ジェシー・ロドリゲスvsサニー・エドワーズおもしろかった。ロマチェンコvsラッセルJr.を思い出した。自分の得意分野で完敗したエドワーズはプライドがズタボロじゃない?【結果・感想】

ジェシー・ロドリゲスvsサニー・エドワーズおもしろかった。ロマチェンコvsラッセルJr.を思い出した。自分の得意分野で完敗したエドワーズはプライドがズタボロじゃない?【結果・感想】

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2023年12月16日(日本時間17日)に米・アリゾナ州で行われたフライ級王座統一戦。WBO同級王者ジェシー・ロドリゲスとIBF王者サニー・エドワーズが対戦し、9R終了TKOでロドリゲスが勝利。2団体統一に成功した試合である。
 
 
 
ジェシー・ロドリゲスvsサニー・エドワーズ。
 
僕はもともとセミファイナルのムロジョン・アフマダリエフvsケビン・ゴンサレス戦の方に興味があり、この試合はスルーでもいいと思っていた。
 
アフマダリエフがゴンサレスに勝利しWBA挑戦権獲得。前回はタパレスがよかったのかもしれん。井上尚弥がフルトン以上に警戒するのもなるほどとオモタ
 
ただ、ロドリゲスは井岡一翔と2度対戦したジョシュア・フランコの弟であり帝拳ジムがプロモートする選手でもある。
一方のIBF王者サニー・エドワーズはあまり試合を観たことはないが、ここまで20戦全勝。しかもKO数が4つと極端に少ない。
 
諸々の事情? もあり、「じゃあ暇つぶし程度に眺めておくか」的なテンションで視聴をスタートした次第である。
 

おもしろい試合だった。ハイテクなロドリゲスと20戦全勝4KOのエドワーズ

まず試合の感想だが、めちゃくちゃおもしろかった笑
 
上述の通り暇つぶしで観始めたはずが、割と早い段階で「おいおい、何やコイツら」と。
「こんなすげえ試合をサラッとやってんじゃねえよ」と自分のアンテナの低さを棚に上げつつ理不尽なクレームをつけさせていただいた笑
 
 
ジェシー・ロドリゲスは2022年6月のシーサケット・ソー・ルンビサイ戦で「ワシル・ロマチェンコっぽい」と思った選手。
リングを広く使いながら空いた場所にポンポンパンチを入れていくファイトがハイテク感満載だった覚えがある。

 
一方のサニー・エドワーズはあまり試合を観たことがなかったのだが、こちらもかなりいい。
 
左右に動くフットワークに鋭いジャブ、ハンドスピード、パンチの見切り、などなど。
20戦全勝4KOという尖った戦績も「なるほど」と思わせるアウトボクサーっぷりである笑
 
 
 
試合は遠間でジャブを出しながら左に回るエドワーズに対し、ロドリゲスはガードを高く上げて近づき打ち終わりにカウンターを返す。
 
またロドリゲスが身体を伸ばして右リードを打ち込めば、エドワーズはこれをバックステップで避けてカウンターを被せる。
 
鋭いジャブとフットワーク、カウンターを兼ね備える同士、目まぐるしい攻防が展開される。
その中で中間距離の差し合いではわずかにロドリゲスが上回る。
 

ロドリゲスはスイッチにも動じない。エドワーズは劣勢でもズルズルペースを持っていかれない

しかもロドリゲスはエドワーズのスイッチにまったく動じる様子がない。
 
右構えの際は左回り、左構えの場合は反対に回るエドワーズだが、どの角度、距離でも関係なくロドリゲスはザクザク距離を詰めて右リードを当てていく。
 
大きなアクションで動き回る&パンチが外旋回気味のエドワーズに対し、ロドリゲスは進行方向に先回りしながら最短距離を打ち抜く。
 
シーサケットのようにスピード差のある相手は簡単に置いてきぼりにしたが、今回のエドワーズはより効率的に追い詰めたというか。
ロマチェンコっぽさが薄れた分、プレスのうまさが際立った。
 
ジェシー・ロドリゲスがシーサケットを翻弄して8RTKO勝利。ロマチェンコみたいだったね。機動力の差を見せつけて蜂の巣に
 
ただ、エドワーズもそこでズルズルいかないのがすごい。
 
追い詰められそうになるたび足を止めて打ち合う、スルッと身体を入れ替えて距離を取る、スイッチで流れを変える、などなど。
いろいろ工夫しながらそのつどペースを引き戻す。
 
何だかんだでポイントも中盤までは互角だったのではないか。
 

常に余裕があったロドリゲス。身体の強さとパンチ力の差が大きかったかな

だが、ロドリゲスには最後まで余裕があった気がする。
 
エドワーズは全力で動き回る&目いっぱい腕を振ってようやく互角。一方のロドリゲスは常時8、9割前後の出力で上げ下げしていた印象。
一見いい勝負をしてはいるが、どこかで均衡が崩れそうな気配はビンビン伝わってきた。
 
この辺はやはり身体の強さ、パンチ力の差が大きいのだろうと。
 
 
で、疲労とダメージでエドワーズの動きが落ちた9R。
スイングが大振りになったところにロドリゲスの左のカウンターがさく裂。ここは何とか持ちこたえたエドワーズだが、終了間際に再びカウンターを被弾しついにダウン!!
 
恐らく直前にもカウンターが入っていたと思うが、まさに我慢に我慢を重ねた末のダウンである。あそこまで追いつめられれば9R終了時の棄権は仕方なかった。
 
田中恒成vsエドゥアルド・バカセグア、阿部麗也vsルイス・アルベルト・ロペス。田中の相手、これでいいの? 見間違いじゃなくて? 阿部麗也はホントにがんばってもらいたい
 

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ロマチェンコvsラッセル戦を思い出したよ。お互いが自分の得意分野で勝負した一戦。エドワーズのプライドが心配になる?

何となくだが、今回の試合は2014年6月のワシル・ロマチェンコvsゲイリー・ラッセルJr.戦を彷彿とさせた。
 
両者が自分の土俵でがっつり勝負した一戦。
相手のよさを消す、弱点を突くといった相性の問題ではない。お互いがもっとも力を発揮できる土俵で真正面から向かい合った試合である。
 
ロマチェンコvsゲイリー・ラッセルJr.の異次元っぷり。どうにもならないけど諦めないラッセルさん。この日のメインが亀海vsロバート・ゲレロだった事実
 
マジな話、こういう試合は負けた方のショックは相当大きいのではないか。
 
ラッセルもエドワーズも機動力とハンドスピード、見切りで勝ちを重ねてきた選手。
 
ところが今回はその分野で完全に上回られて負けた。
長所を封じられたのではなく、力を出し切った上で完敗を喫した。
 
要するに自分の得意分野で敵わない相手がいることが証明された。
負けた方にとっては残酷すぎる結果である。
 
実際、ゲイリー・ラッセルも長い間ロマチェンコへのリベンジを訴えてましたからね。
 
サニー・エドワーズの人間性をよく知らないのでアレだが、身体的なダメージ以上にプライドの部分は大丈夫なの? と思ったり、思わなかったり。
 
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