映画「サウスポー」感想。リアリティじゃない。アクションは迫力と臨場感。ロッキーシリーズの秀逸さに改めて気づかされる。まさかのあだち充方式かよw
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映画「サウスポー」を観た。
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「サウスポー」(2015年)
ビリー・ホープは現在43戦無敗のボクシング世界ライトヘビー級チャンピオン。
彼の強さの根源は“怒り”であり、相手に打たれた怒りを爆発させての逆転勝利を持ち味としていた。
ディフェンスなどは二の次、三の次で壮絶な殴り合いを展開する彼の試合は毎回大盛り上がり。ダメージも大きいが、その分絶大な人気と名声を得ていた。
だが、妻であるモーリーンは心配が絶えない。
被弾を恐れないホープのスタイルでは、近いうちに身体が壊れてしまうのではないか。
後遺症が残ってからでは遅い。娘レイラが成長したとき、まともに会話もできない状態ではあまりに辛すぎる。
愛する夫のため、幼い娘レイラのため、そして自分のためにも。彼女はホープにしばらくリングから離れるよう進言するのだった。
そんなある日、ホープのもとに演説の依頼が舞い込む。
ホープもモーリーンも両親はなく、もともと養護施設の出身。その養護施設で自らの境遇や生い立ち、成功までのストーリーを資産家たちに聞かせ、施設への寄付をお願いする演説である。
苦手な演説を何とかこなしたホープだったが、その帰り道にライバルであるミゲル・エスコバルが彼の前に姿を現す。
ミゲルは実力のある若手で、ことあるごとにホープを挑発してくる血の気の多い男。
この日も盛んにホープを挑発するが、妻のモーリーンは彼の言葉を無視するようホープに強く訴える。
だが、ミゲルが「妻を抱いてやる」と口走ったところでホープの堪忍袋の緒が切れ、とうとうミゲルに殴りかかってしまう。
現場は大乱闘となり、収拾がつかない状態に。
中には勢い余って発砲する者まで現れ……。
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以前から興味があった「サウスポー」を観たぞ。理由? ジャケットデザインがエロいから()
以前から興味があった映画「サウスポー」。
ここ最近、微妙に忙しくて映画を観る機会が減っていたのだが、何とか時間を捻出して視聴を終えた次第である。
ちなみに僕はこの「サウスポー」という映画についてはいっさい知識がない。ボクシングを題材にした映画ということは知っていたが、それ以外は完全に白紙状態である。
だったらなぜ興味があったのか。
忙しい中でなぜわざわざ時間を捻出する気になったのか。
理由はめちゃくちゃはっきりしていて、「ジャケットデザインがエロいから」。
主人公ビリー・ホープ役のジェイク・ギレンホールと妻のモーリーン役のレイチェル・マクアダムスが額をくっつけて何かを囁きあうデザイン。
【#予告編】世界に衝撃を与えた「#トレーニングデイ」「#イコライザー」の #アントワーン・フークア 監督が、今度は感動で世界を揺るがす「#サウスポー」 #ジェイク・ギレンホール https://t.co/MJ8vm24BHY pic.twitter.com/S93nek11nu
— 映画『サウスポー』 (@southpaw_movie) August 28, 2020
恐らく試合前の控室をモーリーンが訪れたシーンだと思うのだが、いろいろ想像させるものがある。
その他、リング上で2人が抱きしめあう別バージョンもある。
【#予告編】心掴むこの1本。「#サウスポー」6/3(金)感動のロードショー! #ジェイク・ギレンホール #レイチェル・マクアダムス #フォレスト・ウィテカー #アントワーン・フークア https://t.co/MJ8vm24BHY pic.twitter.com/svgqC7YMnm
— 映画『サウスポー』 (@southpaw_movie) September 2, 2020
控室の方はモーリーンが迫っているように見えるが、リング上のヤツはホープから行っている感じ。
おいおい、そういうことなのか?(どういうこと?)
ボクシングを題材にしてはいるが、むしろそっち側がメインなのか?(どっち?)
などなど。
そんなはずはないと思いつつ、無駄に下心を刺激される。それが僕が今作に手を出した一番の要因である。
だってアレじゃん。
ジャケットデザインってめちゃくちゃ大事じゃないっスか。
いろいろな意味で()
映画「ザ・ファイター」感想。ミッキー・ウォードと天才系クズ兄貴の爆笑ダークコメディ。注)アルツロ・ガッティは出てこないよ
感想は「まあまあ」でしたね。80~85点を狙うには鉄板の内容。驚きはないが、大コケもない
とまあ、かなり邪なメンタルで今作を視聴したわけだが、率直な感想としては「まあまあ」。
僕が期待していた(?)チョメチョメな描写はなく(レイチェル・マクアダムスはこれまでにないくらいケバかったけど)、基本的には王道中の王道の復活話。
絶頂を極めていたボクシングの王者が突然愛する妻を失い、失意のどん底に落ちる。
あまりのショックに自堕落な生活を送ったおかげで財産も底をつき、自殺未遂を起こして一人娘にも愛想をつかされてしまう。
妻への強烈な依存と自らの無力さを思い知ると同時に、自分にはボクシングしかないことに気づかされる。
そして、かつての名トレーナー、ティック・ウィルスのもとを訪れ、原点からの再起を誓う流れ。
おおよその結末は読めるし、キーとなるキャラクターも序盤で大体わかる。
敵役をとことん嫌味なヤツに設定して主人公の辛い境遇を強調し、クライマックスの盛り上がりをより大きなものに。
ありがちな復活劇ではあるが、その分鉄板のパティーンでもある。
もう1から10までそのまんま。
これをやっておけば大コケはない。100点満点とまではいかないが、80~85点を狙うポイントだけはガッチリ抑えた作品。
まさしく「まあまあ」という感想がピッタリの映画だった。
「迷子になった拳」感想。格闘技をやってて「健康ガー、安全ガー」ばっかり連呼してんじゃねえよってね。今回は“当たり”のドキュメンタリーを引いたな
妻モーリーンの退場にはオドレエタ。あんなに魅力的なキャラを序盤でポイ捨て? まさかのあだち充方式か
一つ意外な点を挙げるなら、妻モーリーンが早い段階で退場してしまったこと。
申し上げたように今作は無敗のボクシング王者ビリー・ホープが失意のどん底から復活する話。
壮絶な打ち合いで観客を熱狂させる半面、ディフェンスを軽視したファイトスタイルは身体を蝕む危険も伴う。ダメージによる後遺症を心配する妻モーリーンが試合後、ホープにリングから離れるように説得するのだが……。
正直、僕はあそこからホープの身体がぶっ壊れていく流れを想像していた。
朝起きた際に鼻血が止まらない描写があったと思うが、そこから徐々に私生活に支障をきたす感じで。
物忘れが多くなったり、呂律が回らなくなったり。何もないところで躓いたり、これまで避けられていたパンチに反応できなくなったり。
壊れていく自分を受け入れられず、妻や娘に当たり散らすホープ。
その結果、幸せだった家族の絆にひびが入り……。
みたいな展開を予想していたのだが。
え? そっち?
