那須川天心vsジョナサン・ロドリゲス感想。天心は攻守の最適バランスを見つけたか? 試合後のインタビューがクッソ嬉しそうだったw【2024.7.20現地観戦】

那須川天心vsジョナサン・ロドリゲス感想。天心は攻守の最適バランスを見つけたか? 試合後のインタビューがクッソ嬉しそうだったw【2024.7.20現地観戦】

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2024年7月20日に東京・両国国技館で開催された「Prime Video Presents Live Boxing 9」を現地観戦してきた。
 
この日は中谷潤人、田中恒成、加納陸のトリプル世界戦に加えて那須川天心のボクシング転向4戦目が予定されていた。
 
ところが田中の対戦相手であるジョナタン・ロドリゲスが前日計量で2.9kgの体重超過、再計量も困難なために試合自体が中止に。
代わりにオープニングファイトとして組まれていた荒本一成vsムングンツォージ・ナンディンエルデン戦が第1試合に繰り上がっている。
 
 
全編視聴は下記↓

 
 
というわけで今回はセミファイナルの那須川天心vsジョナサン・ロドリゲス戦の感想を。

 
天心の初の10回戦、世界ランキング4位の強豪との対戦ということで楽しみにしていた試合である。
 
那須川天心vsジェルウィン・アシロ。アシロが強かった&遠間からすっ飛んでくる剛腕との相性もよくない? 天心の調子も悪かったかもね
 

両者が入場。天心は身体つきが“ボクサーっぽく”なった?

まずはジョナサン・ロドリゲスが入場。

初の海外での試合&来日とのこと。
こちらもがんばってもらいたい。
 
 
そしていよいよ天心の登場。
“いつも”の「止まらないHa〜Ha」(矢沢永吉)がかかると場内の空気がガラッと変わる。

 
本人が姿を現す。

と言ってもこの日は角度的に入場口が見えず。スクリーンのみでの確認である。
 
 
リングイン直前のアピールもいつも通り。


なお両国国技館は入場口からリングまでが近いために有明アリーナほど時間をかけて引っ張ることはできなかった笑
 
 
リングインした天心を観て思ったのが、身体ができてきたなぁと。

うまく表現できないのだが、だいぶボクシング仕様の身体つきになったというか……。
本当に「何となく」なのだが。
 
那須川天心vsジェルウィン・アシロWBO-AP決定戦。初のバンタム級で天心がちゃんと動けるかに注目かな。世界王者勢揃いだけど各試合は割と普通…
 

天心はめちゃくちゃよかった。自分から攻めて倒し切ったのは大きいよね

試合についてだが、今回の天心はめちゃくちゃよかったと思う。
 
3R1分49秒TKOという結果はもちろん、内容的にも。
前回の負傷TKOとは意味合いが違う上に得意のカウンターではなく自分から攻めて倒したことが大きい。
 
 
試合後に本人が「倒したパンチは感触がない」「この感覚を忘れないようにしたい」と言っていたが、うまく倒すコツを掴んだのかもしれない。
 
打ち方や体重の乗せ方等、専門的なことは僕にはわからないが、力感やパンチの伸びはデビュー2戦までとは明らかに違う。


 
“引き”を意識しすぎることなく拳に適度に力を乗せる。
復元力と踏み込みの調節を身につけつつあるのだろうと。
 
那須川天心の公開練習動画を視聴。「自分で相手を動かす、導く」んだって。最近言動が落ち着いてきたのは陣営と話し合いをした結果ジャマイカ?
 

「もしかしたら危ないかも?」と思っていた時期が僕にもありました

2戦目までの天心はどちらかと言えばディフェンス重視のカウンター使い。
 
効かせるパンチはカウンターのみで1発当てた直後の“詰め”もない。単発気味の単調な試合運びが目立っていた。
またすべての攻撃を回避しようとするためパンチに体重が乗らず体力の消耗も激しい。
 
最初の2戦で「天心は非力で倒せない」という印象を与えてしまった。
 
那須川天心vsルイス・グスマン。天心の2戦目を現地観戦してきた。才能は完全に和製ウィテカー。次は“崩し”と“配分”かな。メリハリが重要?
 
