ジョシュ・テイラーvsジャック・カテラルどんだけ注意されんねんオマイラw 8Rにダウンを喫するも2-1の僅差判定勝利。僕はカテラル勝ったとオモタ【結果・感想】
「ボクシング記事一覧リンク集」へ戻る
2022年2月26日(日本時間27日)、英・グラスゴーで行われた世界S・ライト級4団体統一戦。同級統一王者ジョシュ・テイラーが挑戦者ジャック・カテラルと対戦し、2-1(114-111、113-112、112-113)の判定でテイラーが勝利。初防衛に成功した一戦である。
サウスポー同士の激突となった今回。
開始直後から前手のリードで差し合いを展開する両者だが、挑戦者カテラルは再三ジャブでテイラーの顔面を跳ね上げるなど優位に試合を進める。
王者テイラーも2、3Rと強引に前に出てヒットを重ねるものの、中盤からはカテラルが右リードとクリンチを駆使して再び流れを引き寄せる。8Rには左の打ち下ろしでダウンを奪い、アップセットを予感させる。
だがテイラーもガードを上げて前進、近場でのラフファイトでの反撃を見せる。両者とも繰り返し注意を受けながらも決め手を作れず最終ラウンドのゴングが鳴る。
試合終了の瞬間に大きくガッツポーズして勝利をアピールしたカテラルだったが、ジャッジは2-1の僅差でテイラーを支持。どうにか4本のベルトを守り切った。
井上vsタパレス締結間近? でもタパレスじゃ厳しい? シャクールの相手のサントスは結構よさげ。リナレスが英国でジャック・カテラルと12回戦。諸々レビュー
僕はカテラルが勝ったと思ったけどな。再戦は1mmも観たくないけど笑
挑戦者ジャック・カテラルのことをよく知らなかったせいでスルーしていたこの試合。
ジョシュ・テイラーがダウンを奪われる大苦戦の末に2-1の判定で勝利したという話を聞き、後追いで視聴してみた次第である。
感想としては、「なるほど。こりゃあ苦戦するわ」と。
はい。
ジャック・カテラル、いい選手でしたね。
というより僕が観た印象ではジャック・カテラルの勝ちだったような……。
実際この判定は物議を醸しているとのこと。
英国ボクシング協会が調査に乗り出すとかで、それによっては再戦となる可能性も?
ジョシュ・テイラーがこの試合を最後に階級アップを示唆しているので最終的には「まあまあw」で終わりそうな気もするが……。
ちなみにこの両者の再戦はまったく観たいと思わない。
なぜならおもんないから。
今回はジョシュ・テイラーの調子どうこうよりもジャック・カテラルが予想以上の実力者だったというのがファイナルアンサー(僕の)。
ただ、あれだけクリンチまみれで動きの少ない試合をもう一度観るのはしんどい。
イライラを募らせたテイラーがカテラルを突き放し、それにカテラルがイライラする。で、お互いがラフになったところをレフェリーが引き離して注意を与える。最終的にはリング上の3人が全員イライラMAXというしょーもない光景が展開されたわけだが、いや、もう十分でしょ笑
どっちの勝ちでもいいからさっさと次に行こうぜOK?
