最強PFPロイ・ジョーンズのベストバウト。悶絶ボディKOのヴァージル・ヒル戦は候補の一つだと思うの。衰えてから14年も現役にしがみついた姿も人間味があっていい

最強PFPロイ・ジョーンズのベストバウト。悶絶ボディKOのヴァージル・ヒル戦は候補の一つだと思うの。衰えてから14年も現役にしがみついた姿も人間味があっていい

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先日「THE ANSWER」のサイトに下記の記事が掲載された。
 
「PFP最強も納得! 4階級王者の悶絶ボディーKOに戦慄再び「猛烈」「冷酷なパンチだ」」
 
1998年4月に米・ミシシッピ州で行われたWBC世界L・ヘビー級王者ロイ・ジョーンズJr.vsヴァージル・ヒルの一戦。
4Rにジョーンズが右ボディ1発でヒルを悶絶KOに下した試合なのだが、記事によるとそのKOシーンが1998年のノックアウト・オブ・ザ・イヤーに選ばれたとか。


僕は全盛期のロイ・ジョーンズJr.はワシル・ロマチェンコに並ぶオールタイムベストの筆頭候補だと思っているのだが、中でもこのヴァージル・ヒル戦はジョーンズのベストバウトの一つと言えるのではないか。
 
 
1994年11月のジェームズ・トニー戦での挑発パフォーマンス→右フックでダウン、2002年2月のグレン・ケリー戦での両手を後ろに回してユラユラ→右フックでKO、2003年3月のジョン・ルイス戦での右カウンター一閃。
などなど。
 
ハイライトを挙げればキリがないが、このヴァージル・ヒル戦で見せた4Rの右ボディも文句なしの名シーン。僕自身もこれまで何度観たかわからないほど、KO集などには必ず登場する。
 
 
そして今回この記事を読み、久しぶりにロイ・ジョーンズJr.vsヴァージル・ヒル戦を観てみた次第である。
 
 
まあ、基本的にTHE ANSWER自体はあんまり好きじゃないんですけどね。
毎回ものすげえ小さい話を5兆倍くらいに膨らませて、「これが世界の総意!!」とでも言わんばかりの勢いでぶっこんでくるんでね。
 
いや、あなた。
その超解像の顕微鏡、どこから持ってきたのよ? みたいなww
 
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ロイ・ジョーンズvsヴァージル・ヒル戦、やっぱりおもしろい。全盛期のジョーンズ強過ぎワロタw

申し上げた通り久しぶりに1994年11月のロイ・ジョーンズJr.vsヴァージル・ヒル戦を観たわけだが、やっぱりおもしろい
 
1998年と言えばロイ・ジョーンズvsモンテル・グリフィンの再戦が行われた翌年。1996年11月にL・ヘビー級の初戴冠を果たしているので、この階級に完全に適応した時期とも言える。
無双し過ぎて遊びまくっていた2000年代と違い、それなりに真剣? なジョーンズの姿が観られるのも特徴の一つである。
 
 
そして、とにかくロイ・ジョーンズがめちゃくちゃ強い。
 
前後にステップしながら身体を伸ばしてボディを打ち込むヒルに対し、遠い位置で高く腕を掲げて待ち構えるジョーンズ。
 
リング上で対峙した両者の体格差は明らかで、パッと見ではヒルの方が2階級ほど上の選手に思えるくらい。
だが、ジョーンズは踏み込みの鋭さ、瞬間のスピードでヒルとのサイズ差をあっさり超えていく。
 
遠い位置からの左をパリングで弾き、ボディへのパンチはバックステップでよける。と同時に右をカウンターで被せる。
自ら攻める際には動き出しの硬直を狙い、ヒルの頭が下がった瞬間にショートの右をヒットしサッと離れる。
 
 
2R後半、ヒルの動きを見切って以降はさらにすごい。
 
踏み込みの瞬間、身体を斜めに傾けて左ボディ。
遠い位置から左リードに合わせてカウンターのワンツーをヒット。
相手が怯んだところに再びショートの左。
 
打っては離れ、離れた位置から突然打ち込み、また離れる。
反撃姿勢が整ったときにはすでに目の前にはいない。
 
何とか正面からの打ち合いに巻き込みたいヴァージル・ヒルだが、根本的なスピード差があり過ぎてまったくついていけない。
 
体格差があろうがなかろうがパンチが当たらなければ意味はないし、無造作に出したワンツーにすら反応できない状態ではどうしようもない。
 
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3R中盤から調子に乗ったジョーンズがパフォーマンスを始めるのだが、まあアレはしゃーない。
あれだけ力量差があれば嫌でもリラックスするだろうし、のちのちヘビー級挑戦以外にやることがなくなるのもわかる気がする。
 
