横浜GRITSvs北海道ワイルズ交流戦を現地観戦した。クレインズのゴタゴタは見聞きしてたけど。もはや既存のお客を繋ぎ止める努力をする段階?【2023.9.16感想】

横浜GRITSvs北海道ワイルズ交流戦を現地観戦した。クレインズのゴタゴタは見聞きしてたけど。もはや既存のお客を繋ぎ止める努力をする段階?【2023.9.16感想】

2023年9月16日にKOSÉ新横浜スケートセンターで行われたアイスホッケー、横浜GRITSvs北海道ワイルズの試合を現地観戦してきました。

 
2022年10月以来、約11ヶ月ぶりのアイスホッケー観戦となった今回。
 
横浜GRITSvsHLアニャン現地観戦。アニャンのあまりの強さにオドレエタ。もう優勝決定じゃないの? 日本の5チームはどうアニャンに勝てばいいのか
 
ところがこの日はいつものアジアリーグの公式戦ではなく。“交流戦”という名の練習試合となっています。
 
 
 
選手、監督他すべてのスタッフが離脱したひがし北海道クレインズの受け皿としてスタートした北海道ワイルズ。ですが、新チームとしてアジアリーグ加盟の申請をするも認められず。
 
これによって今季のリーグ戦参加チームは5チームに。公式戦も各チーム8試合ずつ減少する事態に陥りました。
 
で、それを補う意味で横浜GRITSは北海道ワイルズとの交流戦を計8試合組んだとのことです。
 
 
僕も一連のゴタゴタはニュース等で知っていたのですが、改めて見るとなかなかキツい……。
 
「氷都・釧路のアイスホッケーはどうなる?”クレインズ”と”ワイルズ”【随時更新】」
 
久しぶりのアイスホッケー現地観戦がすったもんだの末に組まれた試合、練習試合なのに入場料は満額という事実に若干モヤつきながらも足を運んだ次第です笑
 

約11ヶ月ぶりのアイスホッケー現地観戦。荷物が多くなりがちなことを思い出したよ笑

まずこの日の最高気温は33℃と相変わらずの厳しい残暑でした。
ところがアイスホッケーの会場は気温が低いために観戦する側は寒暖差の対策が必須となります。
 
僕もハーフパンツで出かけたいところを長ズボンを着用、全身に冷却スプレーをかけまくって外出しました笑

 
さらに道中でうちわであおぎつつ500mlのペットボトルを常備して現地に向かいます。
 
 
で、現地に着いてからは厚手のパーカーとネックウォーマーで防寒を。
 
つまりカバンの中には冷却スプレーとうちわ、パーカーとネックウォーマーという正反対のグッズが入っていたことになります笑
 
 
いや、久しぶりに思い出しましたね。
アイスホッケーの現地観戦は荷物が多くなりがちなことに。
 
スポーツ観戦はできれば身軽で行きたいところですが、一歩間違えれば死を招くのがアイスホッケー(観戦)です笑
この部分は(電車で行けてしまう)首都圏を本拠地とするチームの隠れたネックなのかもしれません。
 

元DeNAのラミレスが登場。共同代表なるものに就任したらしい

座席はコレ。

座り心地がいいとは言い難いですが、前後のスペースが広いのはGoodです。
 
 
リンク上では両チームが試合前の練習中です。


 
おお、北海道ワイルズのチームカラーは緑なのね。

 
チアリーダーのお姉さんは早くもフルスロットルです。

 
元DeNAベイスターズ監督のアレックス・ラミレス氏がFace Offに登場しました。

 
ラミレスおるやんけ!! と思ったのですが、そういえば以前「ラミレスがGRITSの共同代表に就任」というニュースを見た記憶が……。
 
「アレックス・ラミレス氏、横浜GRITS共同代表に就任」
 
どんな立場で何の仕事をするのかは不明ですが、まあがんばって。
 
 
そんな感じでいよいよ試合開始です。
 

横浜GRITSは強くなったよね。今シーズンも補強をがんばったみたいだし、今度こそ期待できる?

