映画「スラムダンク」が二部作でなければならない理由。まさか豊玉戦を端折るつもりじゃねえだろうなw
- 2021.01.10
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2021年1月7日、漫画家の井上雄彦氏が自身のTwitterで下記を発表した。
【スラムダンク】
映画になります!#slamdunkmovie pic.twitter.com/jWqvCnASxj
— 井上雄彦 Inoue Takehiko (@inouetake) January 7, 2021
「スラムダンク」
1990年10月から週刊少年ジャンプで連載がスタート。単行本は31巻まで発売され、シリーズ累計発行部数1億2000万部以上を記録している。
また本作の人気に伴いバスケ人気に火がつき、小、中学生を中心にバスケ人口が20万人以上増加したとのこと。
さらに1993年10月からは同作のテレビアニメも放送され、レギュラー放送101話、劇場版4本とこちらも絶大な人気を誇っている。
連載開始から30周年イヤーを迎えて発表された「スラムダンク」の映画化。
内容は未定だが、ファンの間ではアニメでは描かれなかった山王工業戦を含む全国大会編を期待する声が多い。
スラムダンクの映画化だと…?! そうか、あの頃のアイツがようやく帰ってくるのか
井上雄彦氏が自身のTwitterで発表した「スラムダンク」の映画化。
この突然の報に多くの方が色めきだち、早くも内容に期待する声が各所から挙がっている。
中には「鬼滅の刃を超える可能性すらある」との声も聞こえるほど。
アニメ版では描かれなかった山王工業戦を映像化するのか。それとも完全オリジナルストーリーとなるのか。連載終了から25年が過ぎた今も大勢のファンに支持される作品だけに、おのずと期待も大きくなるわけだが……。
僕自身もスラムダンクは好きな作品の一つで、コミックスも何度も読んだしアニメも視聴済みである(全部じゃないけど。リアルタイムでもないけど)。
当然今回の井上氏の発表には驚いた人間で、映画化自体はめちゃくちゃ嬉しい。
それこそ「ターミネーター」や「バッドボーイズ」の続編が発表されたときのワクワクに近い感覚。「あの頃のアイツがようやく帰ってくるぜ」的なノリで続報を待っている次第である。
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意外と難しいと思うんだよな。20年以上の空白を埋めるのは困難。続編をやるなら特に
とは言え、実際にはなかなか難しいとも思っている。
申し上げたようにスラムダンクは連載終了から約25年。アニメが終了した1996年3月からもすでに24年近くが経過している。
主要キャラクターを担当した声優陣もそれだけ年齢を重ねており、当時のメンバーをそのまま起用するのは厳しいのではないか。
また全国大会のパートを描くとなると、扱いとしては当然「アニメ版の続編」という位置付けになる。ところがアニメ終了から20年以上が経過している手前、当時の流れをそのまま継続するのはちょっと無理がある(と思う)。
アニメ版をさらっと振り返ってみたところ、主人公の桜木花道が顧問の安西先生とマンツーマンで2万本のシュート練習を敢行したところで終了している。
つまり「ミドルレンジのシュートがまともに打てなかった花道が全国大会で練習の成果を見せる」件をやるには、アニメ版のシュート練習の部分を把握していることが絶対条件となる。
確か花道がミドルレンジのシュートを入れたのを見た海南大附属高校のメンバーが口を開けて驚くシーンがあったと記憶しているが、ああいう場面も花道のシュート練習を知らない人にとっては“ポカン”である。
かと言って、あのシュート練習のパートをダイジェストだけで済ますのはどうなのよ? という気もする。春子さんや洋平を始めとした桜木軍団の協力を含め、全国大会を語る上では外せないシーンである。
前提となる知識のあるオールドファンにターゲットを絞るのか。
それとも多くの世代、性別問わず誰が観ても楽しめるようにオリジナル要素を強めるのか。
「鬼滅の刃を超えるかも」という声が聞こえてきたと申し上げたが、はっきり言ってそれは難しい。
鬼滅の刃は連載終了のタイミングで映画が公開された上に、アニメ終了との間隔も短かった。余韻が冷めないうちに劇場版を畳み掛けたおかげで空前の大ヒットを生み出すことができたが、20年以上空白のあるスラムダンクにはそれがない。
鬼滅の刃のように老若男女誰もが「全集中!!」するほどの社会現象が起きるとは思えないのが正直なところである。
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全国大会編を描くとしたら絶対に二部作にするべき。まさか豊玉高校編を端折る気じゃないだろうな?
