ワイルダーが完全に終わった…。チャンに5RTKO負け。やるべきことをやって勝ちパターンに持ち込んだ末にひっくり返された【結果・感想】

ワイルダーが完全に終わった…。チャンに5RTKO負け。やるべきことをやって勝ちパターンに持ち込んだ末にひっくり返された【結果・感想】

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2024年6月1日(日本時間2日)にサウジアラビアで行われたヘビー級12回戦。元WBC同級王者デオンティ・ワイルダーと前WBO同級暫定王者チャン・ツィーレイが対戦、5R1分51秒TKOでチャンが勝利した試合である。
 
 
ワイルダーvsチャン戦をメインとしたプロモーション同士(マッチルームvsクイーンズベリー)の対抗戦。


4月中旬に正式発表されたこのイベントがついに当日を迎えたわけだが。
 
僕が興味があったのはもちろんメインのワイルダーvsチャン戦。
前回ジョセフ・パーカーに完敗を喫し、トップ戦線から後退したワイルダーがアジア人初のヘビー級王者(暫定)となったチャン・ツィーレイと対戦する。
 
ワイルダーコケたよ。パーカーに3-0の判定負け。手が出ない、反応が遅れる、足が動かない。2016年のアルツール・スピルカ戦と違いすぎて哀しくなる
 
正直、パーカー戦の動きを観る限りワイルダーは限界が近い。
 
ただ、今回のチャンはパーカーほど俊敏ではない。
必殺の右が当たれば何かが起きる? かも?
 
どちらが勝つかは何とも言えないが、漠然とワイルダーに踏みとどまってほしいと思っていた。
 

ワイルダーが完全に終わった…。負け方としては致命的だった

試合の感想だが、ワイルダーが完全に終わったなぁと。
 
今回の負けで本人も引退を示唆しているとか。
 
なるほど、それは英断かもしれない。
残念ながらこれ以上やっても風向きが変わるようには見えない。
 
 
もともとワイルダーは全身のバネと剛腕で勝負するタイプ。
一方的に押されていても1発当てればすべてがひっくり返る。どんな相手でもなぎ倒す理不尽バズーカが最大の持ち味である。
 
だが近年は足腰(バネ)の衰えが顕著で、前回に関しては「右の怖さだけしかない」と言っても過言ではなく。
 
 
そして今回に至っては……。
 
頼みの右を耐えられ、必勝パターンをひっくり返されてのKO負け。
身体能力系の選手にとっては致命的なやられ方だったと思う。
 
ジャーボンティ・デービスがマーティンを8RKO。マーティン2R途中までがんばったけど右の器用さが足りなかったかな。デービスを攻略できそうなのはアイツ?
 

流れ自体は悪くなかった。序盤をしのぎながら中盤以降のチャンスを待つ

具体的には、
・前手の差し合いで圧倒された序盤
・簡単に中に入られ連打を浴びる
・右を効かせるも、押し切ることができず
・逆にカウンターをもらって追撃の右でジ・エンド
という感じ。
 
ワイルダーがサウスポー相手に差し合いで押されるのはアルツール・スピルカ戦やルイス・オルティス戦でもお馴染みなので驚きはない。
 
特にオルティス戦では再三ロープを背負わされて連打を浴びた。
チャン・ツィーレイはオルティスよりもうまい&身体も大きかったが、どうにか凌ぎながらチャンスを待つやり方は悪くなかったと思う。
 
世の中には二種類のボクサーがいる。ワイルダーとそれ以外である。天才ワイルダーがオルティスとの再戦を右1発で制する
 
少なくとも前回のジョセフ・パーカー戦のように中途半端なアウトボクシングに傾倒しない分期待感があった。
 
 
冗談抜きで前回は何かが起きる気配がほとんどなかったですからね。
 
あれ? このままズルズルいっちゃうの?
と思っているうちに山も谷もなく“フツーに”終わってしまった
 

5Rにワイルダーの右が炸裂!! そこから一気に決め切るか? と思ったら…

申し上げたように今回のワイルダーの立ち回りは悪くなかった(と思う)。
 
序盤は左をつっかえ棒にして凌ぎつつ、中盤以降のチャンスを待つ。
1発で局面をひっくり返せる理不尽な右があればこその作戦である。
 
そして、5Rにその1発が炸裂!!
チャンの動きが止まった瞬間に右をもう1発!!
 
大きくのけぞるように後退するチャンに襲いかかるワイルダー。
 
チャンにロープを背負わせ、一気にペースアップして獰猛な連打を浴びせる。
ロープ際で豪打を振り回しチャンを攻め落とす!!
 
