アンソニー・オラスクアガvs桑原拓、レネ・サンティアゴvs高見亨介現地観戦。日本人選手が2人とも負ける厳しい結果だったけど僕は楽しめた。オラスクアガの成長、サンティアゴの引き出し【結果・感想】

アンソニー・オラスクアガvs桑原拓、レネ・サンティアゴvs高見亨介現地観戦。日本人選手が2人とも負ける厳しい結果だったけど僕は楽しめた。オラスクアガの成長、サンティアゴの引き出し【結果・感想】

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2025年12月17日に東京・両国国技館で開催された「U-NEXT BOXING.4」を現地観戦してきたのだが、今回はセミセミとセミの2試合
・アンソニー・オラスクアガvs桑原拓
・レネ・サンティアゴvs高見亨介
について。


日本人選手2人が敗れる結果となったが 個人的には2試合とも楽しめた。
メインのノニト・ドネアvs堤聖也戦を含めて僕は(どちらかと言えば)海外勢応援だったことを告白する。
 
ノニト・ドネアvs堤聖也現地観戦。すげえわドネア。4Rの右で血管がちぎれるくらいブチ上がった。手元に残ったネタで諦めずに最後まで勝利を目指す姿に胸を打たれたよ
 

〇アンソニー・オラスクアガvs桑原拓×(4R2分27秒TKO)

まずはセミセミのアンソニー・オラスクアガvs桑原拓戦(WBO世界フライ級タイトルマッチ)。
 
この試合はもともと飯村樹輝弥がオラスクアガに挑戦する予定だったが、飯村の負傷により急遽桑原にチャンスが回ってきたとのこと。
 
チケット発売前にローチケを覗いたところ、オラスクアガvs桑原戦がしれっとラインナップされていた(たぶんローチケのミス)。


正式発表はそこからだいぶ後だった覚えがある。
 
 
 
試合前のPV。
オラスクアガは5回の防衛を果たしてWBO記念リングが欲しいと。

で、その次はいよいよ他団体王者との統一戦を実現させたいとのこと。
 
 
リングアナウンサーはおなじみのジミー・レノン。

てか、この人めちゃくちゃ日本来よるやんけ笑
先日の那須川天心vs井上拓真戦でもコールしてたし、下手したら月一ペースで来日してるんじゃねえか?(それは言いすぎw)
 
那須川天心vs井上拓真現地観戦。最後まで「天心vsボクシング」だった。天心の試合で相手の応援が大きい状況は初めて。両陣営の対策に差を感じた。天心は接近戦の対応が…
 
両選手が入場していよいよ試合開始である。


 

オラスクアガ完璧でしたね。京口戦では空回りさせられたけど

試合の感想だが、オラスクアガが完璧だったなと。
この選手は前に出る馬力と打ち合いに秀でていて、身体は大きくないがギュッと詰まっている印象。
その反面ディフェンスはややヌルい、攻撃パターンが少ないなど成熟し切っていない部分も目立つ。
 
今年3月の京口紘人戦では京口の(下がりすぎない、近づきすぎない)絶妙な距離設定に翻弄された。
結果は判定勝ちだったものの、僕は京口の勝ちもある内容だと思っている。
 
オラスクアガvs京口紘人。京口のうまさ、老獪さが荒削りなオラスクアガを翻弄。途中からアウトボクシングに切り替えたのは驚いた。判定については…
 
そして今回の桑原拓は足を使う&スピードのあるアウトボクサー。
京口戦の単調さを踏まえると空回りさせられるパターンもあるかも? と。
 
 
ところが実際はまったくそんなことはなく。
序盤こそ桑原のボディ、近場のショートで前進を止められたが、3R中盤あたりから徐々に対応。ラウンド終了間際にはロープ際でラッシュを浴びせる。
僕はこの時点で「あ、桑原厳しいわ」と思ったことをお伝えする。
 


 
ノニト・ドネアvs堤聖也再視聴。前半のドネアが(思った以上に)よかった。カウンターのアッパーは痺れたね。堤は勝負どころを見極める嗅覚が凄まじい
 

何か成長してねえか? あの上下の打ち分けはこれまではなかった気がする

特によかったのが上下の打ち分け
ガツガツ追いかけるのは毎回同じだが、その最中にボディと顔面に左を散らす。


 
桑原は動き回るタイプだがディフェンス面はやや心もとない。
パンチを見切る能力が微妙で被弾するとすぐに足が止まる。
 
オラスクアガの左(の打ち分け)で足が鈍る→もう一歩中に入られ、オラスクアガが一番強い間合いで勝負させられる流れ。
 


 
4階級制覇王者エイドリアン・ブローナーさんを振り返る。S・フェザー級時代が最強だと思う。階級アップに伴いメイウェザーコピーから脱却→自分のスタイルを確立した人
 
遠い位置では逃げ場をふさぎつつボディと顔面にパンチを散らして足を止める。
で、腕が伸びる間合いに入ってからはいつもの連打でねじ伏せて4RTKO。
京口戦に比べてオラスクアガが一段レベルアップしたように思えるのだが、どうだろうか。
 
