エロール・スペンスがウガスを撃破で3団体統一。キラー・インスティンクト(笑)が違ったな。チャンスで自重したウガスと攻撃に振り切ることでピンチを脱したスペンス【結果・感想】

エロール・スペンスがウガスを撃破で3団体統一。キラー・インスティンクト(笑)が違ったな。チャンスで自重したウガスと攻撃に振り切ることでピンチを脱したスペンス【結果・感想】

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2022年4月16日(日本時間17日)、米・テキサス州で行われた世界ウェルター級3団体統一戦。IBF/WBC同級王者エロール・スペンスJr.vsWBA同級スーパー王者ヨルデニス・ウガス戦は10R1分44秒TKOでスペンスが勝利。見事3団体統一に成功した一戦である。
 
 
マニー・パッキャオに勝利したヨルデニス・ウガスが迎えた3団体統一戦。
対戦相手のエロール・スペンスJr.は目の負傷によるブランクもあり、今回は2020年12月のダニー・ガルシア戦以来のリング復帰となる。
 
 
試合は序盤からスペンスの右リードがウガスの顔面を捉える展開。
ウガスはガードの間から再三顔面を揺らされ、なかなか自分の距離に入れない。
 
中盤以降、自ら距離を詰めて打ち合いを挑むスペンスに対してウガスも得意のカウンターで対抗。6Rには右フックでスペンスをグラつかせるなど、一時は流れを掴みかけるもチャンスはそこまで。すぐに立て直したスペンスのボディ、アッパーをもらい続けて顔面を腫らしていく。
 
そして迎えた10R。
度重なる被弾で目がふさがったウガスを見てレフェリーがタイムをかける。
直後のドクターチェックで続行不可能と判断され試合終了。その瞬間、エロール・スペンスJr.の3団体統一が決定した。
 
覚悟を決めて耐久力勝負に出たチャーロ弟の勝利。面食らって対応が遅れたカスターニョは10Rにダメージが噴き出してジ・エンド。あと、リングサイドのザブ・ジュダーさん笑
 

スペンスvsウガス戦をようやく視聴。ウガスさんの攻めのマッチメークに驚いたよ

エロール・スペンスJr.vsヨルデニス・ウガス。
 
2021年8月に英雄マニー・パッキャオに勝利し引退に追い込んだヨルデニス・ウガスさん。
2度目の防衛戦が無敗のエロール・スペンスJr.との3団体統一戦ということで、34歳で手に入れたベルトを守る気がいっさ感じられないマッチメークは驚きである笑。
 
 
ただ、先週末はラグビーやMMAの現地観戦で忙しかったせいでこの試合まで手が回らず。
 
キヤノンイーグルスvsシャイニングアークス最悪な試合だったな。TMO6回ってバカじゃないの? そこは流せよってプレーは絶対にあるから
RIZIN35現地観戦感想。久々のケラモフに期待の上田幹雄、圧倒的陽キャのスパイク・カーライルその他。ついでにグスタボvs矢地の感想も
 
ようやく落ち着いたのでぼちぼち観てみるかと。
「どれどれ、いっちょ査定してやんよ」という謎の上から目線で視聴をスタートした次第である。
 

ウガスのカウンターが届かない、間に合わない。序盤から早くもじり貧か?

試合の感想としては、ウガスさんのカウンターが届かなかったなぁという印象。
 
この選手の持ち味? でもある前手のジャブ、打ち終わりを狙ったカウンターが今回はなかなか機能せず。
長身で広いスタンス、懐も深いスペンスに射程外から刺されまくり、距離を支配された状態が続く。
 
前回のマニー・パッキャオ戦では左リードと右のカウンターでパッキャオの顔をパンパンに腫らせたウガスだが、今回は同じサウスポーでも勝手が違った。
ウェルター級としては小柄なパッキャオ(166cm)にはばっちりハマった作戦がサイズ差のないスペンス(177cm)には通用しなかった。
 
落ちたなパッキャオ…。ウガスに3-0の判定負け。仮に現役続行するなら王座を狙うよりも“生き様を見せる”方向にシフトしていけば
 
さらに言うと、ウガスのカウンターはワンテンポ遅らせたタイミングで打ち込むことが多い。
2017年5月にスペンスに肉薄したケル・ブルックなどは同時打ちのタイミングで被せるカウンターを得意としており、これがスペンスの強打を封じる効果を発揮した。
 
だが、ウガスのカウンターは「最初に相手に打たせる→これを距離で外す→打ち終わりを狙う」ためにどうしてもスペンスの復元力を上回ることができない。
 
遠間からの右リードで顔面を揺らされ、カウンターは高いガードに阻まれる。
近場で勝負するために距離を詰めるも、スペンスの強烈な左ストレートで動きを止められ再び右リードで蜂の巣にされる。
 
で、徐々に手が出せなくなりガードを上げたまま亀になる悪循環。
 
 
攻撃の起点となる左リードは距離が合わず届かない。
打ち終わりのカウンターも間に合わない。
正直、射程の違いを克服できない時点でウガスの勝ち筋は風前の灯火だった(と思う)。
 
