アニメ映画「天気の子」感想。新海誠ってガチの脳みそお花畑マンなんだな。「君の名は。」のときは計算してんのか? とも思ったけど
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アニメ映画「天気の子」を観た。
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「天気の子」(2019年)
家出少年の森嶋帆高はフェリー「さるびあ丸」で東京に向かっていた。
雨が降る中、甲板に出た帆高だったが、激しい風に揺られてバランスを崩してしまう。だがその瞬間、見知らぬ男の伸ばした手につかまり間一髪命を救われる。
無事東京に到着した帆高は懸命に仕事を探すも、住所不定の高校1年生を雇ってくれるところなどあるわけがない。所持金ばかりが減る毎日に焦り、止むを得ずフェリーで出会った男・ライターの須賀圭介に電話をかける。そしてトントン拍子で話は進み、衣食住つきのアシスアントとして彼の事務所で働くことになるのだった。
ある日帆高が歌舞伎町を歩いていると、水商売のスカウトマン2人に連れ去られそうになっている少女を見つける。その少女は上京当時の帆高が通っていたハンバーガー店のアルバイトで、宿無しの帆高を見かねて内緒でハンバーガーをくれた子だった。
2人相手ではとても敵わないと怖気づく帆高だが、少女の悲しそうな表情を見た瞬間、意を決して物陰から飛び出すのだが……。
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「天気の子」の初O.A.をWOWOWで視聴したぞ。別に新海誠作品に詳しくも何ともない、単なるミーハーだけど
先日、WOWOWで独占初放送としてO.A.された「天気の子」。
\✨いよいよ明日✨/
【「天気の子」独占初放送!新海誠監督の世界】
放送ラインナップはこちら?⇒https://t.co/nnNgRuxc6s#新海誠 監督の長編アニメーション映画『#天気の子』を独占初放送?
新海監督がこれまで手掛けた5作品と合わせて計6作品を特集‼️#WOWOW pic.twitter.com/tAPTuZtfUh— WOWOW総合 (@WOWOW_SOGO) October 9, 2020
僕自身、新海誠作品に特別詳しいわけではなく、今作のほかには2013年「言の葉の庭」や2016年「君の名は。」を観たことがあるくらい。
「天気の子」についても劇場公開された2019年に大ヒットしているのは知っていたが、あえて観に行こうとは思わず。今回WOWOWで初O.A.されるとのことで、せっかくなので観てみるかと思った程度の人間である。
なので、この監督の描く世界への造詣や深い考察などはまったくない。単純におもしろいかおもしろくないか、好きか嫌いかの判断しかできないミーハーなのだが、まあ映画なんてそれで十分やんけということで。
新海誠って想像以上にメルヘンで純粋な脳みそお花畑なんだな。「君の名は。」のときは計算してるのかな? と思ってたけど
率直な感想としては「新海誠ってガチの脳みそお花畑なんだな」
表題の通りなのだが、僕の思った以上に新海誠氏というのはメルヘンで純粋な脳みそをなさっているのだなぁと。
以前「君の名は。」の感想を書いた際、「この作品は作者の視聴者に対する『お前ら、こういうのが好きなんだろ?』的な思いが乗せられている」と申し上げている。
映画「君の名は。」感想。こんなん好きなんやろ? お前らって言われてる気がした
冴えない毎日を送っていた少年、少女が奇跡のように出会い、徐々にお互いを思う気持ちが高まっていく。そして、遠い場所にいる相手を探し求めてもがき苦しみ、最後の最後で最高の出会いを果たす。
要はアレだろ?
クソみたいな青春時代を送ってきたポマエラはこういうファンタスティックな恋愛に憧れてたんだろ?
端から見れば黒歴史と紙一重のイタい奴らだけど、本人的にはクソ真面目。泥だらけ、傷だらけになりながらも前に進んであの子に逢いに行く!! みたいな青春を求めてたんだろ?
ああ、いいぜ?
