【映画】「猿の惑星」感想。触るなエテ公が!! わかってたけどすげえ映画。衝撃のラストというか、もはやトラウマ映像ですね【1968年】
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映画「猿の惑星」を観た。
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「猿の惑星」(1968年)
ケネディ宇宙センターから打ち上げられた宇宙船に乗る4人の宇宙飛行士。
船内時間では約半年だが、地球時間では2670年。出発からはすでに700年以上経過している計算になる。
船内から宇宙の景色を観ながら、とうの昔になくなったであろう故郷に思いを馳せるテイラー。おもむろに煙草の火を消し、睡眠薬を注射し同乗者3人とともに冬眠状態に入る。
それからどれだけの時間が過ぎただろうか。
突如起きたトラブルにより、宇宙船はある惑星の湖に不時着する。
目覚めたテイラーたちは大急ぎで脱出の準備をするが、唯一の女性飛行士スチュアートは睡眠装置の故障によって無惨にもミイラ化していた。
仕方なく船を脱出したテイラー、ドッジ、ランドンの3人は砂漠化した大地を越え、険しい道を行く。
そして、その先で彼らが出会ったのは文明を持たない原始的な人間たちと、それを支配する猿の世界だった……。
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「猿の惑星」すばらしい。やっぱり不朽の名作は不朽の名作だった
はい。
今回は「猿の惑星」です。
「創世記」でも「新世紀」でも「PLANET OF THE APES」でもない。ましてや「新」でも「続」での「最後の」でもない、一番最初の「猿の惑星」である。
ピエール・プール著のSF小説をもとに映像化されたもの。
いわゆる一番有名なヤツ。
もちろんこれだけ有名な映画なので、すでに何度も観ている。
そして、今回観たのも完全に「気まぐれ」。
「ちょっと時間あるから観てみよっかな〜」という気楽な動機からである。
そんな気楽な暇つぶしで観た「猿の惑星」。
感想としては「やっぱり、めちゃくちゃすげえ映画だな」。
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さすが不朽の名作というか、すばらしいことこの上ない。
これまで何度も観ているので流れもすべてわかっているのだが、それでも目が離せない。
「ターミネーター」や「天空の城ラピュタ」のように、何年かに1回観て、そのたびに心が満たされるという意味では最高の映画である。
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設定がいいのはもちろん、「巨大権力vs弱者」という構図が最高なんですよね
僕が思うに、この映画の一番の見どころは「巨大な権力に立ち向かう孤独な弱者」という構図。
「宇宙船が不時着した星は猿が人間を支配する星だった」というエキセントリックな設定はもちろん、結局のところ、この映画のキモは「個人対権力」の戦いである。
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突如異世界に放り込まれ、異端の存在として迫害されるテイラー。
自らのアイデンティティを賭けて、少ない協力者とともに巨大権力に挑む。
「権力に媚びる保守的な弱虫ども」
「クソ、わからず屋どもめ」
「ホントはわかってんだろ? でも、自分の立場を守る方が大事なんだろ?」
「自己保身のために真実から目を逸らすのか?」
などなど。
かつて自分が「絶対になりたくないと思っていた大人たち」との戦い。
カッコ悪い安定より、自分らしい茨の道。
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ちっちゃいことは気にするな! それ、ワカチコ、ワカチコ。
いや、それは違うか。
まあ、要するに「サラリーマン金太郎」みたいなものとでも言えばいいか。
そこに猿>>>人間の順位付けをすることで「猿ごときが人間様を相手に好き勝手しやがって」という我々の感情を刺激する。
そして、最後に人間>>>猿という歴史的事実を突きつけることで、観る者の溜飲を下げる流れ。
「ほら見ろww 人間が猿以下なわけねえだろうが!!」
「思い知ったかコラww フハハハハ」
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とどめは自由の女神像のどアップによる大オチ。
「何ということだ。ここは地球だったんだ……」
「俺は故郷に帰ってきてたのか……」
「くそ、みんな地獄に堕ちやがれ!!」
正直、このラストのシーンとスチュワートのミイラ姿は、僕の中では深層心理に刻まれるレベルのトラウマ映像である。
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人類が滅びてるってことは、すでに地獄に堕ちたんじゃないの? というツッコミはなしで。
