僕のポストル…。ホセ・カルロス・ラミレスは強化版ルーカス・マティセだったな。統一戦が実現しないならvsパッキャオが観たい【結果・感想】
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2020年8月29日(日本時間30日)、米・ネバダ州ラスベガスで行われたWBC/WBO世界S・ライト級タイトルマッチ。同級2冠王者ホセ・カルロス・ラミレスにWBC1位で元王者のビクトル・ポストルが挑戦した一戦は、大接戦の末に2-0(114-114、115-113、116-112)の判定でラミレスが勝利。9月末に防衛戦を控えるWBAスーパー/IBF王者ジョシュ・テイラーとの統一戦実現に向けてコマを進めた試合である。
新型コロナウイルスの影響で2度にわたる延期を経て開催されたこの試合。
開始直後から上体を振って積極的に前に出るラミレスに対し、ポストルは得意のジャブで応戦。序盤はこのジャブが機能しポストル優位に試合が進む。
だが、中盤からタイミングを掴んだラミレスが徐々に距離を詰め、7Rにはロープ際で左ショートをポストルの顎にヒット。ポストルが一瞬棒立ちになるなど、決定的なチャンスを迎える。
ここで一気にペースアップしたラミレスだが、大きくバックステップして距離を取るポストルを攻めきれず。
試合はそのまま終盤に入り、最後まで一進一退の攻防が続き終了のゴングが鳴る。
ジャッジ1人が114-114をつける際どい内容ながら、ホセ・カルロス・ラミレスの勝利が告げられた。
岩のようなティム・チューがジェフ・ホーンさんの心と身体を分断する。コンスタンチンの遺伝子に長いリーチを上乗せしたジュニア
ホセ・カルロス・ラミレスvsビクトル・ポストルめちゃくちゃいい試合だった。ポストルの予想以上のがんばりに感動した
新型コロナウイルスの影響で2度の延期があり、ようやく実現したホセ・カルロス・ラミレスvsビクトル・ポストルのタイトルマッチ。
結果は大接戦の末に2-0の判定でホセ・カルロス・ラミレスの勝利となったわけだが。
いや、めちゃくちゃいい試合だった。
コロナ明け? のトップランク興行は“数打ちゃ当たる”的な試合ばかりでいまいちテンションが上がらなかったのだが、今回に関しては文句のつけようがない。コロナ云々、タイトルマッチ云々関係なく、どこからどう観てもすばらしい一戦だった。
そして、ビクトル・ポストルが本当に惜しかった。
正直に申し上げて、この試合でポストルが勝つのは相当難しいと思っていた。
ラミレスの圧力、パンチの多彩さ、近場での強さはかなりのもので、フィジカル面に不安のあるポストルにとっては厳しい相手。
また、36歳とすでにベテランの域に達しているのもあり、ここ最近は後半の失速も目立つ。
2015年のルーカス・マティセ戦のように強ジャブでラミレスの前進を寸断できればいいが、果たしてどうなるか。
何となくだが、ラミレスの後半KO勝利or中〜大差判定勝利が濃厚なのではないか。
応援するのは断然ポストルだけど。
なぜなら僕がポストルのファンだから。
僕のビクトル・ポストル初のKO負けしちゃうかなぁ…。王者ホセ・カルロス・ラミレスに挑戦! だけど、厳しい試合になりそうな
そんな感じで考えていたのだが、ポストルの予想以上のがんばりに僕は激しく感動している()
試合の流れはある程度予想通りだったかな。左リードの精度は高いが、パワーレスなポストル
まず、試合の流れ自体はある程度予想していた通りだった気がする。
序盤はポストルの左、ワンツーが機能しラミレスが攻めあぐねる。
だが、中盤からタイミングを掴んだラミレスが徐々に距離を詰め、ポストルをたじろがせるシーンが目立ち始める。
そして後半、ポストルの失速に伴ってラミレスが決定機を迎え、一気に攻め落とす流れ。
もしかしたらここでラミレスがKOするか、そのまま主導権を握って判定に持ち込むか。
一度失速したポストルが盛り返す展開はちょっと考えにくい。
いい試合になるとは思うが、恐らくラミレスの中〜大差判定勝利がもっとも可能性が高いだろうと。
個人的にポストルの左リードはかなりいいと思っていて、それこそ左リードの精度だけならゲンナジー・ゴロフキンやマイキー・ガルシアにも匹敵する(言い過ぎか?)。
特にいいのが、相手の動き出しを察知する能力。
今回の試合でもラミレスが踏み込む一瞬の硬直を狙い、ガードの間から何度も顔を跳ね上げてみせた。
相手の呼吸というか、リズムを掴む能力は全階級でもかなり上位と言えるのではないか。