そもそも“退屈しのぎにクルーザー級をすっ飛ばしてヘビー級進出”という字面が異次元過ぎて意味不明なのだがww
 

逝ってよし。なぜなら飽きたから。2団体統一王者を散々おもちゃにしてポイ捨てする

結局この試合は4R55秒の右ボディ1発でジョーンズがヒルを悶絶KOに沈めるわけだが、そこに至るまでの過程がまた……。
 
ラウンド開始直後から足を使い、左に回りながらリードを放っていくヒル。
遠い位置から身体を沈めて左ボディを打ち込み、ジョーンズのカウンターがくる前にサッと距離をとる。
 
中間距離での差し合いでは敵わないことはこれまでの3Rでわかった。
なので、まともに打ち合っていては勝機は生まれない。なるべく正面に立たず、角度を変えながら左をヒットする作戦に切り替えた感じ。
 
対するジョーンズはリング中央に陣取り、どっしりと構えて出方をうかがう。
ヒルが入ってきたところに打ち下ろしのカウンターを合わせつつ、一瞬のチャンスに狙いを定める。
 
そして、ロープ際でヒルの足が止まったのを見計らい、顔面へのフェイントを入れてから右をボディにズドン。
 
何と言うか、この狙いすました感じがヤバ過ぎる。
 
恐らくこれがこの試合でジョーンズが放った初めての右ボディ。スピード差を山ほど見せつけられ、顔面にワンツーを被弾し続けたヒルがこのボディに反応するのは不可能だった。
 
 
トーマス・ハーンズやダリウス・ミハエルゾウスキーにも食い下がった元2団体統一王者を散々おもちゃにして、最後は飽きてポイ捨て。
 
戦慄が走るとか、殺気に満ちた佇まい的な恐ろしさとは少し違う。ただただ異次元過ぎて笑いが漏れるすごさがロイ・ジョーンズの試合にはある。
 
「うん、もういいよお前」
「十分遊んで満足したから」
みたいな。
 
何度観てもカッチョいいと思わされる選手である。
 
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全盛期を過ぎてから14年も現役を続けたのもいいよね。「晩節を汚すな」とかうるせえよって

また、2004年5月のアントニオ・ターバー戦での壮絶なTKO負け以降、2018年2月まで現役を続けたのもすばらしいと思う。
 
申し上げたように全盛期のロイ・ジョーンズの無双っぷりは手がつけられないほどで、個人的にはオールタイムベスト筆頭候補だと思っている。
 
 
だが2003年3月のジョン・ルイス戦→2003年11月のアントニオ・ターバー戦Vol.1という短期間の体重増減+加齢により、足腰の衰えが一気に進む。
 
踏み込みのレンジや一瞬の見切りといったアンタッチャブルさはあっという間に錆びつき、早々にトップ戦線から離脱。2004年5月~2005年10月までに3連敗を喫するなど、PFP No.1の輝きは完全に失われてしまった。
 
 
ところが、それでもロイ・ジョーンズはリングに上がり続ける。
フェリックス・トリニダードやジョー・カルザゲ、バーナード・ホプキンスらとの“残されたビッグマッチ”を消化しつつ、IBOやUBO、WBUといった主要4団体以外のタイトルへ積極的に挑戦する。
 
1989年5月のデビューから2003年3月のジョン・ルイス戦までが第一期とするなら、2003年11月~2018年2月までは第二期。全盛期が過ぎて以降、実に14年半にわたってロイ・ジョーンズはリングに上がり続けた計算になる。
 
 
“強過ぎて退屈していた”はずの男が、全盛期を過ぎても勝ったり負けたりしながら現役を続ける。
 
税金滞納のために引退できなかったという話も聞こえてきたが、恐らく理由はそれだけではない。
やりたい放題、言いたい放題だった自分がまさかの負けを経験し、改めてボクシングが大好きなことに気づかされたというか。
 
引退試合となったスコット・シグモン戦では腹はダブつき動きも鈍重で、閃光のようだったかつての姿は見る影もない。だが、瞬間瞬間に見せる煌めきは間違いなくロイ・ジョーンズのそれ。
 
最強のPFPに君臨した全盛期のカッチョよさも、衰えてからの人間味溢れる姿も今となっては両方いい。
 
オールタイム・ベストの幕引き。元PFPロイ・ジョーンズ引退。スコット・シグモンに3-0の判定で有終の美を飾る
 
晩節を汚すな?
潔く引退するべき?
 
うるせえバーカ。
俺には俺のやり方があるんだから放っとけ。
 
そもそもお前に迷惑かけたか?
 
好きなんだから仕方ねえだろ。
金が欲しいだけならおとなしく解説とかプロモーターに専念しとるわ。
 
 
こういうスタンスもスポーツ選手の一つのあり方だよねという話。
 
 
てか、この「晩節を汚すな」って言葉、ホントに嫌いっすわ。
 
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