、さすがの僕もバカバカしくなり、モチベーションを失いました。

しかもこれらは僕が勝手に暴走したわけではなく、最初に「こういうことをしてみたらどうでしょうか?」と相談し、「それはいいね。やってみようよ!!」と、ノリノリの言質をとった上でやったことです。なおかつ、なるべく上司の手数がかからないようにおぜん立てをしたつもりです。

そしてもう一度言いますが、すべての準備を通常業務の合間にやりました。

それに対する上司の言い訳は、とにかく「時間がなくてできない」
いやいや、ないのは時間じゃなくてやる気だろ?
忙しい自分に酔ってるだけだろ?
くだらん。

正直、上記の集客方法が効果的なのかは、実行する機会が得られなかったのでわかりません。ただ、「なりふり構っていられない」「何か思いついたらすぐに提案して」と連呼しているのだから、無視はさすがに失礼ではないかと思うわけです。

いろいろな人がおっしゃっていますが、上司の言動、行動は、思った以上に周りの社員は見ているし聞いています。そして、ちょっとしたことで深く傷つきます。これを繰り返すことによって徐々に老廃物が溜まり、「めんどくせえ」と考える社員が増え、会社が停滞する結果を生むわけです。

僕も例外なく上司である社長の動向を注視し、雑な扱いに傷ついていた人間でした。

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