侍ジャパン4連勝で準々決勝進出。プールB東京ラウンド感想。弱者の兵法の中国、打撃のチェコ。ヌートバー、大谷翔平、ダルビッシュその他

侍ジャパン4連勝で準々決勝進出。プールB東京ラウンド感想。弱者の兵法の中国、打撃のチェコ。ヌートバー、大谷翔平、ダルビッシュその他

開催中のWBC(World Baseball Classic)2023年大会。
プールBの日本は中国、韓国、チェコ共和国、オーストラリアを相手に4連勝を挙げ、同組1位で3月16日の準々決勝進出にコマを決めている。
 
また準々決勝の相手はプールAを2位で通過したイタリアに決定。ここから先はトーナメント方式となるため一戦必勝が求められる。
 
なおイタリア代表の監督はかつてロサンゼルス・ドジャースで野茂英雄とバッテリーを組み、通算727本塁打を放ったマイク・ピアッツァが務めている。
 
侍ジャパンが3-2でアメリカを下して優勝。大谷vsトラウト? フィクションとしては落第だけどこれは現実。世界一の野球小僧を宇宙一うまく使える栗山英樹
 

WBC観戦が楽しいw この雰囲気は久しぶりだよね

4連勝でプールB1位通過を決めた侍ジャパン。
歴代最強とも言われるメンバーが揃ったことで期待値も上がっていたのだが、ここまでは前評判通りの力を発揮している。
 
 
僕も野球を観るのは好きな上にWBC自体が久しぶりなせいもあってこの空気感をめちゃくちゃ楽しんでいる。
と同時に、日本チームの豪快な勝っぷりに3大会ぶりの世界一を大いに期待している笑
 
 
というわけで今回はここまでの4試合の感想を適当に言っていくことにする。
本当は試合ごとにあれこれ語ればよかったのだが、ここ数日割と忙しかったので(主に野球観戦で笑)。
 
侍ジャパンが準決勝進出。でもイタリア強かった。4点先制してもドッキドキw 前のめりに勝利を目指す大谷翔平に感動。ダルビッシュはもういいかな…
 

大会前の練習、強化試合を観た僕の印象。ダルビッシュがかなり怪しい気が…

まず最初に。
大会前の練習、強化試合を観た僕の印象は下記である。
 
・ラーズ・ヌートバーはめちゃくちゃいい。間違いなくメジャーリーガー
・ヌートバー、大谷翔平、吉田正尚は相手投手のレベルが上がっても頼りになる?
・村上宗隆はコンディションが悪すぎてよくわからない
・先発陣はダルビッシュがかなり怪しい
・エース山本由伸、2番手佐々木郎希、3番手大谷翔平がいいんじゃない?
 
ヌートバーが阪神戦で2安打1打点。誰だヌートバー不要論を唱えてたヤツw 外の球への対応、ボールの見逃し方が完全にメジャーリーガーだった件
 
選出当初は不要論も聞こえてきたヌートバーだが、強化試合でのパフォーマンスを観る限りめちゃくちゃいい。
 
選球眼や外の球への対応に加えて常に全力でプレーする姿勢。不要どころかチームに欠かせない1人で、相手投手のレベルが上がっても頼れる数少ないピースになれる。
 
逆にセリーグ三冠王の村上宗隆はコンディションが悪すぎて今の段階ではどこまでアテになるかがわからない。
 
 
先発陣は投球内容を観るとエース山本由伸、2番手佐々木郎希までは決定でよさそう。
大谷翔平もアメリカでの登板ではぼちぼちの球を投げていた。
 
一方、宮崎合宿から参加しているダルビッシュ有はだいぶ怪しい。
実戦形式のライブBPや中日との合同練習等、球が行っていないのは明らかだった。


栗山監督がどう判断するかは不明だが、とりあえずエース山本由伸、2番手佐々木郎希、3番手大谷翔平の3本柱でいくのが適切なのではないか。
 
だいたいこんな感じである。
 
で、実際はどうだったかと言うと……。
 

◯日本8-1中国×(3月9日)