妻を退場させちゃうの?
それもこんなにあっさり?
クソほどケバいが、愛情は深く夫に一途でしっかり者な妻。
短気で血の気の多い性格だが、家族への愛は人一倍強い夫。
お互いに依存しあう2人の関係に亀裂が入り、家族の心はバラバラになる。
そこからどう立ち直るのかが今作の最大の見どころだと思っていたところ……。
まさかのあだち充方式とは。
主人公にもっとも近い場所にいるキャラクターを早い段階で退場させ、主人公に喪失感を味わわせるパティーン。しかも今作ではお互いがお互いに依存する関係だったこともあり、自分の分身とも言える存在を失ったホープの失意は計り知れない。
歴代クソヒロインランキング完結編。結局第1位はアイツしかいないんだよな。過去、もっとも僕を悶絶させたクソヒロインは誰?
やり方としてはめちゃくちゃ効果的なのは理解できる。理解できるが、ちょっとやり過ぎじゃないの?
モーリーンのキャラクターが魅力に溢れていた分、あそこでの退場は個人的にかなり尾を引いた。
まあ、パンチドランカーになった選手をそこからどう復活させるのか? と考えると、あの流れにするのが正解なのかもしれないが。
ボクシングシーンはしょっぱかったなぁ。虚構と誇張の中にこそ、スクリーンにおけるリアルがある
また不満な点としては、ボクシングの試合シーンがとにかくしょっぱかったこと。
ホープ役のジェイク・ギレンホールは約6か月間の肉体改造を経て撮影に臨んだらしいが、確かに筋骨隆々の身体つきからは努力の跡が見てとれる。
また、実際のボクシングシーンもそこそこ評判がいいとのことで、もしかしたら僕のような意見は少数派なのかもしれない。
ただまあ、違うんすよね。
うまく言えないんですけど、な~んか違う。
僕自身、スポーツ映画の試合シーンに対して野暮なことを言う人間ではない。フォームがどうとか、動きが何だとあれこれ言うのは心底しょーもないと思っている。
実際の試合での強度、レベルに即していなかろうが関係ない。大切なのはあくまでストーリーで、技術どうこうは気にならない。出演陣の努力や演出側の工夫が感じられればごく普通に受け入れられる。
ボクシングを題材にした映画で言えば、ヒュー・ジャックマン主演の「リアル・スティール」はかなりよかった。
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見る人が見ればヒュー・ジャックマンのフォームには突っ込みどころが多いようだが、そんなタルいことを言って作品を楽しめないのはあまりにもったいない。
それを踏まえた上で、今作のボクシングシーンの物足りなさは無視できないものがある。
う~ん……。
何なんだろうな、この惹きつけられない感じ。
別にボクシングが上手いとか下手とかではなく、単に魅力を感じない。
要するに、スクリーン映えするかどうかなのだと思うが、それはボクシングの実力とはあまり関係ないのだろうと。
殺陣が上手い俳優が実戦で強いわけではないように、“スクリーンを通して魅せる技術”というものは確実に存在する。
そう考えると、「ロッキー」シリーズや「クリード」シリーズの秀逸さに改めて気づかされる。
予告映像だけでもゾクゾクするし、久しぶりにこれを観た僕はすでに「クリード3」の公開が待ち遠しいww
演者側の実力、カメラワークを始めとした演出側の工夫その他。
素人の僕にはまったくわからないが、いわゆる迫力と臨場感を伴う“リアリティ”というのは虚構と誇張の中で生まれるものなのかもしれない。
映画「クリード 炎の宿敵」感想。リングでは俺はひとりじゃない。ここまで綺麗に次世代に引き継がれた名作が今までにあったか?
なお、ホープがジムで練習している最中、唐突に声をかけられた選手がビクター・オルティスだったのには軽く意表を突かれた。
しかも、ボクシングシーンでは1人だけダントツにレベルが違うという。
本人役で出演したロイ・ジョーンズもそうだが、現役選手や往年の名選手が出演するのも今作のようなボクシング映画の醍醐味と言える。
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