逆にスペンスとしてはこのまま遠間からチクチク右を突いていれば問題なく勝てる。
無難に完走するだけならあの状態をキープしていればよかったのだが……。
 

中盤以降、自ら前に出て打ち合いを挑む勇者(笑)スペンス。ウガスにとってもこれはチャンスだった

ところが勇者(笑)スペンスはこの試合を安全策で終わらせる気はさらさらない。
 
約1年4か月ぶりの防衛戦、しかも今回は3団体統一戦である。
力の差はきっちり証明したものの、WBO王者テレンス・クロフォードとの大一番を見据える男がこのまま無難なアウトボクシングに終始するなどあってはならないのである()
 
などと考えていたかは不明だが、とにかく5Rあたりからスペンスが自分から距離を詰めての打ち合いを始める。
 
そして、これはウガスにとっても大チャンスだった。
 
距離の違いに苦労していたところにスペンスが勝手に近づいてきてくれた。
勝機を見出すとすればマジでここしかなかったのではないか。
 
クロフォードよ、お前がNo.1だ…。ケル・ブルックを4RTKOで沈める。見えない右キター♪───O(≧∇≦)O────♪
 

キャリアで初めて明確に効かされたスペンス。あそこでゴリ押しすればウガスにも勝機が生まれたのに

実際「お!!」と思わせる場面はあった。
 
6R中盤、ウガスの右がスペンスの打ち終わりに顔面を捉えたヤツ。
被弾直後にスペンスの膝がガクッと落ち、そのままもたれるように身体を預けてきたところ。
 
僕はあれだけ明確に効かされたスペンスというのをこれまで観たことがなく、ウガスにとっても間違いなくビッグチャンスだった。
 
その直後には再びカウンターが顔面を捉え、マウスピースを飛ばしたスペンスがよろけるようにロープに寄り掛かる。
ここでペースを上げたウガスが一気に勝負をかけ……。
 
と思ったらまさかの自重という。
背を向けて距離を取るスペンスに戸惑ったのだと思うが、いや~、もったいねえ笑
 
レフェリーがタイムをかけたわけでもなく露骨なアピールがあったわけでもない(アピールするような反則打もない)。
結果的にあそこが最強王者に勝つ唯一のチャンスだったわけだが、そこで勝負をかけられなかったことが本当に悔やまれる。
 
2度目の防衛戦で3団体統一戦に踏み切ったウガスがちまちまと小金を稼ぐ気がないのは明白。そういう意味でもあの6Rは残ったパワーを総動員してゴリ押しする局面だったと思うのだが。
 
 
てか、マジで惜しかったですよね。
 
ウガスの右カウンターの威力が一番出る位置にちょうどスペンスの顔面があり、距離的にも打ち終わりを狙うことが可能。
 
申し上げたように僕はあそこまで盛大に効かされたスペンスを観たことがなかったので、あのチャンスを逃したウガスさんは残念で仕方ない。
 
いわゆるキラー・インスティンクトが足りないというか、あそこでスパッと攻撃に切り替わらないのがこの選手の限界値なのかな? とも思ったり。
 
エロール・スペンスがうまかったなオイ。ダニー・ガルシアにカウンターのチャンスを最後まで与えず。なお、おもしろい試合ではない
 

勝負どころを知り尽くしたスペンスは攻撃に振り切ることでピンチを脱出。って、ショーン・ポーターは序盤はウガスのペースだったと言ってるんですね

一方、勝利したスペンスはさすがだった。
 
6Rにキャリアで初めてと言ってもいいグラつきを見せたものの、身体を寄せて誤魔化しつつ攻撃に転じることで追撃を防ぐ。
恐らく7Rくらいまでダメージも残っていたと思うが、強引にペースアップして回復を待ちつつウガスの失速を呼び込みそのまま押し切ってしまった。
 
 
無難な判定勝利をよしとせず、ピンチの場面では攻撃に振り切りわずかな綻びを覆い隠しての勝利。
 
唯一のチャンスで自重して勝機を逃したウガスとは正反対というか。
勝負どころを知り尽くした試合運び、キラー・インスティンクトはまさに無敗の統一王者である()
 
 
へえ、ショーン・ポーターは序盤はウガスが一定の成功を収めていたとコメントしてるんですね。


業を煮やした(言い過ぎ?)スペンスが中盤から打ち合いを挑んで流れを変えたと。
 
僕にはウガスが距離が合わずに苦労しているように見えたのだが、なるほど。そういう意見もあるんだな。
 
 
 
この勝利で3団体統一とともに戦績を28勝22KO無敗に伸ばしたエロール・スペンスJr.。
待望されるテレンス・クロフォードとの頂上決戦が実現するかは僕にはわからないが、とりあえず言えるのは両者ともにやることは一つしか残っていないということ。
 
2021年11月のテレンス・クロフォードvsショーン・ポーター戦でトップランクとPBCが雪解けを果たしたのならなおさらである。
 
クロフォードvsポーター感想。クロフォードはカッコよくカウンターで倒したかったんだろな。ポーターの凄まじい方向転換に苦労
 
去年の夏くらいまではウェルター級戦線にだいぶ冷めていたのだが、クロフォードがポーターを撃破→スペンスの3団体統一によって僕のテンションもようやく上がりそうな雰囲気を醸している(何様?)。
 
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