ロマゴンvsエストラーダ114-114かな。ロマゴンはやっぱりフライまでの選手。軽量級で重量級っぽい試合をするのが井上尚弥【結果・感想】

ロマゴンvsエストラーダ114-114かな。ロマゴンはやっぱりフライまでの選手。軽量級で重量級っぽい試合をするのが井上尚弥【結果・感想】

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2021年3月13日(日本時間14日)、米・テキサス州で行われたWBAスーパー/WBC世界S・フライ級統一戦。WBA同級スーパー王者ローマン・ゴンサレスとWBC同級王者ファン・フランシスコ・エストラーダが対戦し、2-1(117-111、115-113、113-115)の判定でエストラーダが勝利。見事初戦のリベンジを果たすとともに王、座統一に成功した一戦である。
 
 
2012年11月以来、約8年4ヶ月ぶりの再戦となった両者。
開始直後から左リードを中心に積極的に攻めるエストラーダに対し、ガードを上げてじわじわと距離を詰めるロマゴン。
だが、様子見をしているのかなかなか手数が増えず。動きが少ないまま1R終了のゴングが鳴る。
 
2Rに入ると、ロマゴンも徐々にペースアップを図る。
至近距離での回転力を活かした連打でエストラーダを後退させ、試合の主導権を奪いにかかる。
 
一方、ロマゴンの攻勢を真正面から受けて立つエストラーダ。
お互いの得意な距離でパンチが交錯する大激戦の中、中盤以降は一進一退のシーソーゲームが続く。
 
互角の流れで迎えた終盤、ロマゴンがさらにギアを上げるとエストラーダもそれに呼応するように応戦。
11、12Rと両者ともに疲労困憊ながらも最後まで手数を落とさず、そのまま試合終了のゴングが鳴らされる。
 
最終的に2-1のスプリットでエストラーダが勝利を飾ったものの、ロマゴン勝利の声も多数聞かれるとのこと。
また117-111をつけたジャッジに批判が集まるなど、物議を醸す事態も起きている。
 
アンカハスがロドリゲスに判定勝利で9度目の防衛成功。でも井岡一翔なら勝てると思うんだよな。接近戦での精度に差があるような…
 

僕の素人採点では114-114のドロー。いい試合でしたね。買収、陰謀論については…別にいいや

先週末に開催されたマッチルーム興行、メインのローマン・ゴンサレスvsファン・フランシスコ・エストラーダVol.2の視聴をようやく終えたのでその感想を。
 
まず最初に。
今回の試合、僕の素人クソ採点では114-114のドロー
お互い一歩も譲らぬ好試合で、本当にナイスファイトだった。
 
もちろん僕の採点が正しいなどと言う気はないし、ロマゴン勝利の線も十分あり得ると思っている。
 
 
117-110をつけたジャッジには案の定批判が集中し、WBAがそのジャッジに一時資格停止の処分を下したとのこと。
 
例によって「買収」「陰謀」「ビバ・メヒコ」といったフレーズが目についたが、これについてはもはや何かを言う気にすらならない。
そういう目で見るなら別にそれでいいし、僕はなるべく関わらないようにする。
 
119-109ロペス! 118-110カネロ!←これってホントに陰謀? 人種差別なの? あからさま過ぎる気が…。採点方法を変えるなら加点方式だろうな
 
ただ、こういう事態が起きるたびに思うのが、「ジャッジなんて損な仕事をよくやるなぁ」ということ。
 
微妙な判定結果が出るたびにいちいち「差別主義者」呼ばわりされたり、陰謀に加担した悪徳人間のレッテルを貼られたり。
 
ビッグマッチになればなるほどその声も大きくなるわけで、こんな仕打ちに耐えられるほどの報酬を果たして彼らはもらっているのか。もしくはボクシングのジャッジというのは何物にも代えがたい名誉ある仕事なのか。
 
以前にもちょろっと申し上げたが、僕にはとてもそうは思えないのが本音である。
 

この両者は何度対戦してもこういう試合になる。今回は階級をアップした分、エストラーダに軍配が上がった

実際の試合についてだが、率直に申し上げると「まあそうなるよね」
そして、ロマゴンはやはりフライ級までの選手だろうなということ。
 
2012年11月の初戦でもだいたい似たような試合だったわけだが、要するにこの両者は何度対戦してもこういう展開になるのだろうと。
 
で、今回は階級をアップした分、エストラーダに軍配が上がったと言えるのではないか。
 
エストラーダが身長163cm、リーチ168cmなのに対し、ロマゴンは身長160cm、リーチ163cm。
リング中央で向かい合った両者を比べても、エストラーダは明らかにロマゴンよりも一回り大きい。
 