表題の通りなのだが、仮に全国大会編を描くのであれば絶対に二部作にするべきである。
これはTwitterのフォロワーさんもおっしゃっていたのだが、「全国大会編」とひと言で言っても一回戦の豊玉戦、二回戦の山王工業戦の2試合がある。
そして、どちらの試合もカットするには惜しいほどのドラマが詰まっている。
しかも僕はどちらかと言えば豊玉戦の方が好きで、あの試合をすべて端折る、もしくはダイジェストで済ませるなどあってはならない。
映画スラムダンクは「ヤマオーは俺が倒す」からの花道流川ハイタッチで終われば最高だけど、その場合豊玉戦はどうなるんだろな。
花道「2万でいいのか?」
↓
南「お前がエースや」
↓
流川「何百万本も打ってきたシュートだ」
とか、結構好きなんだよな。ダイジェストで済ますには惜しいくらいに。
— 俺に出版とかマジ無理じゃね? (@Info_Frentopia) January 9, 2021
そんな暴挙に出るくらいなら、むしろ完全オリジナルストーリーで“広く浅く”いってくれた方がはるかにいい。
・パチンコ店に並んでいた桜木軍団と牧、野猿(のざる)が遭遇→花道が全国大会を視察へ
・宮城リョータ「明日帰るんだろ?」からのラン&ガン失敗
・エースキラー南「お前がエースや」からのナガレカワへの頭突き
・流川「体が覚えてらっ」「何百万本もうってきたシュートだ」
・岸本「すっこんどれやおっさん」「お前に言われたないんじゃ黙っとれ!!」
・おっさんブチ切れ→「オレはお前らが憎くてしょうがないんだよ」
・北野さん「とりあえず楽しそうにやっとるわ」
・エースキラー南「あきらめるのは早い」「勝ったほうが100倍楽しいもんな」
・花道「勝った」宮城「もらった」三井「誰だウチをCランクなんて書きやがったのは!!」
・ゴリ「いいか!! 一瞬たりとも油断するな!!!」
湘北高校と豊玉高校のヤンチャ同士のゴタゴタ。
全国大会でも実力を証明した流川と赤木。
前任者を真っ向否定して選手の反発を買う若き指導者。
ラン&ガンの呪縛に縛られ「バスケを楽しむ」ことを忘れていた南たち。
赤木の一喝で目を覚まし、再び集中力を取り戻した湘北の面々。
大会前のエピソードから相手チームの内紛、結束まで。
これだけで2時間の映画ができるくらいの濃さ、感動があり、なおかつそれなりにコンパクトにまとまっているという。
マジな話、ここまで内容の充実した豊玉戦をスキップして山王工業戦に飛ぶなど、普通に考えてあり得ない。仮に全国大会編を描くのであれば、どう考えても二部作にするべきである。
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山王工業戦が神格化され過ぎている件。ラストのハイタッチでオールOKにされてるけど、案外間延びしてたぞ
さらに言うと、僕自身、山王工業戦をそこまで出来がいいとは思っていない。
この試合は花道が背中の負傷をおして出場を続け、終了間際に流川が花道にパスを出して決勝ゴール→2人がハイタッチという劇的な流れであるとともに、最終戦ということもあってメンバーそれぞれにエピソードが用意されている。
宮城リョータ「ドリブルこそチビの生きる道なんだよ!!」
三井寿「おう、オレは三井。あきらめの悪い男…」
三井寿「静かにしろい。この音が……オレを蘇らせる。何度でもよ」
木暮公延「2年間も待たせやがって……」
赤木剛憲「晴子……。お前が見つけてきた変な男は湘北に必要な男になったぞ……」
赤木剛憲「まだ何かを成し遂げたわけじゃない。なぜこんなことを思い出してる。バカめ」
流川楓「北沢? 沢北じゃねーか…どあほう!!」
流川楓「おめーのヘマはもともと計算に入れてる」
流川楓「出るなら出ろ」
桜木花道「このオレをパワーだけの男だと……?」
桜木花道「ヤマオーはオレが倒す!!」
桜木花道「大好きです。今度は嘘じゃないっす」
桜木花道「オレは今なんだよ」
桜木花道「左手はそえるだけ…」
その他、開始直後の花道と宮城リョータによるアリウープや試合前の安西先生の声かけ、河田弟と花道のマッチアップ、河田に力の差を見せつけられた赤木に魚住が発破をかけるシーンや、花道「まだいけるだろゴリ」からの赤木「ああ、まだいけるぞ」などなど。
パッと思いつくだけでもこれだけの名言とエピソード。
集大成の試合らしく盛りだくさんの内容であると同時に、ちょっと詰め込み過ぎでもある。
正直、1試合にこれだけのネタをねじ込むのはやり過ぎだし、改めて読み返しても間延び感が尋常じゃない。
割と冗談抜きで、スラムダンクにおける山王工業戦はそこまで突出した出来だとは思わない。花道の「オヤジの栄光時代はいつだよ」「オレは今なんだよ」と、ラストの花道と流川のハイタッチで神格化されてはいるが。
それに比べて上述の豊玉戦のコンパクトさ、ドラマチックさである。
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仮に山王工業戦を映画のメインに据えるのであれば、どのエピソードを削るかによって賛否が大きく分かれることは間違いない。
そして、どこを削ったとしても必ずオールドファンからは不満が出る。
繰り返しになるが、全国大会編を新たに映画化するのは相当難しいように思える。
今のアニメのクオリティでスラムダンクをどう表現するかには興味がある。2000年代後半あたりでアニメが作画を超えた
ただまあ、完全オリジナルでいくにせよ、続編を作るにせよ、今のクオリティでスラムダンクをどう表現するかには非常に興味がある。
1990年代前半はアニメ技術がそこまで発達しておらず、作者の画力にアニメーションが追いつかずにガッカリさせられることも多かった。
特にスラムダンクのようなスポーツ漫画は作画の迫力が重要で、当時のアニメのカクカクした動きには「お、おう…」となってしまう。
逆に2010年代後半以降は技術が飛躍的に進化し、目を奪われるようなシーンに遭遇することもしょっちゅう。
それこそアニメに感化されて原作を読んでみたところ、いまいち迫力が足りずに「あれ?」となることすらも……。
僕は2021年1月14日からスタートする「Dr.STONE」の新シリーズを楽しみにしているのだが、ここまでの表現力は当時のアニメにはなかったもの。
アニメ「Dr.STONE」とかいう少年ジャンプ版美味しんぼ。一つの分野に特化した造詣の深さにタイムスリップを織り交ぜた壮大な科学少年物語
何となくのイメージだが、原作の画力とアニメの表現力が逆転したのは2000年代前半、「銀魂」あたりがターニングポイントになっている気がする。
そう考えると、アニメ「はじめの一歩」はめちゃくちゃがんばっていたんだなぁと。
初のアニメ化が2000年、しかも深夜放送。恐らく予算も限られていたはずで、その中であれだけ完成度の高いアニメをよく作ったと思う。
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