ジョシュ・テイラーが負けただと…? 絶好調のテオフィモ・ロペスがテイラーのカウンターをボディで攻略、見事2階級制覇。際どい試合だったけどロペスががんばりましたね【結果・感想】

ジョシュ・テイラーが負けただと…? 絶好調のテオフィモ・ロペスがテイラーのカウンターをボディで攻略、見事2階級制覇。際どい試合だったけどロペスががんばりましたね【結果・感想】

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2023年6月10日(日本時間11日)に米・ニューヨーク州で行われたWBO世界S・ライト級タイトルマッチ。同級王者ジョシュ・テイラーとランキング1位テオフィモ・ロペスが対戦し、3-0(117-111、115-113、115-113)の判定でロペスが勝利。ライト級に続き2階級制覇を達成した試合である。
 
 
開始直後から前に出るテイラーの圧力を真正面から受けて立つロペス。得意のカウンターを駆使してテイラーの連打を封じていく。
 
一方のテイラーは序盤こそ動きがよかったものの、徐々に失速。中盤以降、激しいペース争いを繰り広げるがそのつどロペスに上を行かれてしまう。
 
11、12Rにはロペスのカウンターをことごとく被弾。ダウン寸前まで追いつめられるなど、過去一と呼べるほどの苦戦を強いられる。
 
そして結果は3-0の判定でロペスが勝利。
ジャッジ2者が115-113をつける僅差判定ながらも終盤のスパートで見事2階級制覇を達成している。
 
テオフィモ・ロペスvsジャーメイン・オルティスが楽しみな件。テオフィモにとってオルティスは面倒な相手だと思う。でも、ちょっと馬力が足りないかな
 

興味が薄れたジョシュ・テイラーとパワーの目減りが目立つテオフィモ・ロペス。勝敗予想はテイラーだけど、逆もあり得る?

不活発すぎて(個人的に)興味が薄れつつあったジョシュ・テイラーと、階級アップ後は微妙なパフォーマンスが目立つテオフィモ・ロペス。
 
正直あまりテンションも上がらなかったのだが、一応ビッグマッチということで展望を考えてみたのが下記である。
 
ジョシュ・テイラーvsテオフィモ・ロペス戦がいつの間にか近づいてきた。テイラーの動向が謎すぎて興味を失いつつあった。階級アップ後のテオフィモは確かにビミョいな
 
・ロペスは階級アップ後はこれまでのゴリゴリ感が薄れている
・顔面丸出しで飛びかかるのでカウンターをもらいやすい
・踏み込みスピード、馬力は秀でているが、階級アップにともなう目減りを感じる
・ジョシュ・テイラーは接近戦寄りのオールラウンダー
・前戦での出来の悪さ、ブランクの長さを考えると不安要素も多い
・右リードとサイドへの動きがどこまで機能するか
・勝敗予想はテイラーの判定勝ち
・だが、両者のコンディションによってはひっくり返る可能性もある?
 
 
テオフィモ・ロペスは基本的に“待ち”のカウンター使い。
その一方で踏み込みスピードを活かした出入りを持ち味とする。
 
ただ、腕を下げて顔面丸出しで飛びかかるせいでカウンターをもらいやすく、前回のサンドール・マルティン戦でもマルティンの多彩な右リードに大いに苦しめられた。
 
恐らくジョシュ・テイラーもサンドール・マルティン同様、右リードとカウンターを駆使してさばこうとするはず。
ここをロペスがクリアできるかが今回の見どころになるのではないか。
 
と言いつつ、テイラーの右リードにはマルティンほどの多彩さはない。案外ロペスにあっさり突破されるパティーンもありそう。
 
テイラーが一定以上のコンディションに仕上げれば勝つ可能性は高いと思うが、不確定要素の多さを加味すると……。
 
一応、勝敗予想はジョシュ・テイラーの判定勝ち。
でも、ロペスがひっくり返す流れもある? かも?
 
だいたいこんな感じである。
予防線を張りすぎて予想になっていないという噂もあるが、そこは気にしないことにする笑
 

テオフィモ・ロペスが絶好調だった。階級へのフィットとモチベーションの高さ

具体的な感想だが、テオフィモ・ロペスがよかったのとジョシュ・テイラーが悪すぎたなぁと。
 
テオフィモ・ロペスという選手は試合の大きさ、モチベーションに左右されることが多く、タイトルマッチになればきっちり仕上げてくるのでは? とも言われていた。
 
僕はどちらかと言えば階級アップの影響が大きいと思っていたが、今回に関してはまったくそんなことはなく。むしろめちゃくちゃいい動きをしていた(と思う)。
 
特にテイラーの右を左で叩き落としつつ踏み込みのタイミングを測るやり方はよかった。
ジョージ・カンボソス戦では無遠慮なゴリ押し→カウンターを被弾してダウンさせられたが、この試合ではあんな不用心さはなく。テイラーに先に手を出させてカウンターを狙う意識が感じられた。
 
