僕のパウンド・フォー・パウンド(P4P)2020年4月バージョンを考えてみる。思いっきり好き嫌いに影響された独断ランキングだよん
以前、暇つぶしに自分のP4Pを考えてみたことがあるのだが、今回久しぶりにそれをやってみようと。
ちなみに「リングマガジン」が発表している2020年4月現在のランキングは下記。
10.マニー・パッキャオ
09.アルツール・ベテルビエフ
08.ファン・フランシスコ・エストラーダ
07.ゲンナジー・ゴロフキン
06.エロール・スペンスJr.
05.オレクサンドル・ウシク
04.テレンス・クロフォード
03.井上尚弥
02.ワシル・ロマチェンコ
01.サウル・“カネロ”・アルバレス
この順位が妥当かどうかは僕には何とも言えないところだが、自分でも適当に考えてみたいと思う。
選んだ基準としては、
・直近でインパクトのある勝ち方
・いろいろなスタイルに対応可能
・僕が気に入っている
の3つ。
特に「僕が気に入っている」ことは重要な要素で、個人的にあまり好きではない選手は世間の評価どうこうは関係なく除外した。
なお、あくまで「僕のPFP」であり、単なる数字遊びなので気楽にお付き合いいただければありがたいっす。
目次
僕のPFP(2020年4月):第10位
「デビン・ヘイニー」
まず第10位はデビン・ヘイニー。
2019年9月に4RTKOでザウル・アブドゥラエフに勝利し、WBC世界ライト級タイトルの初戴冠を果たした選手。同年11月にはアルフレド・サンチアゴの挑戦を受け、判定ながらも初防衛に成功している。
この選手は“フロイド・メイウェザー二世”と呼ばれる期待の若手で、これまで現れては消えていった多くの“メイウェザー二世”の中では僕がもっともメイウェザーっぽいと思っている選手でもある。
中でも戴冠を果たしたザウル・アブドゥラエフ戦でのパフォーマンスはお見事だった。ファイタータイプのアブドゥラエフを左リードの連打で釘付けにし、まったく見せ場を作らせずに心を折っての4RTKO勝利。
L字の構えや見切りはもちろん、左リードの鋭さ、伸びのよさは確かにメイウェザーを彷彿とさせる。
YouTuber対決のアンダーカードで組まれた初防衛戦ではいまいちパッとしなかったが、アレは挑戦者のアルフレド・サンチアゴがやりにくい相手だったのも大きいと思う。身長180cmでリーチも長いテクニシャンタイプのサンチアゴは誰がやっても鮮やかにKOするのは難しい。
まあ、S・フェザー級/ライト級時代のメイウェザーならスピードと勢いでねじ伏せたとは思うが。
まだPFP10入りには早いとおっしゃる方も多いとは思うが、今後への期待も込めて。
僕のPFP(2020年4月):第9位
「ジョシュ・テイラー」
続いて第9位はジョシュ・テイラー。
現在、WBAスーパー/IBF/WBCダイヤモンドの3つの世界タイトルを保持するS・ライト級の無敗王者。2019年10月のWBSS決勝ではレジス・プログレイスとの無敗対決を制し、見事優勝を飾っている。
ジョシュ・テイラーは以前から僕のお気に入りの選手で、WBSSトーナメントでの優勝は本当に嬉しかった記憶がある。
準決勝のイバン・バランチェク戦、決勝のレジス・プログレイス戦とも(僕が)苦戦を予想していたこともあり、それをあっさりと覆すファイトにテンションは爆上がりだった。
特に決勝のプログレイス戦では(僕が)これまで感じていた脆さを微塵も見せず、力強さと根気よさで強打のプログレイスとの接近戦を制して勝利をもぎ取った。
激戦区のS・ライト級での優勝+決勝戦の激闘っぷりが今回のランキング入りの決め手となったわけだが、この選手の今後にもさらに注目である。
てか、WBC/WBO王者ホセ・カルロス・ラミレスとどちらにしようか迷ったんですけどね。
予定されていたビクトル・ポストル戦が新型コロナウイルスの影響で中止? 延期? になってしまったので、現時点でのインパクトを考えるとジョシュ・テイラーの方が若干上かなと。
どちらにしろ両者の統一戦は絶対に実現してほしい。
僕のPFP(2020年4月):第8位
「シャクール・スティーブンソン」
第8位はシャクール・スティーブンソン。
2019年10月にジョエト・ゴンサレスと空位のWBO世界フェザー級タイトルを争い、フルマークに近い内容で判定勝利し初戴冠。スピードと見切りが持ち味のサウスポーで、ライト級のデビン・ヘイニーと同じく“メイウェザー二世”の異名を持つホープである。
この選手は2019年10月に初めて王座を獲得したわけだが、相手のジョエト・ゴンサレスの妹はスティーブンソンの彼女とのこと。しかもそれが原因? で妹は家族と疎遠になっているとかで、兄のジョエト・ゴンサレスは並々ならぬ覚悟でリングに上がったとか。
ところが結果はスティーブンソンのスペシャルなディフェンスにゴンサレスはまったく歯が立たず。終始距離をキープされ、射程の外に釘付けにされたまま被弾を重ねる苦しい流れに。
うん、まあ……。
シャクール・スティーブンソン、すごかったですよね。
右リードの連打でゴンサレスの前進を止め、長い足をうまく使いながら最小限のバックステップと見切りで攻撃をかわす。
正直、観ていておもしろいボクシングとは言い難いが、めったなことでは負けないだろうなというのはめちゃくちゃわかる。
以前にも申し上げた記憶があるが、個人的にはテレンス・クロフォードとエロール・スペンスJr.を足して2で割ったようなイメージ。そこにギジェルモ・リゴンドーのメンタルを上乗せした感じで、こりゃあ相当やっかいだろと。