大谷翔平先発ということで山本由伸をエース格と考えていた僕の予想が早くも外れたわけだが……。
 
WBCの先発3本柱は山本由伸、佐々木郎希とあと1人は? 大谷翔平とダルビッシュどっちよ。ダルビッシュがいまいち過ぎて…
 
まあ、それはそれとして。
この試合は中国チームの“弱者の兵法”に関心させられた。
 
球速140kmに届かない投手陣、見るからに華奢な打撃陣。ソフトバンクを戦力外になった真砂勇介がクリーンアップを打っている時点で日本との地力の差は歴然である。
 
だが、それを承知した上でロースコアの勝負に徹したのはお見事だった。
投手陣は沈む系の球を低めに集めてひたすらゴロを量産させる。四死球はいくら出してもOK、シングルヒットもOK。ランナーをためての長打だけを回避しつつ、とにかく最少失点でしのぎまくる。
 
恐らくだが、少ない点差でしがみつきながらイニングを稼ぐ→大谷がマウンドを降りる中盤以降のワンチャンスにかける作戦だったと想像する。
 
そして、実際その作戦はうまく機能していた。
2番手の戸郷翔征が2イニング目にかなりバタバタしていたし、6回を終えて3-1というのは日本としても想定外だったのではないか。


それこそもう少し高い守備力と1発のある打者があと1人いれば。マジで可能性はあったかもしれない。
 
終盤に息切れして最後は決壊したものの、ディーン・トレーナー監督の老獪さとそれを徹底する選手のひたむきさが光った試合だった。
 

◯日本13-4韓国×(3月10日)

この試合はアレだ。
「ダルビッシュが怪しい」という僕の懸念がモロに出た一戦。
 
感想としては「ああ、そうだよな」と。
立ち上がりこそヒットを許さなかったものの、球のキレ、勢いはいまいち。実戦感覚が戻っていないのだと思うが、中日との合同練習で岡林にぶつけたときと大差ない出来。
 
なので、強化試合にダルビッシュを登板させなかったことにはやはり疑問が残る。
あらかじめ韓国戦での先発が決まっていたのだと思うが、あそこで投げていればもう少しマシになった可能性もあったと思うのだが。


打撃陣に関しては、改めて大谷翔平とヌートバーはすごい。吉田正尚を入れた3人は間違いなく侍ジャパンの要になる。
 
 
あとはまあ、日本投手陣の層の厚さね。
韓国を含むプールBの各国は基本的に投手陣の層が薄く、継投を重ねるうちにどこかで力が落ちる投手が出てくる。
 
それが後半に得点が動く要因となっているわけだが、逆に日本は誰を出してもまったくクオリティが落ちない。それどころかいまだに大勢や高橋奎二を温存している状態。
 
要するにこの試合のように序盤に先制されても僅差で粘っていればいずれ相手が息切れする。プール戦に限って言えば、“普通にやっていれば”物量で押し潰せる。
 
侍ジャパンがメキシコにサヨナラ勝ち。不調の村上宗隆が守護神を打ち崩す。終盤の逆転力、日本は世界一ドラマチックなチーム
 

◯日本10-2チェコ共和国×(3月11日)

初回にショート中野拓夢の悪送球で先制されたものの、3回に3点、4回に4点を挙げてあっさり逆転した日本。それ以降も順調に加点し最終的に8点差をつけて勝利を挙げている。
 
 
普段はフルタイムで働く選手が中心のチェコ。
とはいえ、決して寄せ集めなどではなくしっかりとした実力を発揮した(と思う)。
 
特に打撃陣には目を見張るものがあった
佐々木朗希の163kmのまっすぐを2塁打にしたM.クラップを始め、各打者のインサイドアウトの力強いスイングはめちゃくちゃ印象的。
 
マジな話、打撃に関してはチェコはプールBでNo.1と言っても過言ではない。韓国よりもオーストラリアよりもはるかに手ごわい上にもしかしたら潜在能力は日本をしのぐかもしれない。
 