さらにリーチのあるエストラーダは比較的遠い位置からでも左リードが当たるが、ロマゴンが得意の連打を発動するにはかなり近い位置まで距離を詰める必要がある。
わずかな差だとは思うが、サイズのあるエストラーダの方がよりリングを広く使えている印象である。
 
また、ロマゴンのスタイルはひたすら前進しながら連打を浴びせる波状攻撃に特化しているが、エストラーダはサイドへのフットワークやバックステップしながらの強打も可能。
それをボクシングの幅と呼んでいいかは定かではないが、この選手はとにかく器用である。できることの多さは間違いなくロマゴンを上回る(と思う)。
 
僕のスレイマン・シソコ、カネロのアンダーキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!! キーロン・コンウェイとの一戦、急遽決まったっぽいね
 
近場での打ち合い、1発1発の精度に関しては、残念ながらエストラーダはロマゴンには及ばない。
だが、とにかく前に出て腕を振りまくるのみのロマゴンに比べ、エストラーダは局面ごとに押し引きの使い分けができる。
 
L・フライ級での対戦となった初戦は3-0(118-110、116-112、116-112)の判定でロマゴンが押し切ったが、S・フライ級に階級をアップした今回はそうはならず。
エストラーダの押し引きのうまさが一点突破のロマゴンをわずかに上回ったということなのだろうと。
 
初戦に比べてバッティングが目立ったのも、エストラーダがロマゴンの前進を身体を張って止めていた副産物と言えそう。
 
申し上げたように僕の素人採点では114-114のドローだが、パンチの見栄えのよさや1発の威力に関してはやっぱりエストラーダかなぁという気もしている。
 

軽量級の頂点がいかに緻密な攻防を展開しているか。ど迫力の重量級とは別種の魅力がある

しかし今回のような試合を観ると、軽量級の頂点がいかに緻密な攻防を展開しているかがよくわかる。
 
ロマゴンが前に出る瞬間にエストラーダがパッと頭を引いてスペースを作り、それを見たロマゴンが一瞬動きを止める。
そこにスパスパっとワンツーをヒットし、すぐさまガードを上げてサイドに動くエストラーダ。
対するロマゴンもボディ、顔面への連打の最中にスルスルっと角度を変えて側頭部に右をヒットしたり。
 
両者の動きがいちいち細かく、なおかつ距離が近いために注意していないとあっという間に見逃してしまう。
というより、実際には僕にはわからない高度な駆け引きが山ほど行われていると想像する。
 
ああいう至近距離での駆け引き、攻防は重量級の試合では見られないもので、それが軽量級の大きな魅力と言えるのではないか。
 
1発KOの迫力や人外的なパンチ力といった衝撃的なシーンこそ少ないものの、部品を一つずつ積み重ねてコツコツとゴールを目指す、高度なストーリー性が軽量級には存在する(気がする)。
 
出来がいまいちなエストラーダが足の動かないクアドラスを持て余しながらも11RTKO。メキシコシティはボクシングをやる場所じゃないんだろうな
 

軽量級の舞台で重量級のボクシングを展開する井上尚弥。やっぱりロマゴンはフライ級までの選手だし、エストラーダのバンタム級には現実味がない

逆に言うと、軽量級の舞台で重量級のようなボクシングを展開しているのが日本の井上尚弥なのだろうと。
 
これはノニト・ドネアや辰吉丈一郎にも共通しているのだが、彼らのファイトは豪快で誰が観てもおもしろい。野生的な爽快感は軽量級離れしていて、インパクトの大きさはあらゆる選手を単なる“その他大勢”に追いやってしまう。
 
だが、彼らの試合には今回のロマゴンvsエストラーダ戦のような緻密さはない。
2019年11月の井上尚弥vsノニト・ドネア戦は間違いなく後世に語り継がれる激戦だったが、エストラーダの見せた細かさ、駆け引きの妙が感じられたとは言い難い。どちらかと言えば本能や野生といった表現の方がしっくりくる。
 
井上尚弥vsダスマリナスどうかなぁ…。ボワイヨよりも粘れるか。ダスマリナスはいい選手だけど、今回は歴史に名を残すレベルの相手…
 
そう考えると、やはりロマゴンはフライ級までの選手であり、エストラーダのバンタム級進出にはあまり現実味を感じない。
 
またバンタム級の中でただ一人、L・ヘビー級のボクシングをしている井上尚弥はやっぱり規格外。すべての技巧、駆け引きをぶっ壊すフィジカル強者という結論に至る。
 
もちろんどちらが上とか下とかいう話ではなく。
 
 
あとはアレだな。
エストラーダvs井岡一翔はどうなるだろうなぁ。
 
2018年末のドニー・ニエテスvs井岡一翔戦のような流れになるとは思うが、エストラーダはニエテスよりも前後左右に動く気も……。
 
全然わからんけど、とにかく絶対にやらなきゃダメな試合だよね。
 
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