パッキャオvsウガス戦他展望。スペンス離脱による代打ウガスどうよ? パッキャオは今回がラストファイトで大統領選に出馬するとか【予想・展望】

パッキャオvsウガス戦他展望。スペンス離脱による代打ウガスどうよ? パッキャオは今回がラストファイトで大統領選に出馬するとか【予想・展望】

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2021年8月21日(日本時間22日)に米・ネバダ州ラスベガスで開催されるPBC興行。WBA世界ウェルター級スーパー王者ヨルデニス・ウガスと同休養王者マニー・パッキャオが対戦する。
 
 
当初この試合はWBC/IBF王者エロール・スペンスJr.にマニー・パッキャオが挑戦する予定だったが、8月9日のメディカル検査でスペンスの網膜裂孔が判明、即手術となったために急遽代役としてヨルデニス・ウガスが抜擢されている。
 
落ちたなパッキャオ…。ウガスに3-0の判定負け。仮に現役続行するなら王座を狙うよりも“生き様を見せる”方向にシフトしていけば
 
また報道によると、42歳のマニー・パッキャオは来年のフィリピン大統領選への出馬を検討しており、この試合がラストファイトになるのでは? とも言われているとか。
 
僕もエロール・スペンスの離脱には少々驚いたが、それ以上に約2年ぶりにリングに上がるパッキャオのコンディションや直前での相手変更など、不確定要素の多さによって試合に対する興味が増している。
 
ただ、今さら過去の試合を漁ってあれこれ述べる時間もないので、今回は両者の戦績を見ながら適当に展望を考えてみようと思う。
 
あとはアンダーカードもおもしろそうなので、そちらもついでに。
 
バージル・オルティスvsカバロウスカスのThis is boxingな一戦。オルティスの若さとカバロウスカスの失速癖で大盛り上がり
 

マーク・マグサヨvsフリオ・セハ(フェザー級12回戦)

勝利予想:マーク・マグサヨ
 
まずはこの試合。
WBCフェザー級4位のマーク・マグサヨと元S・バンタム級王者フリオ・セハによるサバイバルマッチ。
現在22戦全勝15KOのマグサヨはWBC王者ゲイリー・ラッセルJr.のタイトルを狙う選手で、今回の試合も元王者のセハ相手に快勝してアピールしたいところ。
 
と言いつつ、僕はこのマグサヨという選手にいまいちピンときていない。
 
いかつい肩周りや力強いジャブ、全身からみなぎるパワーを前面に出した試合運びが印象的なマグサヨだが、若干正直すぎる気がする。
 
ディフェンスは基本、前後の距離とガードのみ。
特別スピードがあるわけでもなく、一定以上まで近づかないと得意のコンビネーションが出ない。
 
2020年10月のリゴベルト・ヘルモシロ戦での大苦戦などを観ると、まっ正直すぎるというか、やりにくい相手には空回りさせられそうな……。
 
 
だが、今回のフリオ・セハ戦ではそういうことはなさそうかな? とは思う。
 
セハもマグサヨ同様、スピードがある方ではなく射程もマグサヨと似ている。
恐らく中間距離での打ち合いが中心になるのだと思うが、どちらの馬力が上か、コンビネーションの精度で上回るかの勝負になるのだろうと。
 
両者の1発の威力、耐久力が試される試合になりそうだが、何だかんだでマグサヨの馬力がセハをねじ伏せるに一票。
 
マーク・マグサヨvsフリオ・セハ感想。1発のロマンと正面突破な試合運び、脆さが同居する。ダウンを奪われながらも足ピーンの失神KO勝利
 

カルロス・カストロvsオスカル・エスカンドン(フェザー級10回戦)

勝利予想:カルロス・カストロ
 
続いてはこの試合。
S・バンタム級上位ランカーで無敗のカルロス・カストロと元WBA/WBCフェザー級暫定王者オスカル・エスカンドンによるフェザー級10回戦。
 
この試合はWOWOWで中継されるかどうかが微妙なのだが、おもしろそうな対戦ということで。
 
 
カルロス・カストロは現在26戦全勝11KOのオーソドックス。
身長170cm、リーチ178cmとS・バンタム級としては大柄な体格で、個人的に先日ルイス・ネリをKOしたブランドン・フィゲロアよりも強いのでは? と思っている選手である。
 
ルイス・ネリ陥落。フィゲロアとの打ち合いに根負け&ボディを被弾で撃沈。いい試合だったけど何であんなに自信たっぷりだったんだろうな
 
だが、これまではいくら名前を聞いても一向に覚えられず、ずーっと「なんたらカストロ」としか認識していなかったことを報告しておく。
で、今回元王者オスカル・エスカンドンとのマッチメークを知り、ようやく“カルロス”姓が頭に入った次第であるw
 
 
まあでも、今回は普通にカストロの勝ちだろうと思っている。
オスカル・エスカンドンは間違いなくいい選手だが、相性的にも勢い的にもカルロス・カストロの相手にはならない(気がする)。
だいたい中盤くらいでカストロがKOするのではないかと予想しているのだが、どうだろうか。
 