間違いなく桐生一馬vs阿波野大樹のBGMが流れとったからねww
With Vengeance
SEGA/庄司 英徳
サウンドトラック
¥153
ここからスケールアップしてKOを量産すれば知名度も上がるだろうし、とことん塩に徹してもそれはそれで個性になる。人気云々は何とも言えないが、現時点でもPFP10に入る実力はありそうに思える。
デビン・ヘイニーとシャクール・スティーブンソンのスパーリング。
よくわかりませんが、「なるほど、確かにこうなりそうかな」という光景ではある。
僕のPFP(2020年4月):第7位
「寺地拳四朗」
第7位の寺地拳四朗は現在WBC世界L・フライ級王座を7度防衛中の安定王者で、具志堅用高氏の13度防衛を超えたいと明言している。
2019年12月には元WBA暫定王者ランディ・ペタルコリンを4RKOで下すなど、今がまさに全盛期と言える。
また近い将来、IBF王者フェリックス・アルバラードやWBA王者京口紘人との統一戦も期待されている。
寺地拳四朗に関しては以前から期待していた選手で、勝手に「和製ロマチェンコになれる」と喚き散らしてきた。“和製ロマチェンコ”については相変わらず誰にも相手にされずに切ない思いをしているのだが、ここ最近の拳四朗の充実度はマジですごいと思う。
特に直近の2戦、ジョナサン・タコニン戦とランディ・ペタルコリン戦でのインパクトは凄まじい。
グイグイ前に出るタコニンにやや戸惑いながらも抜群のタイミングでカウンターをぶち込みストップ勝ち。前戦では激しい出入りでペタルコリンを完全に置いてきぼりにした上でボディにダメージを蓄積させてのTKO勝利。
戴冠を果たした2017年時点では若干ボディが少ないかな? と思っていたが、今ではボディでのフィニッシュの方が多いのではないかというくらい得意なパンチとなっている。
僕が拳四朗を好きなのも大きな要因の一つだが、実際PFP10入りもなくはないのかなと。ぜひともがんばって具志堅用高氏の防衛回数13度を抜いてもらいたい。
しかし、改めて振り返ると具志堅ってすげえのな。
1976年10月に戴冠を果たして以降、1977年に3試合、1978年と1979年に4試合ずつ、1980年に3試合。1981年3月に王座から陥落するまでかなりのハイペースで試合をこなしている。しかも、ノンタイトル10回戦の1試合を除くすべてが15回戦。
「防衛記録の更新など無意味」「時代が違うから単純比較できない」という意見も多数聞こえてくるが、具志堅用高氏が偉大な王者であり、13度の防衛記録が凄まじい偉業であることに疑いの余地はない。
僕のPFP(2020年4月):第6位
「アルツール・ベテルビエフ」
現在15戦全勝15KOのパーフェクトレコードをキープするL・ヘビー級の2団体統一王者。2019年10月のオレクサンドル・グヴォジク戦では中盤までポイントでリードされながらも9、10Rに複数のダウンを奪って逆転勝利。背筋の凍るようなKO劇でグヴォジクを病院送りにしましたとさ。
第6位は僕の大好きなL・ヘビー級からアルツール・ベテルビエフのランクインとなったわけだが、一番の理由としてはやはり直近のグヴォジク戦。
前後左右に動きながら連打を出すグヴォジクに対し、ベテルビエフは足を踏ん張り1発の威力と地道なカウンターで迎撃する。どっしり構えて前進するベテルビエフのプレッシャーにグヴォジクの足取りが徐々に怪しくなり、パンチが側頭部をかすめるたびに身体全体を揺らされる。
ラウンドが進むにつれてベテルビエフの圧力にグヴォジクが疲弊し、9、10Rにとうとうダメージが吹き出してのKO負け。
マジな話、あのラウンドでグヴォジクが漂わせていた絶望感は先日のデオンティ・ワイルダーvsタイソン・フューリーVol.2にも匹敵するのではないか。
この選手の持ち味は何と言っても強靭なフィジカルを活かした攻撃力。
無造作に出したように見えるパンチが殺人的な威力を持ち、あっという間に相手の精神と肉体を分断する。試合前には「グヴォジクの足にベテルビエフは追いつけないのでは?」との予想も多く聞かれたが、何だかんだで馬力と持ち前の根気よさでねじ伏せてしまった。
2018年10月のカラム・ジョンソン戦でダウンを喫するなど、さすがのベテルビエフも下降線に入ってきたか? と思っていたが、諸々の疑念をすべて払拭する勝利だったなぁと。
今回の“僕のPFP”でもデビン・ヘイニーやシャクール・スティーブンソン、寺地拳四朗など、ディフェンスに長けた選手がランクインしているが、それでも僕の中ではベテルビエフの方が上。
この選手がグヴォジク戦でのコンディションを維持できれば、理不尽な破壊力が彼らのディフェンスを打ち抜くのでは? ということで。
WBA王者のディミトリー・ビボルも捨てがたいんですけどね。直近のインパクトを比べると、どう考えてもベテルビエフだろうと。
第5位以降は次回に
例によって長くなってきたので、第5位以降は次回ということで。
僕のパウンド・フォー・パウンド(P4P)2020年4月バージョン完結編。僕がいいと思う選手を好き勝手に挙げて語るの巻
繰り返しになるが、ここまでの順位で納得いかない方も多いとは思うが、あくまで“僕のPFP”なので大目に見ていただければと思う。
順位について誰かと議論する気もないので、どうかその辺よろしくオナシャス。
てか、一応上位陣はそれなりに常連と呼ばれるメンバーになっているとは思うんですけどね。
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