アンソニー・ジョシュアがオレクサンドル・ウシクとの再戦に勝つには? 中盤〜後半のKO狙いくらいしかなさそう。でもウシクのコンディション次第では…【予想・展望】
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2022年8月21日にサウジアラビアのジッダで行われるIBF/WBA/WBO世界ヘビー級タイトルマッチ。同級統一王者オレクサンドル・ウシクとアンソニー・ジョシュアの一戦である。
ウシクのド根性と巧さがアンソニー・ジョシュアを振り切る。効かされてタジタジになったジョシュアと疲労困憊の中で打ち合ったウシク。勝負どころでの覚悟の差かなぁ
2021年9月に英・ロンドンで対戦した両者。
その際はオレクサンドル・ウシクが機動力を活かした出入りで大方の予想を裏切り勝利。ジョシュアの持つ3団体のタイトルをすべて奪い去っている。
そして今回が約1年ぶりの再戦となるが、前日計量では約221ポンドと前回とほぼ変わらなかったウシクに対してジョシュアは4ポンドほど増量しての244ポンド。これが結果にどう結びつくかにも注目が集まる。
またアンダーカードではバドゥ・ジャックやカラム・スミスなどベテラン元王者たちの試合も組まれており、彼らが再びトップ戦線に戻れるかも楽しみである。
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ウシクにまったく興味がない。ジョシュアはアンディ・ルイスとの再戦で失望してから感情が動かなくなった
アンソニー・ジョシュアとオレクサンドル・ウシクの約1年ぶりの再戦。
と言っても、何度か申し上げているように僕はオレクサンドル・ウシクという選手にまったく興味が湧かず、どれだけの偉業を重ねても「ふーん。ま、がんばって」の感想しかない。
一方のアンソニー・ジョシュアも2019年12月のアンディ・ルイスとの再戦でアウトボクシングに徹したことで失望させられ、それ以降あまり感情を動かされることもなくなっている。
なので今回の再戦も放置してもよかったのだが、せっかくなので。
まあ、とりあえずアレだ。
ウシクは無事に復帰できてよかったな。
ライト級のワシル・ロマチェンコも復帰戦の交渉中? らしいし、ウクライナ勢が最悪の事態を避けられたことは不幸中の幸いである。
ジョシュアの敗因はウシクと同じ土俵で勝負しちゃったことかな? ヘビー級でこんなタイプはまずいないし
まず前回の試合を再視聴してみたのだが、ジョシュアの敗因は大雑把に言えば“ウシクと同じ土俵で勝負した”ことだと思う。
ウシクがジョシュアを翻弄して偉業達成。凄まじい勝利なのはもちろんだけど、ウシクがちっとも僕の視界に入ってこない…。ヘビー級の不純物
ヘビー級の中でも大柄(身長198cm、リーチ208cm)&ヘビー級離れしたスピードとコンビネーションを兼ね備えるアンソニー・ジョシュアだが、正直オレクサンドル・ウシクはレベルが違った。
身長191cm、リーチ198cmの体格ながらも左右へのフットワークとスピーディな出入り、ジョシュアを上回る前手のリードにヘビー級の選手すらも倒す左ストレート。12R動き続けても失速しないスタミナもある。
ジョシュアはウシクがサウスポーだったせいでやりにくかったとコメントしていたようだが、そこはあまり関係ないんじゃないの? と思うくらい前回のウシクはお見事だった。
・ロマチェンコ ばりに動ける足
・打ったら離れるの出入り、ポジショニング
・ヘビー級離れした運動量、スピード
・サウスポー
・12Rを通して動きが落ちないスタミナ
ヘビー級でこんなタイプと遭遇することはまずないし、練習相手など見つかるはずもない。
最大の長所である体格差を活かさず中間距離での差し合いに終始したのはジョシュアの作戦ミスというか、事前情報のなさによるところもあったのではないか。
そして、
・思った以上に足がある
・思った以上に前手のリードがいい
・思った以上にリーチもある
・思った以上に出入りが速い
・思った以上にスタミナも豊富
・思った以上に1発が強力
なことがわかった今回はどうするの? という話。
普通に考えれば中盤〜後半でのKO狙いしかなさそうな気がするが……。
ウシク攻略には案外“待ち”が有効かも? これまでもっともウシクを苦戦させたのはマイリス・ブリエディスとトニー・ベリュー
何となくだが、ウシク攻略にはカウンター狙いの“待ち”が有効なのかなぁと思う。
過去、オレクサンドル・ウシクをもっとも苦戦させたのは2018年1月のマイリス・ブリエディス。WBSSクルーザー級トーナメント2回戦で激突した相手だが、その試合では大接戦の末にウシクが2-0(115-113、115-113、114-114)で判定勝利している。
また同年11月のトニー・ベリューも8RTKO負けを喫しているが、その前のラウンドまでは66-67、67-67、65-68とかなり肉薄していた。