だが3戦目のルイス・ロブレス戦では自ら攻めるファイトに。
 
ガードを上げて足を踏ん張り、ボディ→顔面へ散らしながら圧力をかけていく。
過去2戦に比べて回避のアクションは抑え気味に、攻撃型への傾倒が見られた。
 
ただ、攻撃の比率を上げた分正面に立つ時間が増える&半歩ほど距離も近い。
 
ルイス・ロブレス戦はスピード、体格差で問題なくクリアしたが、今回はどうなるか。
あの位置取り、ファイトスタイルだとロドリゲスの右をパコーンともらう可能性もあるのではないか。
 
しかも天心にとって初の10回戦。
 
元2階級制覇王者の亀田大毅が「天心、結構危ないのでは?」と予想していたが、僕もひょっとしたらあるかも? と思っていた次第である。


 
那須川天心vsジョナサン・ロドリゲスもうすぐ。恒例の公開練習動画を眺めながらあれこれ言ってみる。ロドリゲスの右がおっかないけど…
 

開始直後に「あ、大丈夫だ」となり、スピードと正確性で圧倒→最後は左をズドン

ところが実際にはまったく問題にならず。
 
試合開始直後に天心のジャブ、前後の動きを観て「相変わらず速えなw」となり、置いてきぼりにされる&ガード一辺倒のロドリゲスの姿に「あ、大丈夫だ」と。
 
何よりいいと思ったのが攻守のバランスのよさ
上述の通り2戦目までの天心はディフェンス重視、3戦目はやや攻撃に傾倒しすぎだった。
 
なので、前回同様に攻撃重視でいくとちょっと危ないかも? と思っていたところ……。
見事に最適バランスに仕上げてきやがったという。
 
リング中央で対峙する際は近すぎず、遠すぎず。
鋭いジャブで牽制しつつボディ→顔面の流れで削っていく。
 
相手がスピード差に面食らって手を出せないのを確認、タイミングを測って中に入る→ババっと打ってサッと離れる。
 
 
カウンターの精度は維持しつつスピードと正確性で圧倒。
正面に立つ際は近づきすぎないように。
 
ガードを固める相手にカウンターをチラつかせながら圧力をかけていく。
 
ジャブやボディによる“崩し”、相手の手札を徐々に奪う“組み立て”を感じた。
 
 
で、ロドリゲスが完全に手詰まりになったところでガードの間から渾身の左をズドン。

タイミングと威力を両立した1発!! からの連打でロドリゲスを戦闘不能に。
 
3R1分49秒、文句なしのTKO勝利である。

 
試合前のインタビューで「型ができてきた」とコメントしていたが、なるほど確かに。
攻防の最適バランス、持ち味であるスピードと見切り、カウンターを実戦でどう発揮するかを見つけつつあるのだろうと。

ミット(打ち)では結構もうばっちり型ができてきた。実戦でどれだけ自分の動きをやるかをずっと意識してやっている


前回も申し上げたが、「練習でやったことをそのまま出せる」ことが天心の器用さ、適応力の高さなのだと思う。
 
那須川天心vsルイス・ロブレス。腰を落として被弾を嫌がらずに圧力をかける。過去2戦との違い。練習でやったことをそのまま出せる天心の器用さ
 

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クッソ嬉しそうでワロタw 確かに今回は本当に酷かったし

このジャブとボディがいいですよね。


 
スピーディなジャブはもちろん、ボディは遠い位置からでもしっかり届く&復元力も高い。
異様に長いリーチとバネによるものだと思うが、つんのめることなく伸びと威力、復元力を実現できるのはさすがである。
 
こういう運動神経の高さを見せられるとどうしても天心のMMAに興味がわいてしまう笑
 
 
コーナーに登ってドヤァ!! する天心。

 
試合後のインタビュー。

めちゃくちゃ気持ちよさそうにしゃべっとる笑
 
 
いい笑顔ゴルァ!!笑


うん、わかるぞ。
今回は本当に酷かったからな。
 
試合前の憶測による中傷、意味不明なバッシング等々。
しかもそれらが一つも当たっていない、全部外れているというね。
 
那須川天心vsジョナサン・ロドリゲス正式発表。WBO-AP決定戦? カマセのタイ人? 日本ボクシングの凋落? 全部間違ってるじゃんw 一つも合ってないってどういうこと?
 
