野杁正明とKANAがONE初勝利&3月の日本大会(ONE 172)でのタイトルマッチ決定。野杁の相手は得意なタイプだった。KANAは前回の反省を踏まえた工夫が見られた【結果・感想】

野杁正明とKANAがONE初勝利&3月の日本大会(ONE 172)でのタイトルマッチ決定。野杁の相手は得意なタイプだった。KANAは前回の反省を踏まえた工夫が見られた【結果・感想】

2025年3月23日にさいたまスーパーアリーナで予定されているONE 172日本大会。
メインの武尊vsロッタン・ジットムアンノン戦を筆頭に注目試合が多数組まれているわけだが。


今回はそれに伴い(?)、出場が発表されている野杁正明とKANAの直近の試合について。
 
両者ともにONE初勝利を挙げ、3月大会でのタイトル挑戦が決まったとのこと。
これに関しては「え? いきなりタイトルマッチ?」と思ったが、まあ日本大会だし武尊vsロッタンだしさいたまスーパーアリーナだしね。
運営側も目いっぱいサービスするつもりなのだろうと。
 
武尊vsロッタン現地観戦。武尊の“終わり”を明確に感じたよ。ロッタンが絶好調だったとはいえ武尊がああいう負け方をするとは。やっぱりK-1に長く居すぎたよな
 

○野杁正明vsシャーキル・タクレティ×(2R14秒TKO)

まずはコレ。
ONE2連敗と苦戦中だった野杁正明が3戦目で会心の勝利を挙げた一戦。
本人もホッとしただろうし、僕も結果を聞いて(リアルタイム視聴はしてない)「やったぜ!!」と思った。
 
相手のシャーキル・タクレティはONE1勝1敗の選手で身長186cmとめちゃくちゃ上背がある。
僕はこの選手の情報をまったく知らずにフェイスオフを観て「野杁またヤバいかも」と思ったことをお伝えする。


ONEでの2戦(+海人戦)を観る限り野杁にとっての70kg(ONEでは70.3kg)はやや適性を超えている。
 
ガードを上げて圧力をかける野杁のファイトは相手が大きくなればなるだけ機能しにくくなる。
前回のリウ・メンヤンなどは明らかにそれをわかった上で“前”で勝負してきた。
 
野杁の持ち味を出させないためにはとにかく前に出る、下がらないことが重要。
腕の伸びる位置、ローが蹴れる位置で対峙しないこと。そのためには体格差で押し潰すのがもっとも有効になる。
 
覆いかぶさるように距離を詰め、打ち下ろしや膝で強引に下がらせる。
近場で打ち合えば多少の被弾は仕方ない。極論、ボディや膝は根性で耐えればいい。
 
リウ・メンヤンの立ち回りによって野杁対策が確立されたと言えるのではないか。
 
野杁正明、KANAともに完敗。メクセンに実力負けのKANAと野杁対策を徹底したリウ・メンヤン。野杁は今後厳しそう…
 
なので、上背のあるシャーキル・タクレティを観た瞬間に「あ、これはヤバい」と。
また同じパターンで糞詰まりを起こされるのでは? と思った次第である。
 

タクレティは野杁にとってやりやすいタイプだった。タワンチャイは正直厳しい気がするけど…

だがシャーキル・タクレティはリウ・メンヤンのような極端な立ち回りはせず、どちらかと言えば距離を取って勝負してきた。
 
前に出て圧力を封じるのではなく足を使って遠い位置から削るスタイル。
 
恐らくこれは野杁がもっとも得意とするタイプ。
ローをカットしながらジリジリ追いかけカーフ、ローでダメージを与える。
距離が詰まったところでボディ、顔面へのコンビネーション。1発で意識を飛ばすというよりダメージを蓄積させて嫌倒れさせるいつもの勝ちパターンである。
 
離れた位置からの飛び膝やケージ(ロープ)に詰められた際の脆さ、などなど。
何となくシャーキル・タクレティは安保瑠輝也に少し似ていた気がする。
パンチのバリエーションは安保の方が上だと思うので、野杁にとってタクレティは比較的やりやすい相手だったのではないか。
 
 
 