試合の感想ですが、改めて横浜GRITSは強くなったなぁと。
 
この日の結果は5-2で横浜GRITSが勝利。第1Pに大量4点を挙げ、2Pに反撃を許すもそのまま逃げ切りに成功しています。

 
中でもスーパーセーブを連発してMVPに選出されたGK小野航平選手はすごかったです。
両チームのシュート数はGRITSの20本弱に対してワイルズは40本前後だったと思いますが、その中で2点に抑えたのは文句なしに素晴らしい。
 
ゴール前を固めまくる戦術が功を奏したか、とにかくシュート数の割に攻められている感じはありませんでした。
 
 
また攻撃面ではアレックス・ラウター選手がよかったです。
長身痩躯ですが身体が強くスピードもある(ように見えた)。
 
この選手は昨シーズンからの契約継続とのことで、今後も攻撃の要になるのではないかと(素人意見だけど笑)。
 
 
そして何よりチームとして強くなっているのが……。
以前にも申し上げましたが、アジアリーグ参戦当初のGRITSはかなり厳しかったことを覚えています。
 
1対1で歯が立たないために引いて守るしかなく、必然的に相手に広いスペースで悠々とプレーされてしまう。
戦術は縦パスからのカウンター一辺倒、敵陣でパスがつながることはまずない。
極論、得点を挙げるには二重三重の幸運が必要という状態でした。
 
補強こそ大正義の横浜GRITSがひがし北海道クレインズと対戦。アリーナDJがやかまし過ぎて…
 
ところが今では敵陣だろうが普通にパスが通る上に「1人がディフェンスを振り切る→中にパス→走り込んだフォロワーがダイレクトでシュート」の流れで得点シーンも生まれています。
 
この日も見事なパスワークからのゴールがありましたが、あんな鮮やかな得点は数年前には考えられなかったです(失礼)。
 
さらにオフに他チームから何人か引っ張ってきたとのこと。割とガチで今期は期待できるかもしれません。
昨シーズンは開幕直後の連勝の後に息切れしちゃったけど。
 

北海道ワイルズはよくわからないっす。立ち上がりはフワフワしてたけど、徐々に試合勘が戻ってきた?

一方の北海道ワイルズですが、こちらはよくわからないです。
 
開始早々の失点を含めて1Pにいきなり4点を取られたわけですが、素人目にはだいぶフワフワしていた印象。
 
試合勘が戻っていなかったのか、純粋なコンディションの問題なのか。
オフシーズンをどう過ごしていたかは不明ですが、とにかく試合の入り方をトチった感じです。
 
ただ、1Pの終盤からは硬さも取れて動きがよくなりました。
2Pには2点を返した上に先述の通りシュート数ではGRITSを圧倒しています。地力自体は健在なのではないでしょうか。
 
それでも第3Pに再び流れを持っていかれたことを考えるとまだまだ本調子ではない?
リーグ戦の最前線で戦えない中、今後どこまでコンディションを維持できるかに注目です。
 
 
ちなみに今年12月の日本選手権にはワイルズも出場が可能になるとか。
この辺はアジアリーグと日本選手権の運営が違うことがプラスに働いたと言えそうです(日本選手権は日本アイスホッケー連盟主催)。


 


 
チアリーダーによるハーフタイムショー。

これはコロナによる制限があった昨シーズンはなかったものです。
 
アイスバックスvsレッドイーグルス北海道、全日本選手権現地観戦。こんな劇的な幕切れは初めてでした。横浜グリッツは不祥事のワイルズには負けちゃダメだった
 

アイスホッケーは楽しい。サイドラインのない競技の醍醐味。目線と同じ高さで観るのがいい

しかし、やっぱりアイスホッケーは楽しいですね笑
 
目の前を選手が通過する際のスピード感、スティックがパックを捉える小気味のいい音、選手同士がゴツゴツぶつかる肉弾戦、その他。
 
中でも壁の跳ね返りを利用したパスワークが最高におもしろい。
 
いわゆるサイドラインのないゲームの奥深さ、壁を使った戦術が他の競技とは一線を画すアイスホッケーの持ち味だと思っています。
 
 
あとはアレですね。
アイスホッケーを楽しむ上で目線と同じ高さで観ることは結構重要かもしれません。
 
たまにYouTube等の配信で観たりもするのですが、上からの映像だと迫力がいまいち伝わらない。
全体を見渡すのには適していますが、臨場感という意味ではやや物足りない。
 
あのワクワクはやはり現地ならではのものだと思っております。
 
興味があれば一度足を運んでいただければと思いますが、困ったことにそのハードルが異常に高いんですよね……。
 

北海道ワイルズ誕生までの経緯がキツい。誰の責任でもないのがキツい。コロナ禍前まではいい感じだったのに

繰り返しになりますが、北海道ワイルズ誕生までの経緯はキツい。
ホントにキツい
それこそウィキペディアを流し読みするだけでも吐き気を催すレベルです。
 
ひがし北海道クレインズの代表と連絡が取れなくなったり、突然負債はなくなったと発表されたり。
 
また一部報道によるとひがし北海道クレインズはいまだにアジアリーグ再加盟を目指しているとか。
ほぼすべてのメンバーが移籍して実体がない中、逆転の芽があるならそれはそれで興味があります。
 
