サーマン←才能だけでやってる人がポーターに辛勝!! ノンストップのハイスピードバトル!! 大激戦の末に僅差判定でサーマンがポーターに勝利【結果】

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マンハッタン夕暮れ
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2016年6月25日(日本時間26日)に米・ニューヨークのバークレイズ・センターで行われたWBA世界ウェルター級タイトルマッチ。正規王者キース・サーマンが同級2位の挑戦者ショーン・ポーターと対戦し、3-0(115-113、115-113、115-113)の僅差判定で勝利を挙げ、6度目の防衛に成功した。

突貫小僧ポーターがスピードスターキース・サーマンに挑んだウェルター級注目の1戦。強靭なフィジカルと手数で攻めるポーターをカウンターとフットワークで迎撃するサーマン。一進一退の攻防の末、終盤わずかに優勢をキープしたサーマンが逃げきり防衛に成功する。

期待にたがわぬ大激戦に、会場に詰めかけたファンからは終始大きな歓声が聞かれた。

なお、敗れたポーターはその場で再戦を要求するが、試合後にはサーマンを称えるコメントを出している。

「マン振り魔人ダニー・ガルシアがサミュエル・バルガスを圧倒! あれだけ躊躇なく振り回せる選手は驚異的」

ず~っと前に予想記事を書きました。時間が経ち過ぎて自分でも内容を忘れたけどww

話が持ち上がっては消え、決定しては延期が続いていた1戦がようやく実現した。

この試合の噂が初めて持ち上がったのは確か2015年の8、9月頃だったと記憶しているのだが、そこから長い道のりを経てやっと実現したわけである。

この話を耳にした当時、まだ決定もしてないのにテンションが上がった僕ははりきって予想記事を書いた。だが見事に肩すかしを食らい、めちゃくちゃガックリしたことを覚えている。

「キース・サーマンvsショーン・ポーター予想!! ハイスピードバトルを生き残るのはどちらだ?」

そこから散々引き延ばされたあげくにようやく実現したこの試合。だが、僕自身あまりに待たされたせいでどんな予想をしたのかをほぼ忘れているww

そこで当時書いた記事を改めて読み直してみたのだが、

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サーマンはポーターの突進にまっすぐ下がらずカウンターを狙いたい。サークリングでポーターの突進をかわしながらコツコツとポイントをピックアップできれば。

ポーターは中間距離からの踏み込みでサーマンをロープに詰めたい。腕を絡ませて身体を入れ替えるなどのダーティさも織り交ぜてサーマンをロープにくぎ付けにできれば。

サーマンのフットワークには無駄が多いので、意外とポーターは追いかけやすいのでは?
でもスタイル的にはサーマンが僅差で判定勝ちする可能性が高いんじゃないか?
ポーターは激しい左右のフックを持っているが、1発ごとの振りが大きく連動性がない。そこをサーマンが狙えば比較的優勢に試合を進められるかも?

両者のスタイルを比較すると、もしかしたら退屈な試合になる可能性も?
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だいたいこんなところだろうか。

結果的には両者譲らぬ大激戦で非常におもしろい試合となったわけだが、それ以外の予想は何となく当たっていると言っていいのだろうか?
といっても、内容的には多くの人が予想するような平凡なものなので何とも言えないのだが。

まあ、一番の問題はあまりに時間が経ち過ぎて、当時どんな映像を浮かべながら予想していたのかすら定かでないことなのだがww

「正気か? ケル・ブルックがゴロフキンに挑戦? しかもミドル級正規のウェイトで?」

時間を忘れるほどおもしろい試合。ポーターもサーマンも両方がんばった

1~3Rまではポーターがいつものゴリ押しスタイルで前に出る展開。
だが、3Rの後半あたりからサーマンがポーターの踏み込みのタイミングを掴み始める。ラウンド終了間際にヒットしたカウンターの左で、一瞬ポーターの腰が落ちる。

この1発でサーマンのカウンターへの警戒を強めたポーター。これまでのように前に出ることができなくなる。
これを見たサーマンがガードを上げて前進。ポーターにプレッシャーをかけ始める。アウトボクシングとインファイト。2段階のスタイルを使い分けるサーマンの本領発揮である。