投手大谷翔平の洗練されっぷりに驚いた。打者大谷翔平はよーわからん。コイツのせいで野球のルールを変えなアカン? やっぱりモノが違うってあるんやね
 
ただ、そこに投手力がついてきていないのが……。
 
先発のO.サトリアは130kmに満たない遅球を駆使して粘ったが、アレが通用するのもせいぜい一回りまで。2番手のL.フラウチは日本が一番得意なタイプだったし、どの投手もストレート以外に頼りになる変化球がない。
中国チームのような徹底した配球もなく、どちらかと言えば各投手が自分の得意なボールで真っ向勝負してしまった。
 
ポテンシャルの高さ、フィジカルはピカイチだが、野球があまりに脳筋すぎたというのが僕の中でのファイナルアンサーである。


逆にこのメンバーをうまくコントロールできる首脳陣がいれば一段上に行けるのかもしれませんね。
それくらいチェコチームの能力の高さには驚かされた。
 
WBCの余韻がすげえw 「日本野球が世界最強」ってドヤるための大会。課題が山積みなのはわかってるし収益構造の歪さなんて10年以上前から承知してんだよ笑
 

◯日本7-1オーストラリア×(3月12日)

この試合はここまでの4試合でもっとも安心感があった。
 
初回に大谷翔平の3ランホームランで3点を先制し、先発山本由伸は4回1安打8奪三振無失点の好投。打線も5回までに7点を挙げて早々に試合を決めてみせた。
 
中でも僕がイチオシしていた山本由伸は上々の出来。
150km中盤のストレートを中心にフォークとスライダーを両サイドに落とし、縦割れのカーブで緩急をつける。強化試合の調子をそのまま維持したパフォーマンスである。
 
さらにオーストラリアにはチェコほど力強いスイングをする打者はおらず、はっきり言ってこの日の山本相手ではノーチャンス。強いて言うなら4番手の湯浅京己が「おや?」という出来だったが、それまでにほぼ勝負は決まっていたので大きな問題にはなっていない。
 
登板がなかった大勢、高橋奎二もWBCのマウンドを経験できたし、試合としては満点に近いのではないか。
 
 
どなたかもおっしゃっていたが、オーストラリアの投手陣はちょうど打ちごろだった。
ストレートはMAX145km、平均140kmちょいくらいで変化球の精度も低い。日本の打者にとっては普段対戦している投手よりも若干落ちるクオリティ&もっとも慣れ親しんだ球速帯。その上強化試合等での対戦経験もある。
まさしく“カモ”というヤツ。
 
田中正義が人的補償で日ハムに移籍。久しぶりに観たけど改めてポテンシャルはすげえ。年間フルで働けば普通に二桁は勝ちそう。特にいいのが…
 
もっと言うと、申し上げたようにオーストラリアの打撃陣はチェコほどの力強さはない。それこそ山本由伸でなくても普通に抑えられた可能性も?
 
だからアレなんだよな。
改めてこの試合にダルビッシュを先発させりゃよかったんだよ。
 
佐々木朗希が3月11日縛りなのであれば、ダルビッシュを強化試合で投げさせた上で韓国戦に山本由伸、オーストラリア戦にダルビッシュでよかっただろと。


準々決勝まで日にちが開くこともあらかじめわかってたしね。
 
プールBの他国がナイターの翌日にデーゲームという厳しい日程を強いられる中、全試合ナイター&準決勝まで日にちのある日本が「難しい調整が〜」とか言ってる場合じゃねえだろww
 
“選手の格”が重要なのも理解できるけどさ。
 
 
 
ちなみにヌートバーは相変わらずいい選手だが、攻略法も見えた気が……。
 
チェコ戦、オーストラリア戦で縦に大きく割れるカーブ、スライダー系にバットが止まらず三振するシーンが目立ったが、イタリアがそこに気づかないことを祈る笑
 

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