 
聞けばクレインズは約3年にわたって給料の遅配が続いていたとのこと。
これは仕方ないというか、もはや誰の責任でもないのが……。
 
2019年に「東北海道クレインズ」としてクラブチーム化、その翌年からパンデミックが始まるという。
恐らく経営が軌道に乗る前の事態だったはずで、完全に運が悪かったとしか言いようがありません。
 
逆に横浜GRITSがコロナ禍を乗り切ったことを考えると、このチームのアピールポイントであるデュアルキャリアがモノを言った? のかも?
 
横浜グリッツvsアイスバックス現地観戦感想。横浜グリッツの可能性。イベントは文句なしに楽しいのであとは結果がほしい
 
実はコロナ直前までのアジアリーグはいい感じだったんですよね(僕がそう思うだけか?)。
 
HPがリニューアルされて試合結果がめちゃくちゃ見やすくなったし。
以前までは可読性ゼロのPDFをアップロードして「はい、おしまい」だったのが、今では観客数やスタッツまで一目でわかる。
 
また各チームのHPへのリンクが切れていたり撤退したチームの名前が残っていたりと手が回っていなかった部分も解消された。
 
そこに横浜GRITSのリーグ参戦と完全に流れに乗っていたはずが……。
 
コロナ禍ですべてがリセットされてしまった(マイナスになった)印象です。
 
 
それでも何とか踏ん張ろうとするリーグの姿勢には好感が持てるし、一番大事なところをミスするポンコツっぷりも憎めない笑


せっかくカッコいいポスターまで作って意気込みを見せたのにww
何でそこを間違えちゃうんだよww
 

これだけデカい問題がまったく話題になっていないのが切ない。プロ野球再編問題と同種の出来事なのに

何より切ないのが、これだけデカい問題が起きているのに世の中ではまったく話題になっていないこと。
たとえば2004年のプロ野球再編問題と同種の出来事と言っても過言ではないのに。
 
「親会社が撤退してチームが消滅→新たに設立されたチームに選手が移籍してリーグ参加を目指す」。
実際、近鉄バファローズが消滅して楽天ゴールデンイーグルスが誕生したアレと今回の日本製紙→クレインズ→ワイルズの流れはめちゃくちゃ似通っています。
 
巨人の1リーグ構想に反対した選手会がストライキを起こしたり、楽天とライブドアが新球団設立を巡ってデッドヒートを繰り広げたりと社会現象にまで発展したプロ野球。
 
それに対してアイスホッケーは完全に知る人ぞ知る状態です。
ここが何とも切ないと申し上げています。
 
アイスホッケー新リーグ「IJリーグ」(アイスホッケー日本リーグ)発表。北海道ワイルズがアジアリーグ参入辞退、東京を拠点に。いや、何やってんのよ笑
 
ちなみに今年8月に釧路を訪れた際に地元の人にクレインズのネタを聞いたところ、みなさんほぼ知識ゼロでした。


 

もはや既存のお客さんにそっぽを向かれないようにがんばる段階? 年1、2回現地観戦するフワッと勢を繋ぎとめろw

マジな話、ここからアイスホッケーが逆転するには何をすればいいかは僕にはまったくわかりません。
 
申し上げたように観戦スポーツとしてのアイスホッケーはめちゃくちゃおもしろい。
ただ、同時にその一歩目を踏み出すハードルが高い(“アジアリーグ”という名称のわかりにくさ、荷物の多さ、季節による寒暖差、などなど)のがネック。
 
諸々を踏まえると、もはや「新規を取り込むにはどうすれば?」という段階でもない気すらします。
 
それよりも既存のお客さんに呆れられないようにがんばる方がはるかに大事。
たとえば年に1、2回程度現地観戦するフワッと勢(僕もコレ)にそっぽを向かれないための方法を考えるとかね。
 
じゃあどうするの? と聞かれても何のアイディアもありませんが。
 
 
サッカーはW杯ベスト16、野球はWBC優勝、バスケは48年ぶりに自力で五輪出場権獲得、ラグビーはW杯初戦勝利とスポーツ界に明るい話題が多い中、アイスホッケーも何とか追従していただければ……。
 
もちろんアイディアはありません。
 

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