8R後半。
ポーターの左がサーマンのボディに突き刺さり、サーマンの腰がガクッと折れる。この瞬間を逃さずポーターが一気にペースアップ。両腕を振り回しながら前進。再びポーターの左がサーマンのボディに突き刺さる。
大きなダメージを負ったサーマンがリングをはね回るようなサークリングで逃げる。

9Rに入ると、試合序盤同様、息を吹き返したポーターがサーマンをロープ際に詰めて連打を打ち込むシーンが増える。
規則的な振り子運動から一気にペースアップして飛び込むポーター。
だが、サーマンもカウンターで応戦する。ド迫力のポーターのスイングの合間に左フックをねじ込む。

「涙が止まらんw 亀海TKO勝ち!! ソト・カラスとの再戦を制してS・ウェルター級に名前を刻む」

試合後半に入っても激しいペースの取り合いを繰り広げる両者。
観客席から大歓声が沸き起こる。

10Rに入るとさすがにポーターにも疲れが見えたか、ほんの少し出足が鈍る。
大振りのスイングとともにサーマンをロープ際に押し込むのだが、そこからの連打が続かない。一瞬の間断に狙いを定めてサーマンが高速の連打を返す。顔を細かく跳ね上げられたポーターが数秒間怯む。
その瞬間を逃さずサーマンがロープ際から脱出。再びリング中央で両者が対峙する。
ポーターの左フックに合わせてサーマンが右フックを放つ。これがカウンターでポーターのテンプルにヒット!!
 
「意外と楽しみなアンドレ・ベルトvsデボン・アレクサンダー。どっちが勝ってもスペンスには歯が立ちそうにないけど」
 
いや、すげえな。
本当にがんばるわ2人とも。
こういう試合を「メンタルの勝負」って言うんだろうな。

再びサーマンをロープ際まで追い詰めるポーター。だが疲労のせいか、そこからの連打が続かない。それでもサーマンにもたれかかるように体重を預け、頭を押しつけて逃げるスペースを与えない。相手の体力を奪いながら休むポーターのダーティさが光る。
 
「ポーターvsベルト感想。体力腕力万歳ポーターがベルトを突進力と腕ぶん回しでKOする」
 
ポーターのジャブ2連発を額に被弾し、バランスを崩すサーマン。
ここがチャンスと見たか、ポーターが右フックを振り回しながら前に出る。
その瞬間、サーマンのノールックの左がポーターの顔面を捉える。ダッキングと同時に勘で出した左。見えない位置からもらったポーターがバランスを崩す。
コーナーでたたらを踏むポーターに襲いかかるサーマン。渾身の左フックを振るうが、ポーターはその腕を掴んで無理やり引きまわして身体を入れ替える。

コーナーで両者の拳が激しく交錯する。
会場からの歓声が止まらない。

何だこの試合。
めっちゃおもしれえww

11、12Rはさすがに疲れが見える両者。
パンチのヒット数を考えるとややサーマン有利だろうか。12Rのラスト50秒からポーターが再びロープ際でラッシュを見せるが、これがどの程度の評価を得られたか。

結局僅差判定でサーマンの手が上がる結果となったが、とにかく両者が死力を尽くしたおもしろい試合だった。トップ戦線に君臨する選手同士の期待通りの大激戦。手に汗握るハイスピードバトルである。時間を忘れて思わず見入ってしまった。

サンキュー、サーマン。
サンキュー、ポーター。

本当にそんな感じの試合だった。

「ヘビー級No.1候補ジョシュアがデカイだけの人ブリージールを屠って勝利!! そりゃそうだろ」

才能だけで王座に君臨し、無敗を誇る男「キース・サーマン」

今回の試合を観終わった印象としては、
「キース・サーマンやっぱりすげえな」。

いつも思うのだが、この選手の試合は毎回エキサイティングでおもしろい。

足を使うこともできるしガードを上げてプレッシャーをかけることもできる。
身体全体のスピードもハンドスピードもあり、当て勘もいい。
ダメージを負った際の危機回避能力や12R動き回れるだけのスタミナも兼ね備えている。

