アニメ「Dr.STONE」とかいう少年ジャンプ版美味しんぼ。一つの分野に特化した造詣の深さにタイムスリップを織り交ぜた壮大な科学少年物語【感想】

アニメ「Dr.STONE」とかいう少年ジャンプ版美味しんぼ。一つの分野に特化した造詣の深さにタイムスリップを織り交ぜた壮大な科学少年物語【感想】

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アニメ「Dr.STONE」を観た。
 
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「Dr.STONE」(2019年7月~12月)
 
同級生の小川杠に5年間に渡って思いを寄せていた大木大樹は、親友の石神千空の激励を受けて杠に告白することを決意する。
 
そして杠を学校の校庭に呼び出し、思いを告げようとしたその時……。
突如として閃光が走り、空が眩しい光に覆われる。
 
地球全体を包み込んだ謎の光は、全人類を一斉に石化してしまったのである。
 
 
石化し身動きが取れなくなった大樹だが、深い意識の底で杠への思いを胸に抱えたまま長い年月を耐え続けていた。
 
そんなある日、突然石化からの復活を果たした大樹。
だが、目の前にあったのは木々が生い茂り野生動物が行き来する世界。彼の知る場所とはまったく異なる景色がそこには広がっていた。
 
状況がつかめず混乱する大樹だったが、杠への思いだけは忘れておらず、彼女を探すために力強く足を踏み出す。
と、その時。大樹の目覚めを待っていたかのように、かつての親友・石神千空が姿を現すのだった。
 
千空が言うには、ここは約3700年後の地球。例の光によって全人類は石化し、地上にいるのは千空と大樹の2人だけだという。
その事実に大樹は驚愕するが、再びこの世界に文明を蘇らせるという千空の決意を聞き、自分も協力することを誓うのだった。
 
 
だが次の瞬間、野生化したライオンの群れが彼らを取り囲み……。
 
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おもしれえな「Dr.STONE」。世間では「鬼滅の刃」一色だけど、僕はこっち派だね()

週刊少年ジャンプで2017年から連載中の「Dr.STONE」。
例によって僕はこの作品をまったく知らなかったのだが、たまたまAmazonの配信で見つけて視聴してみた次第である。
 
手を出した理由としては、
・ちょうど見放題だったこと
・絵柄が割と好みだったこと
の2つ。
 
ストーリーも世間での認知度もいっさい知らず、完全に知識ゼロの状態で視聴したところ……。
 
やべえww
おもしれえぞコレ。

 
観始めたら最後、沼に溺れてちっとも戻ってこられないw
全24話、「やめられない止まらない」ままあっという間の完走。大きな充足と第2期への期待、数日間の寝不足という何とも言えない爽快感に浸っている。
 
ほほう、やるな「Dr.STONE」。
現在、世間では「鬼滅の刃」の話題で持ちきりだが、今の僕は断然「Dr.STONE」派(派とか知らねえけどw)。ボーっと観始めたアニメではあったが、予想外のヒット(自分の中での)にいい意味で驚いている。
 
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基本はこれまでにもあったタイムスリップもの。でも、設定や登場人物のぶっ飛び具合に慣れるまでには時間がかかる?

表題の通りなのだが、今作「Dr.STONE」は基本的にはタイムスリップものである。
主人公が突如として別世界(過去or未来)に飛ばされ、その世界の文化と調和しながら自分の持てる知識を総動員して活躍する。
 
似た系統としては、テレビドラマにもなった「JIN―仁―」「信長協奏曲」や阿部寛主演で映画化された「テルマエ・ロマエ」などが思い浮かぶ。
 
かなり古い作品だが、ズッコケ三人組シリーズの「驚異のズッコケ大時震」もそれに近い。

 
中でも主人公が専門知識を駆使して近しい人物を救ったり、人々の生活を豊かにしたりという流れを鑑みると、最も近いのは「JIN―仁―」かなぁという気がする。
 
また、主人公の悲壮感のなさやあっけらかんとした前向きさ、適度なギャグ要素などはマット・デイモン主演の「オデッセイ」(2016年)とも雰囲気が似ている。

 
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ただ、今作がこれらのタイムスリップものと一線を画す要素として、 よくも悪くも物語のスケールが壮大過ぎるというのがある( と思う)。
 
・全人類が唐突に石化
・3700年後に復活
・そこは文明が滅んだ原始の世界
 
しかも、最初の登場人物は
・小学生時代に無人の宇宙機打ち上げに成功するほどの科学知識を持った16歳
・素手でライオンの群れを倒す戦闘力を有する“霊長類最強の男子高校生”
・その“霊長類最強の男子高校生”の蹴りをまともに受けてもピンピンしているタフネス16歳
の3人。
 
あまりにぶっ飛んだ設定に加え、チート過ぎる主要人物のおかげでなかなか物語に入っていけないのである。
おもしろさを感じる前に設定やキャラクターに慣れる必要があり、僕はそれに5話を費やしてしまった。
 