なお、クソほど身勝手なことを言っている自覚はある。
ラッセルvsポストル感想。伊藤雅雪vs三代大訓戦みたいだった。伊藤は三代にさばき切られたけど、ラッセルはスピードと馬力でポストルをねじ伏せた
ジャック・カテラルがいい(やりにくい)選手だった。急所をすっぽり隠した構えと前手の右リードの多彩さ
試合を観始めてすぐに思ったのが、
「お、ジャック・カテラルいい選手じゃん」
いい選手というより“やりにくい選手”といった方が正解か。
特にサウスポーのテイラーにとってはかなりやっかいな相手だった(と思う)。
スタンスはやや広め。前手の右をL字気味に下げて構え、真横に近い角度で相手と対峙する。
ボディはL字の右腕ですっぽり隠し、斜に構えることによって身体の中心を相手に見せない。
その状態から前手の右を鞭のように使い、様々な角度から顔面を跳ね上げる。
で、相手が左を打つと同時に頭を下げて肩からぶつかり低い姿勢のまま懐に潜り込む。
極端に斜に構えたL字スタイルはビック・ダルチニャンやウィリー・モンローJr.と共通するが、ジャック・カテラルに関しては右リードの多彩さが際立っていた。
身体の中心を隠して斜に構える分、どうしても左は少なくなる。
ウィリー・モンローJr.はそれをフットワークと見切りでカバーしていたが、ジャック・カテラルは前手の右の器用さでチャラにしてみせた。
さらに身体を目いっぱい伸ばして打ち出す左は抜群の貫通力を発揮する。この辺はミドル級のジャニベク・アリムハヌリとも似ている(気がする)。
アリムハヌリはすでに村田より強い? フライ級? 最強ダラキアン、大忙しのアフマダリエフ、2Rの長期戦のアンドラーデ。先週末振り返り
要するに右リードの差し合いで上回りさえすれば、あとは何とでもなるというのが今回のプランだったのではないか。
攻め手がなかったジョシュ・テイラー。最後まで突破口を見つけられずにイライラだけを募らせた
対するジョシュ・テイラーは完全に攻め手を失っていた。
リードの差し合いで上回られ、ボディはL字の右腕が邪魔で打つ場所がない。
いきなり左を出せば頭を下げて避けられそのまま身体を寄せられる。
強引に接近戦に持ち込んでもさっさとクリンチで逃げられてしまう。
ことごとく攻め手を封じられたことでイライラを募らせ、中盤からは近場でのラフファイトに終始。レフェリーに再三注意を受けるなど最後の最後まで突破口を見つけられなかった。
また、開始直後から「どこかでカテラルの左が当たりそうだな」と思っていたら案の定8Rに打ち下ろしの左を被弾してダウンを喫するという。
正直、ここまで攻略されたのはキャリアで初じゃないの? というくらい、テイラーにとってはどうにもならなかった試合だと思う。
ジョシュ・テイラーのクズ度がホセ・ラミレスを振り切る。ラミレスはナイスガイ過ぎるんだよなたぶん。勝負どころでの性格の悪さは大事
途中でスイッチするかな? とも思ったが、終盤一瞬右構えになっただけ。それ以外は距離を外されたまま最後までサウスポーを継続してしまった。
まあ、イライラと焦りでそれどころではなかったのだと思うが。
レフェリーから注意を受けるたびに「いや、アイツの方が悪いだろ」という表情を隠そうともしなかったし、何度注意されてもまったく気にする素振りも見せなかったジャック・カテラルとは正反対。
11R終了直後の追撃で減点を食らったのを含め、メンタル面でも術中にハマっていたのだろうと。
この手のタイプでこれだけ器用に右を使う選手を観たのは初めて。まあ、負けたけどさ
しかし、ホントにうまかったですよねジャック・カテラル。
序盤は右リードを中心に時おり出す左ストレートでテイラーを翻弄。
前手の差し合いで敵わないと悟ったテイラーが距離を詰めてくれば、頭を下げてクリンチに。
露骨に肩でぶつかると同時に腕を絡め、ブレークを待ちつつ確実にテイラーをイラつかせていく。
で、タイミングを見て大振りの左をぶん回す。
これ系のタイプでここまで右を器用に使う選手を観たことがなかったので、今回はそれなりに衝撃を受けている。
リー・ウッドがマイケル・コンランを場外KO。空中で失神する衝撃のラスト。やることをやり続けたウッドと1発狙いの出たとこ勝負のコンラン
2018年10月のジャック・カテラルvsオハラ・デービス戦。
何でこんなに盛り上がってんの? というくらいの退屈な試合だが、カテラルの右の多彩さは存分に発揮されている(それしか見どころがないとも言う)。
この距離でオハラ・デービスを上回るというのは相当である。
マジな話、強フィジカルを活かしてガツガツプレスをかけるタイプが少ない英国においてこのスタイルは相当なアドバンテージを取れるのではないか。
試合は絶望的におもんないけど。
しかも負けたけど。
「ボクシング記事一覧リンク集」へ戻る