しかもポーターの鋭い踏み込みと迫力満点のフックに対し、わずか3Rでタイミングを掴んでしまうセンス。
ポーターの踏み込みに合わせてバックステップ。そこからわずかに左に身体をずらしてカウンターをヒット。しかも試合後半には左のカウンターから右の返しまでをヒットする対応力の高さである。

あのエイドリアン・ブローナーが11Rかかってようやく当てたパンチをあっさり当て、なおかつ返しの右までヒットできるセンスとスピード。実際、この選手の才能はすごいものがあると思う。
もちろんブローナーは体格差で屈した部分もあるが、それを差し引いてもキース・サーマンのポテンシャルの高さは凄まじい。
 
「“スウィフト”ガルシアvs“ワンタイム”サーマン予想!! 興味ないけど展望を。ガルシアの鬼フックとサーマンの高速コンビネーション」
 
そして、本当にそれだけである。

才能は一級品。
ボクシングはグダグダ。

フットワークは軽くレンジも長い。
当て勘にも優れていてハンドスピードも速い。

「ジャーマル・チャーロvsジュリアン・ウィリアムス予想!! チャーロ兄がまたしてもテクニシャンを迎えうつ」

だが、動き出しの溜めの大きさやストップ&ゴーの間に生じる大きなタイムラグ、体勢を立て直す際の復元力のなさ。そういった負の部分は相変わらずである。

大きなモーションの割に無駄の多い動き。
やたらめったら動き回る割にすぐにつかまる不可思議。
散々リングを飛び跳ねた末に一番の危険地帯に無防備で着地するポジショニングの悪さ。
いつの間にか相手に全身を晒してまともにボディをもらって悶絶する姿にも納得である。

実際、ここまで個体能力の高さだけで王座に君臨している選手も珍しいのではないだろうか。

「“カネロ”アルバレスがリアム・スミス挑戦にファン失望?」

あれだけのスピードとセンスがあれば井岡一翔の完成形になれるんじゃないのか?

飛び跳ねるようなフットワークの最中にかがみこむほどの低空ダッキング。そこから打ち込むボディへのパンチ。
あの動きを見ただけでも、この選手の運動神経が尋常じゃないことはわかる。しかもフルラウンドにわたって動き回れるだけのスタミナもある。

あれだけのハイスピードと勘のよさ、さらにパンチ力もあるのだから、この選手こそ井岡一翔スタイルを目指せばいいのではないだろうか。もしくは攻撃に傾向してテレンス・クロフォードを目指すとか。

「井上尚弥が拳を痛めないために? 井岡スタイルに変更すればいいんじゃない?」

スピード差で威圧感を出したメイウェザーになれとは言わないが、せめてもう少しどっしり構えればいいのに。トップスピードを出すのはここぞの場面だけにとどめ、ほんの少し強弱をつけるだけで一気に燃費のいい試合ができるようになると思うのだが。

「今さらメイウェザーとパッキャオを語る。アルバレスvsカーン戦を観て、この2人が唯一無二の存在だった」

「才能だけでやってまっせ部」絶対的エースのキース・サーマン。ベルデホ? 話になりませんな

僕はキース・サーマンのように、高いポテンシャルを無駄に消費している選手たちを「才能だけでやってまっせ部」と呼んでいる。
そして先日、晴れてフェリックス・ベルデホがこの部への仲間入りを果たしたところである。

「ベルデホダメか? マルティネスにはKO勝利したけど課題山積」

だが、スーパールーキーフェリックス・ベルデホを持ってしても、この部活の部長兼絶対的エースはキース・サーマンである。

いかにベルデホといえどもキース・サーマンの牙城を崩すのは容易なことではない。「才能だけの男」の異名を舐めてもらっちゃ困るのだ。

まあ、今回は突貫小僧のショーン・ポーターが相手だったこともあり、激しく動き回ることが一概に間違っていたとは言い難い。
そして、キース・サーマンの派手さがあったからこその大激戦だったことも確かである。
ケル・ブルックのようにフィジカルで押し返す作戦は確かに効果的だが、レベル云々はともかく、とんでもなく眠い試合になることは確実である。

「ケル・ブルックは強化版ハメドだ!! ケビン・ビジェールに圧勝!!」

ショーマンシップをとるか、勝利への最善手をとるか。
格闘技イベントとしては非常に難しいところなのだが。

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