両方の試合を眺めてみたところ、どちらの選手も基本的に“待ち”で勝負している(気がする)。
リング中央でどしっと構え、ウシクの打ち終わりにカウンター→連打につなぐ。むやみやたらに追い回さずにウシクに先に手を出させることでチャンスを見出すというか。
縦横無尽に動き回る機動力が持ち味のウシクだが、相手が出てこない場合は足を止めて“見てしまう”傾向がある(気がする)。
特にブリエディスはガードが高く打たれ強さもある。
自分の射程内に呼び込みさえすればウシクの強打にも耐えられる、打ち終わりにカウンターをぶち当ててペースを引き寄せることも可能だと考えていたのではないか。
トニー・ベリューに関しては腕を下げてカウンターを出しやすい状態で対峙したが、8Rに動きが落ちたところで致命的な1発を被弾してしまった。
要するに
・打たれ強さとガードの固さ
・スムーズなカウンター
・劣勢でも諦めないメンタル
上記のスペックがあれば追い足はそこそこでも打倒ウシクの可能性を見出せるのかもしれない。
そして、これらの特徴はアンソニー・ジョシュアにまったく当てはまらない笑
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結局ジョシュアが勝つには中盤〜後半のKO狙いしかなさそう。でも前回は打ち合いを挑んできたウシクにタジタジになった
結局この試合でジョシュアが勝つには上述の通り中盤〜後半のKO、もしくはそれに近い状態まで追い込んだ上での逃げ切り判定しかないのかなぁと思う。
2021年9月の初戦を観直すと、4Rあたりからウシクの動きがわずかに落ちていることがわかる。
序盤3Rは縦横無尽に動き回ってジョシュアを翻弄していたが、4R以降は左右への動きが若干少なくなっている。
さらに6Rにはジョシュアの右がたびたびヒットしウシクが警戒心を強めるシーンも。
マジな話、あそこで一気に畳み掛けていればそのままKOまで持っていけたという噂も?
ただ、7Rに入るとウシクは逃げるどころか足を止めて打ち合いにくる。
左右への動きをさらに減らし、ジョシュアの正面に立ってのワンツー。
追いかけながら右を当てたいジョシュアにとってこれは完全に想定外だったはずで、中間距離で打ち負け、ラウンド後半にはガードの真ん中からウシクのパンチを被弾してコーナーに吹っ飛ばされてしまった。
あの局面で真正面から受けて立つことを躊躇する、(自身の打たれ弱さを自覚して)タジタジになってしまうのがアンディ・ルイスにKO負けしてからのアンソニー・ジョシュアなわけで。
もともと「ガードを固めて〜、ジャブを出しながらプレスをかけて〜」というタイプではないが、腹を決めて強引に前に出てきた相手に押し込まれるのはメンタルの部分が大きいのかな? という気がする。
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勝敗予想はウシクの判定勝利。ウシクのコンディション次第ではジョシュアにもチャンスが?
とは言え、ウシクにとっても決して楽な試合だったわけではない(と思う)。
12Rを通して2m級の巨漢をさばき続けるだけでもしんどいだろうし、要所でジョシュアの右を食ってもいた。
危ない局面でのペースアップ、ジョシュアが怯んだ瞬間の畳み掛け等、勝負どころでのメリハリも勝因の一つだったのではないか。
さらに今回は戦地から帰還したばかり。年齢も35歳と下り坂に差し掛かってもおかしくない時期である。1年かけてばっちり準備できたジョシュアと違い、実は不安要素はそれなりに多い。
前回は中盤から若干動きが落ちたと申し上げたが、仮にその落ち方が前回以上だった場合は……?
何だかんだでギリギリの勝利だった前回以上に苦しくなる可能性もあるのではないか。
フューリーvsワイルダー3。ポイント計算すら無粋な規格外バトル。ヘビー級だけは別枠であるべき。神々のお戯れに不純物はいらない()
・前回は中間距離で差がありすぎた
・ウシク攻略にはカウンター狙いの“待ち”が有効?
・ただ、アンソニー・ジョシュアはそういうタイプではない
・ジョシュアが勝つには中盤〜後半でのKO
・ウシクは中盤から動きが落ちるのでそこが狙い目
・ウシクのコンディション次第ではジョシュアにチャンスも?
だいたいの展望としてはこんな感じだろうか。
ジョシュアが勝つにはKOもしくは先行逃げ切りでの判定勝ちだが、正直難しそう。
だが(戦争から帰還したばかりの)ウシクの調子次第ではジョシュアにも可能性がある。
というわけで、僕の勝敗予想は(もっとも確率が高そうな)オレクサンドル・ウシクの判定勝利としておく。
てか、ここまであれこれ言っておきながらどちらの選手にも興味がないのが一番の問題ですよね笑
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