この新海誠様がポマエラの願いを叶えてやんよ。
みたいな。
現在進行形で陰キャ人生を送るモテないヤツらに向けた一服の清涼剤。そんな作品を壮大なる計算と少しの上から目線で描き出す。新海誠とは恐らくそういうタイプの人間なのだろうと……。
だが違った。
違ったなぁ。
全然違ったよww
こいつ、ガチだ。
ガチのマジで、こういうファンタジーな理想郷に憧れてやがる。
というより、むしろ作者自身がああいう青春時代を送りたかった側の人間という可能性が高い。
でなきゃ、鳥居をくぐった途端に天気を操れるようになる「100%の晴れ女」が生まれるなんて話を思いつくわけがない(違
こんな脳みそお花畑な人間が計算高い嫌味な陽キャでは、いろいろなことに説明がつかない。
つまり、新海誠師匠は我々陰キャ界のNo.1成功事例、暗い青春時代を送った日陰者たちの希望なのである()
視聴者を引き込むのがうまい。荒唐無稽なシチュエーションに力技で説得力を持たせる
しかし、「君の名は。」でも思ったが、新海誠という人は映像美と疾走感、多くの要素の組み合わせによって視聴者を引き込むのが本当にうまい。
先日、超平和バスターズ制作の「劇場版 あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」「空の青さを知る人よ」の感想を書いた際、「この人たちは日常の風景にほんの少し異物を挟み込むことによって世界を広げるのが得意」「もしかしたら明日にでも同じことが自分にも起こるのではないか? と思わせてくれる空気感が秀逸」と申し上げている。
特別な力などない普通の登場人物、平凡な生活の中にファンタジーをポツッと置くことで、キャラクターや出来事への感情移入、安心感を膨らませる。
アニメ映画「空の青さを知る人よ」感想。それでも将来、お前になってもいいかもしんねえって、思わせてくれよ! 今の俺はあの頃の自分に胸を張れんのか? ダサいヤツになってないか?
それに対し、新海誠作品は真逆。普通の日常では絶対にあり得ない出来事が突如として起こり、視聴者も主人公に引っ張られてその状況を受け入れざるを得ないところに連れていかれる。
今作で言えば天気を操れる少女がいたり、その少女がいきなり空中に浮いたり、朝起きたら消えていたり。
「もう、何が起きても驚かねえや」という場所まで強引に視聴者を引っ張り込み、意味不明なクライマックスに疾走感と説得力を生み出す流れ。
主人公が風に乗って空を飛び、上空に浮かぶ島に閉じ込められたヒロインを助け出す。
こんなもん、字面だけ見れば「何じゃそりゃ、ふざけてんのかテメエ」ですからね。その荒唐無稽なシチュエーションに視聴者を問答無用で引き込むストーリー構成や画力、BGM、声優の力その他諸々。
賛否両論ある監督だが、少なくとも「君の名は。」と今作「天気の子」に関してはお見事でしたとしか言いようがない。
あらゆる要素を組み合わせてうまく整理し、時流に乗ったストーリー構成で観客の心を鷲掴みにする。前作よりさらに世間に迎合した作品だった
マジな話、やってること自体はごく普通なんですけどね。
回数制限のある超能力をそれを知らずに乱用してピンチに陥る→主人公が気合いと根性でラスト1回を引っ張り出すパターンは「時をかける少女」から使われてきた手法だし、上空に浮かぶ島やそこを取り囲む龍の形をした雲などは「天空の城ラピュタ」っぽい。
逃げるは恥だが役に立つ ガンバレ人類!新春スペシャル!!感想。コロナ禍をそのまんまやるかね。現実逃避したい正月に現実に引き戻される後味の悪さが…
家出少年が足長おじさんに助けられるなど、これまでどれだけコスられてきたのよという話。
主人公はスマホを駆使して職探しをする反面、ずぶ濡れの野良猫を拾って事務所で育てたりと昭和臭がえげつないww
タイムリープやスチームパンク、ファンタジー、パニック、恋愛その他。2018年や2019年はちょうど大型の台風が多かったこともあり、あらゆる要素を取り込みうまく整理した上で「天気」をテーマに据えることで観客の心を鷲掴みにする。
改めて振り返ると、今作では作者の脳みそのお花畑化がさらに進行し、より世間に迎合することで成功を果たしたアニメ作品と言えるのかもしれない。
逆に2013年「言の葉の庭」などは、商業アニメとしては思いっきり地味。深々と訴えかける切ないストーリーではあったが、単独で公開するには明らかにパンチが足りていない。
「言の葉の庭」感想。欲望むき出しのどストレートな願望全開具現化アニメ。サンキュー新海誠。それでこそ俺たちの代弁者()
作者のやりたいこと、訴えたいことが詰め込まれた作品だが、商業的に大成功するかと言われれば非常に難しい。この時期の新海誠氏は、売れっ子映画監督としてはまだ未成熟な時期だった? のかも?
概ね楽しめたアニメ映画「天気の子」だったが、監督の遍歴を振り返りながら観るとそれはそれでおもしろかったりする。
まあ、まったく詳しくはないのだが。
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