 
「JIN―仁―」は医者が江戸時代に飛ばされる話。
「信長協奏曲」は普通の高校生が戦国時代に飛ばされる話。
「テルマエ・ロマエ」は古代ローマからやってきた王族の話。
「オデッセイ」は火星に取り残された科学者の話。
 
どの主人公の職業もそれなりに見聞きして知っている範疇であり、飛ばされる先も義務教育で習う程度にはなじみのある場所。設定自体は荒唐無稽だが、落ち着いて振り返ればそこまで置いてきぼりを食うこともない。
 
それに比べて、今作「Dr.STONE」の容赦のなさと言ったら……。
3700年間意識を保ったまま秒数を数え続ける主人公に、野生のライオンをワンパンKOするライバル?
で、そのどちらも現役の高校生?
頭脳vs腕力、アダムとイブ的な創始者バトルにしてもあまりにぶっ飛び過ぎだろと。
 
恐らくこの設定に拒絶感を覚えて離脱する人は多いだろうし、少なくともパンピー代表の小川杠が復活する第3話までは我慢する必要がある。
 

起承転結の「承」からがおもしろい。特定の分野における作者の造詣の深さは「美味しんぼ」にも劣らない

ただ、その段階を抜けて「Dr.STONE」の世界に慣れてくると、途端に今作の世界に引き込まれていく。
 
申し上げたように僕は今作の設定に慣れるまでに5話を費やしたわけだが、そこはちょうど千空と大樹&杠が別行動に移る手前の回。起承転結で言えば「承」に当たる。
 
6話で千空が大樹、杠と別れてコハクと出会い、7話から石神村での科学王国建設パートがスタートするのだが、今作の本題はまさにここからと言っても過言ではない。
 
と同時に、作者の豊富な科学知識が全面的に発揮される展開がスタートする。何もないところから電気を起こしたり、抗生物質を作り上げたり。最終24話ではついに携帯電話を完成させてしまったり。
 
最初にデカい目標をぶち上げ、問題を乗り越えるたびに仲間、理解者を増やして強大な敵に立ち向かうべく一致団結する。目標へ一歩ずつ近づく過程での苦労や努力を視聴者に見せる手法である。
 
また、自作の電球で村に明かりを灯したり、クリスマスに合わせてツリーに電飾を施したり。クールぶってはいるが、科学への探求心や情熱、仲間への情の厚さを内に秘めた主人公の性格も嫌いじゃない。
 
「友情・努力・勝利」という少年ジャンプの三大原則を見事に網羅しつつ、一つの分野に特化した造詣の深さは「美味しんぼ」に勝るとも劣らない。
大げさかもしれないが、申し上げたように今作は過去のタイムスリップものとは一線を画すハイレベルな作品と言える(気がする)。
 
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2021年1月スタートのアニメ第2期ではいよいよ司帝国との全面対決が始まるとのことだが、はっきり言って今からワクワクが止まらないww
 

最重要キャラクターは浅霧幻。ぶっ飛んだ設定、登場人物の中で唯一の常識人。なぜ職業メンタリストなのかは知らん

そして、僕が今作の盛り上げにもっとも寄与していると思っているのがメンタリストの浅霧幻である。
 
浅霧幻はもともと司帝国からの刺客だったが、千空の科学力に魅せられ科学王国に寝返る人物。司帝国と科学王国、どちらについた方が有利かの損得勘定で行動するコウモリ男だが、最終的には千空の人物像や知識、周囲の人間の熱さ、誠実さに影響されて司帝国を裏切ることに。
 
この浅霧幻、飄々とした軽薄なキャラクターばかりがフォーカスされているが、実際にはかなり重要な役どころである。
 
申し上げたように今作の主人公・石神千空は3700年の間、意識を失わずに秒数を数え続け、最終的には原始の時代に携帯電話を誕生させてしまうスーパー高校生。
一方、彼の周囲には科学の「か」の字も知らず、千空が“3700年前からよみがえった旧時代の人間”というとんでも話をあっさり信じるような純粋な人物ばかり。
 
浅霧幻はこの両極端な双方の橋渡しとなり、“現代の人間代表”としての平均的な視点を持つ。
 
「携帯電話を作る」と声高に宣言する千空に「そんなのできるわけない」と言ったり、村の反乱分子に単なる手品を妖術だと思い込ませたり。
 
いわゆる視聴者代表というか、我々パンピーに最も近い立ち位置から千空の科学力に驚き、同じ目線で感動する。
 
なぜ職業をメンタリストにしたのかは定かではないが、ぶっ飛んだ設定やキャラクターが盛りだくさんの今作において浅霧幻の存在は数少ない安心感。浮世離れしたストーリーを現世に繋ぎとめるための重要なキャラクターと言える。
 
 
てか、僕はやっぱりこういうキャラが好きなんですよね。
作品全体を俯瞰する進行役とか、ぶっ飛んだ設定をパンピー目線で評価するバランサー的なヤツ。
 
「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」における安城鳴子もそんな感じだったけど。
 
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何だかんだで普通が一番尊いでしょ? ってことでね(違
 
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