そしてタワンチャイ・PK・センチャイとのタイトルマッチは……。
 
正直、相当厳しいように思える。

野杁の戦術はいつも通りだと思うが、シッティチャイ戦同様前蹴りとミドルで出足を止められる→離れた位置でスピード差を見せつけられそうな……。
 
野杁正明vsシッティチャイ。「野杁ですらこうなっちゃうのか」とオモタ。キックボクサーとしての奥深さ、経験値の違いを感じたよ
 
ローとカーフ、ボディでダウンを奪えればもしかしたら、という感じか。
 

○KANAvsモア・カールソン×(判定3-0)

続いてはコレ。
元K-1フライ級王者KANAがONE Friday Fights 92でモア・カールソと対戦、3-0の判定勝利を挙げた試合である。
 
感想としては、KANAの工夫が際立ったなぁと。
 
K-1時代のKANAは基本的にまっすぐ前に出て打ち合うファイターという印象。
 
前後に小刻みに動きながら近づく→ローで削りながら近場の打ち合いに巻き込む。
1発の威力、カウンターの精度が高く流れの中でそれを出せるのが特徴。
ただ、相手の正面に立ってまともに打ち合うため相応に被弾もする。

 
打たれながら打つ、馬力と精度の両立でねじ伏せる剛腕スタイル。
どなたかがKANAのことを“女子版武尊”とおっしゃっていたが、まさにそんな感じである。
 
 
ただ前回のアニッサ・メクセン戦ではその打ち合うファイトをうまくいなされた。
前後左右に動きながら連打を出すメクセンに置いてきぼりを食い、ハンドスピードでも遅れを取った。

明確に効かされたシーンこそなかったものの、内容自体は完敗と言っていい。
 
 
それを踏まえてこの試合では横の動きと距離を意識していた。
 
クレベル・コイケvsシェイドゥラエフにテンション爆上がり。こういう試合があるからRIZINは目が離せない笑 その他白川陸斗、鶴屋怜の感想を…
 
小刻みなリズムにサイドへの動きを加えて微妙にアングルを変える。
距離が詰まってもすぐには連打にいかず、ローや単発中心に間合いを調整する。
頻繁なスイッチを入れつつ射程を外さないギリギリの距離をキープ。
横の動きに翻弄された前回の反省が随所に見られる立ち回りだった。
 
モア・カールソンもフットワークが持ち味の選手だが、メクセンほどの連打はない。おかげで打ち合いの局面でスピード負けすることなくうまくポイントを奪取できた(と思う)。
 
ONEではああいうハイテンポなファイターが主流なのか、たまたまそういう相手が続いたのかは不明だが、 KANAは割とスムーズにONE仕様への切り替えが進んでいるのではないか。
 
武尊vsロッタン現地観戦。武尊の“終わり”を明確に感じたよ。ロッタンが絶好調だったとはいえ武尊がああいう負け方をするとは。やっぱりK-1に長く居すぎたよな
 

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ペッディージャー強いわw メクセン戦でのファイトがKANAの上位互換みたいだった

今回の勝利でKANAは3月の日本大会での王者ペッディージャー・オーミークン戦が決まったわけだが。


当然僕はペッディージャーを知らず、軽く過去の映像を漁ってみたところ……。
 
いや、強いなコイツ笑
しかもKANAが完敗したメクセンに勝利している。
 
ファイトスタイルはズンズン前に出て腕を強振する攻撃型。KANAの上位互換というイメージである。
 
メクセン戦での勝ち方もまさにそんな感じ。
足を使うメクセンに圧力をかけて強引に打ち合いに巻き込む、近場で糞詰まりを起こさせてコンパクトな打撃を当てていく。
KANAがやりたかった試合運びをそのまま再現していた。
 
クマンドーイが負けただと!? 田丸辰の力強さが段違い。過去の試合で感じた頼りなさは皆無だった。53~55kgはクマンドーイを中心に群雄割拠が進む?
 
KANAにとってはかなり厳しい試合になると思うが、少なくとも噛み合う相手ではある。
メクセン戦のようにヒラヒラとスカされる試合にはならないと予想する。
 
打ち合いの中で右のカウンターが当たればひょっとして……。
 
 
野杁正明vsタワンチャイ戦と似たようなことを言っているが、要するに彼らが上がるのはそういう舞台なんでしょうね。
 

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