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でも1968年の作品は古いよね。宇宙空間で喫煙するのはさすがに……
確かに「猿の惑星」は最高の映画だが、1968年の作品だけあって時代を感じる部分は多い。
プロローグの宇宙船のシーンはサンダーバード並にちゃっちいし、そもそも宇宙船の中で煙草を吸っているのはどうなの? という話である。
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さらに、睡眠に入るための麻酔が注射というのもね。
できれば錠剤とか、マスクをつけてバタンキューみたいなのがよかったなと。
あとは、宇宙飛行士4人が寝るカプセルが固そうに見えて仕方ない。半年も寝てたら宇宙船の揺れだけで床ずれ酷いんじゃないの? みたいな。
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全編通してのおどろおどろしいBGMも古臭さを感じるし、やはり映像的な部分ではどうしても見劣りしてしまう。
とはいえ、それらをひっくるめて「猿の惑星」というのも確かで。
2010年代の新作と比べてあーだこーだとケチをつけるのも、それはそれでおもしろい。
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初めて気づいた。猿の中にも序列がある。オランウータンは権力側の人(猿)たち
また、今回の鑑賞で初めて気づいたのが、猿の中にも序列があるということ。
僕の大まかな印象だと、
オランウータン→チンパンジー→ゴリラ→人間
の順で序列が決まっているっぽい。
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とりあえず、オランウータンは彼らの世界では最上位。
タイラーを徹底的に糾弾するザイアス博士を始め、議長や教会の宣教師様など、オランウータンはこの世界を統治する立場にある人(猿)たち。
いわゆる権力側の猿で、教会にある「神の像」がオランウータンだったことからもそれは明白である。
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序列の二番目にくるのがチンパンジー。
テイラーの協力者のジーラ博士や考古学者コーネリアスなどがこれにあたる。イメージとしては、オランウータンたち権力者のもとで働く研究者という位置づけだろうか。
この世界の安定と平和より、真実を解き明かすことに情熱を燃やす探求者タイプというか。
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で、三番目がゴリラ。
身体を使う兵士タイプにあたるのが彼らで、野生の人間たちを追い回したり、捕まえた人間たちを管理するのも彼らの役目である。
逃げ出したテイラーを追い詰め、縄で引きずり回すなど武闘派が多い。
そして、最後の四番目が人間である。
言葉を理解できず文明も持たない。エサがなくなれば畑を荒らす。
猿たちからは「下等動物」と呼ばれ蔑まれる存在。テイラーが「ノバ」と名付けて一緒に旅立つ女性も、この中の1人である。
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猿>>>人間という圧倒的な設定に、王道ストーリーを重ねた間違いなしの名作
かつて猿たちは人間を奴隷として飼い馴らそうと試みるが、それがかなわないとわかってからは徹底的に追い詰め、痛めつけるようになる。
その中にあって、知能を持ち言葉を理解するテイラーは猿たちの脅威となり、抹消すべき対象となる。
遠い昔、人間が文明を持ち、猿よりも上位の存在であったことを知るザイアス博士はテイラーの存在をかたくなに認めようとしない。
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異系の存在を容易に受け入れられない思いや、自らの立場が揺らぐことへの恐怖。そして保守的な感情がむき出しになる光景。これらは問答無用で醜い。
だが、この醜さこそが人間らしさでもあり、それが物語に奥行きを生み出しているとも言える(猿だけど)。
また、ラストの自由の女神による大オチ。
まさしく「今のままだといずれ人間は滅びる」という人類への警告である。
つまり、猿が人間を支配するという荒唐無稽な世界の中にあって、実際は「多勢vs個人」「巨大権力vs孤独の英雄」「人類の未来への警笛」という王道にガッチリ乗った作品。それが「猿の惑星」という映画である。
斬新な設定かつ王道のテンプレをなぞったストーリー。
古今東西老若男女、誰もがこういう王道に弱い。
そりゃあ不朽の名作ですわ。
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ちなみにアレですね。
ストーリーが進むにつれて、ジーラやコーネリアスに対するテイラーの態度がどんどんデカくなっていくのはちょっとおもしろかったですね。
「お前、何でそんなに威張ってんだよww」と。
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