 
一方の桑原も敗れはしたが対策は見えた(気がする)。
1発1発に力を込めて打つ、足場を決めてしっかり受けて立つ。
 
だが防衛を重ねて成熟度が上がったオラスクアガには歯が立たず。
早い段階で目を負傷したこともあってユーリ阿久井戦で見せた粘りも発揮できなかった。
 
ユーリ阿久井政悟vs桑原拓、井上拓真vs石田匠。石田は残念だった。ユーリは勝ってよかった。メインと同じくらいのインパクト
 
いい笑顔ゴルァ笑

 
ちなみに次戦(5度目の防衛戦)はこの日復帰を果たしたユーリ阿久井政悟がいいのでは? と勝手に思っている。


 

〇レネ・サンティアゴvs高見亨介×(判定2-1 ※117-111、115-113、112-116)

続いてはセミファイナルのWBA/WBO世界L・フライ級王座統一戦。
 
WBA王者高見亨介は今年7月にエリック・ロサに勝利して初戴冠、サンティアゴは今年3月に岩田翔吉からタイトルを奪取している。
どちらも初防衛戦がいきなり統一戦ということで、近年の複数階級制覇<<王座統一の風潮がよく表れた采配である。
 
陽キャ全開のサンティアゴ。

 
ふてぶてしさが売りの高見。

 
客席に平本蓮。

高見と平本は幼馴染らしい。
 
そういえば高見は那須川天心とも仲がいいんだっけ?
天心と平本は拗れてしまったが、幼馴染が3人とも格闘技界のトップ戦線にいるのはなかなかすごい。
 
岩田翔吉vsレネ・サンティアゴの既視感。試合展開、負け方がジョナサン・ゴンサレス戦とほぼ一緒。試合後のコメントまで同じなのは残念すぎるぞ
 

サンティアゴの対策が機能した試合。出入りと緩急を駆使した立ち回り

試合についてだが、サンティアゴの高見対策がめちゃくちゃ機能していたと思う。
 
試合後に
「帝拳プロモーションの選手はアウトボクサーに弱い」
「毎回同じパターンで負けている」
「プランBがなさすぎる」
という声が山ほど聞こえたが、今回に関してはちょっと違うのではないか。
 
高見はL・フライ級では上背があって手足も長い。
1発1発がよく伸びる上に動く相手をボディで止める意思も感じられた。
 
確かに得意な間合いを外されると脆い部分もあるが、それは経験を積めば何とかなりそう。ひたすら追いかけ回すだけだった岩田翔吉や中野幹士に比べれば全然よかった。
 
中野幹士vsライース・アリーム。応援してたアリームさんが勝ったのは嬉しいけど中野幹士のバリエーションのなさが…。「真っ直ぐ行ってぶっ飛ばす、右(左)ストレートでぶっ飛ばす」だけでは頭打ちになる?
 
そして、その高見相手にサンティアゴは出入りと緩急を駆使してうまく立ち回って見せた。
 
基本は遠い位置で対峙し、身体を目いっぱい伸ばしてボディや顔面にパンチをヒット。
動き回るだけでは長身&強フィジカルの高見からは逃げきれないので、要所でガードを上げて中に入るなどメリハリをつける。


 
そして打ち終わりに必ず1発を返す。
高見は距離が長い分、打ち終わりの復元がやや遅れる。
サンティアゴはそこを狙ってカウンターを被せる、たとえ1発もらっても数発返すことで被弾をチャラにしていた。
 


 
はっきり言ってサンティアゴのパンチは軽い(と思う)。
いいタイミングで入っても高見はケロッとして前に出てくる。
 
だがそのパンチ力を犠牲にして動き回る、出入りで翻弄するファイトは文句なしに素晴らしい。前回の岩田翔吉戦に比べておもしろい試合だった。
 

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サンティアゴのプランB。高見の試合直後に対戦を呼び掛けたのもわかる

実を言うと今回のサンティアゴは僕が岩田翔吉戦前に映像を漁った姿だったりする。
 
ガードを上げて打ち合う、相手が出てくれば足を使うの切り替え。
僕が観た試合ではインファイトの方が多かったが、とにかく局面ごとの使い分けがうまい印象を受けた。
 
なので、今回の立ち回りにそこまで意外感はない。
むしろ岩田戦でマラソンに振り切ったことに驚いたくらいである。
 
要するに高見陣営にプランBがなかったのではなくサンティアゴのプランBが機能したというのが(僕の中での)ファイナルアンサーである。
 

高見のボディを背中を向けて回避。
しんどい時間帯になりふり構わないのがいいよね。

 
もっと言うと僕は高見亨介にあまりピンときていない。
 
戴冠を果たしたエリック・ロサ戦は確かにすごかったが、近場での被弾が目に付いた。棒立ちで顔面を揺らされるたびに「どうなんだ? これは」「言うほどぶっ飛んでるか?」と思った次第である。
 
サンティアゴも高見の追い足だけでなくディフェンス面を踏まえて対戦を呼び掛けたと想像する。


そんな感じで今回はサンティアゴが一枚も二枚も上手だった印象。
高見はいい選手だが現時点ではやや経験値が足りない。サンティアゴのうまさに対応するほどの幅がなかったのだろうと。
 
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