一連の叩き方は明らかに一線を超えていた。
 
天心のことが嫌いなのはともかく、いくら何でも限度がある。
そういう意味でもわかりやすい結果を見せられたことが痛快だったのだろうと。
 

まだまだ天心叩きは続く。今回は「契約体重」「WBAのみのランカー」「サウスポーが苦手」あたり

まあでも、アイツらは今後も懲りずに天心叩きを続けると思うが。
今回で言えば「契約体重」「WBAのみのランカー」「サウスポーが苦手」あたり。
 
契約体重は通常運転、WBAのみのランカーに関しては“作られたランキング”という言い分が成り立つ。
 
またロドリゲスがサウスポーを苦手としているのも恐らくその通り。キャリアを通じて「サウスポーとの対戦が少ない&2敗のうち1敗がvsサウスポー」であることが考慮されたのだと思う。
 
この辺はデビュー戦でややこしいヤツをぶつけられた荒本一成とはまったく違う。
元ミドル級王者の村田諒太もそうだが、帝拳プロモーションのトッププロスペクトはキャリア序盤は比較的やりやすい相手が選ばれる印象である。
 
 
そして、それは何も帝拳プロモーションだけの話ではない。
 
WBC王者の武居由樹も大橋プロモーションの力でやりたい放題だったし、王座を奪取したジェイソン・モロニーはvsサウスポーが露骨に苦手だった。
 
武居由樹vs比嘉大吾発表間近? 直近2戦でコツを掴んだっぽい比嘉は武居に勝てますかね。正式発表前だけど考えてみる
 

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現時点のゴールは「天心は世界王者になれるか」。例の「日本の上位ランカーはヌルくない」は完全になかったことに

そもそもアイツらは
「ボクシングは甘くない」
「日本の上位ランカーはヌルくない」
「まあ、デビュー戦を観てみましょうよ」
とニヤニヤしながら言っていたわけで。
 
「試合で実力を見せればしっかり認める」などと中立を気取ってはいるが、僕に言わせれば「日本2位の与那覇勇気に圧勝した時点ですべてが覆ったんじゃないの?」である。
 
那須川天心vs与那覇勇気現地観戦。天心すごかった。Amazonの中継は絶対に必要だよね。試合順は「打順」なんだよ
 
それがいつの間にか「ジョナサン・ロドリゲスは世界ランカーにしては弱い」にすり替わっているという。
 
オーケーオーケー。
現時点のゴールは「天心は世界王者になれるか」「なれない場合は失敗」なのね。
「ボクシングは甘くない」「日本の上位ランカーはヌルくない」は完全になかったことになったわけね。
 
「桁違いの競技人口によって形成される巨大なピラミッドの頂上は果てしなく高い」
「他競技に比べて1敗がとてつもなく重い、忖度マッチメークもない本物の競技」
を標榜する真のボクシングハァン()様はキック出身選手がトップ戦線を蹂躙するうちに記憶を失ってしまったんですね。
 
 
 
マジな話、僕などは与那覇戦を観て「天心すげえ」「現時点でも日本王者クラスの実力があるんじゃない?」「今後どうなるか楽しみっすねえ」となったのだが。
 
武居由樹vsジェイソン・モロニー戦の際にも言ったが、要するにキックでトップを張る選手のポテンシャルはボクシングの世界王者と遜色ないレベルで凄まじい。
 
武居由樹がモロニーに勝利、キック出身選手で初の世界王者に。要は「ボクシングは甘くない」勢が他競技のトップ選手のポテンシャルを舐めてたんでしょ
 
「ボクシングは甘くない」勢はそこを完全に見誤っていた、舐めていたというのが(僕の中での)ファイナルアンサーである。
 
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