 
申し上げたようにカルロス・カストロはS・バンタム級としては大柄なタイプで、長いリーチと上背を活かしたアウトボクシングを得意とする。
 
絶えず足を動かしてアングルを変え、鋭いジャブで遠間から切り裂くスタイル。
相手が怯めばいきなり右オーバーハンドを被せたり、身体を伸ばしてボディにストレートを打ったりと随所に身体能力の高さも感じさせる。
 
2019年2月のジェネシス・セルバニア戦、前回のセサール・フアレス戦など、射程の短いファイターとの相性はすこぶるいい。
 
で、今回のオスカル・エスカンドンもまさにこのタイプ。
身長156cm、リーチ168cmと小柄な豆タンク体型で、身体を振りながらプレスをかけて近場の連打に巻き込むファイトを基本とする。
 
1発の威力、前に出る圧力はセサール・フアレスよりも上だが、正直カストロに通用するとは思えない。その上、ここ最近KO負けが込んでいることからもダメージの蓄積も顕著。
 
そう考えると、どこかでカストロの打ち下ろしが顔面を捉えそうな……。
序盤はエスカンドンのパワーに押し込まれるシーンがあるかもしれないが、十中八九カストロの勝利は動かない(気がする)。
 
カシメロvsリゴンドーとかいう放送事故。ハリー「こんな競技好きな人がいるんだね」←これは完全に正しいw 別にどっちの勝ちでもいいよ
 
てか、WOWOWさんはこの試合をぜひとも中継してもらいたいんですよね。
ビクター・オルティスvsロバート・ゲレロ戦とかいう、名前ばかりでちっともそそられない試合よりも優先で()
 

マニー・パッキャオvsヨルデニス・ウガス(ウェルター級12回戦)

勝利予想:マニー・パッキャオ
 
そしていよいよメイン。
6階級制覇王者マニー・パッキャオがWBAスーパー王者ヨルデニス・ウガスに挑戦する一戦である。
 
なお、上述の通りパッキャオは来年の大統領選に出馬するべく、この試合がラストファイトになるのでは? と言われている。
 
 
まず王者ウガスについてだが、はっきり言って強いと思う。
 
身長、リーチともに175cmと大柄とまではいかないが、身体のゴツさからもフィジカル強者なのは明らか。割とガチで、馬力だけならエロール・スペンスJr.以上ではないかと思わせるほど。ショーン・ポーターが打ち合いを避けてアウトボクシングに徹したのも理解できる。
 
また、相手が出てきたところにカウンターを被せる当て勘もあり、単なるパワーファイターというわけでもなさそう。
手数が少なく一見すると動きも鈍重だが、ジャブの長さや近場での思い切りのよさ、圧力は文句なしに凄まじい。
 
これはパッキャオもヤバいんじゃねえか? という力強さを感じさせる選手である。
 
 
ただ、勝敗予想をするなら僕はパッキャオを推させていただく
 
2008年12月のオスカー・デラホーヤ戦、2010年10月のアントニオ・マルガリート戦、2013年11月のブランドン・リオス戦、2014年11月のクリス・アルジェリ戦、2016年11月のジェシー・バルガス戦、2018年7月のルーカス・マティセ戦、などなど。
 
過去の戦績を見る限り、パッキャオは“大柄でスピードがない相手”を出入りと連打で翻弄するのがめちゃくちゃ得意
ジェシー・バルガスなどは身長、リーチともに180cmと数字上はウガスよりも大柄だが、パッキャオはまったく問題にせず。12Rを通して見事にアウトボクシングしてみせた。
 
恐らく今回もスピード差を活かした出入りで翻弄しにかかるのだと思うが、それが機能する可能性は高いと思っている。
 
本番直前に相手が変更になったこともそこまで大きな問題とは思わない。スペンスとウガスのスタイルを比較すれば、スペンス用の対策がそのままウガスに適用できそう。
 
カウンターの1発にさえ気をつければ、パッキャオがギリギリポイントアウトするのではないか。
 
パッキャオがマティセを寄せ付けずに9年ぶりKO勝利。僕たちの英雄は世界一強い大統領(予定)。最高にカッチョいいだろ?
 
懸念材料を挙げるとすれば、やはり2年以上のブランクだろうか。
これまでのキャリアでパッキャオが2年以上間隔を開けたことは(たぶん)なく、しかも今のパッキャオは42歳の大ベテランである。
前回に比べて動きが落ちていてもまったく不思議はないし、もしかしたら中盤以降にガクッとスタミナ切れを起こすかもしれない。
 
と言いつつ、それも大丈夫じゃないの? と思っていたりする。
2年以上のブランクといっても40歳から42歳はそこまで体調に変化があるとは思えない。
33歳→35歳は肉体的な変化が大きい印象だが、40〜44歳に関しては比較的劣化が少ない気がする(僕が勝手にそう思っている)。
 
この2年、パッキャオがしっかりと節制できていれば、前回のキース・サーマン戦と同じくらいのコンディションでリングに上がることは可能ではないかと。
 
 
というわけで、希望も含めてパッキャオの判定勝利を予想しておく(がんがれパッキャオ)。
 
なお、当日のパッキャオがジェフ・ホーン戦くらいの仕上がりだった場合は結構ヤバいっす。
 
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