 
踏み込みスピードやカウンターのタイミング、一瞬の方向転換等、純粋なパラメータは高いが、毎回コンディションのムラが大きいのがこの選手の特徴。
 
ほぼ無策で勝てると踏んだ中谷正義には距離の遠さとジャブで苦労させられ、一世一代の大勝負と位置付けたワシル・ロマチェンコ戦ではスピード&パワーを全面に出しての判定勝利。
カッコよく勝ってやろうと飛ばしまくったジョージ・カンボソス戦では初回に出鼻を挫かれまさかの判定負け。
 
テオフィモ・ロペス陥落。カンボソスの研究と覚悟に無策のロペス。あれだけ顔面丸出しで攻めればw スペックの高さは文句なしだから復活を期待するよ
 
で、今回のジョシュ・テイラー戦ではきっちり仕上げた上で階級へのフィットも見られた。
 
この不安定さがテオフィモ・ロペスの魅力でもあると思うが、とにかく“ふたを開けてみないとわからん”選手である。
 

ジョシュ・テイラーの出来が悪すぎた。終始フワフワして力が入らなかった印象。初回はいいと思ったけどね

対するジョシュ・テイラーだが、申し上げたようにこちらはあまりに出来が悪すぎた。
 
開始直後に接近戦を選択した際は「お、よさそうじゃん」と思ったのだが、長くは続かず。
2Rからは距離を詰めるのを止めて中間距離での差し合いに切り替えてしまった。
 
恐らく接近戦で勝負する、体格差でねじ伏せるのがテイラー側のAプランだったと想像する。
 
ところが思った以上にロペスの馬力を感じ、「これはマズい」と判断したのではないか。
距離を詰める作業、近場で打ち合う作業で予想以上に消耗し、このままでは最後まで持たないと考え早々にプランBに切り替えた。
 
そして、ここでもテイラーの出来の悪さが表面化する。
 
前手の右リードにはサンドール・マルティンほどの多彩さはなくロペスの左をさばき切れない。
それどころかあっさりロペスの侵入を許しそのつど顔を跳ね上げられてしまう。
 
近場で打ち合いに応じるものの、どことなく力感が足りない。
5Rあたりで2度ほどコテンとコカされた上に自分の拳に振り回されて態勢を崩すシーンも散見された。
減量苦かブランクの影響かは不明だが、とにかく足元がフワフワしていた印象である。
 
接近戦をさっさと諦めたのも、想定以上に身体に力が入らないことを実感したせいかもしれない。
 
ジョシュ・テイラーvsジャック・カテラルどんだけ注意されんねんオマイラw 8Rにダウンを喫するも2-1の僅差判定勝利。僕はカテラル勝ったとオモタ
 

際どい試合だったよね。中盤のテイラーのカウンターはロペスを十分苦しめた

なおジャッジ2者が115-113とした判定についてはその通りかな? と思っている。
 
ラスト2Rでのロペスの圧倒っぷりを考えるともう少し差がついてもいい気もしたが、改めて振り返るとそこまでではない。試合後のロペスの顔を見ればわかるが、テイラーのパンチもかなり当たっていた。


特に中盤6、7Rはテイラーの左フックがカウンターで何度もロペスの顔面を捉えている。
 
上述の通りロペスは顔面丸出しで向かってくるためカウンターをもらいやすい。
さらに接近戦ではテイラーのフック系のパンチがロペスのカウンターを上回るケースが多く、それこそレジス・プログレイス戦での力強さがあればあのまま押し切れたのではないか。
 
思った以上にフィジカルのゴリ押しが通じなかった&右リードが機能しなかったことを差し引いても、テイラーのカウンターは十分ロペスを苦しめていた(と思う)。
 

8Rにロペスがボディ狙いに切り替えたのがよかった。テイラーはアレで一気に動きが落ちたし勝負を分けたラウンドだったなと

ただ、8Rにロペスがボディ狙いに切り替えたのがうまかった。
 
遠間から腕を伸ばしてボディストレート。
カウンターを合わせにくるテイラーのさらに下から腹をえぐるパンチである。
 
これを2発ほどもらったテイラーは一気に動きが悪くなる。
 
踏み込みが鈍り身体も伸びない。
気持ちも後ろ向きになり、必然的にこれまでのようなカウンターを打てない状態に。
 
右リードを中心に立て直せば? とも思ったが、序盤に前手の差し合いで後れを取ったことに加えて6、7Rに左のカウンターが機能したことで逆に手が出なくなったのかもしれない。
 
ノニト・ドネアの帰還。アレハンドロ・サンティアゴには悪いけどドネアが勝つよ。僕がそう決めた。この試合に際してドネアvs井上尚弥2を初めて視聴した
 
どちらにしろあそこでボディを効かされたことで勝負が決した印象。
 
 
テイラーが勝利するにはラスト2Rを圧倒する必要がある。当然自分から攻めるわけだが、コンディションの悪さに加えてダメージと疲労で明らかに踏み込みが鈍い。
ロペスにとっては「待ってました」のカウンターチャンスである。
 
 
繰り返しになるが、ロペスがボディ攻撃に切り替えた8Rが勝負を分けたなぁと。
 
 
 
ブチ切れながらも負けを認めててワロタw


なるほど。
本人的には調整がうまくいった感覚だったのね。
確かに序盤(1R)は調子がよさそうに見えたけど。
 
となるとアレか。
テイラーの不調というよりテオフィモ・ロペスが素晴らしかったと考える方が正しい? のかな?
 
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