だが、その反面パワーレスなのがキツい。
身長180cm、リーチ187cmとS・ライト級では長身の部類のポストルだが、その分全体的に線が細く馬力はない。
得意の左リードの打ち下ろしでかつては“中量級のクリチコ”と呼ばれたりもしたが、パワフルな相手にごり押しされるとどうしても厳しくなる。
まあ、それが長年S・ライト級にとどまれる要因でもあるのだが。
バランチェクvsセペダ感想。バランチェクってこんなに荒っぽい選手だったんだな。ホセ・セペダはちょっとアドニス・スティーブンソンっぽい
ホセ・カルロス・ラミレスはルーカス・マティセの上位互換だったかな。後半に仕留めきれなかったのが惜しかった
で、今回の試合もその部分が思いっきり出た内容だったなと。
申し上げたようにホセ・カルロス・ラミレスは圧力と多彩なパンチ、近場での強さが持ち味の選手。前に出る馬力、自分の得意な距離に入った際の強さは目を見張るものがあり、ポストルにとってはいかにラミレスを懐に侵入させないかが勝負の分かれ目になる。
ただスピード自体はそこまでではなく、比較的真正面からくるスタイルでもある。
イメージ的にはルーカス・マティセの上位互換のタイプで、ポストルのジャブが当たりやすい相手と言える。
2018年6月のジョシュ・テイラー戦でもポストルのジャブは十分機能していたが、今回は特にポストルの得意な流れだった気がする(ポイントは知らない)。
僕のジョシュ・テイラー優勝! プログレイスを僅差判定で下す。WBSS S・ライト級おもしろかったな。運営はグダッてたけど
とはいえ、ホセ・カルロス・ラミレスは踏み込みの鋭さ、パンチの多彩さ、前に出る馬力など、あらゆる面でマティセを上回る。
ラミレスが上体を激しく振る分狙いが定まらず、ポストルのリードは威力が削がれる。
ラミレスの鋭い踏み込みから逃れるため、ポストルはそれ以上のバックステップを強いられ体力を削られる。
さらに6Rあたりからラミレスが意図的に手数を減らし、ポストルに先に手を出させてカウンターを狙う作戦に変えたのもうまかった。
ポストルの左に左を被せ、同時に距離を詰めて懐に侵入。
身体ごとポストルを押し込み、得意の距離でボディ、顔面にコンビネーションを浴びせる。
フィジカル面でかなわないポストルは間合いを潰されると一気に苦しくなる。
7Rにはコーナーに詰められ、強烈な左のショートを顎に被弾し大きくたたらを踏むシーンも。
ラミレスとしてはあの流れで後半KOまでいきたかったところだが、結局最後まで仕留めきれず。
逆にラスト3Rはポストルの反撃を許すという。
ポストルの粘りが素晴らしかったのはもちろんだが、最大のチャンスだった7、8Rで行ききれなかったこと、距離を詰めるのに体力を使い過ぎたことが最後まで影響した感じ。
要するに、ラミレスはポストルにとって得意なタイプでもあり、苦手なタイプでもあったのだろうと。
ラミレスvsジョシュ・テイラー戦は絶対実現してほしいね。もしダメなら、ラミレスvsパッキャオでお願いします
難敵ポストルを下したホセ・カルロス・ラミレスだが、ジョシュ・テイラーとの4団体統一戦はぜひとも実現してほしい。
もちろんジョシュ・テイラーが9月のアピヌン・コーンソーン戦に勝利するのが絶対条件だが。
しかも、僕はコーンソーンを応援しているのだがww
ジョシュ・テイラーvsホセ・カルロス・ラミレスの統一戦は絶対に実現しろよな。グダグダのヘビー級とは違うところを見せろやw
ホセ・カルロス・ラミレスはWBSSトーナメントの優勝で階級最強を証明したテイラーが唯一やり残した相手だし、ラミレスにとってもテイラーの実績、評価を根こそぎ奪い取るチャンスでもある。
どちらもいずれはウェルター級進出を目論んでいるのだと思うが、その前に何とかお願いしますということで。
また、仮に統一戦が流れた場合はホセ・カルロス・ラミレスvsマニー・パッキャオ戦が観たい。
ルーカス・マティセをKOしたパッキャオがラミレスをどう攻略するかは個人的にめちゃくちゃ興味がある。その上、すでにファイトマネーと話題性重視にシフトしているパッキャオにとって、ラミレスはちょうどいい相手に思える(そんなことない?)。
現在のパッキャオのコンディションがどの程度かにもよるのだが。
あとはまあ、ビクトル・ポストルはこんなところで引退すんじゃねえぞってことっすかね。
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