と思ったら……。
 
あっさり身体を入れ替えられてリング中央に戻されてしまう。
 
 
その後もクリンチ等で誤魔化しながら時間を稼ぐチャン。
 
で、ガードの間からいきなりの左をぶち込む。
この1発で今度はワイルダーの動きが止まる。
 
逆にチャンは完全に回復、しっかりとした足取りでゴンゴン攻め込んでいく。
 
残り1分の時点で形成は逆転。
チャンが攻めてワイルダーがしのぐ展開に逆戻りである。
 
 
下記の通り最後は右にカウンターを合わせられ、グラついたところに追撃の右をもらって豪快にダウン。

何とか立ち上がるも、状態を確認したレフェリーが試合をストップ。5R1分51秒TKOでチャンの勝利が決定する。
 

自分の勝ちパターンに持ち込んだ上で負けた。コンディションも悪くなかったのに

繰り返しになるが、今回のワイルダーはパーカー戦に比べて立ち回りはよかったと思う。
 
序盤は劣勢を凌ぎながらチャンスを待つ→右の1発で局面を打破→一気に決め切る得意のパターン。
 
そして、実際その流れもきていた。
5R前半の右でチャンスを迎え、そこからペースアップ。
獰猛な連打で終わらせる……はずが。
 
ロープ際であっさりしのがれ、もとの状態に戻されるという。
 
マジな話、これは致命的な負け方だと思う。
 
前回のパーカー戦は「変なアウトボクシングでかわそうとした」という言い訳が一応成り立つ。
 
ところが今回は……。
 
得意な展開に持ち込むためにやるべきことやり、そのチャンスもきた。
絶対的な自信を持っていた勝ちパターンをさらっと耐えられ逆転を許した。
 
ワイルダーのような一点突破のファイターにとってはもっともキツい負け方である。
 
 
ひょっとして体重が軽すぎたのか? と思って調べてみたが、
・vsタイソン・フューリーVol.1:212.5ポンド(約96.3kg)
・vsジョセフ・パーカー:213ポンド(約96.6kg)
・vsチャン・ツィーレイ:214.6ポンド(約97.3kg)
極端に軽いわけでもない。
 
コンディショニングも悪くない中、作戦通りの展開に持ち込んだ上でのKO負けである。
 
すげえよオレクサンドル・ウシク。キャリアベストのフューリーに勝利はすげえ。今までウシクに興味なかったけど感動したよ笑
 

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バネの衰えが攻撃力にも影響している印象。晩年の山中慎介と被る

ワイルダーはバネの衰えが顕著だと申し上げたが、オフェンスにもそれが影響している印象。
 
踏み込みスピードが弱まったせいで右の威力、射程が落ちた。
 
1発の脅威が薄れれば当然相手も入ってきやすくなる。
実際、あの耐えられ方はこれまでのワイルダーにはなかったもの。
 
同じサウスポーでもアルツール・スピルカは1発で天に召され、ルイス・オルティスは立ったまま冷温停止した。
 
それに対して今回のチャンはわずかに怯んだ程度。
 
スピルカやオルティスよりも大きい&うまさがあるのはもちろんだが、それを踏まえた上で。
同じ一点突破タイプで言えば晩年の山中慎介と被る
 
 
絶対の勝ちパターンをひっくり返された試合として思いつくのが、1998年9月のオスカー・デラホーヤvsフリオ・セサール・チャベス戦(リアルタイム視聴はしてない)。
 
あの試合も勝ちパターンに入ったチャベスをデラホーヤが真正面から跳ね返したわけだが、大雑把に言えば今回も同じ流れである。
 
オスカー・デラホーヤvsフリオ・セサール・チャベス第1戦。デラホーヤ強すぎワロタw S・ライト級時代のデラホーヤがキャリア最強説はガチだよね
 

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2度とこない? ヘビー級BIG3時代の終焉。ジョシュアvsワイルダーのドリームマッチが実現しなかったことはずーっと言うぞ笑

上述の通り今回の負けでワイルダーは引退が濃厚。
わずかに残されていたアンソニー・ジョシュアvsデオンティ・ワイルダーのドリームマッチも消滅した(と思う)。
 
いや、切ないっすねぇ。
 
中東の金持ちがあと10年早く台頭していれば。
2度と出ないと思われるヘビー級のBIG3時代が消化不良で終わることはなかったのに。
 
アンソニー・ジョシュアvsフランシス・ガヌー。ジョシュアが戻ってきやがったw ここにきてフューリーvsジョシュアが楽しみになるとは。ヘビー3強時代の締めくくり
 
特にジョシュアとワイルダーの無敗対決が実現しなかったことはずーっと言い続けてやる笑
 
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